褒めまくる映画伝道師のブログ

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気に入った映画を紹介して褒めまくることがコンセプトです。
素晴らしい映画を将来のために伝えたい想いで紹介します。

 

               

 タイトルのキー・ラーゴって意味は何だと思っていたら島の名前。小さな島を舞台に、ハンフリー・ボガートが出くわしたギャング達と戦うサスペンス映画だ。それにしても、ちょっとした用事で寄った島のホテルがギャングの巣窟になっていたという運の悪さに笑ってしまいそうになったが、ボガートの男らしさがギャング達を逆撫でしてサスペンスを無理矢理盛り上げるから、最後まで楽しく見れた。

 

 早速だがストーリーの紹介を。

 アメリカ南部のフロリダ州、メキシコ湾を臨む群島のキー・ラーゴ島において。退役した元少佐であるフランク(ハンフリー・ボガート)は、戦死した部下の遺族に会うためにキー・ラーゴ島にあるホテルにやってくる。

 遺族に会うことは出来たものの何だかいかがわしい奴らがいた。実はこいつらは国外追放までされている大悪党のギャングであるロッコ(エドワード・G・ロビンソン)とその部下達。この場所で夜に大金の受け渡しがあるのだ。

 ロッコの正体に気づいたフランクだが、人質にされてしまう。そんな中でハリケーンが発生。早く大金を受け取って、海外へ持ち逃げしたいロッコ達は苛立ちから、暴力的になっていき・・・!

 

 エドワード・G・ロビンソンの悪役が怖いし、クズっぷりを見せてくれる。腹が立つと拳銃で人殺しも厭わない。そんな中で戦争で人生を達観してみているハンフリー・ボガートが流石だ。すぐに拳銃をちらつかせるギャングどもを相手にしても、困ったふりをしてみせるが、全く逃げるそぶりを見せない。ボギー(ハンフリー・ボガートの愛称)は常に観ている我々に男の美学を教えてくれる。正反対の者同士の対決は駆け引きを踏まえて面白いし、大悪党のギャングのロッコだが、ハリケーンの威力に臆病なところを見せるのだが、それによって凶暴になっていくのもサスペンスを盛り上げる。

 それにしてもキー・ラーゴという場所だが、くそ暑いし、ハリケーンはやってくるし最悪の環境。よくこんなところで住んでいる人がいるなと思えたり、こんな環境の所を隠れ家にするとは極悪人どもは余程のアホなのか、舞台設定もサスペンスを盛り上げるのに一役買っている。流石は地名がタイトル名になるだけのことがあると、どうでも良いところに思わず納得してしまった。

 昔の手の込んでいない理解しやすいサスペンス映画が観たい人に今回はキー・ラーゴをお勧めに挙げておこう!

 

 監督はジョン・ヒューストン。今回と同じくハンフリー・ボガートとのコンビを組んだ作品に良品があり、黄金、マルタの鷹の2作品はお勧め。他にもアスファルト・ジャングルや女と男の名誉がお勧め!

 

 

 

 

 

 

 

              

 俺は満員電車の中ではいつも吊り革を両手で何時も掴むようにしている。そうでもしないと、俺は全く何もしていないのに女の人が「あの人に触られました」と言われただけで俺は周囲から痴漢扱いされるだろう。そうやって勝手に俺は偏見の目で見られてしまうことになる。そんな恐ろしさを描いているのが、今回紹介する映画噂の二人。

 しかも、本作が撮られた頃は同性愛というものに対して、まるで理解がなく病人扱い。かつては、ハリウッドでもあの大スターは同性愛者であり、もしもバレたら仕事を一気に無くしてしまうので隠して仕事をしていた。

 

 そんな時代背景だと言うことを理解したうえでストーリーの紹介を。

 共同で女学校を経営していたカレン(オードリー・ヘップバーン)とマーサー(シャーリー・マクレーン)は高校時代からの仲の良い友達同士。ようやく経営も順調な波に乗り出すが、カレンにはジョー(ジェームズ・ガーナー)という婚約者がおり、その話を聞いたマーサーは学校の方の経営が不安になり、カレント口論する。

 しかし、女学校の仲にはカレンのことをよく思っていない生徒が、彼女とマーサーは同性愛者であると噂を立てる。その噂は瞬く間に広がり、学校を辞めていく生徒が後を絶たずに、二人は苦境に立たされるのだが・・・!

 

 いや~、本当に偏見とは恐ろしい。また勝手に変な空気を作り出すことも簡単なことを。それにしても本作では悪い少女が登場するが、子供なだけに立ちが悪い。ここまで計算高い悪い少女がいるのかね。

 オードリー・ヘップバーンとシャーリー・マクレーンのダブル主演だが、ローマの休日でしかオードリー・ヘップバーンを観たことがない人は、彼女のシリアスな演技に驚くだろう。ラストシーンなんかは、女優としての貫禄すら感じさせられた。

 それにしても怖い映画。偏見もそうだが、群集心理の恐ろしさ。生徒の親御の中に、誰か反対の立場の人間はいなかったのか?と思わさせられる。このような映画を観ると少数意見の大切さがよくわかるし、マイノリティに属する者のことを馬鹿にすることの愚かさを感じる。ヒューマニズムな映画を好む人には、今回は噂の二人をお勧めに挙げておこう!

 

 監督はウィリアム・ワイラー。巨匠中の巨匠であり、あらゆる分野において傑作を遺した。西部劇では大いなる西部、ロマンティックコメディではローマの休日、文芸小説では嵐が丘、サスペンスでは探偵物語や必死の逃亡者、歴史劇大作はベン・ハー、反戦映画我らの生涯の最良の年などお勧めを挙げていけば、キリがないぐらいです。

 

 

 

                   

 日本は狭い国だが、しかし場所によって趣が異なり、自然がまるで違う。そんなことを実感させてくれるのが今回紹介する映画喜びも悲しみも幾歳月。基本は夫婦の戦前から前後に渡っての25年間を描いた作品だが、旦那の仕事というのが、海の安全を守るための灯台守。それを嫁さんも付きっきりで手伝っているのだが、この夫婦の絆を描いている。

 25年間も夫婦をしているとそりゃ~タイトル通りのことになる。喜びも悲しみもあり、それこそが人生。良き夫婦といえども嬉しいことばかりがあるわけがない。

 

 早速だがストーリーの紹介を。

 1932年昭和7年のこと。新婚である灯台守の有沢四郎(佐田啓二)と妻のきよ子(高峰秀子)は神奈川県の観音埼灯台で暮らし始める。しかし、すぐに転勤があり北海道の石狩灯台へ、そこで2人の娘と息子を授かる。しかし、今度は北海道から九州の長崎県の五島列島の女島灯台で暮らすことになる。だが、そこは孤島で何もなく、今まで喧嘩もしなかった有沢夫妻だが、ストレスが溜まったせいか、2人は別居してしまい・・・!

 

 灯台守という仕事が大変で転勤がメチャクチャ多い。当時の船で北海道から九州への転勤には驚いた。なんせ色々な場所へ転勤で飛ばされるのだが、まるで日本のロードムービーを見ている雰囲気がある。アメリカのロードムービーで見られる風景とは、また違った日本の風景を感じることができる。

 戦前から戦後にかけてを描いているだけに、反戦的メッセージも込められている。それに歌を歌うシーンが多いのも、日本の巨匠木下恵介監督らしさが存分に出ている。

 本作を観ると両親に親孝行をしなくちゃと思えたし、人によってはもっと親孝行すれば良かったと後悔する人もいるだろう。父親と母親の子供に対する考え方も胸を打つようなシーンがあったりで、少しばかり考えさせられた。基本的に元気を出したいと思うときに観るような映画ではないが、なかなかの気合いの入った力作だと言えるだろう。

 しかし、個人的な印象は灯台守という仕事の転勤の多さ。また、それも転勤のさせられ方が遠方なだけに、とにかく気の毒に思える。そんな転勤にも文句一つ言わずに従う姿勢は職務を全うしようとする男の責任感を感じれるし、妻も文句一つ言わずに付いていくシーンに女性の強さを感じさせる。今の世の中は、夫婦の絆をぶっ壊そうとするような個人崇拝主義みたいなことを考えている左翼主義者がいるが、古き良き時代の夫婦の姿を見ることができると言うことで、今回は喜びも悲しみも幾歳月をお勧めに挙げておこう!

 

 監督は前述したとおり木下恵介。今年になってからこの監督の映画を見出したのだが、なかなか実験精神旺盛な作品を撮る。お勧めとしての二十四の瞳、野菊の如き君なりき、善魔、カルメン故郷に帰る、永遠の人、女の園等。

 

 

 

                 映画 上海特急

 見知らぬ男女が出会って何時の間にか恋に落ちる、といったようなスクリューボールコメディといわれるロマンチックコメディの分野がハリウッドでは1930年代から1940年代にかけて流行ったのだが、今回紹介する映画上海特急はまさにスクリューボールコメディが流行っていた時期に、ちょっと真逆の趣を感じさせるストーリー。監督が現在のオーストリア生まれであることが影響されているのか、笑いはないし、期待させるような豪快さもない。

 しかし、1930年代を代表するドイツ人女優のマレーネ・ディートリッヒだが、まさにこの人の魅力やオーラみたいな物が輝いている。俺が観た彼女の映画の中では本作が最も輝いて見えた。

 

 それでは、早速だがストーリーの紹介を。

 内乱真っ只中の中国において、世界中から人々が集まってきている。北京発の上海行きの列車に英国陸軍のハーヴェイ外科医(クライヴ・ブルック)が乗り込むが、そこへ中国では超有名の放蕩女である通称上海リリーと呼ばれる女(マレーネ・ディートリッヒ)が乗り込んできた。

 実はハーヴェイと上海リリーは5年以上出会っていなかったのだが、かつては愛し合った仲であった。しかし、今や淫売に身を落としている上海リリーとハーヴェイが仲を取り戻すのは難しいと思われた。

 上海へ向かう途中で列車が反乱軍によって止められる事態が発生。身代わりとしてハーヴェイが捕まってしまうことになるのだが、反乱軍のリーダーに目を付けられた上海リリーは、俺の女にならなければハーヴェイをボコボコにするぞと脅され、それを真に受けた上海リリーはハーヴェイを愛するが故に反乱軍のリーダーに従おうとするのだが・・・!

 

 5年以上を経てもウジウジと彼女のことを想い続ける男の気持ちが俺にはよくわかる。仕方なく彼女の元を去らざるをえなかったのだが、運命のいたずらか5年以上を経てまさか、こんな列車の中で再会してしまうとは。すっかり身を持ち崩してしまったマレーネ・ディートリッヒだったが、5年も経てば容姿はボロボロかと思いきや、さらに妖艶さを増しているのだから、男の方にしたら嬉しくてたまらないはず。しかし、激動の中国は外国人に対しても厳しい波が打ち寄せる。ゆったりと列車に乗っていても、思い出話も呑気にしてられない試練が襲いかかる。

 本作を観ると女性の意地と強さを感じさせる。ストーリーそのものよりも、美貌と気の強さを兼ね備えたドストライクのタイプの女性をウットリしながら見るのが本作の正しい鑑賞方法だろう。何はともあれ、偉大なる女優であるマレーネ・ディートリッヒを知らないという人には、今回は上海特急をお勧めに挙げておこう!

 

 監督はジョセフ・フォン・スタンバーグ。この監督はマレーネ・ディートリッヒの良さをよく知っているようで、彼女とのコンビ作で名作を連発。彼女と組んだ間諜X27、モロッコ、嘆きの天使とどれも名作にしてお勧め。

 

 

 

 

 

                 映画 シェーン

 不器用な男達が己のプライドを賭けて愛する家族を守ることを教えてくれたのが西部劇。その中でも今回紹介する映画シェーンは、そんなことを教えてくれるうってつけの映画。特に西部劇を背景としているアメリカの時代の人々は土地に対する愛着が強い。土地に家を建てて、牛を飼い、水を引っ張ってくる。そして、家族とその土地で住み、襲ってくる敵からは銃を手にして守るわけだ。

 実は本作の主人公であるシェーン(アラン・ラッド)は、よそ者であり、遠くからふらっと馬に乗って現われてくる。この登場シーンが格好良い。最初から名シーンだが、名作は最初が重要だということがよくわかる。

 

 それでは、ついつい争いごとにシェーンがクビを突っ込んでしまうことになるストーリーの紹介を。

 南北戦争直後のワイオミング州において。入植者であるライカ一達と、開拓者であるジョー(ヴァン・ヘフリン)は土地争いで揉めていた。そんな争い事も知らずにやってきたのが、シェーン(アラン・ラッド)。最初こそシェーンは、ジョーから変な目で見られていたが、けっこう使える奴だとわかって、ジョーはシェーンを自分の家に住ます。ジョーには妻のマリアン(ジーン・アーサー)や息子のジョーイがいたのだが、彼らもシェーンのことを気に入っていた。

 ライカー達の嫌がらせは酷くなっていき、開拓者の中には土地を捨ててこの場所を逃げようとする者も現われてくるのだが、何とかジョーは彼らを抑えようとする。そこへライカー達は助っ人として早撃ちのジョー(ジャック・パランス)を呼び寄せる。そのことを聞きつけたシェーンは、このままではジョー達が危険だと察知し、自らが対決の場に独りで向かって行くのだ・・・!

 

 本作を観ていて思ったのだが、黒澤明監督の「用心棒」はかなり本作からインスパイアされていることがわかった。それはさておき、最初は本当に強いのか弱いのかはっきりしないシェーンだったが、ぶた野郎と呼ばれてからは男の血が騒ぎ殴り合いに発展。どうもシェーンは常は拳銃を持たないようにしているので、激しい殴り合いのシーンが多い。だいぶ激しい暴力的な殴り合いがあるので、小さい子供に見せるのは良くないとアドバイスしておこう。

 シェーンはいつもは自分の銃を持たないようにしているのだが、どうやら過去に銃で人を殺害しているガンマン。彼はそれを隠していたのだが、いよいよ持ってそんなことを言ってられない状況になってくる。早撃ちのジョーが来てからは、開拓者の側にも死人がでてくるわ、嫌がらせがますますエスカレート。開拓者の中には土地を捨てて移住しようとする者も出てくるが、ここでシェーンが放つ言葉が格好良い。土地を守るのが男の役目だろうとか、他にも色々良いことを言っている。

 そして、ほのかにシェーンはマリアンを好きでいたのだが、拳銃を持たざるを得なくなっては未練も断ち切る。常に誰かに追いかけられるガンマンの宿命の悲哀が伝わってくる。俺みたいに女に振られたぐらいでクヨクヨしているのと、大きな違いだ。

 ワイオミングの山の美しさを背景に、人間同士の醜い争い、十字架を背負って生きる運命の厳しさ、家族を守らなければならない男の責任感、女性の優しさ、子供に見せるべき大人の手本などが一挙に学べてしまう映画シェーンを今回はお勧めに挙げておこう!

 

 監督はジョージ・スティーヴンス。けっこう色々なジャンルを撮るイメージがある。ホームドラマの名作ママの想い出、アメリカの陰を描いた陽の当たる場所、ジェームズ・ディーンが助演に回っての野心的な男を演じるジャイアンツなどがお勧め!

 

 

 

                    映画 しゃ

 映画界には名コンビというものがある。例えば古いところだとジョン・フォード監督とジョン・ウェインのコンビ、そして黒澤明監督と三船敏郎のコンビ(どちらも古すぎるか!)。そして、比較的最近だとティム・バートン監督とジョニー・デップの組み合わせは多いし、今回初回する映画シャッター・アイランドは正真正銘の実力派同士によるマーティン・スコセッシ監督とレオナルド・ディカプリオによるコンビだ。しかしながら、このコンビが本当にどれだけ組んだのか今調べたら、6本。そのうち本作は4番目にあたる。さぞかし、馬が合うからヒット作、傑作ばかりかと思いきや、それほどでもないというのが個人的な感想。

 さて、ミステリー色の強い本作はこのコンビの傑作となりえたのだろうか?

 

 それではネタバレ厳禁なタイプなので軽くストーリーを紹介しよう。

 1954年、連邦保安官のテディ(レオナルド・ディカプリオ)は部下のチャック(マーク・ラファエロ)を連れて、ボストンから離れた孤島であり精神病棟が建てられてるシャッター・アイランドに乗り込む。この孤島から女性が1人消えたというのだ。

 ところが所長の医師であるジョン(ベン・キングズレー)を始め、みんな捜査に対して非協力的。迷宮入りかと思われたところへ、ひょっこりと探していた女レイチェル(エミリー・モーティマー)が現われる。ところが、この島に多くの謎がありすぎることから、どんどん捜査にはまり込むテディだったが・・・!

 

 わけのわからない暗号やメッセージが散りばめられ、ディカプリオだけでなく観ている側も混乱してくる。この辺のミステリーの見せ方は、流石は巨匠マーティン・スコセッシといったところ。怖さや狂気を感じさせるし、ますます謎が深まる。

 実は今回観るのは2回目で、初めて観たのが公開されたときだから15年振りに本作を観ることになったのだが、面白かったけれど、自分自身の理解力や記憶力(というよりも暗記力)などが悪いために今回も伏線を回収しきれなかった感じがする。まさか、これだけの巨匠の落ち度で伏線を回収し忘れていたところがあった、なんてそんな失敗を犯すはずがあるまい。

 観る方の知識として、今は精神的疾患といえば薬が当たり前だったが、昔は違うと言うこと。この点を頭に入れて置いた方が良いだろう。個人的には気楽に観れる映画ではないが、この監督のファンならば安心して観れる。ディカプリオのファンはちょっと微妙か?それでもミステリーとしては、かなりの出来栄えであり失敗作品ではない。俺もこの後の5年間の間にもう一回ぐらい観たいと思わせられる。よって今回はシャッター・アイランドをお勧めに挙げておこう!

 

 監督は前述した通りマーティン・スコセッシ。以前は狂気が充満していた傑作を連発していた。アフター・アワーズ、キング・オブ・コメディ、タクシー・ドライバー、レイジング・ブルをお勧めに挙げておこう!

 

 

 

 

 

                      映画 摩天楼を夢みて

 アメリカは弱肉強食の資本主義社会。きれい事を言っているだけでは生き残れない。それだけに激しい競争社会が繰り広げられるのだが、それは一緒の会社に勤めるサラーリーマンも同じこと。そんなサラリーマン達の悲哀を感じさせる映画が今回紹介する摩天楼を夢みてだ。元々は舞台劇なので、主にこじんまりとした場所で色々なやりとりが繰り広げられるのだが、キャスト陣が凄い。アル・パチーノ、ジャック・レモン、アレック・ボールドウィン、エド・ハリス等、更に実力派の有名どころが出演している。この映画はキャスト陣のギャラで制作費の90パーセントを占めているんじゃないか。

 

 セールスマン達のなりふり構わず邁進する姿を見ることが出来るストーリーの紹介を。

 ニューヨークの不動産会社において、雨が降り続く夜になってもセールスマン達は顧客に土地や物件を売ろうと必死になっている。そんなときに本社から幹部のブレイク(アレック・ボールドウィン)がやってくる。営業成績トップのローマ(アル・パチーノ)は向かいの酒場で飲んでいるが、それ以外のセールスマン達は何事かと会社に集まる。そこでブレイクの言葉から発せられたのが、営業成績の3位以下の者はクビにするということ。しかも、もう夜が遅くなってもこれから動き出せと命令する始末。

 余裕綽々のローマ以外のセールスマン達は己のクビをかけて、支店長であるウィリアムソン(ケヴィン・スペイシー)から渡される顧客リストを当たって、夜も問わずに顧客と連絡しようとする。

 ところが、翌日ローマが会社に出社すると警察騒ぎになっている。会社で顧客リストを巡っての盗難事件が起こっていたのだが・・・!

 

 支店長がセールスマンに渡す顧客リストにも優秀なお客も居れば、最初からこのお客は無理だろうというリストもある。優秀なリストは全てローマの所に行ってしまい、営業不振にあえぎ、娘が入院しているレーヴィン(ジャック・レモン)のところにはロクな顧客リストは行かない。それでも娘の入院費を稼がないといけないレーヴィンは、ブレイクに賄賂を渡して金になる顧客リストを得ようとする。他にも悪企みをするモス(エド・ハリス)や一癖も二癖もあるセールスマン達ばかりだ。

 このセールスマン達のクビが掛かってからの、モラルをも振り切り、なりふり構わず仕事を取りに行こうとするシーンは、さすがはアメリカ。バリバリの資本主義社会のおぞましさを見ることができる。

 日本でも営業不振にあえいでいるセールスマンが本作を見ると我が事のように思うだろう。しかし、本作に登場するセールスマンもどうしようも無ければ、現場に出向かない幹部の連中のやり方も汚い。まあ、スリリングな展開を期待してはいけないが、厳しい弱肉強食でなりふりかまってられないアメリカ社会の縮図が描かれている摩天楼を夢みてをお勧めに挙げておこう!

 

 監督はジェームズ・フォーリー。実は殆ど知らない監督さん。お勧めがあれば逆に教えてほしいです。

 

 

 

                   映画 狩人の夜

 古い映画を観る楽しみとして、この映画はそういえば最近の映画に影響を与えているな、なんて思わせてくれることが挙げられる。今回紹介する映画狩人の夜がまさにそのそのような作品。ちなみに本作は公開当時はヒットもせず批評家からの評判も良くなかったようだが、そりゃ~そうだ。こんな怖いサスペンスが当時に流行るはずがない。今だからこそ本作が見直されるべき作品であり、前述したとおり本作から影響を受けている作品が多い。

 だいたいサイコパスが主人公の映画は、やはりこの時代のアメリカ映画には受けない。時代の流れに本作が追いついてきた印象がある。

 

 さて、おそらく当時は珍しいサイコパスの執念が恐ろしくなるストーリーの紹介を。

 大不況のアメリカにおいて。まだ幼い男の子ジョンと女の子のパールが遊んでいたところへ、父のベン(ピーター・グレイヴス)がやってくる。なんと父親のベンは強盗殺人を犯して1万ドルをぶんどってきて、息子のジョンに「警察に追われているから、早くこの金を隠せ」と言う。

 そこへ警察がきてベンは息子達の前で逮捕、そして同時進行で婦人を殺害しまくっている偽宣教師であるハリー(ロバート・ミッチャム)が映画を観ている所を警察から駐車違反で逮捕される。

 ベンとハリーは同じ刑務所の部屋で過ごすことになるが、ベンは寝言を言ってしまい、感の鋭いハリーはベンの家のどこかに大金が隠されていることを勘づく。

 そして、ベンは絞首刑になり、ハリーは刑務所から出てくると同時にベンの家に向かう。ハリーは人の良い宣教師になりきり、ベンの妻であるウィラ(シェリー・ウィンタース)と結婚し、パールにも好かれるようになる。しかし、ジョンは彼のことを怪しい目で見ていた。

 最初こそ近所の人からも良き人に見せていたハリーだったが、いよいよ本性を表してきた。まずは新婚初夜でウィラをいつものように殺害し、車ごと近くの川に投げ捨て、そしてジョンとパールに隠している大金の在りかを強引に聞き出そうとする。

 一瞬の隙を見つけてジョンとパールの兄妹はその場を逃げるのだが、ハリーは執拗に追いかけてくる・・・!

 

 サイコパスであるロバート・ミッチャム演じるハリーが非常に個性的。右手にはLOVE(愛)と書かれているが、左手にHATE(憎しみ)と書かれている。常に神様と呼びかけているように偽宣教師であるが、その信仰は本物だが間違った方向へゆがんでいる。本作は宗教的示唆が多く、宗教に関連した歌も流れる。また、ハリーと他の善人が同じ宗教の歌を歌うシーンが出てくるが、信仰が篤いだけで人間の善悪は決まらないと言うことがわかる。むしろハリーは悪魔の使いなのか?

 そして、本作のハイライトであるジョンとパールの幼い兄妹が船で河を下って逃亡するシーン。特に夜のシーンで蛙やウサギなどが見送っているかのように登場したりするのが、どこか寓話的な感じがする綺麗で印象的なシーンだ。しかし、そんな綺麗さなんか関係なくハリーがとことん追いかけてくる。

 そしてジョンとパールは果たして逃げ切れるのか、それともハリーの餌食になって大金を奪われるのか?父のベンとの約束を絶対に守ろうとするジョン。彼の男同士の約束は悪魔のようなハリーとの戦いに打ち勝つことができるのか。

 しかし、そこへ救世主として現れるのが善人代表であり信仰に篤いリリアン・ギッシュというのが当時として憎い設定。このリリアン・ギッシュだが本作ではおばあちゃんぐらいの年齢で慈善活動のようなことをしている役なのだが、この人はサイレント時代から子役で活躍していた女優さん。サイレント映画の名作である「国民の創生」や「イントレランス」と言った名作に出演している。

 少し脱線したが、実はこの映画の最後の方に考えさせられる場面が出てくる。サイコパスであり12人?の婦人を殺害してきたハリーに対して群衆が集まって暴動すれすれまで発展する。そして死刑執行人がベンを執行するときは、「あまり気持ちの良いものではないな」と言いながら、ハリーに対しては真逆のことを言って死刑執行することを喜んでいるかの様子。

 群集心理の怖さを思い知らされるシーンを持ってくる当たりもこの映画の奥の深さを感じさせる。そして本作はマーティン・スコセッシ、スパイク・リー、デヴィッド・フィンチャー、ギレルモ・デル・トロと言った現在の巨匠監督に影響を与えていることがわかる。

 何はともあれサスペンス映画として面白いし、色々と考えさせられるし、希だと思うがリリアン・ギッシュという女優の名前を聞いて心が躍る人はメチャクチャ楽しめるだろう。古典的サスペンス映画の傑作として今回は狩人の夜をお勧めに挙げておこう!

 

 監督はチャールズ・ロートン。本作しか監督としては作品がありませんが、実は色々な名作に出演している名優。例えばビリー・ワイルダー監督の情婦における弁護士役は印象深い。その他にも大時計、そしてスパルタカスにも出演している名優です!

 

 

 

                   映画 あかい

 俺は西部劇が好きなんだが、もう今では殆ど西部劇を観ることができない。西部劇を観て映画の面白さを知った俺にとっては何ともやるせない気持ちだ。そんなわけでも無いが、今回紹介する映画赤い河はまさに西部劇の醍醐味が詰まっている。なんせ西部劇には欠かせない男であるハリウッドの大スターであるジョン・ウェインが鬼の形相で演じる姿に凄みを感じさせる。この男の独裁者のごとくの振る舞いに待ったをかけるのが、当時新鋭の今や伝説的なスターであるモンゴメリー・クリフト。この二人の出演者だけでも古き良きハリウッドの懐かしさを感じさせる。

 

 1万頭の牛が大移動する凄さを思い知らされるストーリーの紹介を。

 いつか大農場を持ちたいと思ったダンスン(ジョン・ウェイン)とグルート(ウォルター・ブレナン)、そしてダンスンの義理の息子にしたマシュー(モンゴメリー・クリフト)はテキサス州に大農場を持つことに成功。しかし、南北戦争のあおりを食って牛が売れなくなって不景気になってしまう。

 そしてダンスンは他の牧童を集めて、1万頭の牛を売るために1600㎞先のミズリー州への大移動を敢行しようとする。しかし、厳しい自然や食料不足が重なり、ダンスンの専横振りに耐えられなくなった者が出てきたりで、次第にダンスンは次第に苛立ちを募らせる。そんなときに脱走する者を縛り首の処刑にしようとするダンスンに対して、マシューは反乱を起こす。

 マシュー達は負傷を負ったダンスンを一人残し、ミズリーでは無くカンザスへ向かう。しかし、マシューたちの行き先には、インディアンが待ち構え、そして後方からはマシューに怒りを持ってしまったダンスンが彼を殺そうと追いかけてくる・・・!

 

 本作は見所がたくさんあるが、1万頭の牛の大移動のシーンが挙げられる。実際に1万頭もの牛が撮影に使われたのか知らないが、大移動するシーンは圧巻。しかも、この牛たちが大暴走するシーンはもの凄いシーンになっている。今なら簡単に撮れるのかもしれないが、当時を考えると凄いシーンを見せつける。河を1万頭の牛が渡るシーンも凄い。とにかく人間よりも牛の大行進に驚ける作品だ。

 そして、あまりにもの独裁者振りが目立って1人で取り残されたダンスン(ジョン・ウェイン)の執念。その影に怯えながらもダンスンに立ち向かうマシュー(モンゴメリー・クリフト)。この2人の対決がラストシーンであるが、気持ち良いところに落としてくれるのが良い。そして、男顔負けの気の強い女性も出てくる。撃ち合い、インディアンの襲撃、不器用な男たち、強気な女性、そして若者の成長と西部劇の醍醐味が本当に詰まっている作品。古き良きハリウッドの西部劇の復活を心から願っている俺の希望もあり、今回は赤い河をお勧めに挙げておこう!

 

 監督はハワード・ホークス。豪快な映画も撮るがコメディにも傑作が多い。同じくジョン・ウェイン主演の西部劇リオ・ブラボー、飛行機に命をかける男たちを描いたコンドル、コメディでは赤ちゃん教育、ヒズ・ガール・フライデー、ハンフリー・ボガードが格好良い三つ数えろがお勧め!

 

                  映画 完全なるチェックメイト

 米ソ冷戦時代を背景にした映画はたくさんあるが、本作もその部類に入るが、そのことをあんまり意識して見る必要はない。むしろ本作のテーマは天才と狂気が紙一重であるということ。現在でもソ連の形を変えた大国ロシアが、小国ウクライナに攻め込み、それに対抗するようにアメリカがイランに戦争を仕掛けると行った構図があるが、昔からこの両国は変わっていない。

 そして、本作の背景が前述した米ソ冷戦時代。何かと競い合う両国だったが、チェスの世界ではアメリカは完全にソ連にやられっぱなし。しかし、そんなときに現れたのが日本でもお馴染みの天才チェスプレイヤーであるボビー・フィッシャー。この天才チェスプレイヤーの天才振りと奇人変人振りを描いたのが今回紹介する映画完全なるチェックメイトだ。

 

 それでは早速だが天才にして奇人変人であるボビー・フィッシャーの伝記映画を紹介しよう。

 時代は米ソ冷戦時代。アメリカにおいて、大人たちを次々と負かす天才少年チェスプレイヤーが生まれる。まさに彼こそが後に伝説のチェスプレイヤーと呼ばれるボビー・フィッシャー(トビー・マグワイア)。日夜チェスに励む彼は少年時代から世界を駆け回り、世界にも名を知られるが、当時のチェスはソ連の独壇場。特にソ連にはボリス・スパスキー(リーヴ・シュレイヴァー)という世界チャンピオンがいた。

 やがて、二人は世界ナンバーワン決定戦を、それも米ソの威信をかけた戦いをアイスランドのレイキャビークだ争うことになる。一戦目を集中力を乱されたボビーは敗戦。そして世界は二回戦の行方を見守ろうとするのだが、なんどボビーはその戦いを欠場。不戦敗になってしまうのだが・・・!

 過剰なぐらい自信家であるボビー・フィッシャーだが、これが次第に精神を病んでいき、家族とも半ば音信不通になるし、妄想癖が次第に強くなっていく。あれほチェスでは革命的な手法を編み出し、若くして世界のトップに君臨するが、その後に雲隠れしてしまうのがご存知の通り。

 天才と狂気が紙一重であることを思い知らされるストーリー内容と、彼のその後の人生を考えると思わされる。世の中、天才に憧れる人物は多いが、果たして本当に天才であることが幸せなのか?天才過ぎて、常識離れした生き様を思うと少しばかり悲しみも浮かんでくる。しかも、映画では描かれていないがこの人物は何かと日本と縁が深い。

 我が日本でも将棋の世界で藤井聡太という天才棋士が現れた。まだ若干24歳にして、いやそれより前に全ての栄光を手にしたと言っても過言ではないが、果たして彼の人生はボビー・フィッシャーと同じような人生を歩むのか、それとも天才と人間らしさを備えた棋士としてこれからも生きていけるのか。本当に人の人生は何に翻弄されるかわからないと言ったところか。

 チェスの戦いの場面が多く出てくるが、俺みたいにチェスのルールを知らなくても充分に試合の雰囲気は楽しめるし、とにかく天才とはこれほど脆い者なのかと理解できる完全なるチェックメイトをお勧め映画に挙げておこう!

 

 監督はエドワード・ズウィック。お勧め多数の名監督、グローリー、レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い、ラストサムライ、ブラッド・ダイヤモンドなどスターを上手く使う監督ですね!