褒めまくる映画伝道師のブログ

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気に入った映画を紹介して褒めまくることがコンセプトです。
素晴らしい映画を将来のために伝えたい想いで紹介します。

      映画 ローラ殺人事件

 1940年代のハリウッド映画にサスペンス映画の傑作が多いが本作もその中の一つに挙げて良いだろう。スリルがあって楽しいのは勿論のことだが、すっかり美女に現を抜かしてしまう男のアホっぷりが楽しさに輪をかける。

 

 早速だが男の感情が複雑に絡み合うストーリーの紹介を。

 ニューヨークの新進気鋭の女性デザイナーであるローラ(ジーン・ティアニー)が顔面を散弾銃でぶっ飛ばされる殺人事件が発生する。この事件を担当するのがマクファーソン警部(ダナ・アンドリュース)だが、容疑者として彼女と付き合いのあった高名なコラムニストであるライデッカー(クリフトン・ウェッブ)、そして彼女の婚約者であるカーペンター(ヴィンセント・プライス)、そして他にも容疑者が現れてマクファーソン警部は悩みだす。

 しかも、生前のローラや殺害現場である彼女の部屋を調べていくうちに死んでいるはずのローラの虜になっていくのだが・・・ビックリマーク

 

 最初は痴話げんかが発端でローラが殺されたと思っていたマクファーソン警部だが、決定的な証拠が見いだせない。このマクファーソン警部だが、まだ若そうだが、落ち着いた喋り方や振る舞いが優秀な刑事のように見える。しかし、この刑事が死んだはずのローラを調べれべ調べるほど彼女に惹かれていく。この展開がアホさ全開で少々シラける。優秀な刑事なのか単に女性馴れしていないのが欠点の若僧刑事なのか段々わからなくなってくる。ローラを中心にライデッカーとカーペンターの三角関係にマクファーソン警部も参戦して、死んでしまったローラの取り合いと言った馬鹿なストーリーの映画を見させられたと思ってがっくりしていたところへ、意外な展開が押し寄せる。

 この意外な展開を語るとネタバレになってしまうが、本作が面白くなるのはここから。社会的地位のある男と仕事を持たない上にだらしない男が同列でダメっぷりを発揮してくれる。実は男の嫉妬は女性の嫉妬よりも惨めったらしいことが本作を見るとわかる。そして、マクファーソン警部も途中から猛ハッスルして犯人捜しに本腰を入れる辺りも個人的には微笑ましく感じた。

 モノクロの陰鬱とした映像はサスペンスを盛り上げるのに一役買っているし、途中からは意外性もあり、テンポも良くなって楽しめる。何だか今の時代に比べて、昔の時代の事件の真相に迫っていく過程がのんびりしているように思えたりするが、古典的サスペンス映画を楽しみたい人の欲求には充分に応えてくれると言うことで今回はローラ殺人事件をお勧めに挙げておこうビックリマーク

 

 監督はオットー・プレミンジャー。フランク・シナトラ主演の麻薬を描いた黄金の腕、ポール・ニューマン主演の栄光への脱出が個人的にはお勧めビックリマーク