褒めまくる映画伝道師のブログ

褒めまくる映画伝道師のブログ

気に入った映画を紹介して褒めまくることがコンセプトです。
素晴らしい映画を将来のために伝えたい想いで紹介します。

                  映画 完全なるチェックメイト

 米ソ冷戦時代を背景にした映画はたくさんあるが、本作もその部類に入るが、そのことをあんまり意識して見る必要はない。むしろ本作のテーマは天才と狂気が紙一重であるということ。現在でもソ連の形を変えた大国ロシアが、小国ウクライナに攻め込み、それに対抗するようにアメリカがイランに戦争を仕掛けると行った構図があるが、昔からこの両国は変わっていない。

 そして、本作の背景が前述した米ソ冷戦時代。何かと競い合う両国だったが、チェスの世界ではアメリカは完全にソ連にやられっぱなし。しかし、そんなときに現れたのが日本でもお馴染みの天才チェスプレイヤーであるボビー・フィッシャー。この天才チェスプレイヤーの天才振りと奇人変人振りを描いたのが今回紹介する映画完全なるチェックメイトだ。

 

 それでは早速だが天才にして奇人変人であるボビー・フィッシャーの伝記映画を紹介しよう。

 時代は米ソ冷戦時代。アメリカにおいて、大人たちを次々と負かす天才少年チェスプレイヤーが生まれる。まさに彼こそが後に伝説のチェスプレイヤーと呼ばれるボビー・フィッシャートビー・マグワイア)。日夜チェスに励む彼は少年時代から世界を駆け回り、世界にも名を知られるが、当時のチェスはソ連の独壇場。特にソ連にはボリス・スパスキーリーヴ・シュレイヴァー)という世界チャンピオンがいた。

 やがて、二人は世界ナンバーワン決定戦を、それも米ソの威信をかけた戦いをアイスランドのレイキャビークだ争うことになる。一戦目を集中力を乱されたボビーは敗戦。そして世界は二回戦の行方を見守ろうとするのだが、なんどボビーはその戦いを欠場。不戦敗になってしまうのだが・・・!

 過剰なぐらい自信家であるボビー・フィッシャーだが、これが次第に精神を病んでいき、家族とも半ば音信不通になるし、妄想癖が次第に強くなっていく。あれほチェスでは革命的な手法を編み出し、若くして世界のトップに君臨するが、その後に雲隠れしてしまうのがご存知の通り。

 天才と狂気が紙一重であることを思い知らされるストーリー内容と、彼のその後の人生を考えると思わされる。世の中、天才に憧れる人物は多いが、果たして本当に天才であることが幸せなのか?天才過ぎて、常識離れした生き様を思うと少しばかり悲しみも浮かんでくる。しかも、映画では描かれていないがこの人物は何かと日本と縁が深い。

 我が日本でも将棋の世界で藤井聡太という天才棋士が現れた。まだ若干24歳にして、いやそれより前に全ての栄光を手にしたと言っても過言ではないが、果たして彼の人生はボビー・フィッシャーと同じような人生を歩むのか、それとも天才と人間らしさを備えた棋士としてこれからも生きていけるのか。本当に人の人生は何に翻弄されるかわからないと言ったところか。

 チェスの戦いの場面が多く出てくるが、俺みたいにチェスのルールを知らなくても充分に試合の雰囲気は楽しめるし、とにかく天才とはこれほど脆い者なのかと理解できる完全なるチェックメイトをお勧め映画に挙げておこう!

 

 監督はエドワード・ズウィック。お勧め多数の名監督、グローリーレジェンド・オブ・フォール/果てしなき想いラストサムライブラッド・ダイヤモンドなどスターを上手く使う監督ですね!

 

                 映画 ドゥ・ザ・ライト・シング

 今やブラックムービーの旗手として名匠の地位に上り詰めた感のあるスパイク・リー監督。そんな彼を一躍有名にさせたのが今回紹介するドゥ・ザ・ライト・シングだろう。流石に自身のルーツであるアフリカ系アメリカ人らしく人種差別をテーマにした映画が多いが、本作は彼らしさがよく出ている作品だ。最初はコミカルなノリで気楽にかまえて見れる映画かと思いきや、最後のクライマックスで監督の怒りが爆発したようなシーンが見れるし、アメリカという国が現在に至っても変わらないことが本作を見てもわかる。

 

 ニューヨークのブルックリンを舞台にした人種間の問題を描いたストーリーの紹介を。

 37℃を超える猛暑のブルックリン。多くの黒人層を占めながらも、そこにはイタリア系、韓国系、プエルトリコ系などの人種が住んでいた。だらしない性格のムーキー(スパイク・リー)はイタリア系の主人であるサル(ダニー・アイエロ)とその息子達ピノ(ジョン・タトゥーロ)やヴィト(リチャード・エドソン)が経営するピザ屋で配達人として働いていた。

 サルはこの店に黒人たちが多くピザを食べにくることに、誇りを持っている。そんなピザ店を中心に多くの人物の些細な日常が描かれているが、各々が持っていた不満が噴出した時に事態は最悪の展開へ流れていく・・・!

 

 多民族国家のアメリカだが、あの国ですら人種間の問題が噴出している。それを追うように我が国日本もまるで多民族国家のように多くの外国人が住んでいる。本作を観れば多民族が一緒に仲良くやっていくことの難しさを感じるだろう。日本のしきたりを守れず、わが道を進む外国人がどんどん流入してくることが本当に嘆かわしい。本作はまさに、多民族国家のダメな点を描いているし、それと同時に違う民族同士が仲良くやっていくことの難しさも感じさせる。

 スパイク・リー監督らしいカメラワークが本作からすでに見て取れるし、黒人らしい音楽も印象的。そして前半のコミカルさと打って変わって、ラストのクライマックスシーンは何だかデジャヴを感じさせるというよりも現実でもあのようなことが起きてしまった。

 わが愛する日本がぶっ壊れていく時代を、俺は生きて見ることになりそうなのが嘆かわしいなんて書いたら、レイシスト呼ばわりされそうだ。

 最近は韓国の映画オールド・ボーイや黒澤明監督の天国と地獄といったリメイク作品にも挑戦したりしているが、やはり彼にはアメリカの人種偏見問題にメスを入れるような作品を、これからも撮り続けて欲しいと思わせる。今後も彼の監督作品にはぜひ注目してほしいということで今回はドゥ・ザ・ライト・シングをお勧めに挙げておこう!

 

 監督は前述したようにスパイク・リー。時々、ありゃ?といった作品も撮ってしまうが過激黒人解放運動家を描いたマルコムX、ニューヨークへの愛が詰まった25時、クライムムービーのインサイド・マン、戦争映画セントアンナの奇跡、驚くような実話を基にしたブラック・クラウンズマンがお勧め!

 

                映画 ワンダとダイヤと優しい奴ら

 イギリス流のブラックジョークが炸裂していて、笑ってはいけないシーンでも笑えてくる映画が今回紹介する映画ワンダとダイヤと優しい奴ら。ちなみに原題はA Fish Called Wanda(ワンダと呼ばれた魚)。邦題を付ける人の中にも、なかなか洒落の効いた人がいたようで、優しい奴なんか1人も出てこない。俺が見たところ阿保ばかり出てきた印象があり、イギリスを舞台にしながらアメリカ人俳優のケヴィン・クラインの度を越えたアホさに大笑いできた。イギリ流のブラックコメディとハリウッドのドタバタが混じり合ったような感じの笑いがツボ。特にイギリス流の笑いが日本人に通じるかが心配だが、恐らく本作に限ってはそんな心配は無用の面白さを本作で見ることができる。

 

 個人的にはコメディ映画と聞いて真っ先にお勧めしたくなる映画の紹介を簡単にしよう。

 ジョージ(トム・ジョージソン)は吃音の症状がありながらも仲間であるケン(マイケル・ペイリン)と一緒にダイヤの強盗を企むが、万全を期すためにアメリカ人の姉妹(実は恋人同士だが)であり、常に銃を持ち歩いているヒットマンのオットー(ケヴィン・クライン)とセクシーさが魅力のワンダ(ジェイミー・リー・カーティス)を誘う。

 難なくダイヤの強盗を成功させた彼らだが、オットーとワンダはジョージを裏切り警察に通報。ジョージは刑務所に連れていかれ、オットーとワンダはダイヤの隠していた場所へ直行するが、そこにはダイヤが無かった。ジョージは先回りしてダイヤを別の場所に隠していたのだ。

 ワンダはジョージの弁護士になったアーチー(ジョン・グリース)に接近して、アーチーならジョージからダイヤモンドの隠し場所を聞かされているだろうと色仕掛け作戦で聞き出そうとする。しかし、そのことに対して大いに嫉妬したオットーのお陰で作戦はことごとく失敗するのだが・・・!

 

 オットーの少しは哲学に興味を持っているが、暴力的な上に相当なアホ。しかも、アホと言われることを大いに嫌っているためにアホと言われた時には大いに切れる。いつも犯罪映画を観ていると思うのだが、どうしてこんな奴を仲間に加えるんだと思うことが、よくあるが今回もその典型的なパターン。まあ、仲間に加えるのにまさか、ここまで切れだすアホだとは思わなかったのだろう。

 そして、ワンダを演じるジェイミー・リー・カーティスのセクシーなコメディエンヌぶりも見逃せない。そもそも、恋人のオットーがここまでアホだったことに今まで気づかなかったのかよ。と思って見てたらやっぱりラストは思っていたような展開になった。

 それにイギリスの司法というのはどうなってるんだ。弁護士のアーチーだが、これも散々な扱い方。弁護士を笑いに持ってくるあたりが本作の面白いところ。そして、本作を見るとけっこう動物達が悲惨な死に方をする。このあたりのブラックジョークのセンスは流石はイギリス流のコメディが発揮されている。

 アメリカ人とイギリス人の言い合いなんかは、両国の変なプライドの争いに見えて笑えるし、とにかく笑えるコメディが好きな人にはお勧め。そして、ケヴィン・クラインが本作でアカデミー助演男優所を獲るが、彼の他の作品を見ると本当に芸域の広さに驚かされる。芸達者の俳優陣とアメリカとイギリスのコメディをミックスさせたような笑いは、きっと動物愛護協会の団体以外の人には大きな満足感を与えてくれるだろう、ということで今回はワンダとダイヤと優しい奴らをお勧めに挙げておこう!

 

 監督はチャールズ・クライトン。本作を見ると監督として一流の腕を見せるが、有名な映画は本作だけ。こんな面白い作品を撮るのにこれしか当たっていないとは奇跡的に思う。

 

 

                  映画 ビーキーパー

 なんだか同じようなに思えてしまうアクション映画ばかり出演しているのがジェイソン・ステイサム。頭は禿げていてもとにかくアクション映画に出ている彼は格好いい。今回紹介する映画ビーキーパーでも毎回のごとく悪人をとっちめる役を演じているが、俺が非常に共感できる主人公を演じていることから今回ブログに挙げることにした。ちなみにタイトル名のビーキーパーとは、ミツバチを育てる養蜂家のこと。

 

 養蜂家として働くジェイソン・ステイサムが、やっぱり強さを隠せないストーリーの紹介を。

 アメリカの田舎で納屋を借りて養蜂家として暮らすクレイ(ジェイソン・ステイサム)。納屋を貸してくれる黒人女性のエロイーズには非常に恩義を感じていた。しかし、エロイーズは全財産をフィッシング詐欺に遭って、コツコツ貯めて慈善事業に使おうとした全財産を失って自殺してしまう。

 唯一の恩人が自殺してしまったことにクレイの怒りは頂点に達し、復讐するべく巨大な組織に立ち向かう・・・!

 

 非常に共感できるのが、この世の中は一生懸命に汗を垂らして働いている者から金を毟り取ろうとする奴がいること。そんなあくどい奴がのうのうと生きていることに俺なんかは腹が立つし、本作のジェイソン・ステイサムも一緒。養蜂家だった彼が、かつてCIAから仕立てあげられた戦闘マシーンと化して強大な権力に立ち向かっていく。特に本作は金の力で大統領になっている制度に対しても一発かましているのが面白い。

 この社会は汗水たらして働いている人によって成り立っているのに、そんなことをすっかり忘れて自分自身のことばかり考えている政治家が多いのには腹が立つ。アクション映画が好きな人にお勧めできるし、必死に働いても金持ちになれない制度のもとで苦しんでいる人にも爽快感を与える、ということで今回はビーキーパーをお勧めに挙げておこう!

 

 監督はデヴィッド・エアー。ブラッド・ピット主演の戦争アクションフューリー、ロス市警の大変さがわかるエンド・オブ・ウォッチがお勧め!

 

 

 

 

 

                映画 日本の悲劇

 日本の敗戦後の実際の映像が流されたりしているドキュメンタリータッチを意識している部分があり、タイトル名の日本の悲劇から社会派映画かと思いきや、俺には少し違う気がした。むしろ戦後の厳しい社会を一人の戦争未亡人を通して悲劇を描いたドラマ。そりゃ~旦那を戦争で無くして可哀そうだと思えるが、この悲しさはそれどころではない。正直者が辛い目に遭う世の中が、まかり通ってしまうことがあるのは今も昔も同じ。見終わった後も俺の胸の内は苦しさで一杯だ。

 

 報われない未亡人のどん底を見せつけられるストーリーの初回を。

 熱海の旅館で働く未亡人の春子(望月優子)だが、彼女の生きがいは長女で英語の塾や裁縫を習わしている歌子(桂木洋子)と息子で医者を目指している清一(田浦正巳)の成長だった。

 春子は子供の成長を見届けるために、闇市、売春などにも手を出していた。しかし、母のしていることを知った歌子と清一は次第に母親から離れていくのだが・・・!

 

 身を削りながら子供たちの成長のために、やばいことで金稼ぎに走る母親。愛する子供達のためならそれぐらいは良いだろう、なんて思うはずがない。しかし、母親の子供たちに対する愛情の大きさに心を動かされるが、しかし、子供たちの母親に対する冷たい仕打ちはどうだ。たしかに母親の行動は褒められたものではないが、この時代を子供を抱えて生き延びることの難しさを痛感させられる。しかも、この母親が良い人過ぎるのだ。しかし、母親の苦労を少しもわかろうとしない子供たちの心理が本当に怖い映画。国が貧乏だと家庭までぶち壊されるし、それは現代社会でも同じこと。積極的にはお勧めしづらい映画だが、本作にあるような親子関係が起きないように祈りつつ今回は映画日本の悲劇をお勧めに挙げておこう!

 

 監督は日本を代表する映画監督であった木下恵介。彼の映画を最近はちょくちょく見るが、かなり実験精神旺盛な監督。文芸ドラマからコメディ、そして本作のようなメッセージ性のある映画とその幅は広い。

 カルメン故郷に帰る善魔女の園二十四の瞳野菊のごとき君なりき永遠の人等がお勧め!

 

 

 

                映画 愛のお荷物

 今の日本は人口減少によって、外国人の移民を受け入れを叫ぶ人がいたり、子供数の減少数が恐ろしいことになっている。それにしても、なんで今はこんなに子供の数が減ってしまったのか。原因は色々あるだけに日本人の人口減少を食い止めるのは大変かもしれないが、今回紹介する映画愛のお荷物は子供が次々に生まれてくるベビーブームの時代が背景。本作においても子供たちが、たくさん遊んでいるシーンが出てきたりする。そして今の少子化の時代を考えると笑えない設定かと思いきや、これが演出が巧みなコメディ。アメリカ映画のコメディを感じさせる雰囲気がある。

 

 それでは子供が多くなってくることに危惧している時代もあったことを知らされるストーリーの初回を。

 厚生大臣の新木(山村聡)は、子供がどんどん増えてくる社会に苦悩していた、野党から中絶を合法化するように攻められるが、新木はそれは自然の道理に反するとばかりに、夫婦間の考えに任せることを考えていた。しかし、このまま子供が増え続けると狭い国土の日本で大きな問題が起きることは確かなことに新木の悩みは大きくなった。

 ところが、新木の妻である48歳の蘭子(轟夕起子)が妊娠したことを告げられる。厚生労働大臣としてこれは拙いことになったと思っていたところへ、秘書が息子のドラ息子の錠太郎(三橋達也)との間で妊娠してしまう。

 このままでは政界的にピンチを招くことになりかねない新木だったが、次女の娘は結婚前に妊娠を告げられ、そして長女は結婚して6年を経て妊娠したり、しかも新木は若い時、芸者に子供を産ませていたことがあり・・・!

 

 世間では子供が増えていくことに悩んでいるのに、新木の周りでは妊娠者が続出。しかも、新木は厚生労働大臣として人口増加への不安に立ち向かっている最中。このギャップが笑わせる。しかも、テンポがよく、三橋達也なんか面白いことを言ったりするので見ていて飽きない。今となればベビーブームの時代がやって来いと思えたりする現状だが、子供の増加で悩んでいる時代があったんだと思わせられた。

 それほど有名な映画ではないと思うのだが、明るいコメディタッチであり社会に対する皮肉が効いていて面白い映画。今回は愛のお荷物をお勧め映画に挙げておこう!

 

 監督は奇才と呼ばれた川島雄三。この監督の奇才ぶりは日本人監督の中では群を抜いている。幕末太陽傳洲崎パラダイス赤信号しとやかな獣と観てきているがどれも傑作。こらからもどんどん紹介できそうだ。

 

               

 俺は昭和半ば以降の生まれだが、今回紹介する映画あらくれは大正初期を舞台にした作品。昭和初期の男は猛々しい印象がある。本作はそれより昔の映画だから男尊女卑的で男が居張り散らしているシーンが多く出るのかと思いきや、高峰秀子さん演じる女性がそりゃ~強い。決して男性に頼ろうとしないメンタルの強さもそうだが、なんなら男からビンタを喰らったぐらいでは、へこたれずに猛反撃にでる。本作ではダメ男ばかり出てくるが、逆にいえば女性の逞しさを描いた作品だったのだ。

 

 男運が無さすぎる女性を描いたストーリーの紹介を。

 結婚話が嫌で東京に帰ってきたお島(高峰秀子)だが、今度は金持ちの若主人の鶴さん(上原兼)の後妻になるが、女癖の悪い鶴さんと上手くいかず、結局は鶴さんとも離れることになる、

 兄(宮口精二)のおかげもあり、東北の寒村の旅館で働くことになったお島。そこには奥さんが肺病で実家に帰っていた若旦那浜屋の若旦那(森雅之)がいたのだが、彼と一緒になってしまう。決して浜屋の妾にはなりたくないお島だったが、浜屋の若旦那の態度は煮え切らない。しかも、奥さんが帰ってくることになってしまった。

 ここにきて父親が迎えに来たこともあり、まだ浜屋の若旦那に恋心を持っていたお島だったが東京に帰る。そこでも男並みに働くお島だったが、同業者の小野田(加藤大介)と知り合い、一緒に服のお店を出して結婚までするが、小野田は仕事を頑張らないし、その分をお島がカバーする形で働く。そんな二人は取っ組み合いの喧嘩は日常茶飯事。そして、風の噂で浜屋の若旦那が死んだことを耳にしたお島は店を留守にして浜屋に向かうが、その間に小野田が浮気をしており・・・!

 

 エロい男ばかり出てきて何だか自分が恥ずかしくなってきた。大正初期の女性はか弱き女性ばかりかと思っていたのだが、本作の高峰秀子さん演じる女性はキップがいいだけでなく、強くて逞しい。男にビンタをされたぐらいで逃げるようなことはしないし真正面から立ち向かっていく。時にはホースを持って大暴れするシーンがあったりで笑えた。

 本当に男運の悪い高峰秀子さん演じる主人公の女性だが、最後は気持ちよく締める。強いだけでなく、自立精神が旺盛。それでいて情にほだされやすい。女も男もこれぐらいしっかりしてないといけない。タイトルの意味は女性主人公のことを表していたんだ。そんな訳で私も男に頼らなくても良いぐらい強くなりたいと思っている女性には特にあらくれをお勧め映画に挙げておこう!

 

 監督は女性の気持ちをよく知っている成瀬巳喜男。本当に女性を主人公に持ってきた映画に良作が多い。日本映画の最高峰に近い映画だと思っている浮雲、他には川端康成原作の山の音めし驟雨もお勧め!

 

 息子の部屋をうっかり覗いたらエロ本が出てきました。なんてバツの悪いシーンが出てきそうなタイトル名だが、そんなシーンが出てくるはずがないような非常にシリアスなストーリーが今回紹介する映画息子の部屋だ。まあ、前半は大して盛り上がらないストーリーだが、あることを切欠に急に惹きつけられる。この辺りは演出の上手さを感じさせる。

 主人公の精神科のお父さん、そしてその妻、女子高生の娘、そして中学生の息子との四人家族のエピソードが前半を占める。前半を占めるといっても、まあ思春期の娘と息子を持つ両親は割と悩んだりするものだが、本作も確かに娘や息子は親を困らせる。しかし、そんなものはむしろ家族の本来あるべき姿が描かれているし、両親と子供たちの仲も上々のように思わせるシーンも出てきて、ごく普通の家族だ。

 

 ところがそんな家族に突如襲ってくる悲劇を描いたストーリーの紹介をしよう。

 精神科の医師であるジョヴァンニ(ナンニ・モレッティ)は妻のパオラ(ラウラ・モランテ)とバスケに夢中の娘、そしてテニスが好きなアンドレア(ジュゼッペ・サンフェリーチェ)の4人暮らし。平凡ながらも幸せに暮らしている。

 しかし、ある時息子のアンドレアが水難事故にあって死亡。立ち直れない残りの3人は、そのことによって家族関係や仕事にまで影響がでてしまう。

 ところがある日、亡くなってしまったアンドレアの彼女だという全くの見ず知らずのアンリアナ(ソフィア・ヴィジリア)から一通の手紙がくるのだが・・・!

 

 ちょっといたずらをしてしまう息子や半ぐれの娘の思春期の悩みがありながらも、この四人家族は平和に暮らしているし、結束は固い。しかし、突然息子が亡くなったら。特に精神科医のお父さんは仕事が手につかなくなる。それでも、そんなこと関係なくグタグタ言ってくる患者を相手にしなければならない辛さ。息子を失った悲しみが残された家族をショックのどん底に落とし込む。ところが意外なことから、この家族に再生しようとする切欠がやってくる。実は親とて子供のことに対して知らないことがたくさんある。普段から一緒に居てるのに子供の良さに気づいていない時があるのだ。

 本作はぜひ思春期の子供を持つ親御さんに観てほしい映画だ。幸せな家族にもいつ悲劇が訪れるかわからない。しかし、子供たちというのは問題を起こすこともあるが、意外に大人が想像するよりもしっかりしているものだ。もう一度自分の子供を見つめて誇りを感じてほしい。

 そんな大して盛り上がるストーリーではないが、絶望からの再生と希望を描く息子の部屋を今回はお勧め映画に挙げておこう。

 

 監督は本作でも主演を務めるナンニ・モレッティ。彼の映画はローマ法王の休日が本作と真逆のコメディでお勧め!実はかなりの有名監督。他にお勧めの映画があれば教えて欲しい。

 

 

 

                 映画 ミッドナイトクロス

 今やすっかり年齢的にも巨匠の存在になったブライアン・デ・パルマ監督。作品の出来栄えに大きな波のある監督として知られているが、今回紹介するミッドナイトクロスは彼が最も脂ののった時期の作品なだけに、これはかなりの出来栄えだ。この監督の特徴として映像テクニックやヒッチコック監督に対するオマージュ等挙げられるが、本作にはそれらの要素が一杯ある。

 そして、ヒッチコック監督には品があるが、ブライアン・デ・パルマ監督にはバイオレンスやオッパイがたくさん出てきたりで少々品がないのも特徴。今回の作品もオッパイがたくさん出てくる。

 

 それでは主人公がとんでもない陰謀に巻き込まれるストーリーの紹介を。

 アメリカはフィラデルフィアが舞台。インデペンデンス映画会社で働く効果マンのジャック(ジョン・トラヴォルタ)は夜に映画で使う風の音を撮るために外に出て仕事をしていたのだが、その最中に車が川の中に飛び込むところへ遭遇してしまう。慌てて川の中に飛び込み、助けようとするのだが女性のサリー(ナンシー・アレン)を助けだすことには成功するが、同乗していた男性を助けだすことは出来なかった。

 ところがジャックが病院に連れていかれると、非常に騒がしいうえに、ある人物からこの事に対しては口外してはならないと半ば脅される。そのことを不思議に感じたジャックは再度録音テープを聴いていると、そこには車が川に落ちる寸前で銃声の音が入っていた。何かこの事故には裏があると感じたジャックは独自で調査を調べるが、とんでもない陰謀に巻き込まれてしまい・・・!

 

 たまたま目撃してしまった事故によって、とんでもない陰謀に巻き込まれている。まさにヒッチコック監督の映画の作品のパターンを踏襲している。ジャックとサリーはとんでもないことが切欠で知り合いになるのだが、彼らの周りに非常に怪しい人物が付き纏ってくる。特にサリーを狙うのがサイコパス的な殺人鬼パーク(ジョン・リスゴー)。こいつの存在のお陰でサスペンスが盛り上がる。

 他にも偶然事故を目撃している奴が出てきたりで、ちょっと複雑な様子を帯びてくるが、それにしても最後のエンディングが俺には辛かった。映画の小道具が巧みに使われており録音テープの使い方なんかは感心したが、俺にはミケランジェロ・アントニオーニ監督の欲望に似ていたので、やっぱりブライアン・デ・パルマはパクリが上手いじゃなくて、ネタ探しが非常に巧みだと思わさせられた。そうは言っても退屈せずにサスペンス映画であり、映像テクニックなんかはデ・パルマ節が炸裂している作品。個人的にはブライアン・デ・パルマ監督作品の中では、面白い部類に入る方の作品。今回は面白くて、切ない気分になる作品としてミッドナイトクロスをお勧めに挙げておこう!

 

 監督は前述したようにブライアン・デ・パルマ。サスペンス映画の名手なのか評価は分かれるが個人的には評価している監督でお勧め多数。アンタッチャブルスカーフェイス、他に有名どころではキャリーが有名。ヒッチコックを思わせる作品として異色ミュージカル仕立てにしたファントム・オブ・パラダイス、抜群の演出力を見せる愛のメモリー殺しのドレスボディ・ダブル、そしてカリートの道がお勧めです!

 

 

 

 

 

 

                 映画 わたしは、だに

 世界的な傾向だと思うが、経済格差がますます広がってしまい、弱者の困窮が目立っている。本来ならばそのような弱者を福祉によって助けられるべきだと思うが、残念ながら弱者の立場の人にすれば文句の一つや二つ出てきそうな社会になっている。

 しかも、わが市には「国民が政治に頼りすぎ」なんてことを言っている議員がいるが、そんなことを堂々と言ってのける者が議員になるんだから世も末に近い。頑張っても頑張っても報われない人がいる。そんなド底辺で暮らす人こそ手厚い福祉を受けるべきはずなのだが、なぜかこの国は金持ちのために福祉があるような気になるのは俺だけか。

 

 さて、イギリスって本当にこんな貧しい人を更に苦しめるような複雑怪奇な制度が存在するのかと思わせるストーリーの紹介を。

 舞台はイギリスのニューカッスル。老齢を迎えつつあったダニエル(デイヴ・ジョーンズ)は長年大工をしていたのだが、心臓麻痺に遭ってしまいドクターストップが掛かってしまう。

 仕方なく失業給付金をもらおうと役所に行くのだが、複雑怪奇なシステムと頭の固い役人のせいで就労不可の認可がおりないことになってしまう。ニッチモサッチモ行かなくなったダニエルは、子供二人を抱えたシングルマザーと出会う。福祉から見捨てられたかのような生活をしていた二人はお互いに協力し合うことになるのだが・・・!

 

 俺が笑ってしまったのが、ダニエルは心臓麻痺で仕事ができない状態なのに、役所から失業保険をもらうために履歴書を持って就職活動をさせられる件。しかも、たまたま就職合格の通知を受けてしまうが、ドクターストップが掛かっているために渋々断る場面。こんな無駄なことをやらせる役所の連中の仕事ぶりはどうだ。本当は笑ってはいけない場面だ。

 ちなみにダニエルとて長年大工として働いてきた経験から一生懸命に生きてきた自負がある。心の底から福祉に頼り切りになろうと思っていない。しかし、彼は手厚い福祉を受ける権利があるはずなのに、まるで人間ではなく犬のような扱いを受けてしまっている。人間としての尊厳が彼にはあるのだが、そんなプライドをズタボロにイギリスの福祉はしてしまう。

 また、シングルマザーの貧困さにも涙が出てきそうだ。この若きシングルマザーにしても決して福祉にずっとぶら下がろうと思っていない。しかし、子供のことを想う気持ちが彼女を悪い方へと向かわせる。ちょっとした手違いで福祉を受けられない、いや受けさそうとしない役所の人間の融通の利かなさ。本作のような映画を役所に勤める人間ならば10回以上見るべき映画であろう。また政治家も本作を見て、この世の中頑張っても報われない人がいることを知るべきだ。貧しい人に保護がいかずに政治家が私腹を肥やしている現実が日本でも起こっている。あ~本当に腹が立ってきた。

 本作から10年経った今、果たして現在はどうなのか。奈落の底に突き落とされる人間が増え続けているのではないのか。しかし、役所の人間に腹が立つと同時に、貧しい者同士が協力して生きていくことの大切さも本作から知ることができる。役所批判しているだけの浅い映画ではない。さすがはパルムドール賞に輝く作品だけのことはある。いつもノー天気なアクション映画やサスペンス映画を観るのも楽しいとしたものだが、このような社会派映画も観ることによって世界で起きている問題がわかるということで、今回はわたしは、ダニエル・ブレイクをお勧め映画に挙げておこう!

 

 監督は社会派映画のケン・ローチ。引退宣言したのだが、現実の世界に怒りを感じて本作で復帰を果たした。それほど彼の映画を観ているわけではないが、SWEET SIXTEEN麦の穂を揺らす風この自由な世界で等はお勧めです!