薬が効かないアタマジラミはどうすればいいの?
こんにちは。橋本です。
年々、殺虫剤のフェノトリンを含む、スミスリンシャンプーがよく効いてくれないアタマジラミの症例が増えていることが報告されています。
いわゆる、フェノトリン抵抗性(ていこうせい)というアタマジラミです。

スミスリンシャンプーを適切に使ったのに、アタマジラミがなくなってくれない。
そういう場合は、次の2つの方法があります。
1) 頭を丸坊主にする
2) 専用のクシで、ていねいに退治していく
薬がうまく効いてくれない場合でも、これで駆除していくことができます。
スミスリンシャンプーで駆除できない理由
スミスリンシャンプーの主成分は、フェノトリンという薬剤です。
ピレスロイド系の殺虫剤、フェノトリンは哺乳類(ほにゅうるい)に対する毒性が低いことが知られています。
そのため、アタマジラミに対する殺虫剤として、国に認可されているのは、日本ではこのフェノトリンだけ。
現在のところ、ほかに使用が認められている薬剤がないんですね。
人間に対する毒性が弱いフェノトリンなんですが、それゆえにアタマジラミを駆除するパワーもそれほど高くありません。
日本では1980年代から、スミスリンシャンプーをはじめとする、フェノトリン製品が使用されてきました。
問題なのは、長年、フェノトリンにさらされてきたことで、アタマジラミが徐々にフェノトリンに対する抵抗力をつけてしまっていることです。
もちろん現段階でいうと、ほとんどのケースでは、スミスリンシャンプーなどのフェノトリン製品でアタマジラミは駆除できる状態です。
しかしながら、一部では、きちんと正しい使用方法を守ってスミスリンシャンプーを使っても、アタマジラミが駆除できない。
いわゆる、フェノトリン抵抗性のアタマジラミがいるのは、たしかです。
でも、だからといって、アタマジラミを駆除する手がすべてなくなってしまうのかというと、そうでもないんですね。
丸坊主にする……住み家(すみか)をなくす
いちばん原始的なアタマジラミの駆除方法は、頭を剃る(そる)方法です。
頭髪がなくなってしまえば、アタマジラミが増える元である卵を産みつけることができないわけですから、もう増えることはありません。
それとともに、生き残ったアタマジラミも、頭皮の中には、もぐり込むことができないわけですから、髪を剃ってしまうことで、成虫も幼虫も卵も、すべて頭からいなくなる。
つまり、彼らの住み家(すみか)である頭髪を、一度きれいに剃ってしまえば、人間に寄生することができなくなるんですね。

行き場を失い人間から落ちると、アタマジラミは1時間に20cmほどしか移動できないので、2~3日ほどで餓死してしまいます。
そういったアタマジラミの特性を考えると、もっとも有効で安全な方法は、この「頭を丸坊主にしてしまう」という方法です。
しかし、「頭を剃る」というのは、子どもといえども、かなり抵抗のある行為です。
子どもによっては、頭を剃られることで、想像以上のショックを受けることも考えられます。
ですので、本人が素直に受け入れない場合は、「頭を剃る」というのは、なるべくならしたくないものですよね。
「なんとか、頭を剃らずにアタマジラミを駆除したい」
そういう場合には、専用のクシを使って、アタマジラミをこまめに退治していきます。
アタマジラミの卵を駆除するには……
あまり一般的ではありませんが、アタマジラミを駆除するための専用のクシというのも売られています。
専用のクシというのは、クシの目のすき間が、わずか0.1mmのものです。

アタマジラミは、成虫だけを退治しても、駆除できません。
成虫がいなくなっても、残った卵が孵化(ふか)すれば、また血を吸われ、卵を産みつけられてしまうからです。
ところが、この卵がやっかいなのです。
卵を指でつまんで、髪から引っぱっても、なかなか取れない。
がっちりくっついていて、ちょっとやそっとの力では、髪からはがせません。
なので、ごく普通のクシでは、何度ていねいに髪をすいても、卵までは駆除できないわけです。
軽くなでるような力がかかったぐらいの弱い力では、卵は髪からはがせないのです。
スミスリンシャンプーにも付属のクシがあるんですが、卵を完全に駆除することを目的としたクシではありません。

クシの目がそこまで細かくないんですね。
専用のクシって、どんなクシ?
アタマジラミの卵を駆除するには、専用のクシを使う必要があります。
クシの目のすき間が、0.1mmという、目がかなり細かいものです。
アタマジラミの卵の大きさは、0.5mmほど。
専用のクシで髪をとかすと、この細かい目に卵がうまく引っかかってくれるので、卵までうまく駆除できるわけですね。
専用のクシは、製品名でいうと、ハイコームとか、ニットフリーコームというものです。
ニット(nit)というのは、卵のこと。コーム(comb)というのが、クシのこと。
なので、こういうような製品名になっています。
卵の駆除のしかた
卵を駆除するには、ていねいに何度も、こういった専用のクシを使って、髪をすいていきます。

まさに、「しらみつぶし」ですよね。
クシを使う前に、髪をよくシャンプー、さらにリンスしておくと、スムーズにクシが通りやすくなります。
で、卵を駆除する時は、脇にお湯をはった洗面器と、古歯ブラシを置いておくと便利です。

せっかくていねいに髪にクシを通していっても、クシに卵が残ったままクシを使ってしまうと、また卵が髪の中に戻っていってしまいます。
そうならないように、髪をすいていって卵が取れたら、洗面器のお湯の中でクシを洗ってあげるといいんですね。
そのときに、古歯ブラシを使うと、より確実に卵をクシから落とせます。
面倒ですが、このていねいな「髪すき」を、アタマジラミそのもの、卵がすべてなくなるまで数日繰り返せば、完全に駆除することができるわけです。
小さい頃のいい思い出に
実際に、この面倒な駆除をやるはめになったら、「やってられねえよ」と思うかもしれません。
しかし、普通、アタマジラミの感染は、何度もおこることではありません。
頭髪が人とあまり直接触れ合うことのない大人になると、アタマジラミの感染は少なく、子どもの時期特有のアクシデントともいえるわけです。
ですから、子どものアタマジラミを駆除することになったら、それもいい機会できればいいのかなと思います。
ていねいに髪にクシを通して卵を取っていくと、かなり時間がかかります。
その間、手はふさがりますが、口は自由に使えます。
日頃、なかなか話せなかったことや、たわいもないことを、その時間を使って、子どもといろいろ話す。
そうすれば、面倒なこと、無駄な時間ではなく、とても有意義な時間になります。
大切なコミュニケーションの時間。
こういう時間って、考え方によってはとても貴重な時間ですよね。
あとから振り返れば、子どもとのいい思い出のひとつになります。
あのときは大変だったね、とか。
面倒なアタマジラミを駆除する時間も、とらえ方しだいで、つらい時間になるか、充実した時間になるかが変わってくるわけですね。










