木酢液、竹酢液は、アトピーに効果があるの?
こんにちは。橋本です。
「木酢液」、または「竹酢液」を入浴剤にして使うとアトピーがよくなる、ということが、ときどきいわれています。
ですが、今のところ、ランダム化比較試験など、テストデータによって、「木酢液」「竹酢液」の有効性はあきらかになっていません。
だからといって、「木酢液などは効かない」と言い切るのもどうかと思っています。
データを集めれば将来、有効性が証明されるかもしれませんが、現時点では有効性がわからない、疑問があるのが実際のところです。
木酢液とは?竹酢液とは?
炭を作る工程などで、木材を加熱したときの煙や水蒸気を集め、3か月ほど置いておくと、液体が2層にわかれます。
この2層にわかれた、茶色いうわずみ液の層が、「木酢液」。
もう1層の沈んでいるほうが、「タール」といわれるドロっとした黒っぽい油です。
竹酢液は、同じことを竹でおこなって作ったもの。
木酢液や竹酢液は、農業用に害虫対策、土壌を良くする目的として。そして、入浴剤、消臭剤、殺菌剤としても使われています。
しかし、木酢液を農薬の効果をうたって販売することは、「農薬取締法」で禁止されています。
また、木酢液を「アトピーがよくなる」とうたって販売することも、消費者に医薬品と誤認させかねないので、「薬事法」に違反するおそれがあります。
アトピーを治すメカニズム
木酢液に、殺菌作用があること。
それから、タールが欧米ではるか昔から民間療法として、炎症をおさえたり、かゆみをおさえたり、殺菌作用がある、とされてきたこと。
そういったことを根拠に、「アトピーによい」として使われているんだと思われます。
しかし、客観的なデータで、効果が示せているわけではありません。
まだランダム化比較試験などのデータがないので、効果をきちんと評価することができないのが現状です。
「補助として」にとどめる
現時点で効果が示せない以上、木酢液や竹酢液だけで、アトピーを治そうとするのはリスクがあります。
たとえると、ギャンブルみたいなものです。
木酢液のみで治療をするのは無謀ですし、体質や症状によっては、木酢液が皮膚に刺激となってアトピーが悪化することも考えられます。
湿疹がある状態で、木酢液、竹酢液を入浴剤として使うのは、おすすめできません。
でも、木酢液や木酢液を使うのは自由ですよね。
もし使うとしても、まずはきちんと有効性が確認されている、標準治療で皮膚をいい状態にしてから、ちょっとずつ試してみる。
それが、アトピーをひどく悪化させてしまうようなリスクをさける方法です。
木酢液や竹酢液を使うなら、刺激による「もしもの悪化」を頭におきながら、治療の補助程度に使うのが安全ですね。