ランダム化比較試験とは？・・・その治療法にほんとうに効果があるのかを知る方法
こんにちは。橋本です。
ちまたには、数多くの治療法があふれています。
それは、アトピーだけに限らず、あらゆる病気で。
しかし、そのすべてが、本当に効果があるかどうかわかりません。
みんながいいって言う治療法。その治療法は、本当に効果があるのか？
そんな単純な疑問に答えてくれるもの。現在、いちばんシビアに検証する手法が、「ランダム化比較試験」です。
病院に行って、何気なくもらってくる薬。
その薬も、この「ランダム化比較試験」をおこなうことで有効性が証明されたものなんですね。
さて、「ランダム化比較試験」とは、どんなものなんでしょうか。
ランダム化比較試験とは
ランダム化比較試験は、英語で「Randomized Controlled Trial」。
よく「RCT」と略されます。
「ランダム化比較試験」は、治療を受ける人たちを、グループわけするところから始まります。
グループは２つで、
・ 効果を検証したい治療をするグループ
・ 今までの治療をするグループ
に、わけます。
で、この２つのグループ、それぞれの治療の結果を比べる。そして、効果を判定する。
だから、「比較試験」なんですね。
では、なにが「ランダム化」なんでしょうか？
判定を厳格にするためにランダム化
「ランダム化」というのは、比較する２つのグループのわけ方を「ランダムにする」という意味。
グループを人の都合でわけようとしてしまうと、どうしても「かたより」が出てしまいます。
年齢だったり、性別だったり、症状の重さだったり、家族構成だったり、生活環境だったり。
そういうものが、かたよってしまうと、試験結果が、本当に治療の効果なのか、疑わしくなってしまいますよね。
比較する２つのグループを抽選でわける。
それぞれの人が「どちらの治療を受けるか」を、研究者の意図ではなくランダムに振り分ける。
そうして、試験を厳格におこなうのが、「ランダム化比較試験」です。
ランダム化比較試験とは、治療効果をなるべく公平に比較するための研究方法なんですね。
ランダム化比較試験のメリット
ランダム化比較試験をすれば、本当に効果があるのか知ることができます。
どんな治療法でも、予防法でも。新しい薬でも。
たとえば、「妊娠中の食物除去は、アトピーの予防としてすすめられない」というのは、７つのランダム化比較試験からいえることなんですね。
アトピーに対してステロイド外用薬が有効であることも、ランダム化比較試験でわかっているわけです。
さらに、どんなメカニズムで効くのかわからない薬でさえも、ランダム化比較試験をすれば、効果があるかどうかがわかる。
それが、ランダム化比較試験、最大のメリットです。
何か気になる治療を試してみたいとき、「本当に効果があるのかなあ？」って気になりますよね。
そういう時は、その治療法が、「ランダム化比較試験によって効果が認められているか」というのは、大きな判断材料になります。