EBMとは?・・・ベストな治療法の見つけかた
こんにちは。橋本です。
「自分にとってベスト」な治療法を見つけるにはどうすればいいのでしょうか?
そこで今日は、EBM(イー・ビー・エム)についてお話ししますね。
EBMってなに?
EBMとは、「 Evidence-Based Medicine 」の頭文字をとったもの。
日本語では、「根拠に基づいた医療」と訳されています。
現在利用可能なデータの中から、最も信頼できる情報を踏まえて、ひとりひとりの患者さんにとって最善だと思われる治療をする、という意味です。
いきなり、ややこしいことを言われても困ってしまいますが(苦笑)。
じゃあ、簡単に例を挙げてみます・・・
・ 100人が A という治療法を行ったら、明らかに症状が改善した人が83人いた
・ 100人が B という治療法を行ったら、明らかに症状が改善した人が37人いた
こういうデータが公表されていたら、「新しい患者さんには、まずは、A という治療法をしましょう」という考え方。
それが、EBM(イー・ビー・エム)です。
すごくまっとうな選択ですよね。
まあ、この例はちょと物事を単純化しすぎかと思いますが、おおよそ EBM とはこういうものだと感じていただければいいのかなと思います。
1991年にたった1枚の論文としてアメリカで発表された、この EBM という考え方ですが、今では徐々に浸透し、有効な臨床データを集めた論文集や教科書が数多く出版されるようになりました。
逆に言うと、それまでは、「臨床データによる裏づけが十分な治療法」が当たり前ではなかった、というわけです。
「えっ、つい最近まで、そんなふうだったの」と、正直ビックリしてしまいます。
昔は科学的根拠にとぼしい治療法でも、「偉い先生が言うんだから、言われたとおり治療しなさい」っていうこともありえたんですね。
勝ち残った治療法
ですから、「根拠に基づいた医療」の「根拠」とは、信頼度の高い医学的研究データから予想される治療結果の比較に根拠を求めているということなのです。
これだと必然的に、あなたにとって最も効果が高い治療方法が選ばれていきますよね。
さっきの A と B の比較でいうと・・・
「B より A のほうが、より多くの割合で改善されている、というデータが出ているので、A の治療法をやってみようよ」と。
「なんか B がいいっていう噂があるからやってみよう」というフィーリングのみに頼った、根拠のない選択をやめる。
A と B 、それぞれの治療データを比較した結果を、治療法選択の根拠とするわけです。
こういうふうに1つずつ根拠に基づいて、治療を組み立てていく医療。
つまり、治療方法のオールスター勝ち抜き戦(笑)です。
こう説明を聞いていると、
「なるほど、最善の臨床データを見つけて治療法をマニュアル化することが EBM なんですね」
と思ってしまいます。