THIEVES' HIGHWAY

悪徳仲買人の罠にはめられて脚を失った父親の仇を取る


製作:1949年、脚本:A・I・ベゼリデス 、監督:ジュールス・ダッシン


■ はじめに

◆ 登場人物

ニック・ガルコス(リチャード・コンテ)
リカ(ヴァレンティナ・コルテーゼ)
マイク・フィグリア(リー・J・コッブ)
ポリー(バーバラ・ローレンス)
エド(ミラード・ミッチェル)
 


■ あらすじ

船乗りをしていたニックは故郷に帰ってきた。家族や恋人との再会を喜ぶが、父親の両足が切断されていることを知った。

父親は悪徳仲買人のフィグリアに騙されて金のみならず足をも失った。

復讐と成功を目論み、リンゴをトラックに積んでフィグリアがいるサンフランシスコの市場に向かって走った。36時間の旅である。相棒のエドも別のトラックで追いかける。

眠気に堪えながら市場に到着する。しかしトラックが何者かにパンクさせられて動かせなくなる。業者から文句を言われる。

ここでリカという娼婦に声をかけられて酒場に行き、さらにリカのアパートに行く。

そして戻ってくるとフィグリアが勝手にリンゴを販売している。ニックの持ってきたリンゴは上等なもので飛ぶように売れている。

フィグリアに抗議をして代金を請求する。フィグリアは渋るけれども、強引に交渉して3900ドルの金額となった。現金が足りないので残りは小切手。その時に父親のことも話した。

恋人のポリーに電話してプロポーズした。ポリーも喜んで、こちらに来ると言う。リカは「私の彼氏になってくれるのかと思っていた」と話す。

その後リカと酒場に行って飲み、外に出ると二人の暴漢に襲われた。倒れたニックの現金と小切手が入っているバッグをリカが拾って逃げた。暴漢はリカを追いかけて、そのバッグを奪った。

ニックはバッグを奪い返そうとリカのアパートに行ったがバッグが奪われたと聞いた。その後リカはニックを騙すために、フィグリアに指示されてニックに近づいたことを白状した。

ポリーが訪ねてきた。ポリーはニックが女性と一緒であることに驚いた。そしてニックが金を盗られてしまい、文無しになったことにも驚いた。ポリーはそのまま出ていった。

リカに「暴漢はフィグリアの手先」と聞いて、ニックは金を取り返しに行く。リカは警察に連絡する。

警察にフィグリアを逮捕させて金を取り返して戻ってきた。そしてリカにプロポーズした。
 


■ 補足

エドはトラックのシャフトが外れる事故で死亡する。

ポリーはニックが金を失ったと知って早々に立ち去った。という風に描写されているかに見えるが、本当にそうだろうか?

ポリーに聞いてみないと確かなことは言えないが「リカの方がニックとお似合いである」と判断して自ら身を引いたのではなかろうか?

それをストレートに言うのは気まずいので「私はお金が目当てだったのよ」という形式をとったのではなかろうか?

その証拠にポリーはニックが金を持っていなかった時も恋人だったではないか。
 


■ 出演作

◆ リチャード・コンテ
(1946)記憶の代償/SOMEWHERE IN THE NIGHT
(1949)深夜復讐便/THIEVES' HIGHWAY
(1959)コルドラへの道/They Came to Cordura
(1968)セメントの女/Lady in Cement
(1948)出獄/CALL NORTHSIDE 777
(1947)いのち短し/The Other Love
(1949)ならず者と墓荒らし/Big Jack
(1950)大病院殺人事件/The Sleeping City
(1953)バビロン伝説/Slaves of Babylon
(1954)ハイウェイ捜査網/Highway Dragnet
(1949)他人の家/House of Strangers
(1949)疑惑の渦巻/Whirlpool
(1955)ニューヨーク秘密結社/New York Confidential
(1955)ビッグ・コンボ:刑事の執念とギャングの反撃/The Big Combo
(1948)都会の叫び:幼馴染の刑事と凶悪犯/Cry of the City
(1939)アリゾナに土地を買って牧場を作る/Heaven with a Barbed Wire Fence
(1968)セメントの女/Lady in Cement