SOMEWHERE IN THE NIGHT

記憶を失った状態で目覚めた男性。ある人物からの手紙を持っていた。
その人物を探していくと何度も襲われた。大金が絡んでいるらしい。また殺人事件もあったらしい。自分は殺人犯かもしれない。
精神病院にいる男性を訪ねていく。その男性が殺人事件の目撃者らしい。。途中で知り合った女性が、いろいろと助けてくれる。


製作:1946年、脚本:マーヴィン・ボロウスキー他、監督:ジョセフ・L・マンキウィッツ


■ はじめに

登場人物
 ジョージ・テイラー(ジョン・ホディアク)
 ラリー・クラバット(?)
 クリスティー(ナンシー・ギルド) - 歌手
 メル・フィリップ(リチャード・コンテ) - クリスティの店の経営者
 フィリス(ジョセフィン・ハッチンソン)
 アンゼルモ(フリッツ・コルトナー)
 ケンドール(ロイド・ノーラン) - 刑事

この映画は1946年なので200万ドルはかなりの金額。それと100ドル札100枚の束が200個だが、バッグに入るのか?、かなりぎりぎりのような気がする。
 


■ あらすじ

◆ ラリー・クラバット

ジョージは軍病院で記憶がない状態で目覚める。自分がジョージであるという自覚はないが、そのように呼ばれている。しかしその名前には違和感がある。

ジョージは除隊し、宿泊していた(と言われた)ホテルに赴いた。そこでジョージが預けていた荷物を受け取る。その荷物には拳銃の他にラリー・クラバットなる人物から「5000ドルを銀行に預けてあるので引き出せ」とのメッセージがあった。

銀行に赴き口座から引き出そうとすると「確認したいことがある」と待たされる。担当した行員が上司とひそひそ話している。ジョージは銀行から急いで立ち去った。

◆ クリスティー

ジョージはラリーの手紙に使われていた用紙のスパに出かけた。ラリーの正体が知りたかったからである。対応した店員は「そんな男は知らない」と言ったが、近くの「セラー」と言うクラブを教えてくれた。ジョージが出た後、その店員はすぐさまどこかに電話をかけた。

セラーに入ってバーテンに問い会われたがやはり「知らない」と言われた。しかしそのバーテンはジョージには分からないように、他の人物にジョージの存在を知らせた。数人の男が近づいてきたので逃げ出した。

逃げ出してある部屋に跳びこむ。その部屋にクリスティーという女性がいた。そのセラーで歌手をしている。クリスティーは、突然入ってきたジョージに落ち着いた対応をする。

その部屋で「メアリーと言う女性がラリーと結婚する」という内容のハガキを発見する。泊まっているマーティンホテルの名刺を置いて部屋から出ていく。


◆ フィリス ⇒ アンゼルモ ⇒ クリスティー

ホテルの部屋の前でフィリスという女性が待っていた。「ラリー・トンプソンはいつ戻る?」と聞く。そしてジョージを誘惑するようなことを言うが立ち去る。

先ほどのセラーから電話があった。「ラリーについて話がある」とのことで再度出かける。

セラーに入ろうとすると、車から降りてきた男に声をかけられた。電話は、この車の男がかけさせたらしい。強制的に車に乗せられた。

アンゼルモというその男から「ラリーについて詮索するな」と脅されてリンチを受けた。クリスティーの家に行った。注、クリスティーの住所は先ほどクリスティのところから持ってきたハガキに書いてあった。

ジョージが倒れ込んできたので、クリスティは親切に手当てする。

クリスティーからメアリーはクリスティーの元の仕事仲間でラリーの恋人だったが、すでに事故で死亡したと知らされる。

クリスティーはメアリーのことがあるのでラリーに興味を持っているようだった。ジョージはクリスティに自分の身に起こったことを話した。「諦めないで、何か方法がある」と励ましてくれた。

クリスティーの勤務先のバーの経営者のメルが現れた。クリスティーとは親しいようで、またジョージのことにも興味を持ったようである。メルはジョージに協力を申し出る。

◆ 再度アンセルモ

三人でケンドールという刑事と会った。ケンドールによれば、ナチ関連の隠し財産200万ドルをラリーが隠匿したとのことだった。ジョージは自分の名前を隠してケンドールと話をした。

ケンドールは先に帰ったが、三人が車のところに行くと、ジョージ宛てのケンドールからの伝言。住所だけが書いてあった。ケンドールはジョージがジョージであることを分かっていたようである。ジョージは、それがラリーの住所であると考えた。

「一人で行くのは危険」とクリスティは警告したが、クリスティの車を借りて出かけた。そこには、以前ホテルの部屋を訪ねてきたフィリスがいた。フィリスは「水晶球」とか「港に行け」とか曖昧なことを言う。

ジョージは港に行って探した。「占星術、手相、精神分析」と看板を掲げた店があったので入った。そこにいたのはアンセルモ。お互いに身構えたが、来客用のソファに座って話をした。

「昔は大悪党。今は落ちぶれた。まじめに暮らすのはバカらしい」などと適当なことを喋った。その後「三年前に大チャンスがきた」。ラリーの金のことである。そのうちに先ほどのフィリスが来た。

アンセルモは「ラリーは三年前に起きた殺人事件で警察に追われている」。被害者の名前はスティール。「容疑者はもう一人いるが、誰なのかは不明」。

◆ コンロイ

クリスティが店で歌っている。メルはクリスティに「ジョージに近づくな」と警告するが「彼に恋したみたい」。

ジョージは坂道にあるコンロイの家を訪ねた。女性が現れた。コンロイの娘とのこと。コンロイはランべス診療所に入院している。三年前、仕事に行く途中に車に撥ねられた。「事故の朝に殺人事件があった」。そしてコンロイはその女性に「金が手に入ったらドレスを買ってやる」と言った。注、なぜコンロイの家が分かるのかは明示されない。

別れる前に、その女性は「エリザベス」と初めて自分の名前を喋った。そして昔のことを話して、ジョージを見つめた。少しの空白の後「あなたには会ったこともないわ」と話を打ち切った。ジョージには、その態度が何を意味するのかは分からなかった。

殺人事件の目撃者のコンロイが入院しているランべス診療所を訪ねた。が、面会を拒否された。その中で頭がボケている老人と出会った。「コンロイは214号室」と言われるが、病院から追い出される。いったん外に出てから、今度は病院に侵入する。

その時に病棟の窓から忍びだしてくる人物がいた。同じところから病棟に侵入する。先ほどの老人がナイフで刺されて倒れていた。今度は正気に戻っているようである。彼がコンロイであった。コンロイは殺人事件を目撃したことと、その場にあったバッグを船着き場の桟橋の下に隠したことを教えてくれた。注、桟橋は上下の二重構造。

しかしジョージが一番知りたかった「殺したのは誰か」という質問には、答えようとしたが、息が絶えた。

◆ 桟橋

ジョージはクリスティーの家を訪れる。二人は桟橋にスーツケースを探しに出かける。

桟橋の下へとやってきた二人は、しばらくしてバッグを見つけることができた。中には200万ドル。ケースの名札は「ラリー・クラパッド」。そして「W.ジョージ洋服店」と縫い付けてあった。「ジョージ・テイラー」は店の名前だった。ジョージ・テイラー=ラリー・クラパッドであることを認識した。

さて、ここで誰かが二人に迫ってくる。二人は逃げた。拳銃が何発も発射される。桟橋の上に上った。桟橋の手前にある「教会救済所」に駆け込んだ。中には管理者と数人のホームレス。

ジョージは自分が殺人者であると思って落ち込んでいる。クリスティは「殺したのは別の男かも、現場にいたもう一人の男かも」。二人は発見した金を救済所の管理に預けて、ケンドールに届けてくれるように依頼した。またいくばくかの寄付をして外に出た。

外にはアンセルモの手下ヒューバートがいた。三人でアンセルモの家に出かける。

◆ アンセルモの店

三人はアンセルモの家に行った。フィリスも来た。アンセルモが「ラリーの居所を」と言う。ジョージは「自分がラリーだ」と明かす。

ジョージは一番気になっているスティールを殺した犯人が誰かをアンセルモに聞く。ここでアンセルモは「犯人はフィリス」という。証拠も挙げた。フィリスは拳銃を取り出した。注、先般アンセルモは「犯人は誰なのか不明」としらばっくれている。

ここでメルが現れる。メルも人質になる。しかしメルは隙を見て拳銃を取り出し、三人は部屋から逃げ出した。


◆ メルのクラブ ⇒ 桟橋

ラリー、クリスティ、メルはメルのクラブに到着した。メルにお礼を言う。しかしメルは突然二人に拳銃を突きつけた。

ラリーは200万ドルを引き渡す代わりにクリスティの命を助けてくれと頼む。注、もちろん200万ドルは先ほど救済所に預けてある。

三人は桟橋に来た。メルは場所を確認したので、拳銃を突きつけて「いったん戻ろう」と二人を車にせかした。しかし救済所の中から、ケンドールや警官隊が現れて、メルを撃った。