ジョーン・フォンテイン出演が二作。「デカメロン夜話(医師の娘)」「地球の危機」。ヴァージニア・グレイ出演作が二作。「幻の文通相手」「ジャングル・ジム」。

精神科医が四作。「白い恐怖」「悪魔の往く町」「地球の危機」「ティン・カップ」。

「オドンゴ」は獣医。医師が悪人なのは「悪魔の往く町」。
 


(1941)新妻はお医者さま/You Belong to Me

意味不明の邦題だが、内容とは合っている。出演はヘンリー・フォンダ、バーバラ・スタンウィック

大富豪のピーター・カーク(ヘンリー・フォンダ)はスキーに行って女性医師のヘレン・ハント(バーバラ・スタンウィック)と知り合って結婚した。

まじめなヘレンは、結婚後も医師を続けた。

ビーターは一生使っても使い切れないほどの財産を持っている。貧乏人の我々からすれば、羨ましい限りであるが、これが彼の問題点でもある。

暇を持て余したビーターはヘレンの勤務先に出かけるが、邪魔にされる。

生まれて初めてデパートに勤務した。これには満足した。客から叱られても、それが楽しい。しかし従業員組合からクレームが出て、辞めることになった。

ビーターは姿をくらました。ヘレンは新聞広告でビーターを探した。

ある日ヘレンが出勤すると病院には誰もいない。実はピーターに買収されて別の場所に移転。

ビーターは病院の理事長になり、ヘレンは引き続き医師として働いた。
 


(1944)幻の文通相手/Strangers in the night

ウィリアム・テリー、ヴァージニア・グレイ、ヘレン・ティミグ、エディス・バーレット。

戦争で負傷したジョニーは病院で本を読んで感動し、著者のローズマリーと文通した。

退院してローズマリーに会いに行った。途中でレスリー・ロス医師(ヴァージニア・グレイ)と知り合った。

だがローズマリーはおらず母親のヒルダがいた。

ローズマリーはいつまで経っても現れなかった。ジョニーはヒルダが怪しいことに気がついた。ロス医師も同じように感じた。

実はローズマリーはヒルダが想像・創造した架空の存在である。そしてヒルダが命をかけても守るべき存在である。

メイドのアイヴィは、それを二人に知らせようとするが、ヒルダに殺された。
 


(1945)白い恐怖/Spellbound

出演はイングリッド・バーグマン、グレゴリー・ペックなど。

コンスタンス・ピーターソン(イングリッド・バーグマン)は精神病院に勤務している。周りからは仕事一筋で男性には興味がないと思われていた。

院長が変わりジョン・バランタイン(グレゴリー・ペック)が新院長として赴任してきた。

二人はお互いに一目惚れ状態となり周りが驚いた。

しかしジョンの記憶がおかしい。ジョンは「自分が新院長を殺して、代わりに収まった」と言い出した。

ジョンは姿を消した。コンスタンスはジョンを追いかけた。注、ジョンは「姿を消す」と言いながら行き先をメモに残している。

二人はコンスタンスの恩師アレックス・ブルロフ(マイケル・チェーホフ)を訪ねた。恩師の協力を得て真相を究明する。
 


(1947)悪魔の往く町/Nightmare alley

出演はタイロン・パワーコリーン・グレイヘレン・ウォーカー

透視術を習得して演芸団を退団したスタン(タイロン・パワー)とモリー(コリーン・グレイ)はホテルなどで透視術を演じて、次第に人気者となっていった。

もともとインチキであるが、人気が高まるにつれて、またさらにインチキ度合いが高まっていった。モリーは疑問を抱いたが、スタンが好きだったのでついていった。

そして怪しげな精神分析医リリス(ヘレン・ウォーカー)と協力するようになった。

リリスと共謀して鉄壁の懐疑派グリンドル(テイラー・ホームズ)の死亡した彼女の亡霊を登場させた。実はモリーが変装したもの。

グリンドルは感激したが、インチキに耐えられなくなったモリーがトリックを明かした。

二人は姿を眩ましたが、後ほどモリーはみじめに没落したスタンと再会する。
 


■ (1948)ジャングル・ジム/Jungle Jim

出演はジョニー・ワイズミュラー、ヴァージニア・グレイ

ジョニー・ワイズミュラーは水泳選手、オリンピックで金メタルを獲得し、俳優となりターザンを演じた。本作ではジャングル・ジムとなった。

ヒョウに襲われた男性を助けたジャングル・ジム(ジョニー・ワイズミュラー)は、そばに奇妙なビンを発見した。そのビンを行政官に届けた。

行政官は医師のヒラリー・パーカー博士(ヴァージニア・グレイ)に調査を依頼する。ジャングル・ジムととともに出発する。

バーカー博士は、ビンの中身がポリオに効果かある秘薬であると期待する。

だが真実は呪術師が作ったもので、二人は騙されて捕らえらたりする。
 


(1953)デカメロン夜話(医師の娘)/Decameron Nights

本作はデカメロン夜話から三作を選んで映画化したもの。すべての話にジョーン・フォンテインルイ・ジュールダンが出演している。話が14世紀なので話題が古いが、洒落ていてとても面白い。

イサベラ・マルコ(ジョーン・フォンテイン)は父親が医師であった。イサベラも医師になった。

ある日、王の使いのグイリオ・ベルトランド(ルイ・ジュールダン)が訪ねてきた。高名な医師が女性であることに驚いた。

「王が病気なので治療してほしい」とのこと。二人はパリに向かった。王の病気は回復した。

二人は形式的に結婚した。グイリオは自分の指輪を見せて「これをつけて私の子供を産んだら本当に結婚しよう」と言って姿を消した。指輪もグイリオが持ったまま。

グイリオがフィレンツェにいると聞いて出かけた。グイリオはマリアという女性と交際している。

イサベラはマリアに話をつけてベッドに潜んだ。マリアが貰っていたグイリオの指輪も貰った。

その夜グイリオがマリアの部屋に入って来た。

その後イサベラは赤ん坊を連れてグイリオに会いに行って約束を果たしたことを伝えた。
 


(1954)赤い河の戦い/Siege at Red River

ヴァン・ジョンソン、ジョアン・ドゥルー、リチャード・ブーン。

南軍のジム・ファラデー(ヴァン・ジョンソン)は北軍の列車から最新式のガトリング銃を盗んだ。これを南軍の支配地域まで運んでいく。

ノラ・カーティス(ジョアン・ドゥルー)という女性医師が先住民の患者を馬車で運んでいた。ジムはガトリング銃をノラの馬車に乗せて運んだ。さらにノラの家に隠した。

患者の治療が終わり、また馬車に乗せて戻っていく。またガトリング銃を運ぶ。

しかしガトリング銃はブレット・マニング(リチャード・ブーン)という男に盗まれて、さらに先住民に売られた。

先住民は北軍の砦を襲撃した。ジムは南軍ではあるが、ガトリング銃を取り戻して砦を守ろうとする。
 


(1956)オドンゴ/odongo

出演はマクドナルド・ケリー、ロンダ・フレミング

獣医のパメラはケニアで動物を捕らえて動物園などに販売している業者のスティーヴのところで働くことになった。

みんなと一緒に狩猟の旅に出かけて、貴重な体験をして戻って来た。

素行が悪いワラという人物が解雇されて、恨みから飼っている動物を逃がした。

オドンゴという少年が疑われて姿を消した。みんなワラとオドンゴを探す。
 


(1961)地球の危機/Voyage to the Bottom of the Sea

出演はジョーン・フォンテインなど。

この映画には二つの物語が展開する。まず表の物語。

精神科医のスーザン・ヒラー博士(ジョーン・フォンテイン)は招待されて原子力潜水艦シーヴュー号に乗り込んだ。

ここでヴァンアレン帯の異変により地球全体が異常な高温となる。

ハリマン・ネルソン提督(ウォルター・ピジョン)は国連の対策会議に出席して「グァムの沖合からミサイルをヴァンアレン帯に向けて発射する」という提案したが却下された。

潜水艦は国連の決議を無視してグァム沖に向かう。いろいろな障害が発生するが、結局ミサイルを発射して、異常な高温は解消された。

次は、もう一つの物語。異常な人間が三人出現する。一人はネルソン提督。艦内のいろいろなトラブルを無視して、強引に自分の計画を進めようとする。

ネルソン提督の異常を察知したリー・クレイン艦長(ロバート・スターリング)は上司であるネルソン提督の指揮権を剥奪しようとする。

ヒラー博士も「精神科医の私にはネルソンの行動は疑問がある。彼は典型的な患者である」と主張する。

しかし指揮権剥奪は失敗する。

次の異常者は途中から乗り込んできた科学者のミゲル・アルヴァレス(マイケル・アンサラ)。彼は科学者でありながら「人類の滅亡が神の計画であるならば、それに従わなければならない」と主張してミサイルの発射を阻止しようとする。

彼は爆弾を抱えて艦内を制圧したが、その時に艦が大きく揺れて倒れてしまう。

もう一人の異常者はヒラー博士自身である。実はヒラー博士もミサイルの発射に反対している。アルヴァレスの計画が失敗した後、ヒラーは「危険」と大きく書かれた原子炉の区画に入って原子炉を停止させる。ヒラーは死亡する。

しかしすでに近くの海域まできていた潜水艦は予備電源を使って航行し、予定通りにミサイルを発射した。
 


(1996)ティン・カップ/Tin Cup

出演はケヴィン・コスナー、レネ・ルッソ、ドン・ジョンソン。

昔は天才ゴルファーと言われたロイ・マカヴォイ(ケヴィン・コスナー)は、今は田舎のゴルフ練習場のレッスンプロに甘んじてグダグダの生活をしている。

その練習場にモリー・グリスウォルド(レネ・ルッソ)という美人精神分析医が練習に来た。たちまちロイはモリーに惹かれた。

だが、モリーはロイと知り合いで今は有名ゴルファーとなっているデイヴィッド・シムズ(ドン・ジョンソン)の恋人であった。

一念発起してロイはモリーを射止めるためにUSオーブンに出場することにした。予選は無事通過。

次は本戦。第一日目は病気を警戒しすぎてスコアを落とす。しかし次の日からはぐんぐんスコアが上がった。

最終日。うまくいけば優勝を狙えるところである。だがしかし池を前にして病気が出た。一気に池越えをしようとする。本来ならば、池の前に詰めて、それから池を超えるところである。

結局優勝は逃した。それでモリーも逃したのかと思えば、なぜか不思議なことにモリーはロイを好きになったようである。
 


 

(1961)地球の危機/Voyage to the Bottom of the Sea

 

(1953)デカメロン夜話(医師の娘)/Decameron Nights

(1945)白い恐怖/Spellbound

(1941)新妻はお医者さま/You Belong to Me