3月の京都旅行が続きます。
北野天満宮、平野神社などに次いで向かったのは本法寺でした。
目玉ともいえる長谷川等伯作の巨大涅槃図を見たかったわけですが、
残念、特別公開は我々の訪問時期の翌週から。
公開期間は、お釈迦様のお誕生日前後と決まっているそう。
通常時は複製=写真が壁にかかっているのですが、それでもいいから行こう、と。
本阿弥光悦が植えたといわれる松、同じく光悦作と書かれた巴の庭、
長谷川等伯の銅像(写真)などもありますし。
中に入ると、等伯の涅槃図実物の代わりに実寸大の写真が掛けられてありました。
受付で伺ったところ、この写真は、当時としては技術を駆使した高精度写真であったのですが、、
なにしろ40年前のことでして、と。
なるほど、なぜあえて、画素の粗い写真を飾っているのかなと思ったら、
時代のせいでした。
そして、「実物は、この写真とはくらべものにならないほど鮮やかなんです!」。
飾られていた写真は40年前のもの。実物の涅槃図は420年以上前のもの。
実物の方が発色がいいとは、これはやっぱりいつか見てみたいなぁ。
素材を伺ったところ、紙であるとのこと。
絹地とかではないのか。
大事に保存されていたということでしょう。
写真でもいいから見たかったのには訳があり、この涅槃図のなかに等伯自身が描かれているから。
どこに描かれているのか事前知識なしで等伯探しに挑戦したかった!
群像画のなかに画家自身が肖像画をしのばせるケースはいくもあるけれど、
手っ取り早く写真が出てきたのがこれ、ウフィツィ美術館にあるボッティチェリの
「東方三博士」。
こちらに挑戦的な視線を向けています。
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等伯の自画像は、わりとわかりやすい場所に描かれていました。
というか、表情を見ただけで一目瞭然というか。
本作は、26歳の若さで亡くなった息子・久蔵の供養のために、後年こちらに納めた品なので、
一番悲し気な人物がそれに違いないと。
立派に描こうというわけでなく、ただ息子の死という悲しみに打ちひしがれるごく普通の父親の表情です。
周囲に描かれた動物たちも、通常の涅槃図同様悲しみに暮れているけれど、
息子への思いを考えつつ描いたせいか、いななくように苦しみの表情をたたえていました。
巴の庭も見どころがあり、翌週から始まる特別展を前に
静けさに包まれていました。
京都'23/春① 店内に井戸 古民家のポール・スミス
京都'23/春② ガラス張りカフェ(京都国立博物館)でティータイム
京都'23/春③ 梅が満開 城南宮
京都'23/春④ 梅林に埋め込まれた御神紋を探せ 城南宮続き
京都'23/春⑤ 空いていた北野天満宮
京都'23/春⑥ 淀水路 河津桜もさることながら・・
京都'23/春⑦ 抗ウイルス加工の撫牛と梅苑の源平咲き 北野天満宮にて
京都'23/春⑧ 教会の宗教画に似た養源院の俵屋宗達作・杉戸絵
京都'23/春⑨ 城南宮あとの白河天皇 成菩提院陵と、人生初の・・
京都'23/春⑩ 早咲きの桜を愛でた寺院を再訪
京都'23/春⑪ 五重塔を臨むレストランにて
京都'23/春⑫ 東本願寺特別公開 竹内栖鳳の障壁画
京都'23/春⑬ 長谷川等伯の巨大涅槃図を見に
京都'23/春⑭ 鳥羽離宮と鳥羽天皇陵
京都'23/春⑮ 知恩院二十五菩薩の庭・湯葉ランチx2
京都'23/春⑯ 本阿弥光悦作 巴の庭
京都'23/春⑰ 詩仙堂~哲学の道~西田幾多郎