ビタミンC、B、グルタチオンはニキビ、毛穴の開き、アトピーに効果発揮します。 | 青山ヒフ科クリニック院長Dr.亀山のオフィシャルブログ

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表参道にある青山ヒフ科クリニック 院長 亀山孝一郎のブログです。

青山ヒフ科クリニックを受診する患者さんで多いのはニキビ、赤ら顔、毛穴の開き

そして数は減りますが、アトピー性皮膚炎の方です。

 

ニキビの患者さんでは、ダラシンやディフェリンなどの 外用剤は皮膚科で処方されていますが

内服薬はなしという方が大勢います。

アトピー性皮膚炎の方ではステロイドなどの外用剤はもらっているが、内服はなし、

あっても抗アレルギー剤のみという方がほとんどです。

実はビタミンC、ビタミンB群、グルタチオンの内服はニキビ、赤ら顔、毛穴の開きだけでなく、アトピー性皮膚炎にも

効果を発揮するのです。

 

 

上はアトピー性皮膚の方の皮膚の病理組織です。

バリア機能の低下した皮膚に侵入したハウスダスト、ダニやスギの花粉を

外から入ってきた細菌やウィルスなどの悪い物と勘違いして、外に排除しようとする免疫反応が起きます。

これをアレルギー反応といいます。

スギの花粉やハウスダストは細菌などと違い、皮膚に入って増殖して悪さをすることはありません。

多数の炎症性細胞が活性酸素や蛋白分解酵素を放出して、アレルギーを起こす物質を皮膚の外に排除しようとします。

大量の活性酸素を消去するために皮膚のメラニンも増加し、顔全体が黒くなります。

活性酸素により皮膚のコラーゲンもダメージを受け、額には深いしわも刻まれます。

この方はまだ20代の前半です。

 

 

大量の活性酸素を消去する作用を持っているのが、

ビタミンC、ビタミンB、グルタチオンです。

そして炎症をひきおこすプラスミンの産生を抑制するトラネキサム酸です。

 

これらの成分を内服すると、アトピー性皮膚炎の炎症の程度は低下します。

軽症から中等症のアトピー性皮膚炎の方では、ビタミン内服後にステロイドの使用を中止できた方がたくさんいます。

カフェインも抗炎症を発揮します。なぜカフェインやトラネキサム酸が抗炎症作用を発揮するかについては

後日解説します。

 

下は以前僕が勤務していた病院に入院していただいたニキビの方です。

ニキビが全く止まらないと上の左の図のような状態で来院されました。

僕は直ちに入院していただき、抗生物質の点滴をしましたが次々と新しいニキビが発生しました。

抗生物質抵抗性の細菌がいるのかと思い皮膚の組織をとしました。

皮脂腺の周囲に多数の炎症性細胞があります。

拡大すると毛穴は拡大し(左)、血管内から好中球や単球などの炎症性細胞が血管外に飛び出しています。

一部の細胞では核は破壊され、細胞質も変性して、蛋白分解酵素や活性酸素を放出して自壊しています。

細菌培養では、アクネ菌などは検出されませんでした。

皮膚にはアクネ菌はほとんどいなかった可能性や

皮膚組織を採取した際に、嫌気性細菌であるアクネ菌が酸素に触れて死滅した可能性があります。

この病理組織はニキビが単なる感染症ではなく、過剰な活性酸素が炎症をひきおこした

いわゆる活性酸素病の可能性があります。

そこで高濃度のビタミンCローションやクリームを抗生物質と一緒に使用したところ

あっという間にニキビは治りました(右図)。

 

ビタミンCは心筋の収縮や脳の活動にも必須なので、外用だけでは血液やほかの臓器のビタミンC濃度が低く

皮膚から脳やなどのほかの組織に移動してしまいます。

外用とともに内服を行うとニキビや赤ら顔に対する抗炎症作用は格段に上がります。

ビタミンCはほかの物質を還元すると自らは酸化ビタミンCになり炎症を抑えることができません。

ビタミンBやグルタチオンはビタミンCを還元します。

グルタチオンはビタミンCとペアを組んで活性酸素を消去することが知られています。

他の物質を還元して酸化したグルタチオンを還元するのはビタミンB3由来のNADPHです。

 

ビタミンCだけでなくこれらの物質を外用だけでなく、内服する ことがアトピー性皮膚炎

ニキビ、赤ら顔の治療に大切です。

ビタミンCの外用だけで、ニキビが治らず、顔も疲れて垂れていた方がいました。

血液中のビタミンC濃度が低い可能性があるのではと調べたら、とても低い状態でした。

ビタミンCの投与を開始したら、あっという間にニキビがなおり、肌はツルツルになりました。

皮膚のビタミンCの濃度があがり、抗炎症作用と、コラーゲンの合成促進作用を発揮したせいです。

 

青山ヒフ科クリニックではこれらの患者様にこれらの薬剤を保険適応で処方しています。

ビタミンやグルタチオンは美容のサプリメントではなく、これらの炎症性疾患を治療する薬剤なのです。

疲労低下作用、肩のコリ、眼の疲労感をも抑える作用があります。

長期的には、血圧低下、動脈硬化抑制、糖尿病改善の効果もあります。