崑曲『牡丹亭』を観てきたよ | 呉下の凡愚の住処

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先日、昆曲を観に行ってきました。
※日本では「崑曲」と書くようです。

面倒なのでWikipediaの説明を転載(しかも勝手に改変)します。

崑曲とは……
1.中国の古典的な舞台演劇である戯曲のひとつ
2.戯曲に使われる声腔(楽曲の曲調や演奏法、歌い方などの体系)のひとつ
1の意味で崑劇、2の意味で崑腔とも言われる。
現代では1を指すことが多い。
2は明清代の戯文や伝奇で用いられた。

無形文化遺産保護条約の発効以前の2001年に
ユネスコによって「人類の口承及び無形遺産の傑作」の宣言を受けており、
2009年9月、正式に世界無形遺産に登録された。

歴史
元末明初、崑山(江蘇省蘇州市東部)一帯で
崑山腔という戯文の腔調が流行した。
崑山腔は明の嘉靖年間(1522~1566)に
弋陽腔や海塩腔といった腔調・民間の曲調などを取り入れ、崑曲となった。
崑曲は明の万暦年間(1573~1620)以降徐々に広まっていった。
各地で崑曲系統の地方劇が作られ、
川劇や婺劇といった地方劇の声腔として使われた。
明末清初には崑腔が戯文の主流として隆盛したが、
清中葉以降は徐々に衰退していった。

大量に改変したのに分かりやすくならなかったので

China ABC----第十九章:伝統演劇 :昆劇
http://japanese.cri.cn/chinaabc/chapter19/chapter190202.htm

↑興味のある方はこちらをご覧ください。

一言で表すと 蘇州版京劇 です。
※京劇より歴史が古いので本当はこんな紹介したらダメです

↓维基百科から勝手に『牡丹亭』の写真を転載

呉下の凡愚の住処-崑曲『牡丹亭』

呉下の凡愚の住処-崑曲『牡丹亭』

今回観てきた演目は『牡丹亭』
劇場でもらったチラシの説明を訳します。
『牡丹亭』は明代の劇作家・湯顕祖(1550~1616)の代表作。
南宋が舞台。杜麗娘と柳夢梅のラブストーリーで、
若い男女が自由な恋愛を求めていくさまを描いたものである。

南安太守・杜宝の娘である杜麗娘は
ある日花園で見た夢の中で書生の柳夢梅と恋に落ちるが、
恋煩いのあまり病にかかって死んでしまう。
杜宝は昇進のため任地を変わることになり、梅花観に娘の墓を立てた。
やがて柳夢梅が受験のために都に向かう途中で
宿泊したのがこの梅花観である。

柳夢梅は庭で杜麗娘に副葬された彼女の自画像を見つけて
強く惹かれ、幽霊である杜麗娘と再び出逢う。
暗示に従って棺を掘り出したところ
杜麗娘が生き返り、二人は晴れて夫婦となる。

杜麗娘と臨安に行き受験を終えた柳夢梅だが、
折りしも金軍の侵攻と重なり、合格発表が遅れることとなった。
杜麗娘は実家に蘇生の吉報を伝えるが、
結婚を怒った杜宝に監禁されてしまい、離婚を強要される。
やがて金軍は退却し、柳夢梅が状元(首席)で合格したことが分かる。
金鑾殿(皇宮の正殿)での裁きにより、ようやく杜宝も納得。
杜麗娘と柳夢梅の二人はついに本当の夫婦になれたのだった。
以上
初心者の目にも怪しい文章だったのでだいぶ意訳しました。
でも初心者だけにこれが限界でした……


ザ・明清代という感じのいたってシンプルなストーリーなので
話の内容にはこれといった感想はないです。 <正直


前置きが長いですね。以下感想です。

■うれしい生演奏
楽器が生演奏なのが何よりもよかったです!
京劇なんかでも生演奏ですよね。
いやー中国文化といえば こ れ だ よ 、と、
テンション上がる伝統的なチャイナメロディが楽しめました。
真のメインはやはり役者さんたちだと思うんですけど、
劇を観ながら生の中国楽器演奏も味わえるなんてぜいたくですね……
中国楽器が本当に好きなのでとてもうれしかったです。

■衣装がきれい
こういうミュージカルでは当たり前のことかもしれませんが
衣装が輝いててとてもきれいでした。
きれいなんだけど、「派手」まではいかない微妙な加減がお洒落です。
京劇は衣装が豪華だけど、豪華すぎて
旗とかヒゲとか顔の模様とかがものすごいじゃないですか……
京劇はあれだからこそいいんですけどね。
崑曲は京劇に比べるとだいぶ控えめで、
遠目からでも衣装の構造が分かりやすかったです。漢服はいいね!

■短縮版?
あらすじの約半分の部分で大団円を迎えてました。
それでも2時間半くらいだったので(うち休憩10分)
全編通してやっていたら大変なことになっていたかもしれませんが……
最後は二人が結婚できてめでたしめでたし、で終わるところを
杜麗娘が生き返って柳夢梅と出会えてめでたしめでたし、になってた。
先の展開を考えると不穏な終わり方だがいいのだろうか。

今回の『牡丹亭』は【白先勇青春版】バージョンで、
白先勇教授がアレンジしたものらしいです。
青春版=若い役者がメインキャストを演じる、ということらしい。
もしかしたら青春版はもともと短いのかもしれませんが、
だったらチラシに「この劇はあらすじの途中で終わります」
の一言くらいあってもいいよな……

■全体的に見えない
崑曲の感想ではなく、単に自分の視力が悪すぎるという話です。
舞台横に中国語&英語のセリフが表示されていたのですが
視力が悪すぎて(+2階だったので)ほとんど読めないという悲しい事態に。
 中国語しか読めないのに、画数が多い漢字は判別できない
→仕方なく英語を読む→分からない という残念なことになってました。
がんばって目を細めて読もうとしてたので
気がついたら目を閉じてそのまま寝ていたことが数回ありました。
英文の意味が分からない + 中国楽器演奏 =眠気を誘う ということですね。


中国伝統劇を見るのは初めてだったので感慨深かったです。
やはり音楽生演奏が非常にうれしかった。
“小姐”をxiao↓jie↓って読んでたのがずっと頭に残ってます。
いずれは好みの題材の演目も観てみたいですね!
『走麦城』が上演されることはないだろうと私でも分かるので
おとなしく他の演目を待機します。