「オリンピック、こう見えて柔道が好き」「海のはじまり5話」他
猛暑お見舞い申し上げます。 はて、私はいつからアマゾン暮らしになったのかなんやのこの熱帯雨林みたいな日々はだとかブツブツ言うのが日課になっている。 首にアイスノン、体感-5度になる日傘と同マスクという重装備で外回り中、高校野球県予選球場の横に出た。こんな真っすぐ歩くことさえ覚束ない猛暑の中、白球を追いかけるとは・・・命がけの所業いや、青春である。日傘の上で目玉焼きが焼けそうだったが、5回からゲームセットまで隙間観戦した。7回コールドだった。毎回のことなのだが負けているチームを応援しがちで、試合後に相手を称えた後泣きじゃくる姿に貰い泣き 昔は、悔しくてよく泣いたけど、いつ頃からか自分のことでは悔しくても泣かなくなった。どこかで自分に「泣くほどのことやない」と蓋をして、あの頃ほどの死に物狂いさを忘れてしまったからだろう。 単に祖父が好きだったからだろうが「一生懸命な姿から学べ」と、何度も一緒に甲子園へ観戦に行ったし、オリンピックへも2度現地で観戦した。その尊さを軽んじまくっていた当時の糞子供な自分に、蹴りの2,3発いれてやりたいくらいだが、こんなババァになっても忘れられない想い出を共に築いてくれた祖父に感謝は尽きない。せやのに、こんな仕上がりの大人で申し訳なくもある。パリオリンピック開会式高校野球、パリオリンピック、パラリンピックと熱い夏である。開会式をぼぉーっとみていたら、韓国選手団を「Democratic People's Republic of Korea」とアナウンスが流れ、瞬き連射「Republic of Koreaやで」と声が出た。東京オリンピックで、韓国と北朝鮮の国名を間違えでもしたら、テポドンとかぶち込んできかねないが、ヨーロッパからみたアジアとはその程度なのかもしれない。ギニアと赤道ギニアが別国であると知らない方がわりと多いように。 開会式でフランス革命による王族の打倒を描いたあと、現役貴族であるバッハ会長が傘をささせたままスピーチをしているシーンに皮肉がきいてるなぁと思った。柔道 女子52K級 東京オリンピックから3年、柔道という競技に出逢ってから恐らくずっと、全てをかけて挑んだ者にしかわからないことがあるし、目指した道が一瞬で閉ざされた時、溢れ出るものをコントロールできなくなることも、そりゃある。どんなに鍛練してきたとしても。 選手に心ない言葉を投げる者がいることに、心底がっかりなる。心ない人がいえば何でも「ただのスポーツ」「ただの仕事」「ただのペット」「ただの花」だろうけど、凄く不愉快にする言葉でもある。あーっがっかりなる。 泣きじゃくる彼女をブーイングではなく、「詩コール」と拍手、スタンディングオベーションで寄り添った会場。なのに京都仕込みな私はつい思っていることとは逆のぶぶ漬け手法ではにゃいのかと過ってしまってすみません。あのような状況では彼女には聞こえていなかったのでは・・・と気がかりだったが「私は聞こえていた。本当に温かい応援を感じることができました」とインタビューで応えてみえた。 彼女が2回戦で敗戦してしまうこともだが、敗戦後の会場の雰囲気も普通ではなかった。柔道ファンによる彼女のこれまでの功績を讃えるもので、どんな選手にも送られるものではないんだろう、たぶん。前日、一人畳に残り抗議を続けた日本男子選手へのブーイングは辛かったけど、彼女への対応は素晴らしいなと思った。 「次のオリンピックでは?」だとか野暮な質問を令和になってもする方がいることに、度肝を抜かれる。ゆっくり休んで、どうかもぉー暇で死ぬいうほど休んでほしい。 オリンピックはメダルだけに意味があるわけじゃない。どうしたって自分を責めるのだろうけど、あなたの姿にババァの私も心が揺れましたあなたがまた、畳の上で最高の笑顔を見せる日を地味に願い待っています柔道 男子81K級 初戦となった2回戦から圧倒的安定感で勝ち進み、決勝へ進出した前回オリンピック金メダリストその相手は、東京オリンピック以降世界選手権3連覇中の現王者という最強対決。どんな国際イベントの期間とて、10時就寝の夫がいなくなったリビングで正座観戦 試合開始1分を過ぎた頃、小外刈りで技あり。興奮してリビングをピョンピョンで2周して戻った2分48秒、谷落としで一本勝ち。また、私がアホみたいにピョンピョンしていた優勝の瞬間「築きあげてきた永瀬の柔道」という実況が聞こえて、この素晴らしい瞬間にそんな言葉を添えるセンスに脱帽した。 同階級史上初の2連覇達成に会場は拍手喝采畳の真ん中で数秒上を向きながら、相手を待っている時のその佇まい神なり。表情筋さえ微動だにさせず全方位への深い礼で相手と会場に敬意を示す様に痺れたり。 畳をおり、大怪我やスランプを共に戦い続けてきたであろうコーチと抱き合い、初めて見せた笑顔の高低差ってばなく、これまた大いに痺れたり。 初日からずっと「選手より審判の裁量がデカすぎちゃうの」と、モヤモヤしていた。そんな中力でねじ伏せるでもなく、重心を見極めての駆け引きに息をのんだ。国際大会位でしか柔道をみないド素人の私にでもよくわかる「築きあげてきた永瀬の柔道」に魅了された。 寡黙で努力家で強い。武士みたいなのに、通訳なしで各国インタビューをこなすかっこよすぎ喋らない男が好きな私は、しばし永瀬選手を支えに必死に仕事ができる気がしている、という話を終わります。愛すべき腐れ縁 先日実家に帰り、漸く30度をきった夕暮れ時に犬の散歩をしていたら、通りの向こうから幼馴染Yが歩いてきた。だが私は初見で空似かと思ってしまい、それがYだと確信できなかった。確か先月くらいにお茶をした際には、Yの髪はベリーショートだったのに、その時はサラサラの髪が胸まであったからだ。 季節柄、お菊人形も泣いて精進の不足を詫びるほどに、怪奇的にニョロッと伸びたのかなわけはない。勿論、Yはカツラを被って散歩をしていた。ただ、散歩をするだけやのになぜカツラを着用しているのか。潜伏中の指名手配犯のようなYの行動に、私は首を傾げた「Y、ウラジオストクに着いた荷物はどないなった当局の目は相当厳しそうやで」※スパイ映画大好き病「はなんの話やの」 まずは軽く変化球で様子を探ってみたが、どうやらYは反政府活動はしていないようだ。そこで直球を投じてみた。「こんな酷暑やのに、なんでそんなん被ってるの」「あぁ、これな。不眠症対策やねん」 バットでカキーンと打ち返してくると思っていたら、日本刀でボールをたたっ斬られたような斜め上さに立ち竦む。「・・・なんでカツラ被ると眠れるん」 私の気持ちはもう、オオカミが化けた婆さんに、耳が大きいだの口が裂けているだのと、失礼な質問ばっか羅列する赤ずきんだそんな無礼者に対し、Yは大変大らかに「それはな。カツラを被ることによって頭に自然な感じで負荷がかかり、日常の動作全てにおいて通常よりもエネルギーを使うからやで」 私が疑念の目で見ていることに気付いたのか、Yはベンチに座れと促し、厳かめに述べた。「これは、不肖わたくしめが熟慮した結果のありがたき真実なのだから、心して聞きなさい。現代人が十二単を着ていたらめっちゃ疲れるやろあんた、アホみたいに成人式のとき着たやん」「うん、せやったな。疲れる思うで」「星一徹お手製の大リーグ養成ギブスを装着すれば、誰でも疲労困憊、おまけに筋力アップも間違いないやろ」「・・・・うん」 私の相槌に、Yは我が意を得たりとばかりにほくそ笑む。「それと同じで、こんな胸まであるカツラを1日中被っていれば、疲労も極に達し、しかも首の筋肉まで鍛えられるいうものやねん。おかげで夜は爆睡。あくれぐれもいうておくけど、安物を選ぶように」 安物だと被りにくく体に一層の負荷がかかり、効果が倍増するらしい。「なるほど。ほな、カツラを被ることによって、ケンシロウみたいな逞しき首になることも、夢やないわけやな」 私は早速その場でYのカツラを借りて被り、ブンブンと首を振ってみた。夕暮れ時の公園で代わりばんこにカツラを被っては、連獅子のように頭を振り回して首を鍛えるババァな我々と実家の犬。「これは結構な重労働やな」 清々しい汗をぬぐいながら頷きあった。「しかしだ師匠。北斗神拳伝承者でもない女が、鍛え上げられた首をしていたとしても、誰も感心などしてくれへん思うのですが」「ちっさっ小さいことに拘りすぎやねん。首の太さ云々よりも、今我々が気にしなあかんことは他にあるやろ」「と言いますと」「ええ年の健康な大人過ぎな2人、こんな場所でカツラを被って頭を振り回してもええのかということ、オリンピックしてんねんで今」 我々はカツラを手に、しばしベンチに座りこんでいた。沈黙は夜の闇よりも深く、平日の公園のベンチの上に降り積もっていた。いつまでも大人になりきれない腐れ縁に、犬の散歩中に出くわす街。何やかんやで愛すべき相手と街である、という話を終わります。 うん、なんだこれもう31日だし、何か投稿しようと思った次第だが、取り留めなさ過ぎて酷い。オリンピックの記録を残したかった。夏ドラマ 「海のはじまり」を観ながら、亡き恋人が終末を過ごした部屋で寝るだとかね・・・ これはドラマではなくやはり純文学なんだなと思い知った5話。凄いドラマを令和の夏に放っておる制作に関わる方々に敬意なのだが、1回じゃ汲み取りきれず繰り返し観る始末。 登場人物が皆いい人で優しいので、1つの事案における心の開き加減のスピードと解決が、渡鬼並みで「そんなすぐに、そんな言葉言えませんけど」が止まらない件。ま、そこはドラマだから 生きていくために欠くことのできない最たるもの時間とお金、その比喩としての髪の描かれ方の縦横が巧み過ぎて、もう村上春樹なのである。 まるで、しのぶの息子のような池松壮亮。同僚であり側で支えていた唯一の存在であった彼じゃダメだったのでしょうね、水季さんは・・・彼じゃダメだったのと5話を観てもまだ思っているわけですが、純文学だと彼ではないのでしょうよ彼も髪の毛綺麗にしてあげたことあったと思うけどな。ないんかな 初回に、お惣菜ででてきたコロッケも伏線だったなんて。 「コロッケなんかつくれないんですけど」と言っていた弥生さんが、海ちゃんの好きな物リストにあったコロッケを練習する。 両親に説明するために実家に帰った夏のために用意されていたのは、好物であり月岡家の御馳走母手作りコロッケ。視聴者のモヤモヤを母が言葉にして息子に放ったシーンの後半に1番「早くない」と思ったのは、またいつか書くかもしれないとして。 お惣菜で買えば安いし手軽だけど、いざ手作りしようとすると面倒くさい行程がいくつもあるコロッケ。時間と気持ちに余裕がないと作れないもの、これまたメタファーだった。凄いドラマだ。(語彙力)6話も津野(池松壮亮)の幸せを願いながら、3回観ます。 夏っぽい鳥の画像をたくさんお借り致しました。 最後までお付き合いいただきありがとうございました。ほなまた、いつかまで