先日、もうすぐ
今年3月に83歳でお亡くなりになった
英語のレジェンド・松本道弘先生と一緒に作っていた
新しい教材が発表できるというお話をしました。
この記事の後半に書いています。
↓
それについて、
以下のようなお返事を
読者さんからいただきました。
→以前は松本先生の映画道場にお越しいただき、
ありがとうございました!
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松本先生がいなくなってしまった今、
教材を作りながら
「ここについて、先生にもっと聞いておきたかったな」
ということがたくさん出てきているのですが、
でももうそれは、嘆いても仕方のないことです。
仲間のスタッフたちと相談しながら、
「そういえば、先生、以前こんなこと言ってたよ」
「先生だったらこういう言い方しそう」
「先生はこういうの好きそう!」
と、松本先生のエッセンスを
できるだけ入れられるように頑張っています。
日本語の先生を目指すの、いいですね!
普段何気なく使っている日本語を
外から見てみる視点って、
本当に大事だと思います。
それではじめて見えてくる
私たち日本人の考え方の特性や
風土、文化の特徴というのが
必ずあるはずです。
生前、松本道弘先生が目指したことのひとつに
「日本における英語の公用語化」
がありました。
これだけ聞くと、
「え、いくら英語が好きだからって
英語を公用語にしたいとか、
英語かぶれもにもほどがあるよね?」
って思うじゃないですか。
(というか、そう思ったのは私です)
でも、よくよく先生にお話を聞いてみると
ただ、「英語が苦手な日本人のレベルを上げたい」とか
そういうことでは全くないんですよ。
日本人には、
日本を外から見る視点が全くない。
日本人がどういう国民なのか、
どんな特徴があるのか、
どんな強みがあって、どんな弱みがあるのか。
日本語はどんな言語なのか、
それを使う日本人には、どんな特性があるのか。
そういうことを外から見る視点を養うために
日本人は英語を勉強しないといけない。
英語を勉強すると、
日本語がわかる。
そこから、日本が見えてくる。
今、日本人がそういう視点を身につけないと
日本は近いうちに滅びるよ。
先生は、こうおっしゃっていました。
松本先生は
「僕は、英語が好きと思ったことはない」
といつもおっしゃっていました。
私の好きな松本先生の言葉のひとつは、
「英語という剣を握る手を緩める」
です。
英語ができたら
転職でも有利になるし
武器になる!
TOEICの点数が上がったら
もっと強い自分になれる!
と、英語を
アクセサリーのようなものと
とらえている人が多い。
でも、英語は、
使い手の中身が空っぽだったら
たいして役には立たない。
英語力を高めることは大事だけど、
その英語で君は何を語るのか?
その方がずっと大事だよ。
と。
だから、
「その剣を握る手をちょっと緩めて、
自分の人間性、教養をもっと磨きなさい」
ということです。
「剣を握る手を緩める」というのは
英語の勉強をさぼるという意味ではなく、
「『英語ができたら強くなれる』という
術(試験のための英語)への執着を捨てて
魅力的な人間になりなさい」
ということだと、私は解釈しています。
先生は、この時にも
同じような話をしてくださいました。
↓
「僕から英語がなくなっても、
ただの『松本道弘』として勝負できる
人間でありたい」
と、先生はおっしゃっていました。
英語の第一人者で、
日本の英語業界を引っ張ってきた大御所が
おっしゃる言葉だけに、
とても重みがあります。
私にとっての松本先生は、
仮に「『ただの』松本道弘」であったとしても
お茶目で楽しくて、でも、燃えるような情熱があって
私は先生のことが大好きでした。
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そして、先生は
本当に幅広い教養をお持ちで、
どんな分野についても、
限りなく話すネタがおありでした。
その先生の情報源のひとつが
私も、このブログで要約を時々紹介している
英雑誌The Economistでした。
先生は生前、雑誌が届くのを
毎週、少年ジャンプを心待ちにする少年のように
楽しみにしていました。(笑)
届くと、「お、来たか〜!」とめちゃくちゃ喜んで読まれていました。
松本先生に少しでも近づけるように、と
私も、エコノミストを
超・超・超・背伸びして(苦笑)読みはじめました。
最初は全然読めませんでしたが、
最近はようやく慣れてきて、
その面白さが理解できるようになってきました。
松本先生のおっしゃっていたように
英語の使い手としての教養が身につくように
という思いで、
松本先生と作った新しい教材にも
教養が深まる内容を取り入れています。
そして、私とマイクの
国際的な教養を身につけるラジオコーナーも
教材含まれることになりました!!
具体的には、
The EconomistやTIMEから記事を取り上げて、
その裏にある歴史、文化などの背景知識を解説し
英語力と教養がどちらも磨かれるような
コンテンツを作っていきたいと思っています。
新しい教材は、もうすぐ
発表させていただく予定です。
ご興味があれば、
楽しみにお待ちいただけたら嬉しいです。
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