【夕顔297-3】古文単語「尊し」
だんだん寒くなってきましたね。
センター試験まであと94日☆
体調に気をつけて、がんばっていきましょう!!
源氏物語イラスト訳 重要古語
【古文単語の覚え方】
1.現代語から想像して覚える
2.漢字のイメージで覚える
3.ゴロを利用して丸覚えする
の3つのどれかで覚えます。
今回は、【漢字】のイメージで覚えましょ♪
【今回の源氏物語】
この尼君の子なる大徳の声尊くて、経うち読みたるに、涙の残りなく思さる。
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今回出てきた古文単語
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■【この】…指示連体詞
■【尼君(あまぎみ)】…尼となった光源氏の乳母。惟光の母
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【尼君の子】…尼である乳母の息子。惟光の兄姉
■【なる】…断定の助動詞「なり」連体形
■【大徳(だいとこ)】…修行を積んだ高僧
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【声(こゑ)】…誦経の声
■【尊く】…ク活用形容詞「尊し」連用形
※【尊(たっと)し】…けだかい。高貴だ。尊い
■【て】…単純接続の接続助詞
■【経(きゃう)】…お経
■【うち読む】…「ちょっと」「勢いよく」などの語感を付け足す接頭語
■【たる】…存続の助動詞「たり」連体形
■【に】…順接の接続助詞
■【涙(なみだ)】…悲しみの涙
■【の】…主格の格助詞
■【残りなく】…ク活用形容詞「残りなし」連用形
※【残りなし】…余す所がない
■【思さ】…サ行四段動詞「思す」未然形
※【思(おぼ)す】…「思ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)
■【る】…自発の助動詞「る」終止形
◇ 今回は「る」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「尊し」 ☆
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この尼君の子なる大徳の声尊くて、経うち読みたるに、涙の残りなく思さる。
問)傍線部の理由として最も適当なものを、次の中から一つ選べ。
1.夕顔の法要がしめやかに行われる中、大徳の誦経の声が気高く朗々と響いて、悲しみがいっそう増したから。
2.夕顔の法要が厳かに行われる中、大徳の誦経の声がしみじみと心に響いてきて、心が澄み渡ってきたから。
3.夕顔の法要が厳粛に執り行われる中、尊い大徳の誦経が聞こえ、悲しみに浸る場合ではなくなったから。
4.夕顔の法要が静かに執り行われる中、尼君の子である大徳の誦経の声が朗々と響き渡ってきて頼もしかったから。
5.夕顔の法要がひそかに執り行われる中、大徳の誦経の声が厳かに聞こえ、改めて夕顔の死を実感したから。
古文の理由説明の問題は、
① 傍線部一語一語の古語や文法事項をつかむ。
② 傍線部前後の理由を示す箇所を見極める。
特に、傍線部直前の「(已然形)+ば」に着目しましょう。
今回は、傍線部直前に、接続助詞の「に」があります。
【に】
【接続助詞】
①〔逆接の確定条件〕…のに。…けれども
②〔順接の確定条件〕…ので。…ために
③〔単純接続〕…ところ。…と
④〔添加〕…のうえ、さらに。…に加えて
※Weblio古語辞典より
今回は、傍線部の理由を聞かれているので、
「に」は、順接の接続助詞でしょう。
ならば、
この尼君の子なる大徳の声尊くて、経うち読みたるに、
この部分が、傍線部の理由となります。
では、どんな大徳の声なんでしょう?
|д゚)
【尊し(たっとし)】
【形容詞:ク活用】
①けだかい。高貴だ。尊い
②価値が高い。すぐれている
※Weblio古語辞典より
「経うち読みたる」は、
お経を、「ちょっと読む」「勢いよく読む」
文脈によって、「うち~」の接頭語のニュアンスが変わるので、
「尊し」のイメージをしっかり持って、
選択肢を選んでみてください。
(*^_^*)ノ
【解答】…1
この尼君の子なる大徳の声尊くて、経うち読みたるに、涙の残りなく思さる。
● 過去記事リンク
■残りなし
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