【帚木430-3】「残りなし」☆
源氏物語イラスト訳のあいです
さあ!今日は重要古語!
毎日、少しずつ入れていきましょぉ♪
(ノ´▽`)ノ
【今回の源氏物語】
残りなくのたまはせ、知らせてけると思ふに、つらきこと限りなし。――――――――――
今回出てきた古文単語
――――――――――
■【残りなし】…余す所がない
■【のたまはす】…仰せになる
「言ふ」の尊敬(空蝉⇒光源氏)
■【知ら】…ラ行四段動詞「知る」の未然形
■【せ】…使役の助動詞「す」の連用形
■【て】…完了の助動詞「つ」の連用形
■【ける】…詠嘆の助動詞「けり」の連体形
■【と】…引用の格助詞
■【思ふ】…ハ行四段動詞「思ふ」の連体形
■【に】…順接の接続助詞
■【つらし】…耐えがたい。つらい
■【限りなし】…この上ない
◇ 単語の意味と文法的説明です。
――――――――――――
今日の古文単語:「残りなし」
――――――――――――
(ク活用形容詞)
…余すところがない
「学研全訳古語辞典」より
―――――――――――
大学入試古文 問題例
―――――――――――
問題)傍線部の解釈として最も適当なものを、次の中から選べ。
1.小君が自分の境遇を残らず告げてしまったのではないか。
2.すっかりあの夜のことを小君に告げてしまわれたのではないか。
3.小君にあの夜のことを事実以上に告げられたのではないか。
4.空蝉が光源氏を待っていると大げさに伝わったのではないか。
5.空蝉に残さず告げたことが、光源氏に伝わったのではないか。
誰に何を「のたまはせ」「知らせ」なのか?
がネックですねー!
(;゚;∀;゚;)
言葉の要素がどういうつながりになっているのかを見てみましょう。
…というつながり☆
「のたははす」は「言ふ」の尊敬語なので、
光源氏に対する敬意を表します。
ヽ(゚◇゚ )ノ
光源氏が弟の小君に
●おっしゃったこと
●知らせたこと
それが、「残り無」かったのです。
(・∀・)
(ク活用形容詞)
…余すところがない
つまり、
光源氏が、余す所なくすべて告げた
といことですね。
ちなみに、
「~と」の直前の「ける」は、
文末ですよね。。
係り結びの法則でもないのに、
文末が「ける」と連体形になっている。
これは、連体形止め といって、
強調・余韻を表す話し言葉特有の表現です。
選択肢の文末は全部、
「―たのではないか」という表現になっていますね。
(・∀・)
2.すっかりあの夜のことを小君に告げてしまわれたのではないか。
3.小君にあの夜のことを事実以上に(×)告げられたのではないか。
4.空蝉が光源氏を待っていると大げさに(×)伝わったのではないか。
5.空蝉に残さず告げたことが、光源氏に伝わった(△文脈ズレ)のではないか。
まずは「残りなく」の語義でしぼり、
あとは文脈を考えて、選択肢を吟味していきましょう♪
('-^*)/
正解は……2
残りなくのたまはせ、知らせてけると思ふに、つらきこと限りなし。
● 過去記事リンク
■のたまふ
■知る
■つらし
ーーーーーーーーーーーーーー
今日もご訪問ありがとうございました☆
お役に立ちましたでしょうか?(o^-')b