【帚木361-2】「て」の識別☆
源氏物語イラスト訳のあいです
センターまであと40日。
志願者が去年度より4000人近く多い56万人超だそうですよー!
今年度から、新学習指導要領に基づいた方向性。
ということは、
「問題意識を持って自らがどう学んでいくか」
という、新テストにもつながる出題傾向になりそう!
今回も、そんな方向の出題例を提示してみました。
では、いってみよ~っ♪
【源氏物語~これまでのあらすじ】
桐壺帝の御子である光源氏は、輝くように美しく、帝の寵児であったにもかかわらず、亡母の身分の低さにより賜姓「源氏」として臣下に降格されます。頭中将たちとの雨夜の品定めの翌日、久しぶりに正妻葵の上のもとを訪れた光源氏は、その夕方、方違えのために、紀伊守の邸宅に行きます。そこには、紀伊守の継母である空蝉がちょうど泊まっていました。
↓今回の源氏物語↓
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「昼ならましかば、覗きて見たてまつりてまし」
とねぶたげに言ひて、顔ひき入れつる声す。「ねたう、心とどめても問ひ聞けかし」とあぢきなく思す。
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受験古文で最もよく出題される文法事項の
ベスト5には入るといわれるのが、
今回の【反実仮想】と【確述用法】です☆
…∑(゚Д゚)
反実仮想については、アメンバー限定記事などにもいくつかアップしてますので、ご参照ください。
て、今回のイラスト解釈では、【確述用法】をとりあげたいと思います。
え? 確述用法を知らないって?!
(`・д´・ ;)
では、まず、次の問題から見てくださーい!
(ノ´▽`)ノ
「昼ならましかば、覗きaて見たてまつりbてまし」
【問題】傍線部abの「て」の組み合わせとして正しいものを選べ。
1.a.順接の接続助詞 b.完了の助動詞
2.a.強意の助動詞 b.単純接続の接続助詞
3.a.完了の助動詞 b.強意の助動詞
4.a.単純接続の接続助詞 b.強意の助動詞
5.a.強意の間投助詞 b.単純接続の接続助詞
こういう、識別の組み合わせ問題は、
去年のセンター古文でも出題されましたよね。
■平成27年度センター古文【イラスト解釈①②】
ここで、ポイントは、確述用法を見分けられるか、です。
(`・ω・´)ゞ
【確述用法とは…】
完了の助動詞「つ」「ぬ」が、推量の助動詞の直前に来た場合、本来の完了の意味ではなく、強意の意味として用いられる用法。
そして、よく出てくるのが、
えっ?
「む」も「べし」もないのに、どうして確述用法なの?
!щ(゜Д゜щ)
…などと思っちゃった人は、
上の4つをマニュアル化してしまって、
問題意識をもって学習していないんです。
【…ましかば~まし】の構文は、【反実仮想】
【もしも…だったら、~だろうに】と訳します。
ならば、「~だろうに」と訳す【まし】は、明らかに推量の種類の助動詞。
∑(゚Д゚)
「…覗きaて見たてまつりbてまし」
a 「覗きて」は、現代の「覗いて」と同じ。
「て」は単純接続の接続助詞ですね。
b 「見たてまつりてまし」は、
【見たてまつり】=ラ行四段動詞の連用形(拝見する)
【て】=
【まし】=反実仮想の助動詞「まし」の終止形
この間に挟まれている「て」は、
単純接続の助詞ではありません!
(※助詞なら、あとに助動詞が来るはずないし;)
① b「て」は、連用形に接続している。
② b「て」は、下接の「まし」により、未然形になる。
③ b「て」は、下接に推量系の助動詞(まし)がある。
この3つを全部兼ねそろえている文法事項は、
強意の助動詞「つ」の未然形
となるわけです!
(b^-゜)
正解は……【4】
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お役に立ちましたでしょうか?☆(o^-')b