【夕顔222-3】古文単語「絶え果つ」
今回の重要古語は「絶え(絶ゆ)」と「果つ」のフュージョン型です。
源氏物語イラスト訳 重要古語
【古文単語の覚え方】
1.現代語から想像して覚える
2.漢字のイメージで覚える
3.ゴロを利用して丸覚えする
の3つのどれかで覚えます。
今回は、【漢字のイメージ】で覚えましょ♪
【今回の源氏物語】
「やや」と、おどろかしたまへど、ただ冷えに冷え入りて、息は疾く絶え果てにけり。言はむかたなし。
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今回出てきた古文単語
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■【やや】…おいおい
■【と】…引用の格助詞
■【おどろかす】…起こす
■【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」已然形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
■【ど】…逆接の接続助詞
■【ただ】…ただただ(副詞)
■【冷え】…ヤ行下二段動詞「冷(ひ)ゆ」連用形
■【に】…強調の格助詞
■【冷え入る】…冷え切っている
■【て】…単純接続の接続助詞
■【息(いき)】…息。呼吸
■【は】…提示の係助詞
■【疾く(とく)】…はやくも
■【絶え果つ】…すっかり絶えている
■【に】…完了の助動詞「ぬ」連用形
■【けり】…過去の助動詞「けり」終止形
■【言はむ方なし】…どうしようもない
◇ 今回は「に」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「絶え果つ」 ☆
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「やや」と、おどろかしたまへど、ただ冷えに冷え入りて、息は疾く絶え果てにけり。言はむかたなし。
問)傍線部の意味として、最も適当なものを一つ選べ。
1.夕顔の息は荒く、今にも気絶しそうな感じだった。
2.夕顔の息は激しくなっていき、卒倒しそうな様子であった。
3.夕顔の不安は最高潮に達し、もはや気を失っていた。
4.夕顔の息はもはや絶え絶えで、意識はまったくなかった。
5.夕顔はもはや息をしておらず、死んでしまっていた。
傍線部を含む一文の主語と述語に着目せよ!
大学入試の国語、特に現代文の入試問題で、
口すっぱくなるほど、こう言われますよね!
これ。
古文でも同じことなんですよ。
(σ・∀・)σ
今回の傍線部を含む一文の主語は、「息は」ですよね。
ならば、その述語である「絶え入りにけり」の意味は…
【絶え果つ(たえはつ)】
【自動詞:タ行下二段活用】
①すっかりなくなる。すっかり絶える
②すっかり息が絶える。死ぬ
②の「息が―絶える」、つまり「死ぬ」の意味に、
決まっていますよね!
(-_\)(/_-)三( ゚Д゚)
【疾く(とく)】
【副詞】
①すぐに。早速。急いで
②すでに。とっくに
※Weblio古語辞典より
古文でよく出て来る「とく」も、
ふだんよく使う①の意味だけでなく、
今回のような②の意味も、きちんと押さえておく必要がありますね。
【解答】…5
「やや」と、おどろかしたまへど、ただ冷えに冷え入りて、息は疾く絶え果てにけり。言はむかたなし。
● 過去記事リンク
■たまふ
■にけり
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