【夕顔222-2】「に」を制する者は古典文法を制す! | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【夕顔222-2】「に」を制する者は古典文法を制す!

「に」の識別は、関関同立やMARCHなどでもよく出題されます。

出てきたものから文法的説明できるようにしていきましょう!

源氏物語イラスト解釈ラブラブ

 

【これまでのあらすじ】

天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を名のり、左大臣の娘(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬…。光源氏は尽きせぬ恋を重ねていくのでした。

ただ今、「4.夕顔」の巻です。17歳の光源氏は、惟光(これみつ)の実家の隣家にひっそり住まう夕顔の君に執心し、女の家で一夜を明かした後、彼女を廃院に誘いますが、夜半、夕顔は物の怪に襲われて急死してしまいます。

 

【今回の源氏物語】

「やや」と、おどろかしたまへど、ただ冷えに冷え入りて、息は疾く絶え果てにけり。言はむかたなし。

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 ☆ 古文オリジナル問題~文法~ ☆

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「やや」と、おどろかしたまへど、ただ冷えA冷え入りて、息は疾く絶え果てBけり。言はむかたなし。

 

問)傍線部の文法的説明として、最も適当なものを一つ選べ。

 

1.Aは、ナリ活用形容動詞の連用形活用語尾であり、Bは、過去の助動詞「ぬ」の連用形である。

 

2.Aは、完了の助動詞「ぬ」の連用形であり、Bは、断定の助動詞「なり」の連用形である。

 

3.Aは、格助詞であり、Bは、完了の助動詞「ぬ」の連用形である。

 

4.Aは、断定の助動詞「なり」の連用形であり、Bは、格助詞である。

 

5.Aは、接続助詞であり、Bは、ナリ活用形容動詞の連用形活用語尾である。

 

照れ  チュー  びっくり

 

「に」の識別は、

古典文法の入試問題で必須です!

 

 

古文でいちばんよく出てくるし、

大学入試で最もよく問われます。

 

 

上のようなマーク問題は、センター試験はもちろん、

関関同立やMARCHの入試問題でもよく出題されます。

 

 

なので、

「に」を制する者は、古典文法を制す!

 

さらには、

 

「に」を制する者は、大学入試を制す!

 

と言えるでしょう!!

(σ・∀・)σ

 

 

とにかく、傍線部の「に」が、

自立語の一部なのか、付属語なのか、

付属語ならば、助詞なのか、助動詞なのか、

助動詞ならば、完了の「ぬ」なのか、断定の「なり」なのか、

 

ぱっと見ただけで、きちんと識別できるようにしておかなければなりません。

 

 

 

Aの「」は、

「冷えに冷え入りて…」というまとまりで見ましょう。

 

「に」の直前・直後にある、「」という漢字に着目☆

同類の動詞だとわかりましたか?

 

 

【冷ゆ(ひゆ)

【自動詞:ヤ行下二段活用】

…冷たくなる。冷える

 

【冷え入る(ひえいる)

【自動詞:ラ行四段活用】

…すっかり冷える。冷えきる

 

 ※Weblio古語辞典より

   

 

格助詞の「に」に、【強意】の用法があります。

同じ動詞を重ねた間に用いる「に」の用法で、

「食べ食べる」「入り入る」など、今でも用いますよね!

ウインク

 

 

Bの「」は、

「―にけり」というまとまりから判断できます。

ヽ(*'0'*)ツ

 

【にけり

【連語:助動詞「ぬ」+助動詞「けり」】

①~てしまった。~てしまったそうだ

②~ってしまったなあ。~しまったことだ

 ※Weblio古語辞典より

 

 

 

 

 

【解答】…

 

 

 

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