『オカンの嫁入り』

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監督・脚本　呉美保
音楽　田中拓人

出演　宮崎あおい、大竹しのぶ、桐谷健太、絵沢萌子、國村隼、林泰文、斉藤洋介、春やすこ、
友近、綾田俊樹、たくませいこ

（あらすじ）

月子（宮崎）は母・陽子（大竹）に女手ひとつで育てられた。
月子が生まれた時には父は既に故人になっていた。
隣りに住む大家のサク（絵沢）とは家族同然。

陽子が酔って若い金髪の男・研二（桐谷）を連れて来て、結婚を宣言した。
もう３年も交際していたらしい。
怒った月子はサクのもとへ家出する。
陽子の上司で医師の村上（国村）に愚痴る月子。

月子のいない家では眠れない、と言って研二は庭で眠る。
研二は元板前で、現在は無職。複雑な生い立ちだった。
苦労人で優しい彼に月子の気持ちも開いて来た頃・・・

月子は会社で同僚（林）からストーカー被害に遭って以来、電車恐怖症になっており、
町から出ようとしなかった。
陽子は一緒に電車に乗って自分の白無垢の衣装合わせに付き合って欲しい、と言い出す。
これまで悠長だった陽子がそんなことを言い出すのは自分が邪魔になったからだろう、と
月子は怒る。

だが、陽子が倒れ、彼女が末期がんであることがわかる。

研二は陽子の病気のことを承知しており、
別れを宣言した彼女にプロポーズした。
陽子はその熱意に打たれ、承諾したのだった。
そして、陽子は現在の月子に
自分が幸せな毎日を送る姿を見せることが自分が出来る最後の事なのでは？と考えたのである。

陽子と月子は２人で電車に乗り、白無垢の衣装合わせへ行った。
陽子は月子に花嫁としての挨拶をした。

－結婚式も済み、楽しく暮らす皆の姿があった。

（感想）

しのぶ・あおいという、
自己主張・自意識の強そうな通称（自称もしてそう　笑）実力派女優初共演作。
自分はどっちにも魅力を感じないので、そのウリはどうでも良かった。

絵沢萌子クラス（悪人の秘密を知って脅して殺されちゃうおばさん役とかのイメージ）が
こういう大きな役を演じるようになるのは・・・
彼女はベテランで演技力もあるけど、
世代交代というより、不景気の影響なのかなぁ、なんて思う。
自分としてはそっちのほうが気になった。

この監督は、
正統的に撮ろうとしつつ、なかなか印象深いシーンを作り上げていて、才能を感じた。
いくつかのシーンで、台詞なしの映像が雄弁に語っていると感じるものがあった。

ストーカー被害（最近すっかりサイコ系俳優になってしまった

漂流教室の林・・・）に遭い、
被害者なのに会社からスポイルされちゃう娘・月子、
そんな月子に自分の生き方を見せることで何かを遺したい死期の迫った母・陽子、
いい話だと思う。

わかりやすい話だし、これからベテランと若手の女優の共演で
もっと映像化・舞台化していったらいいんじゃないかな。
ベテラン女優の白無垢姿をウリにするとか（笑）
しのぶの白無垢姿・・・笑えたもん。
自分のこと、かわいいと思ってるんだろうなぁ、とか
結構皺が目立っていたんだけど、白粉塗ってもわかるなぁ、とか。

演出や役者で色々変化がつけられる余地のある原作だと思った。

★★★関連作品レビューへのリンク★★★

宮崎あおい　

ソラニン

劔岳　点の記
大竹しのぶ　

ダーリンは外国人

借りぐらしのアリエッティ
桐谷健太　

ＢＥＣＫ
國村隼　