「香水は排ガスよりも悪い?」の原論文を読んでみた | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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そういえば先日、

 

デオドラントや香水は車の排ガスより悪影響!?『香り付け専用剤』についての個人的見解

の記事にて

 

「デオドラントや香水は自動車の排ガスよりも肺に悪い」

 

というニュースサイトを紹介しました。

 

 

上記の記事は凄く沢山の反響があり、

 

僕自身日々募っていた想いから少しきつめの記事になってしまったかな~とちょっとだけ思い返すこともあるのですが…(^^;)笑

 

 

ただ消費者の皆様からは凄く共感の声を頂き、

 

僕が考えていたこととか思っていたことが案外多くの人も思っているのかなと再確認できました。

 

 

とても良い機会だったと思います(o^^o)

 

 

 

さて少し話は変わるのですが、

 

実はこのニュースサイト『スプートニクニュース』は…

 

知る人の間では「デマ情報をよく載せるニュースサイト」としても有名なのだとか…(x_x;)



僕は知らなかったのですがそういう定説が結構あるらしく、

 

もちろん全部がデマ情報ではなくて正しい情報もあるのですが

 

情報の分析や伝えるべき内容が事実と違うことが多々あるそうです。。

 

 


それで、今回の記事ももしかしたら「デマ」だった可能性があり、、

 

それを検証するためにニュースサイトにリンクされている原論文をざっと読んでみることにしました。

 

 

本来は以前の記事を書く際にやるべきことだったのですが、

 

内容があまりに僕の主張と合致していたのでじっくり確認せずに記事を書いてしまいました…

 

これは深く反省するべきことです…

 

大変申し訳ございませんでしたm(_ _;;)m





ただ、デマと決まった訳ではないのでちょっくら読んでみようと思います!

 

 

ちなみに僕は大学院のアカウントを持っているので読めるのですが、

 

大半の方は要旨(まとめ)しか閲覧できないと思います(^^;)

 

 

 

ちなみに今日はもの凄くマニアックなネタなので…(;^o^)ゞ

 

化学耐性がない方はすーっと流し読んで頂けるとありがたいです(笑)

 

 

 

 

◎まずスプートニクニュースの不可解な点

 

 

スプートニクニュースの記事を簡単に要約すると

  • 大気汚染の原因になっている「揮発性化合物」の一番の発生源は自動車や工業系企業の排ガスではなく、化粧品や生活用品だった。
  • 研究者の言葉「我々の測定値が示すように、住宅内における揮発性物質の濃度が屋外より数十倍高いことがしばしばあった。これは炭化水素を原料とした化粧品がその発生源であるということでのみ説明がつく」→化粧品中の揮発性物質=「香料」などが原因→デオドラントや香水?
  • この理由は、大多数の国の法律は化粧品中の揮発性炭化水素の含有量を考慮しておらず、全く規制していないから。

という感じ。

 

 

実はこのサイトを見て記事を読んだ時に、

 

僕自身少し引っかかったところがありました。

 

 

 

最初は大気汚染の原因になる物質を「揮発性化合物」とかなり広く表現しているのに、

 

最後のまとめでは「揮発性炭化水素」と化合物の幅がかなり狭まっているのです。

 

 

 

「化合物」と言っていたのになぜ「炭化水素」になったのだろうか…

 

とちょっと引っかかっていました。

 

 

化学的に『化合物』というのは「化学成分全部」くらいのとても広い意味になります。

 

それに対して『炭化水素」というのは炭素と水素が結合した物質のみを指すので、

 

化学成分としてはかなり一部の成分に限定されるんです。

 

 

この辺が少し気になりました。

 

 

 

また表題にもなっている結論

 

「デオドラントや香水は車の排気ガスより肺に悪い」

 

というのも、

 

言われてみればちょっと気がかりです。

 

 

香料も吸い過ぎれば身体に良い物ではないのは事実だけど、

 

だからといって排ガスより悪いっていうのは一体何をどう比較した時の話なの?

 

と不思議に思う部分があります。

 

 

 

 

また僕はこの記事を読んで「揮発性化合物」というと真っ先に「香料!」と思いましたが、

 

知り合いの先生は「エアゾール製品の液化石油ガス(LPG)」などではないかな?と思ったのだそう。

 

 

実は「香料」も確かにテルペン類などの芳香成分なら炭化水素なのですが、

 

香料の中にはテルペンではなくてアルデヒドやアルコール、エステルなどの、

 

炭化水素ではないものもあります。

 

 

でも液化石油ガスなら確かに主成分は炭化水素なので

 

この結論「揮発性炭化水素の含有量」という話と合致します。

 

 

 

 

つまり「デオドラントや香料が悪い」というタイトルによって、

 

本来は液化石油ガスなどの成分が原因だったのに

 

「化粧品の香料が悪い」という風にスリードを誘った可能性があるとも考えられます。

 

 

そうだとしたら、この記事のおかげで大批判を浴びた「香料」は…

 

ちょっとかわいそうだったかもしれませんね…

(でも最近香料使いすぎでしょ!と思うのは変わりませんが;)

 

 

 

 

というわけで、ではスプートニクニュースについて実際はどうだったのか?

 

原文を読み込んだ結論を書いていきます。

 

 

 

 

◎確かに「香料」についての指摘はあるが、まとめ方はかなり杜撰

 

 

ざっくり言えば、

 

↑こんな感じですね(^^;)

 

 

そもそも原文のタイトルは

 

『Volatile chemical products emerging as largest petrochemical source of urban organic emissions』

直訳すると「都市部ガスの最大の有機化学性排出源として揮発性化学製品が浮上している」となります。

 

『揮発性化学製品の台頭 ~都市部大気汚染の最大の原因~』ってな感じで意訳するとかっこいいかも。

 

 

つまりこの「揮発性化学製品」というものが一体何なのか?というのがこの論文の重要ポイントですね。

 

 

 

それで色々読んでいくと、

 

簡単に言えば

 

最近は交通や工業排出の排ガスの大気濃度が減少傾向にある一方で、

『揮発性化学製品』の排出する有機性ガスの濃度が上昇している。

一部のガスの室内濃度は十分人体に悪影響になる濃度であった。

 

という感じの内容で、

 

この揮発性化学製品には

 

「化粧品」や「洗剤」だけでなく、

 

「農薬」、「塗料」、「印刷インキ」、「接着剤」

 

などの雑貨製品的な化学製品も含まれていたのです。

 

 

 

なので化粧品や洗剤などの「香料」のみではなく、

 

例えばエアゾール製品の「LPG」、化粧水などの「エタノール」、コスメ類の「揮発性シリコーン」、

 

ネイルリムーバーや塗料やインクの溶剤である「アセトン」や「酢酸ブチル」などなど…

 

 

揮発しうる有機化学物質すべて

 

を対象に研究がされていました。

 

 

 

化粧品や洗剤については、

 

室内大気の濃度を計測したら「リモネン」などをはじめとする「テルペン」系の香料成分が多量に検出されたため、

 

これについて「化粧品に含まれる香料も室内大気汚染に貢献している。」と綴る一文はあるものの、

 

すべての根本原因が香料であるという風には書かれていませんでした。

 

 

 

つまり大気汚染原因は「デオドラントや香水」だけでなく、

 

オフィスであればインクやその他の製品の成分が大きく関与していた可能性も十分にあります。

 

 

また「香水などが排ガスより悪影響」というのも少し情報が曲がっていて、

 

 

実際には大気汚染は『室外』と『室内』で計測されていて、

 

揮発性化学物質の毒性が発揮される濃度に達していたのは「室内」のみです。

 

 

人は室外より室内にいる方が長いので、

 

その暴露時間を考慮すると室内大気汚染の方が重要だ、ということで

 

「香水とかデオドラント(とかインクとか洗剤とか)の方が排ガスより(長く吸い込む分)悪影響」

 

という結論になったようです。

 

 

 

あと最終のまとめで「揮発性炭化水素の排出量~」という話になったのは、

 

毒性が発揮される濃度に達していたのが揮発性の「芳香族炭化水素」と「塩素化炭化水素」の二つだったからです。

 

他にもいっぱい計っていたんですが、

 

特に芳香族炭化水素のテルペン類が多かったので香料の影響がかなり関与している可能性は十分高いですが、

 

このデータのみで「これは炭化水素を原料とした化粧品がその発生源であるということでのみ説明がつく」という評価をすることは難しいように僕は思います。

 

 

 

 

 

つまりはこの研究だと「香料が」というよりは「香料も含む揮発性の成分全部が」という方が正しく、

 

デオドラントや香水のみに焦点を当てて記事を書いたスプートニクニュースは

 

やはりちょっと杜撰なまとめ方になっていた(というか意識的に情報を曲げられていた?)ように感じました。

 

 

この場合だと「インク」とか「溶剤」とか、なんなら化粧品で言えば「エタノール」も一応該当しますしね。

(危険濃度と言えたのは確かにテルペンなどの香料を含む揮発性炭化水素類でしたが…)

 

 

少なくともちょっと問題のあるニュースのまとめ方だったのかな~とやはり感じましたね(^_^;)

 

 

 

 

◎とはいえ、香料問題についての考えは同じです

 

 

 

まぁ話題に持ってきたニュースサイトの質があんまり良くなかったというのはありますが、

 

僕の持論はどっちかというとその後に書いてた内容なので

 

この考えには特に変更はありません。

 

 

もう5年くらい前から同じこと言ってますしね…(^^;)

 

 

香料使いすぎ問題はやっぱりどうにかして欲しいですよねー。

 

 

 

最近は昔から気に入って使ってる「エマール」さんも徐々に香料が気になってきて…

 

実は今作ってるんですよ(;^o^)ゞ

 

 

image

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(おしゃれ着・敏感肌用洗剤)

 

です!!

 

 

 

非イオン系洗剤ベースなので繊維を痛めにくく、

 

ウール・シルク・コットン・化繊何でも洗えて、

 

もちろん敏感肌にも優しく、

 

柔軟剤なしでもゴワゴワせず、

 

イオン交換作用によるちょっとした消臭機能も持った洗剤になる予定です。

 

(除菌・殺菌・漂白効果などはありません;)

 

 

 

これより先に出す予定の商品があるのでこれはもう少し先になるのですが、

 

衣類洗剤系の商品名はまだ決めていないので

 

今後また読者の皆様とアンケートなどで相談しながら決めたいな~と思っています(o^^o)





セラホワイトとかセラクリーンとか、そんな感じになるのかな~と思いつつ…('-'*)





 

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