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ここ最近 『ロングUVA』 という言葉をよく耳にするようになりました。
日の出から日の入りまでずっと、雲や窓ガラス・帽子や日傘を通過して降り注ぐ危険な紫外線だとかなんとか…。美容部員さんに
『従来の日焼け止めでは全く意味がないの!
これからはロングUVA対応の日焼け止めじゃなきゃダメ!』
と言われ、
じゃあ今までの苦労は何だったんだ…
と軽くヘコんでいるところです(´..)
ところで、ロングUVA対応と記載されている日焼け止めは従来の日焼け止めと一体何が違うのでしょうか?
先日頂いたコメントです!
先日より日焼け止め関連の記事をいくつか書いているわけですが、
最近は『ロングUVA』というものが注目されるようになってきているようです。
僕もこれについてはあまり詳しく知らなかったので少し調べてみたところ
いくつかとても良い文献を見つけられたので
今回はそれらを参考にしつつ内容を整理していきたいと思います。
もしかしたら独り言みたいな内容になっちゃうかもしれませんがご容赦ください(^-^;
◎『ロングUVA』とは?
ロングUVAというと、直訳するなら「長い長波長紫外線」ですね。
→紫外線の基礎知識
上記記事で説明したように地表に到達する紫外線には
肌に急性の影響を与える『短波長紫外線』 → UVB
長期暴露で老化の主要因になる『長波長紫外線』 → UVA
の二種類が存在します。
ロングUVAは、この『UVA』の中でも特に長い波長領域の紫外線のことを言っています。
数字で表すと、
通常のUVAの波長がおよそ315nm~400nmのところ、
そのうち波長が340nm~400nmあたりの紫外線をロングUVAと呼んでいるようです。
数値で見るとUVAのほとんどは「ロングUVA」ということになりますね。
(実質的にUVAの70%以上はロングUVAです)
ネット情報などで『地表に降り注ぐ紫外線のほとんどはロングUVA!』という風に言われている情報の元手はここにありそうです。
◎従来の日焼け止めはロングUVAに対応していなかった?
そして最近の美容メーカーの言い分としては、
「従来の日焼け止めはロングUVAには対応しておらずダダ漏れ状態であった」
(だからこれからはロングUVAに対応した日焼け止めを使いなさい)
という風に言っているわけですが…
これは本当なのでしょうか?
これについての興味深い資料がここにあります。
『Sunscreens: An overview and update 』 Divya R. Sambandan
英語なのでぱっと見わけわかんないと思いますが…(^-^;
上の資料を無理やり日本語に直すとこんな感じです。
「FDA」というのはアメリカの食品医薬品局のことで、
(アメリカで化粧品の成分の登録などを牛耳っています)
登録されている日焼け止めの成分は日本とほとんど同じです。
表の見方は成分名が左に書いてあり、
右にずれる順に、
・配合できる最大濃度(数字が大きいほど安全性が高い)
・紫外線吸収剤における最も有効な紫外線の波長
・保護できる紫外線の波長
・UVAとUVBのどちらを保護できるか
が書いてあります。
例として見ると、
紫外線散乱剤として有名な「二酸化チタン」は、
日焼け止めに25%まで配合できます。とても安全です。
吸収の得意な波長は無し。反射する成分だからですね。
防御できる紫外線の範囲は、290nm~350nmなので…
二酸化チタンはちょうどロングUVAを防御できない紫外線防護剤
ということが分かります。
その他、日本の日焼け止めで人気の「メトキシケイヒ酸オクチル」などを見ても、
280nm~310nmが防御範囲ですので確かにロングUVAは防御できていません。
ロングUVAを吸収できる成分は
「スルイソベンゾン」「アボベンゾン」
などなど、
『~ベンゾン』というタイプの吸収剤ばかりです。
※
スルイソベンゾン→「オキシベンゾン-4」
アボベンゾン→「t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン」
が日本での化粧品表示名称です。
何となく聞いたことがあるかもしれませんが、
これらは全て『オキシベンゾン』というタイプの紫外線吸収剤で、
配合量を増やすと皮膚刺激が強くなるデメリットから
昨今化粧品業界全般から嫌われていた成分なのです。
散乱剤の酸化亜鉛は使用のケースも多いですが、
散乱剤は紫外線防御力自体が低いため十分紫外線をカットしきれません。
結局のところロングUVAに対応している紫外線防護剤は
これまでの化粧品業界では十分な配合量では使われておらず、
『これまでの日焼け止めはロングUVAに対応していなかった』
というメーカーの主張はある意味正しいものだと言えそうです。
◎オキシベンゾン以外のロングUVA対応紫外線吸収剤
で、オキシベンゾンは表を見てもわかるように安全性の低いものが多いです。
オキシベンゾンは超広域の紫外線吸収剤で、
非常に優れた紫外線防御効果を持っている反面、
構造上の不安定性から皮膚への刺激が懸念されています。
そこで最近では2006年にロレアルが開発した
『テレフタリリデンジカンフルスルホン酸』
という紫外線吸収剤が使われることが増えてきているようです。
これは比較的安全性も高く、
カバーしている波長域も296nm~390nmとロングUVAにもかなり対応しています。
日本でも最近発売されている「ロングUVA対応!」という日焼け止めには
この成分が入っているものもあるようですね。
まぁ特にロングUVA対応の日焼け止めを作るのであれば
酸化亜鉛とテレフタリリデンジカンフルスルホン酸を用いた日焼け止めにすれば良いということになりそうです。
吸収剤が嫌いな場合は酸化亜鉛ベースの日焼け止めを探すと良いかもしれません。
(ただ散乱剤の場合は粒子径も重要らしいので、一概には言い切れませんが^^;)
というわけで「ロングUVA」というのもあながちウソってわけではないようです。
しかしてロングUVA…ホントにそんなに危ないの?という話をしないと、
この話の結論は出てこないのです。
ちょっと長くなりすぎましたので
ロングUVAへのかずのすけ的見解の結論は、次回へ。
→「ロングUVA」と日焼け止めについての考察(その2)
本記事で参考にしている文献↓
・『Sunscreens: An overview and update 』
・『Current sunscreen issues: 2007 Food and Drug Administration sunscreen labelling recommendations and combination sunscreen/insect repellent products』
Camile L. Hexsel
・『Broad-spectrum sunscreens provide better protection from solar ultraviolet–simulated radiation and natural sunlight–induced immunosuppression in human beings 』
Dominique D. Moyal
(いずれも内容を見るには専用アカウントが必要ですm(_ _)m)
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