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「ロングUVA」と日焼け止めについての考察(その1)
さて、「その1」ではとりあえず美容メーカーにとってはうれしい一般論的なことを書いたわけですが。
実はかずのすけの結論自体はまったくの真逆です。
ぶっちゃけて言いますと、
ロングUVAなんて無視した方が良いです。
はい(笑)
その理由についてお話しましょう!
ただここからはさらに難しいお話になるかもしれません…(^-^;
かずのすけはかなりノリノリで書いてますので
どうか興味のある方だけでもお付き合い頂けると嬉しいのですが(苦笑)
◎『ロングUVA』は危険なのか?
さて、
確かに長波長紫外線(UVA)のうち、その大半はロングUVAです。
UVAは315nm~400nmの紫外線のことで、ロングUVAは340nm~400nmの波長の紫外線のことを指すわけですから、
実に地表に降り注ぐUVAのうちの70%以上がロングUVAということになります。
であればロングUVAを野放しにしては、お肌の老化は促進されっぱなしになるんじゃないの??
と不安に思うのも致し方ありません。
実際に美容メーカーの多くはこうやって、
「地表に振る紫外線のほとんどはロングUVA!だから危険!」
と言って恐怖を煽ってくるわけです。
こんなこと言われたら前回の記事の質問者さんのように、
「じゃあこれまでの紫外線対策って何の意味も無かったの?とほほ…。。」
という風に感じてしまうでしょう。
ですがこの考え方には大きな落とし穴があります。
そもそも紫外線の脅威は「振っている光の量」で決まるものではありません。
紫外線の脅威というのは
その紫外線の持つエネルギー量がどれだけ大きいか、
ということと
紫外線を浴びる遺伝子(DNA)にとって最も危険な波長の長さがどれくらいか、
ということが最も重要なのです。
しっかりそれを考えてみれば、
ロングUVAの危険性に疑問符が生まれるはずです。
◎長すぎるUVAは遺伝子(DNA)を壊せない
『紫外線を受けるとDNAが破壊され、その結果細胞分裂に異常を来たしそれが蓄積することで老化になる』
というのは老化の「エラー説」の基本的な考え方です。
ただこれってとてもぼんやりした表現ですよね(^^;
そもそも紫外線を受けるとなぜDNAが破壊されるのか?
という話です。
これは紫外線吸収剤を例にするとわかりやすいかなと思うのですが、
紫外線吸収剤は紫外線の光を吸収してエネルギーに変えるか、
もしくは別の形に変質します。
紫外線にはエネルギーがありますので、吸収したならそのエネルギーをどこかで放出するか消費しなければ安定を保てません。
なので紫外線吸収剤は紫外線を吸収すると、場合によっては形を変える…つまり破壊されることもあります。
そして実はDNAにも紫外線吸収作用のようなものがあるのです。
DNAも紫外線吸収剤同様、
紫外線を吸収するとエネルギーを受け取ってしまうので構造が変化したりします。
(つまり破壊されます)
DNAというのは「デオキシリボ核酸」という巨大な化学物質で、
この物質の量を同定する際に「分光光度計」という実験室ではポピュラーな測定器を用いて計測するのですが、
このときのデータが非常に面白いです。
↓はDNAの『吸光度』というものを表している表です。
<DNAの吸収スペクトル>
→DNAの純度の測定 より引用
まぁこのデータを見ればわかる人には
「ロングUVAなんて無視していいじゃん」
とすぐに思うわけなのですが…(^^;
どういうことかというと、
この表が示しているのはDNAが一番吸収しやすい波長の光は、
波長260nmくらいの紫外線で、
広く見ると310nm程度までの紫外線を吸収出来る
ということになります。
まぁこの波形なら右端がどれだけ伸びたとしても320くらいが関の山でしょう。
つまりDNAは波長の長すぎる紫外線(350nm以上とか)は吸収できないため、
ロングUVAにはDNAの破壊が出来ないということが言えるのです。
◎ロングUVAは無視してもいい!?
実際に長期蓄積が不安な光線の波長はこの話を踏まえれば
短波長UVAの320nm~340nm程度までだと言えます。
つまりこれまでの日焼け止めでも最も危険なUVAの波長域には十分対応していたといえます。
そもそも長い波長のUVAはそれほど大きなエネルギ-を所持していませんし、
UVBや短波長UVAに比べて危険度がとても低いのです。
そのため、
業界で長波長域の紫外線吸収剤であるオキシベンゾン類が問題視された際には
ロングUVAは即座に切り捨てられたのです。
もちろん防ぐに越したことは無いけど危ないと言われている成分を使ってまで防ぐほどのものでもないな、
という風に。
◎ロングUVA対応の紫外線吸収剤はリスキー?
前回の記事で紹介した紫外線吸収剤の承認配合濃度を見ると、
長波長域をカバーしている吸収剤は承認濃度が比較的低いことがわかるかと思います。
これはなぜかというと、
実は長波長域をカバーする吸収剤は不安定なものが多く
配合濃度を増やすと皮膚への刺激が懸念されるからなのです。
以下の構造式は『オキシベンゾン』という吸収剤の構造式です。
この構造を見ると、
一本線でつながる部分と二本線でつながる部分が交互に連なっている
という特徴があるのに気付きます。
この構造を化学の専門用語で『共役二重結合』と呼びます。
→農研機構(国立研究開発法人) より
共役二重結合は長く続くほど長い波長の電磁波を吸収できる性質があり、
紫外線吸収剤もこの性質を応用した化学物質です。
短い波長を吸収する吸収剤は共役二重結合が比較的短くて良いのですが、
長い波長を吸収する吸収剤は
共役二重結合も長めに作らなくてはなりません。
なのでロングUVA対応の吸収剤にするには
それなりに長い共役二重結合を作らなければならないということになります。
そして、
化学的に「二重結合」という構造は安定性が低いため、
光などを吸収すると分解したり構造が変わったりします。
その際の構造の変化時に周囲の物質にも影響を与えてしまうことから
二重結合の多い化合物は安全性も低いという一般認識があるのです。
つまり。。
ロングUVA対応の吸収剤はそれだけ皮膚刺激が強くなる可能性が高い
ということになってしまうのです(^_^;)
上記の承認濃度が比較的高い新規の紫外線吸収剤である
『テレフタリリデンジカンフルスルホン酸』
も、同様に共役二重結合が非常に長い化学物質です。
なので、アメリカでの承認濃度は高いと言っても
やっぱり構造的には結構不安の大きい成分ということになりますね。
現在日本で使われている日焼け止めを見ても
やはりまだあまり沢山の配合にはなっておらず、
メーカーも中々に慎重になっているなぁという印象があります。
(なので実際に配合されていても微量ですから、十分ロングUVAを吸収し切るほどの量にはなっていないはず)
◎皮膚刺激を取るか、影響があるかどうか微妙なロングUVAを取るか
というわけで、
ロングUVAは影響としては本当にあるのかどうか疑わしいレベルの紫外線で
これまでも基本的に無視されてきたものです。
これに対応したとして本当に十分効果があるかどうかはかなり微妙です。
(もちろん防げればそれに越したことは無いと思いますが)
しかしこれを吸収できる紫外線吸収剤は構造的に不安要素が大きく、
十分ロングUVAを吸収し切るだけ配合するとしたら
皮膚刺激的にかなりリスキーな日焼け止めになる可能性が高いと言えます。
効果として十分なエビデンスに乏しいロングUVAを防ぐために
高価で、かつ刺激がある可能性の高い日焼け止めを使うというのは…
はてさて本当に賢い選択と言えるのか。
かずのすけは甚だ疑問です。
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