かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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セラミドとは② ~「ヒト型セラミド」について(合成vsヒト型?)~



「セラミド」に関する情報で一番大きな問題は、

セラミドの表現があれこれあれこれ次々に出てくることです。
(正式名称じゃないやつ)


例えば、


『天然型セラミド』

という表現や、

『活性型セラミド』


など、


一般人が見れば

「なんかよくわからないけど良さそう?」


と思ってしまうような…。。




でも実際に、

化粧品の成分名で「活性型セラミド!」みたいな名前の成分って

存在しませんよね・・・(^_^;)



これって実際のところ何なの?

というお話を簡単にまとめておきます。




◎大前提:全部「ヒト型」とおなじもの!



   →通販生活公式オンラインショップより    小林製薬公式オンラインショップより 


↑の資料を見比べて頂くといいのですが、

グラフの数値が全く同じですね。



つまり使用しているデータは2つとも同じものだということがわかります。
(FRAGRANCE JOURNAL (10:75-83、1999))


しかし一方では

・「肌型セラミド」

・「光学活性セラミド」


と言っていたり、


もう一方では

・「天然型セラミド」

なんて言っていたり、


おんなじデータなのですから

使っているセラミドは同じもののはずなのに、


各社でその表現が違う
ということが分かります。



ちなみにこの右のデータは小林製薬のものなので、

『ヒフミド』で取り扱われている「ヒト型セラミド」とも同じものです。
(『合成と比べて3倍!』というのはまさにこれです)



つまりはこういうことです。



ばっさり言ってしまえば、

化粧品配合名称が「セラミド(数字or英字)」で表されているものは、


「天然型」も「肌型」も「活性型」も、

全部おなじ『ヒト型セラミド』のこと


なのです。


そしてその同じヒト型セラミドのことを、

各社で別の呼び方で表現しているのです。


…全くややこしい限りですよね(^_^;)




◎理由→自社製品のセラミド「だけ」がすごいと誤認させるため


普通の消費者は「セラミド」についてよくわかっていません。


なので全く同じセラミドでも

「呼び方」を変えて表現すれば

まるでその会社しか使っていないセラミドのように見せかける

ことが出来ます。


さっきもお見せしましたが、


このように全く同じデータを使いまわして、

同じ成分の「呼び方」を変えることで

そのメーカーだけが開発した独自成分のように

消費者に誤認させるわけですね。



そのおかげで

同じヒト型セラミドなのに

各社ごとに呼び方がマチマチで

いろんな表現が生まれてしまっているわけなのです…^^;



それにしても・・・

『天然型』だの『活性型』だの、

おんなじものを指すにしては

意味がまったく別々のような気がしますが・・・
(『ヒト型』ともまた違いますよね)


しかし当然

こう名付けるにはそれなりの根拠があります。


メーカーも嘘を付いているわけではないので、

何も適当に言っているわけではないのです。


この『根拠』ですが、

「ヒト型セラミド」の化学構造・・・特に三次元的な 

立体構造上の特徴を示すとある化学用語が、


謎を解く鍵になります。




◎ヒト型セラミドの正式名 → 『光学活性体セラミド』


前回の記事では、

ネジの喩えで 
 
「合成」=ごちゃまぜ型  「ヒト型」=右ネジだけ型 
 
と表現して、


このうち「ごちゃまぜ型」を専門的な言葉で

「ラセミ体」

と呼ぶとお伝えしましたね。

 
実はこれに対して「ヒト型」のことは専門的な言葉で

「光学活性体」

と呼びます。 


 
ただちょっとややこしい話ですが、 


「右ネジだけ型」だけが「光学活性体」というわけではなく、 

「左ネジだけ型」を取り出したとすればそれもやはり「光学活性体」です。 


   
 ↑どちらか特定の型だけを取り出したなら、どっちも光学活性体… 


特定の型だけであれば「光学活性体」

混ざった状態だと「ラセミ体」

なんですね。 
 


 
セラミドは複雑な構造をしているため、

ネジの喩え話のように

単純に右ネジだけ型・左ネジだけ型、

といった2通りで
表現しきることはできませんが…(^_^;)



 
とはいえ現在主流の合成して作ったセラミドは


ヒトの身体に存在する型の光学活性体セラミドだけ

を取り出しているので、 

「(ヒトと同じ型の)光学活性体セラミド」

つまり「光学活性体セラミド」 

と呼んでいるわけです。 
 




専門的には、

↑図の紫色の○と水色の○で囲ったところがネジでいう螺旋構造で、
化学の世界における「右回り」「左回り」で
結合していることを示しています。  

なので
図のようなセラミド2の場合
右回り・左回りどちらか選びうる箇所が2箇所あるので、 
ひとつのセラミドには
2X2=4種類の光学活性体が存在する
ということになります。 
 

ネジで表現するとこんな感じです↓。 
 

 左から順に  
「右ネジ緑(ヒト型はこれだけ)」 
 「左ネジ赤」  「右ネジ黄」  「左ネジ紫」 
 
 


◎「天然型セラミド」とは 
 

合成してセラミドを作ると、


上で軽く触れたように

特定の結合の数に由来した

複数個のセラミドが生じてくることになります。




ですが自然界に存在する(生物が生み出す)セラミドは、

実は 『右ネジだけ型(ヒト型)』 一種類だけ なのです。


そこから

 「ヒト型」=「自然界(天然)に存在するものと同じ型の光学活性体」 

という捉え方をして、 
 


あくまで「合成品」であるセラミドの

「合成」というマイナスイメージを払拭し、


消費者にナチュラル~なイメージを
与えるため

「天然型」

という表現が生み出されたと考えられます。 

 

近年「天然ヒト型セラミド」という謳いでふれまわっている
メーカーを見かけるようになりましたが、
こちらは「天然型セラミド」 
とは意味が異なります。
このセラミド素材はちょっと位置付けが特殊なのと、
一部のサイトで偏った情報が独り歩きしている感があるので、 
天然由来のセラミド関連素材の項で詳しく説明しますね。 
 

 
◎「活性型セラミド」とは 
 

上でも言いましたが、


ヒト型セラミドとは「光学活性体セラミド」のことです。 
 


よくサプリメントで「活性型ビタミン」とか見かけませんか? 

 
これも同じで、

おそらくは「光学活性体」という専門用語をヒントに、 


「活性型」という表現と結びつけたのでしょうね…(^_^;)



「活性型」なんていう呼び方をすると

まるで普通のヒト型セラミドよりすごい!

という印象を受けるのですが、


実際には、

何度も言いますが活性型もヒト型も同じものです。


今はもう使われないラセミ体と比較してすごい…というだけです。




◎「ヒト型セラミド」の分類・・・


さて、

セラミドの基本説明から始まり、

前回と今回の2回に渡りヒト型セラミドについて解説しました。


ヒト型セラミドについては

合成ラセミ体セラミドと比較すれば違いがあっても、


同じヒト型セラミドであれば


肩書きなんてほとんど関係ないっていうことですね(^_^;)




そういえば普段見かけるヒト型セラミドは、

「セラミド1・2・3・6Ⅱ」くらいですね。


実際のところ

セラミドって一体何種類あるのか?

これも情報が錯綜してますね。 


→セラミドとは① ~セラミドの役割と一般的特性~


の記事で

その表記方法についても少し触れましたが


この辺りのところを一回まとめておきたいと思います。 


実は、

今後の記事で明かされる衝撃の真実へと繋がる 

大きな伏線にもなる重要なところなのです・・・。 



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