1385話:祖先を祀る「孝」は儒家思想からはじまった。 | 院長の徒然なるままに。

1385話:祖先を祀る「孝」は儒家思想からはじまった。

今日は休診日。

いよいよ執筆も今日でコンテンツの完成をみるかなという感じです。

ブログ、経理、執筆の順で
今日のすこし落ち着いた雨模様の一日を過ごそうと思います。

一日Macの前ですね(苦笑)。

さて、
宮川先生の中国思想における死生観のお話ですが、
本当に読み進めてためになります。

昨日は死と死後の世界のかかわり、
そして土葬やミイラといった死後の身体の処置、
副葬品などの意味を学びました。

今日は儒家思想にみる「死生観」です。

私達日本人はお仏壇がある生活をよく知っています。
しかし、世界中に「墓参」という習慣があることも。
花を手向けるとかね。

そういった「気持ち」になるのはなぜ?

儒家思想の中にそのはじまりがあるのだと先生は説きます。

「死亡すれば魂は天上にのぼる、魄は地に帰ると考えていました。
祖先の魂を祀り、命の連続を唱えたところに(儒家思想の)特色があります。」


なあるほど。

「個体は死ぬけれども、魂としては永遠と続く。
肉体は死んだのだけど、その魂は子孫に祀られることによって、
永遠と子孫とつながっている。」


そうです。命の連続性、というのは大切な理念ですね。
生前触れあった肉親の死、という突然の幕切れ、
それが死別なのでしょうが、心の中で分かれた彼ら、彼女らとの
心のつながりは途切れるのではなく、

「生」の側の心の中でつながっているはずです。
その思いが墓参という行動に向かわせたり、
命日に祈るという心につながっているのでしょう。

その思いは親子、孫、そして数代後、
さらに祖先、と呼ばれる実際には触れあったこともない世代間の連帯をも生むのです。

ルーツですな。

孔子はそういった「祀る心」を

「孝」という道徳概念にしたのだそうです。

なるほど「孝行」です。

宮川先生の講演では

「孔子は、祖先の霊を祀ることを「孝」という人徳にして、
人間性を培う重要な道徳の一つにしました。
これが儒家思想の特徴です。子孫を祭ることを人としての
ぎむにして、祖先の魂との連綿性を保ち、祖先を祀っている自分も、
死んで子孫とつながる、という安心さをもたらしました。
そういうわけで、葬送儀礼を重視し、儀式化したのが儒教です。
死んでも、魂は天上にいるのだから、きちんとお祀りしておこう
ということです。

祖先の魂が天上にいて、私達を見守ってくれている、
だからちゃんと祀らないとダメなんだ。祖先の魂は、
きちんと祀れば福をもたらして、
粗末に扱うと悪霊となって災いをもたらす。
この関係でも祖先と子孫は連綿としてつながっているようです。
死んだけれども、いなくなったのではなく、
魂となり子孫とつながっているんだということです。

位牌、墓地、土葬、遺骨などは本来は儒教的な要素であり、
今は仏教と一体になっていますが、
中国で布教するときに導入したものです。
最近、お墓はいらない、散骨にする、樹木葬にする
というような流れは、脱儒家思想ということになります。」

仰せの通りですね。

死生観の中には
病で愛する家族を失う場合の「別れ」、すなわち死の間際まで手を取って看取るものと

突然の事故などでそれまでの関係が心の準備なく喪失する様な「別れ」、

そして勇敢な戦などのために覚悟していた「名誉の別れ」
などなど、いろいろなタイプがありそうです。

それぞれに残された人々の心の中で
「魂」がどのように進んでいったのか、とらえ方が異なることでしょう。

やり残したことがある事を知っている子孫は
それをやり遂げるために自らの人生の道を曲げるかもしれません。


行くこと、出かけることによって「死」が待っているかもしれない戦に赴き、
そこで「国」やら「民」やらのために殉死したのなら、
残された人々はその死を
「悲しいけれど無駄ではなかった」と英雄視できるように
努力するでしょう。

そして、死者があちらからも言葉を投げかけるであろう
墓参や、祀りの日には彼らの魂に触れ、自らの心の
祖先からの連綿性を思い起こす作業を続けることで
「家」をかたち作っているのかもしれません。

死生観という言葉に
恥ずかしながら近づくことが少なかった私ですが、

宮川先生のこういった講話にふれ、
あらためて考えさせられることがありました。

勉強になりました。ありがとうございます。

明日は、道家の思想について先生のお話と、
それから気づいたこと等を書こうと思います。



ヒポクラテスのことば・・・。


人生は短く、術のみちは長い。
機会は逸し易く、試みは失敗すること多く、
判断は難しい。

ヒポクラテス全集より。


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