透きとおった悪の時代へ(2)
核をめぐる言説 2011
年  8月~12月
瀧本 往人

以下、2011年8月から12月に刊行された関連書籍を中心に集めた。


▼2011年8月

原発と原爆 「核」の戦後精神史 川村湊 河出ブックス(河出書房新社) 8月
 
マンガ(コミック)、アニメ、小説、映画、テレビドラマ、絵本などをかなりの精度で網羅している。また、視点が明確で、1)の分野に表象された私たちの「核」に対する態度は、圧倒的な力、という理解だった。これには、両面性があり、一方では、得体の知れないものへの恐怖のイメージ、があり、他方には、そう言いながらも、その活用可能性を夢見てる、つまり、正体がよくわからないのに崇拝するという態度がある。記事はこちら

水俣の教訓を福島へ 水俣病と原爆症の経験をふまえて 原爆症認定訴訟熊本弁護団:編 花伝社 共栄書房:発売 8月

被爆者医療から見た原発事故 被爆者2000人を診察した医師の警鐘 郷地秀夫 かもがわ出版 8月

共に生きる ブルネイ前首相ペンギラン・ユスフと「ヒロシマ」 橋本明 財界研究所 8月

「ヒロシマ・ナガサキを考える」合本1・2・43 総目次・索引 簾徹 作成 ヒロシマ・ナガサキを考える会 9月

ヒロシマ・ナガサキを考える 3-2(第88号~第100号) 復刻版 石川逸子 編 ヒロシマ・ナガサキを考える会 8月

ヒロシマ・ナガサキを考える 3-1(第71号~第87号) 復刻版 石川逸子 編 ヒロシマ・ナガサキを考える会 8月

被爆者が語り始めるまで ヒロシマ・ナガサキの絆 新潮文庫 中村尚樹 新潮社 8月

観光コースでない広島 被害と加害の歴史の現場を歩く 澤野重男 高文研 8月

六十七歳の八月 原爆で逝った母へ綴る自分史 田中秀利 近代文藝社 8月

図説基礎からわかる被曝医療ガイド 鈴木元:監修 箱崎幸也、作田英成、田村泰治 日経メディカル開発 日経BPマーケィング:発売 8月

原爆症認定集団訴訟たたかいの記録 明らかにされたヒバクの実相 原爆症認定集団訴訟・記録集刊行委員会:編 日本評論社 8月
 第1巻 報告集、第2巻 資料集、DVD添付


放射線被曝と甲状腺がん 広島、チェルノブイリ、セミパラチンスク  甲状腺がん発生、甲状腺検診結果、福島原発事故を含めて(シリーズ甲状腺・広島から) 佐渡敏彦:監修 武市宣雄、星正治、安井弥 溪水社 8月

チェルノブイリ アメリカ人医師の体験 R・P・ゲイル、T・ハウザー 吉本晋一郎:訳 岩波現代文庫 8月

これだけ知っていれば安心!放射能と原発の疑問50 伊藤公紀 日本評論社 8月

原発・放射能図解データ 野口邦和:監修 プロジェクトF:文 大月書店 8月

放射線被ばくから子どもたちを守る セイピースプロジェクト:編 松井英介、崎山比早子:監修 旬報社 8月

原子力発電をどうするか 日本のエネルギー政策の再生に向けて 橘川武郎 名古屋大学出版会 8月

「原発」国民投票 今井一 集英社新書 8月

「原発」敗戦国・日本 10人の重要証言から暴くフクシマの真実 松山正佳 主婦の友社 8月

これからどうなる海と大地 海の放射能に立ち向かう 水口憲哉 七つ森書館 8月

放射線とは何か 正しく向き合うための原点 名越智恵子 共著丸善出版 8月

内科医が教える放射能に負けない体の作り方 光文社新書 土井里紗 光文社 8月

美しい村に放射能が降った 飯舘村長・決断と覚悟の120日 菅野典雄 ワニブックス〈plus〉新書 8月

物理学者はごみをこう見る 家庭ごみ・放射能ごみはゼロ・ウェイストで解決 広瀬立成 自治体研究社 8月

きちんと知りたい原発のしくみと放射能 ニュートンムックニュートンプレス 8月

「放射能汚染水」「水不足」「水道停止」安全な水はどう確保する? 橋本淳司 主婦の友新書 8月

原発破局を阻止せよ! 広瀬隆 朝日新聞出版 8月

福島原発事故を乗り越えて グローバル・エネルギー・シフトの時代 松井賢一 エネルギーフォーラム新書(エネルギーフォーラム) 8月


福島の原発事故をめぐって いくつか学び考えたこと 山本義隆 みすず書房 8月
 
科学史家として、原発というものが、政治経済的事情が優先されてきたために、その科学技術的な商品としての検証が十分になされてこなかったことを厳しく批判。言説の一つ一つをきちんと掘り返し、連関をみている。科学史家として、是非とも言ってもらいたかったことを言っている。コメントはこちら

もう原発にはだまされない 放射能汚染国家・日本 :絶望から希望へ 藤田祐幸 青志社 8月

新エネルギーが世界を変える 原子力産業の終焉 広瀬隆 NHK出版 8月

福島 原発と人びと 広河隆一 岩波新書 8月

原発廃炉に向けて 福島原発同時多発事故の原因と影響を総合的に考える エントロピー学会:編 日本評論社 8月

原発死 一人息子を奪われた父親の手記 松本直治 潮出版社 8月
 
著者は戦後、新聞社で働いてきたのだが、原発の安全管理課で働いていた息子が舌がんを発症し早逝、その思い出を綴っている。自分の息子の若すぎる死への憤りは、痛いほどよく分かる。しかもそれを語る文章は、とても美しい。だが、原発問題は情緒では片付かない。コメントはこちら

福島原発の闇 堀江邦夫 水木しげる:画 朝日新聞出版 8月
 
1979年、つまり32年前に「アサヒグラフ」に発表されたもの。コメントはこちら

知っておきたい原子力発電 図解雑学 絵と文章でわかりやすい 竹田敏一 ナツメ社 8月

東北は負けない 歴史に見る「弱者の逆襲」 星亮一 講談社+α新書  8月

原発禍を生きる 佐々木孝 論創社 8月

福島 原発震災のまち フォト・ルポルタージュ 豊田直巳 岩波ブックレット 8月

フクシマからの手紙 : 3・11後の日本に生きるすべての人へ 市川恵子 本の泉社  8月

福島で生きる! 原発31km地点・100日の記録 山本一典 洋泉社 8月

水俣の教訓を福島へ 水俣病と原爆症の経験をふまえて 原爆症認定訴訟熊本弁護団:編著 花伝社 共栄書房:発売 8月

放射能と食品汚染 輸入食肉・輸入添加物・遺伝子組み換え・・・脅かされる食の安全 天笠啓祐 芽ばえ社 8月

原子力・核問題ハンドブック 和田長久、原水爆禁止日本国民会議:編 七つ森書館 8月
 『核問題ハンドブック』 (2005年刊) の増補改訂、再編集

放射線防護の基礎知識 福島第一原発事故に学ぶ 高田純 イーグルパブリシング 8月

福島原発大事故 土壌と農作物の放射性核種汚染 浅見輝男 アグネ技術センター  8月

ルポ下北核半島 原発と基地と人々 鎌田慧 岩波書店 8月

核廃棄物と熟議民主主義 倫理的政策分析の可能性 ジュヌヴィエーヴ・フジ・ジョンソン  舩橋晴俊、西谷内博美 監訳 SUS-KEN BOOKS(新泉社) 8月

子どもたちを守るためのいちばんわかりやすい放射線対策の本 MRBLE BOOKS  青木晃:監修 竹澤瑞穂:聞き手 フォンツ・ホールディングス・マーブルトロン 三交社:発売 8月

放射能汚染元年 今、50年100年の長き闘いが始まる : 安全、安心な「食」を確保する方法とは? 西川榮郎、阿部一理 コスモトゥーワン 8月

東日本大震災に想うII あごら新宿編集 あごら編集会議編 330号 BOC出版部 8月

小出裕章 矢ヶ崎克馬3・11原発事故を語る 小出裕章、矢ヶ崎克馬 本の泉社 8月

十五年戦争重要文献シリーズ 補集 1(全5冊) 日本学術会議原子爆弾災害調査報告書刊行委員会:編 不二出版 8月
 原子爆弾災害調査報告第1冊~5冊(日本学術振興、1951年)の複製

原発のしくみと放射能 きちんと知りたい ニュートン別冊 NEWTONムック(ニュートンプレス) 8月

あの日からのマンガ しりあがり寿 エンターブレイン 8月
 4コマ漫画「地球防衛軍のヒトビト」(2011年3月15日から朝日新聞に連載)と「海辺の村」(「月刊コミックビーム」に4月12日発表)「川下り 双子のオヤジ」(「小説宝石」に4月22日、5月21日、6月22日に発表)「希望(に×がついている)」(「月刊コミックビーム」に5月12日発表)「震える街」(「月刊コミックビーム」に6月12日発表)「そらとみず」(「月刊コミックビーム」に7月12日発表)を収録。コメントはこちら

五十鈴川の鴨 竹西寛子 幻戯書房 8月
 原爆被害を受け、家族を失うも、ただひっそりと孤独のなか、生き続け、そして、病にたおれる。 

プロローグは汽車の中 劇団レクラム舎 作:小松幹生 8月
 原発誘致をめぐる北の町の住人たちの悲喜劇を描く(1996年の作品の再演) コメントはこちら


▼2011年9月

高校生一万人署名活動 2 (世界に広がるネットワーク2001-11) 高校生一万人署名活動実行委員会:監修 長崎新聞新書(長崎新聞社) 8月

矛盾 ビキニ事件、平和運動の原点 大石又七 武蔵野書房 9月

非核兵器地帯 核なき世界への道筋 梅林宏道 岩波書店 9月

人間と放射線 医療用X線から原発まで ジョン・W.ゴフマン 伊藤昭好、今中哲二、海老沢徹、川野眞治、小出裕章、小出三千恵、小林圭二、佐伯和則、瀬尾健、塚谷恒雄:訳 明石書店 9月 Radiation and human health
  初版:社会思想社(1991年)の新装版。
ゴフマンの主張は、低線量であろうと、ガンや白血病の誘発に影響しているというもの。コメントはこちら

原発・放射能 子どもが危ない 小出裕章、黒部信一 文春新書(文藝春秋) 9月

小出裕章が答える 原発と放射能 小出裕章 河出書房新社 9月

原発のない世界へ 小出裕章 筑摩書房 9月

原子力村の大罪 小出裕章他 KKベストセラーズ 9月

知りたくないけれど、知っておかねばならない原発の真実 小出裕章 MBSラジオ「たね蒔きジャーナル」:聞き手 幻冬舎 9月

内部被曝の真実 幻冬舎新書 児玉龍彦 幻冬舎 9月

3.11を生きのびる 憲法が息づく日本へ 小森陽一:編 かもがわ出版 9月
 命を守れるのは誰か/江川紹子 フクシマ後の日本をどうするか/安斎育郎 三・一一を生きのびるために/暉峻淑子 震災復興と地域再生/岡田知弘 復興をめぐる二つの道の対決/渡辺治 復興は新しい国づくりで/辻井喬 反原爆、反原発の助け合い社会を/梅原猛

空白の天気図 柳田邦男 文春文庫(文藝春秋) 9月
 
本書を読むと、原爆投下のあとの調査において気象台の関係者が、実はさまざまな貢献を行っていることがよく分かる。常に「天気」という非実体的なものを扱っているせいなのか、原爆の影響を確かめる調査の方法論の決定などがきわめて明解なのに、とても驚いた。コメントはこちら

耳のないウサギ フクシマで起きた本当の物語 浅井隆 第二海援隊 9月

脱原子力社会へ 電力をグリーン化する 長谷川公一 岩波新書 9月
 
本書は、米国の一地方都市における脱原発の流れを模範例として、それを参考にして日本ならびに世界的に脱原発化と電力のグリーン化を進めようと主張する。それらの「成功事例」はとても興味深いが、この手法が他の地域、特に、日本各地においても適用可能なのかについては、少々疑問である。政治社会学的な方向での議論、日本におけるエネルギー政策の問題が重要なのは言うまでもないが、これまで「原発」とともに生きてきたその歴史についても議論してほしいところである。コメントはこちら

世界一わかりやすい放射能の本当の話  子どもを守る編 伊藤隼也:監修 宝島社 9月

廃炉時代が始まった この原発はいらない 舘野淳 リーダーズノート新書 9月

福島原発事故 放射線の不安や疑問に答えます 田邉裕 文芸社 9月

福島原発でいま起きている本当のこと 元・現場技術者がすべてを語った! 淺川凌 宝島社  9月

放射能ホットスポットマップ Oak mook 399号(オークラ出版) 9月

メディアは原子力をどう伝えたか メディア総合研究所編 メディア総研ブックレット 花伝社 共栄書房 :発売 9月

放射能と原発・大地震 ニュースがわからん! 朝日新聞東京本社報道局:編 新講社 9月

チェルノブイリの菜の花畑から 放射能汚染下の地域復興 河田昌東、藤井絢子:編 創森社 9月

原発事故・損害賠償マニュアル 日本弁護士連合会編 日本加除出版 9月

3・11後ニッポンの論点 朝日新聞社:編 朝日新聞出版 9月

私が愛した東京電力 福島第一原発の保守管理者として 蓮池透 かもがわ出版 9月

ボクが東電前に立ったわけ : 3・11原発事故に怒る若者たち 園良太 三一書房 9月

正しく知る放射能 矢沢サイエンスオフィス:編 ズビグニエフ・ヤヴォロスキー他 学研パブリッシング  9月

3.11を生きのびる 憲法が息づく日本へ 小森陽一:編 かもがわ出版 9月

ゴーストタウン エレナ・ウラジーミロヴナ・フィラトワ 池田紫:訳 集英社新書 9月

ルポ原発難民 粟野仁雄 潮出版社 9月

放射能を落とす下ごしらえ 永久保存版 肉も野菜も魚もこれで安心 椎名玲、吉中由紀 中央公論新社 9月

放射能と栄養 福島原発事故 白石久二雄 ミヤオビパブリッシング 宮帯出版社  9月

「想定外」の世界 福島原発事故で語られなかったこと 平田周 技報堂出版 9月

原発のない社会へ 現地から、世界から 季刊ピープルズ・プラン 55(2011) ピープルズ・プラン研究所 9月

不安であることの正しさについて 村松恒平 メタ・ブレーン 9月

私たちは、原発を止めるには日本を変えなければならないと思っています 飯田哲也、上杉隆、内田樹、江田憲司、開沼博、小出裕章、古賀茂明、坂本龍一 渋谷陽一:責任編集 ロッキング・オン・ジャパン増刊 SIGHT 2011 AUTUMN 9月


▼2011年10月

ペンタゴン戦慄の完全支配 核兵器と謀略的民主化で実現する新世界秩序 ウィリアム・イングドール 為清勝彦:訳 「超知」ライブラリー(徳間書店) 10月

核なき世界を求めて 私の履歴書 ウィリアム・J.ペリー 春原剛:訳 日本経済新聞出版社 10月 In search of no nuclear world

核に立ち向かう国際法 原点からの検証 藤田久一 法律文化社 10月

ゼロ年代日本の重大論点 外交・安全保障で読み解く 簑原俊洋:編 柏書房 10月

原発とヒロシマ 「原子力平和利用」の真相 田中利幸、ピーター・カズニック 岩波ブックレット(岩波書店) 10月

放射能の真実 福島を第2のチェルノブイリにするな 山名元 エネルギー新書(日本電気協会新聞部) 10月

放射線被曝の歴史 アメリカ原爆開発から福島原発事故まで 増補 中川保雄 明石書店 10月
  初版: 技術と人間(1991年)。
「歴史」とはすなわち、時系列に落とし込んだ「出来事」の経緯のことであり、ここでは「被曝」が主題となっている。だがそれ以上にICRPによる取り決めの欺瞞を明らかにすることが本書の真の目的となっている。コメントはこちら

長崎県立大・科学史 藤田祐幸が検証する原発と原爆の間 藤田祐幸 本の泉社 10月

放射線規制値のウソ 真実へのアプローチと身を守る法 長山淳哉 緑風出版 10月

小出裕章 核=原子力のこれから 生まれ故郷で語る 小出裕章 本の泉社 11月

全国原発危険地帯マップ 武田邦彦 日本文芸社 10月
 
国内にある原発全54基について、基本データ、過去の事故やトラブル一覧、その周辺地域のどのあたりが危険なのかを「風向き」によって説明したもの。コメントはこちら

2015年放射能クライシス 武田邦彦 小学館 10月

原発裁判 桜井淳 潮出版社 10月

娘と話す 原発ってなに? 池内了 現代企画室 10月

Q&Aで一気にわかる脱原発の教科書 原子力安全・廃絶研究会:編 洋泉社 10月

徹底図解福島原発の真実 双葉社スーパームック 澤田哲生:監修 双葉社 10月

原子力をめぐる科学者の社会的責任 樫本喜一:編 坂田昌一 岩波書店 10月
 
既成事実という言葉がある。なし崩しという言葉がある。国内における原発導入の歴史は、いわば、この二つによって特徴づけられていたことに、あらためて思い知らされる。コメントはこちら

「核エネルギー」はなぜいかにして「危険」か 原発事故の責任を問う前に再稼働は認められない 林紘義 ういんぐ 星雲社:発売 10月

大震災と原発事故の真相 高木善之 ネットワーク『地球村』 10月

日本の問題 イタリア人記者・ピオが地震、ツナミ、放射能汚染の「現場」で見たもの ピオ・デミリア 幻冬舎 10月

原発危機の経済学 社会科学者として考えたこと 齊藤誠 日本評論社 10月
 
経済学的なコストやリスクの検討が本書の主題であるが、それとは別に、原発に対する「責任」を一人ひとりどうとるのか、といった政治、思想、倫理の問いが本書にはこめられている。賛成だろうが反対だろうが同じことで、問題はどこまで原発とこれから向き合って生きるかであり、それは、決して今までどおりの「推進」でも「反対」でもない。コメントはこちら

原発推進者の無念 避難所生活で考え直したこと 北村俊郎 平凡社新書 10月
 著者も言うように、これ以上に原発のリスクやコストは計り知れない。それでもしがみつく理由は、私たちにはないと思う。しかし同時に、私たちはこの現実を「リセット」することができない。これからも数十年と、廃炉にしようと、原発とかかわって生きてゆかねばならない。そのなかで本当の意味で本書の著者がすべきことは、「無念」という言葉よりも、問題点を徹底的にはっきりさせ、できうるかぎり「安全・安心」に私たちが原発と共存できるようにすることを目指してほしいと願う。コメントはこちら

原子力損害賠償の実務 原子力損害賠償実務研究会編 東弁協叢書(民事法研究会)  10月

食品の放射能汚染完全対策マニュアル 「0ベクレル」の食卓を目指すためのバイブル 水口憲哉、明石昇二郎:編著 宝島社 10月

「安全な食べもの」ってなんだろう? : 放射線と食品のリスクを考える 畝山智香子 日本評論社 10月

9.11&3.11崩壊から再生へ 吉川顕麿 幻冬舎ルネッサンス 10月

放射能の真実! 辛坊治郎、高橋千太郎 アスコム 10月

福島第一原発潜入記 高濃度汚染現場と作業員の真実 山岡俊介 双葉社 10月

ノーモア・フクシマ 世紀の核惨事 浦上深作、白嶺聖:編著 あかね文庫(あかね図書販売) 10月

東日本大震災救援対策本部ニュース第1集 生きぬくために闘う!東日本大震災救援対策本部:編集 アール企画  星雲社:発売 10月 

原発と村 郡山総一郎 新日本出版社 10月

フクシマ2011、沈黙の春 八木澤高明 新日本出版社 10月

女たちの3・11+変わらなきゃ、ニッポン! 坂田雅子他 オフィスエム 10月

裸のフクシマ 原発30km圏内で暮らす たくきよしみつ 講談社 10月
 
福井県川内村で暮らしていた作家による、3.11以後に体験したこと、考えたことをまと めたもので、「「現場」に暮らしていて、日常が非日常に変わっていった様子を見ているわけだから、外から取材に入って、いきなり「非日常」部分だけを見た 人たちとは違う視点」で描かれている。きわめて濃厚な内容である。コメントはこちら

特集=反原発の思想 現代思想 青土社 10月
 
正確には「反原発運動」をテーマにしており「思想」ではない、と思った、最初は。もしくは「反原発運動」における「思想」の問題を扱っている、と思った、最初は。だがここで大事なことは、「運動」のなかにどのような「思想」があったのか、である。コメントはこちら


▼2011年11月

検閲 原爆報道はどう禁じられたのか 新版 モニカ・ブラウ 繁沢敦子:訳 時事通信出版局 時事通信社:発売 11月 The atomic bomb suppressed: American censorship in occupied Japan

セミパラチンスク 草原の民・核の爪痕 新版 森住卓:写真・文 高文研 11月

UFOと核兵器 核兵器施設における驚異的遭遇事件 ロバート・ヘイスティングス 天宮清:監訳 ヒロ・ヒラノ、桑原恭男、山川進:訳 環健出版社 11月 UFO's and nukes

日米「核密約」の全貌 太田昌克  筑摩選書(筑摩書房) 11月

『核武装』が日本を救う 水島総:編著 井上和彦、潮匡人、加瀬英明、川村純彦、石平、田母神俊雄、西部邁、西村眞悟、水島総 チャンネル桜叢書(青林堂) 11月

原発事故20年 : チェルノブイリの現在 (いま) ピエルパオロ・ミッティカ 児島修:訳 柏書房 11月

低線量・内部被曝の危険性 その医学的根拠 医療問題研究会:編  耕文社 11月

放射線被ばく危険度チェック 放射線汚染国で生き残るための105の知恵 具然和 情報センター出版局 11月

放射線被ばくによる健康影響とリスク評価 欧州放射線リスク委員会(ECRR) 2010年勧告 欧州放射線リスク委員会(ECRR):編 山内知也:監訳 明石書店 11月

放射能と健康被害20のエビデンス 岡田正彦 日本評論社 11月

原発賠償の行方 井上薫 新潮新書 11月

世界が見た福島原発災害2 死の灰の下で 大沼安史 緑風出版 11月
 
2011年5月半ば以降から、9月中旬までの原発事故に関連する、主に海外メディアによる「報道」の翻訳とコメントを中心とした本。コメントはこちら

脱原発の経済学 熊本一規 緑風出版 11月

まやかしの安全の国 原子力村からの告発 田辺文也 角川SSC新書 11月

原発への非服従 私たちが決意したこと 鶴見俊輔、澤地久枝、奥平康弘、大江健三郎 岩波ブックレット 11月
 
私は、この著者の方々に、一つだけ、次のように、問いたい。「向こうっ方」は、あなた方にとって、「敵」なのですか。その「敵」とこれまでも、これからも一緒に生きてきたし、生きてゆくのですが、ずっとお互いに無理解のままであり続けるしかないのですか。別にお互いに「分かりあう」よう努力をしたほうがいい、と言いたいのではありません。ただ、相手のことを理解しようと、本当にしましたか。理解したうえで、その考えを受け入れられないとしても、その存在として「共生」することを、どうやってしてゆけばよいのか、私は思い悩みます。イデオロギー的なものの二項対立のいずれか を支持するか、という議論だけではなく、この二項対立を生みだしている人間が、同じ場所で生きているというところから「現実立法」は生まれることは、できないものなのでしょうか。コメントはこちら

原発と日本はこうなる 河野太郎 講談社 11月

福島は訴える 「くらし」「子育て」「なりわい」を原発に破壊された私たちの願いと闘い 福島県九条の会:編 かもがわ出版 11月

原発訴訟 海渡雄一 岩波新書 11月
 
これまで地域とともに地道に原発関連の訴訟を起こし問題提起を行ってきた弁護士の書。それぞれの裁判の内容は、とても興味がもてたが、ただし論旨や全体像がつかみにくかった。コメントはこちら

日本を破滅させる! 原発の深い闇2 別冊宝島 1821 11月

世界で広がる脱原発 フクシマは世界にどう影響を与えたのか 別冊宝島編集部:編  宝島社新書(宝島社) 11月

福島第一原発事故・検証と提言 ヒューマン・エラーの視点から 村田厚生 新曜社 11月

漂流する国ニッポン 3.11大震災・福島原発事故で見えた“誰も責任を取らない国"の実相 入江吉正 フォレスト出版 11月

東京電力失敗の本質 「解体と再生」のシナリオ 橘川武郎 東洋経済新報社 11月

放射能汚染食品、これが専門家8人の食べ方、選び方 野口邦和他 東洋経済新報社 11月

複合被曝 テレビじゃ話せない!食と放射能の話 垣田達哉 WAVE出版 11月

特集いのちへの想像力 震災、原発、そして戦争を考える 「戦争と性」編集室:編 戦争と性 第30号 11月

知っていますか?脱原発一問一答 天笠啓祐 解放出版社 11月

原発をどうするか、みんなで決める 国民投票へ向けて 飯田哲也、今井一、杉田敦、マエキタミヤコ、宮台真司 岩波ブックレット 岩波書店 11月

「原発をつくった」から言えること(わが子からはじまるクレヨンハウス・ブックレット003) 後藤政志 クレヨンハウス 11月

まだ、まにあう! 原発公害・放射能地獄のニッポンで生きのびる知恵 佐藤雅彦 鹿砦社 11月

日本農業再生 3.11以後のビジョン形成に向けて 山田としお 家の光協会 11月

「僕のお父さんは東電の社員です」 小中学生たちの白熱議論!3・11と働くことの意味 毎日小学生新聞:編  森達也 現代書館 11月


▼2011年12月

少女・十四歳の原爆体験記 ヒロシマからフクシマへ 新版 橋爪文 高文研 12月

核抑止の理論 国際法からの挑戦 浦田賢治:編著 憲法学舎 日本評論社:発売 12月

ヒロシマ・ナガサキからフクシマへ 「核」時代を考える 黒古一夫:編 勉誠出版 12月
  私たちはヒロシマ・ナガサキから何を学んだのか? 若い人たちへの希望/林京子、黒古一夫、「何とも知れない未来」に向けて/満谷マーガレット、ヒバクシャとともに生きる/三浦精子、広島から福島第一原発 事故への様々な思い/古浦千穂子、「フクシマ」その前・その後/伊藤眞理子、トルコにて「フクシマ」を考える/フィリズ・ユルマルズ、私たちは核にNOと 言ってきたか? 「ヒロシマ・ナガサキ」から「フクシマ」へ/黒古一夫、債務支払いの覚悟/菅孝行、福島の未来を予言した詩人は夢想家ではなかった/鈴木比佐雄、核状況を 拒むセカイへ/セカイから/ 田村景子、原発と落書き/楜沢健、私たちはフクシマからどこへ向かうのか? 若い兵士たちの死顔は美しかったか/辻井喬、黒古一夫、人類は核で死滅する/小檜山博、琉球弧から視る核時代批判/高良勉、部屋の中の象、あるいは世界の 終わり/雪谷コウ、起点に立ち返る/横手一彦、未来は私たちのものです/ナレシュ・クマール 
 コメントはこちら
ヒロシマ・ナガサキからフクシマへ 「核」時代を考える/黒古一夫 編

原発のコスト エネルギー転換への視点 大島堅一 岩波新書 12月
 
しばしば話題にもなってきた「原発のコスト」について本書は、再考している。もっとも安いと言われてきた原子力のコストには、実は、いくつも加えていないコストがあったことを明らかにする。コメントはこちら

日本の核開発 1939~1955  原爆から原子力へ 山崎正勝 績文堂出版 12月
 
当事者への直接的な問い合わせや綿密な文献考証に基づいて、日本における核エネルギーの研究開発の軌跡をたどりなおしている。物理学者と軍もしくは政治とのやりとりに関心が集まっており、国策としてどのように核は扱われてきたのかを知るには絶好の書である。コメントはこちら

さようなら原発 鎌田慧:編 岩波ブックレット 12月

ひろがる内部被曝 矢ケ崎克馬がすべて語るQ&Aプラス最新解説 矢ケ崎克馬 本の泉社 12月

高木学校  母と子のための被ばく知識 原発事故から食品汚染まで 崎山比早子 新水社 12月

平和主義ではない「脱原発」 西尾幹二 文藝春秋 12月

チェルノブイリと福島 河田昌東 緑風出版 12月

福島原発事故の「犯罪」を裁く 広瀬隆、保田行雄、明石昇二郎:編 宝島社 12月

放射性セシウムが人体に与える医学的生物学的影響 チェルノブイリ原発事故被曝の病理データ ユーリ・I・バンダジェフスキー 久保田護:訳 合同出版 12月 
IT時代の震災と核被害 コンピューターテクノロジー編集部:編 宮台真司他 インプレス選書 インプレスコミュニケーションズ:発売 12月

世界史の中のフクシマ ナガサキから世界へ 陣野俊史 河出ブックス(河出書房新社) 12月

@Fukushima 私たちの望むものは  高田昌幸:編 産学社 12月

南相馬10日間の救命医療 津波・原発災害と闘った医師の記録 太田圭祐 時事通信出版局 時事通信社 :発売 12月

福島に生きる 玄侑宗久 双葉新書 12月

大震災と原発事故 ストップ原発 : カラー図解 1 新美景子 大月書店 12月

チェルノブイリと福島 河田昌東 緑風出版 12月

有事対応コミュニケーション力 岩田健太郎他 生きる技術!叢書(技術評論社) 12月

安斎育郎のやさしい放射能教室 安斎育郎 合同出版 12月

今知りたい放射線と放射能 人体への影響と環境でのふるまい 藥袋佳孝、谷田貝文夫 オーム社 12月

原発事故の訴訟実務 風評損害訴訟の法理 升田純 学陽書房 12月

福島原発事故の「犯罪」を裁く 東京電力&役人&御用学者の刑事告発と賠償金請求の仕方! 広瀬隆、保田行雄、明石昇二郎:編著 宝島社 12月

来世は野の花に 秋山豊寛 六耀社 12月

福島原発の町と村 布施哲也 七つ森書館 12月

原発難民日記 怒りの大地から 秋山豊寛 岩波ブックレット 12月

脱原発・再生文化論 類似の法則21 川元祥一 御茶の水書房 12月

ヤクザと原発 福島第一潜入記 鈴木智彦 文藝春秋 12月
 
「潜入」という言葉が本当にふさわしい本。現場に作業員として突入した「唯一」のジャーナリスト。ヤクザ関連に詳しいこともあり、その手の内容が多く、原発そのもの、「フクイチ」にはそれほど肉薄していているとは言えないが、それでも本書のような試みは、賞讃に価する。コメントはこちら

小児科医が診た放射能と子どもたち(わが子からはじまるクレヨンハウス・ブックレット004) 山田真 クレヨンハウス 12月

原発報道を終わらせようとしているのは誰だ 渋谷陽一:責任編集 ロッキング・オン・ジャパン 2012年1月増刊号 SIGHT 2012 WINTER 12月

放射能に色がついていないからいいのかもしれない…と深い溜息…をつく イトー・ターリ 2011年12月初演 パフォーマンス
LEVEL 7 feat.明日の神話 Chim↑Pom 2011年

Red Card 
Chim↑Pom 2011年

噫!怒濤の閉塞艦 
風間サチコ 2011年 木版画

獄門核分裂235 
風間サチコ 2011年 木版画

不在の表象 浮遊する不条理 A 増田常徳 2011年 油彩画

火の話 黒田征太郎 石風社 2011年 絵本

蝕―津波―・壊―原発―・萌―復興― 池田龍雄 2011年 絵画

サンチャイルド ヤノベケンジ 2011年 子ども像



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