そのたびごとにただ一つ、世界のはじまり~瀧本往人のブログ

いのちと世界のかけがえのなさに向けて、語り続けます。(タイトルは、ジャック・デリダ『そのたびごとにただ一つ、世界の終焉』より。)

核の言説史 公開中 
私たちは、原爆と原発という二つの巨大な存在を前にして戦後がはじまり、今に至る世界を生きている。哲学、物理学、評論はもとより、文学、芸術、映画、コミック、楽曲、芝居など、さまざまな表現において「核」の歴史は刻まれている。この厚みを解き明かすことによって、これから私たちが「核」とどうかかわって生きてゆくのかを探るべく、言説史をまとめている。

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【新訂版】
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核の言説データベース~原爆と原発と


はてなブログにて、1記事1文献でデータベースを作成中。
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以下、阿部清治「原子力のリスクと安全規制」から、2号機の事故経緯をふりかえる。

 原子力のリスクと安全規制 福島第一事故の"前と後"(阿部清治)を読む
 http://ameblo.jp/ohjing/entry-12056467214.html

 1号機水素爆発の前後を再検証
 ――原子力のリスクと安全規制(阿部清治)、を読む
 http://ameblo.jp/ohjing/entry-12056834098.html

***

地震発生から津波発生まで

阿部は、2号機の原子炉の圧力と水位、格納容器ドライウェルの圧力、圧力抑制室の圧力を分析する。

地震後、外部電源が喪失するが、D/G(非常用ディーゼル発電機)が自動的に起動したことによって非常用の「母線」の電源が復帰する。

主蒸気隔離信号が発生、主蒸気隔離弁が閉じる。結果、原子炉圧力が上昇しはじめる。

その後、逃がし安全弁が自動的に開閉し、原子炉圧力が高低をくりかえす。

一方水位は逃がし安全弁の開閉の結果蒸気が逃げてゆくため、下降していったことをうけて、15:02あたりより運転員が原子炉隔離時冷却系(RCIC)による注水が再開される。

このあと水位が上がっていったためRCICは止まる。しばらくして水位がまた下がってきたので運転員がRCICを起動しているところで津波の影響が現れる。

津波のあと

非常用ディーゼル発電機が流されたため、全交流電源喪失となる。また、バッテリーも水没、直流電源も喪失。このとき、RCICは開いた状態にあった。

16:36には炉心冷却の術を失ったと考えられる。

17:12、吉田所長は1号機と同様に別の手段で注水ができないかどうかの検討を指示、21:02には水位が燃料より下がり始める可能性を官庁などに連絡。

20:07、原子炉圧力が測定され、7.00MPag。

22:20から3月14日12:00まで、水位は燃料から3.4メートル以上を保っていた。ただし圧力抑制プールの水の温度と圧力は上昇し続けて行った。

なぜ水位が保たれていたのか。東電の説明では、RCICのタービンが想定外にバランスをとった結果だという。

このあたりの説明は細かくすると難解になる。一言でまとめると「性能の悪い水車」(241ページ)として機能した結果、絶妙に水位が保たれたということになる。

12日02:55、RCICが作動していたことが確認されているが、いずれ格納容器のベントの必要性を想定し、17:30に吉田所長がベント操作の準備を指示。

13日01:00頃、格納容器を水で満たす作業を進める。

04:20-05:00、 RCICの水源である腹水貯蔵タンクの水位の低下を確認。RCICの水源を圧力抑制プールに手動で切り替えられる。

11:00、ベントライン系統の構成が終了(ラプチャーディスクというものを除く)。

12:05、吉田所長がRCICの停止に備え、海水注入の準備を指示。

14日11:01、3号機が水素爆発したことにより、2号機の建屋ブローアウトパネルが開いたと推測される。また、圧力抑制室からのベントラインの大弁の電磁弁励磁用回路が閉じる。

12:00には水位は3.4メートルほど燃料よりも上にあったのだが、急激に下がりはじめる。

13:00過ぎまでは炉心は冷却されていたが、このあと海水中に入らなければ、炉心溶融と水素爆発は避けられない状態に陥ると考えられたが、水素爆発は、パネルが開いたことにより避けられた。

このように、パネルが開いたことによって爆発は回避されたわけだが、「閉じ込める」ことを目的とする建屋において、本来こうした出来事はネガティブにとらえられねばならず、パネルを開けば爆発しない、というやり方を安易に選択しない方がよいと阿部は考えている。

「多くの原子力安全の問題、特に、重大な事故時の判断に関わる問題には、多くの分野の知見や情報を総合化しなければならないが、事故を見る限り、そういう仕組みは極めて脆弱だった。安全な原子力のためには、平常時も事故時も、関係者が知見・情報を共有する仕組みを強化することが必要だと思っている。」(253ページ)



13:15、RCICの機能が喪失したと判断される

13:18、水位が下がり続けているため、海水注入の準備を開始。

14:38、消防車のポンプで注水ラインが構成される。

17:12、水位が下がり続け、ついに燃料が水面上に60センチほど露出する。

18:00前後、炉心溶融がはじまったと推測される。

18:06、逃がし安全弁(SRV)が開かれる。消防車のポンプが再起動されるが、燃料油が切れてしまいすぐに停止する。

18:35、ベントラインの復旧作業。

19:03、原子炉内の圧力が低下。SRVを開けた結果と推定される。

19:54、消防車のポンプによる炉心への注水開始(効果はなかった可能性大)。

21:00頃、ベントライン系統構成の完了(ラプチャーディスクを除く)。

22:50頃、逃がし安全弁が開かなくなる。

15日00:02 ドライウェルからのベントラインにあるAO弁(小弁)を開いていることが確認されたと思いきや、閉じていた。

00:45、原子炉の圧力が上昇、炉心溶融が進み、きわめて危険な状態に入る。

01;:53、圧力が急に低下。原子炉冷却系のどこかに漏洩が生じていると推測される。

06:00-06:10頃、圧力抑制室あたりで「衝撃音」(爆発音)がする。だが、後からこのときに大きな破損はなく、衝撃音は4号機のものだった。

06:50、正門付近は、約0.6ミリシーベルト毎時。

08:25、建屋5階付近で白煙が目撃される。

09:00、正門付近は、約12ミリシーベルト毎時。


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以下、阿部清治「原子力のリスクと安全規制」のつづき

 原子力のリスクと安全規制 福島第一事故の"前と後"(阿部清治)を読む
 http://ameblo.jp/ohjing/entry-12056467214.html

1号機の水素爆発が起こる前の、当時の分析を振り返っているところを今日はみておきたい。

***

2011年3月12日14:54、吉田所長は淡水から海水に切り替えた。防火水槽にあった水がなくなったためであるが、記録されている圧力計の数値が正しければ、淡水も海水も、ほとんど炉内には入っていないであろう、と阿部は推測している。

一方15:00におけるプラント状況を伝える東電のプレスリリースでは、ベント作業をしていた作業員の被曝線量が100mSvを超えていた。また、15:29には敷地境界の線量が以上上昇している。

このとき阿部は、原子力安全基盤機構(JNES)に詰めたままである。

そこでの報告では、少し時間を遡るが、13:49に次のことが阿部のもとに情報として入ってきた。

・1号機の原子炉水位の低下
・ベントはできていない
・保安院が炉心露出について言及

しかし15:11には、以下の報告があったという。

・1号機では、14:30にベントが成功した
・海水注入の開始
・当面この状態が続く

これに対して阿部は水位計が壊れているという前提をもたずに、水位が安定していると想定し、当面は急変はないと推察して、一度帰宅し仮眠をとっている。

知ってのとおり、そのあと水素爆発が起こる。

炉心溶融の専門家であっても、このように、数値がうまく読みとれなければ、誤った「解」しか出せない。

15:36に原子炉建屋で水素爆発が起こり、屋根が吹き飛んだ。

その後水位計の数値がこの前後で終始変わっていないことから、ようやく、水位計が壊れていることを理解する。

「福島第一の事故では、私も推移指示値にだまされて、炉心の状況を誤って理解していたのである。」(234ページ)

実際後で調べてみると、推移計測プローブは、炉心内に設置されているのではなく、外側壁のジェットポンプについていたとすると、この計測した数値は「ダウンカマ」に溜まっていた水の高さだというkとで、阿部は納得した。

だが後日ダウンカマの内側であることが分かる。

くりかえすが、彼ほど、炉心溶融に詳しい専門家はそうそういない。しかし彼はひたすら水位計の変動を頼りに炉心の変化を追いかけ、それが故障しているという前提をもつことができなかった。自戒を込めて次のように述べる。

「個人の思い付きに頼るのではなくて、組織として知識を集めることができるか、誤りを正すことができるかだと思う」(235ページ)

***

3月12日16:17、水素爆発後にモニタリング車で敷地境界の数値を測定、0.5ミリシーベルト毎時。17:02中央制御室の放射線モニタが振り切れ運転員は半面マスクを着用した。

このあと、17:55に管直人が東電に海水の注入を命令、19:04開始する。

このときの報告では19:25に中断、20:20に再開というものがあるが、2011年5月26日に東電はこの中断と再開はなかったと訂正している。

この頃の原子炉と格納容器との圧力差は高い数値で推移、一方、ドライウェルと圧力抑制室との差は上昇下降を繰り返しており、小康状態であった。

***

なお、汚染水については、阿部は3月13日の時点で次の手として海への流出のくいとめ方を考えはじめていた。

アイデアとして、自衛隊出身の職員が、日露戦争時に旅順湊封鎖のため日本軍が考えた作戦を応用して、古い鉛を港湾入口に沈め、その上にビニールを張り、さらにその上にコンクリートを流す、という話が出た。

このことを官邸に話に行ったものの、ちょうど水素爆発が起こっていたときなので、このアイデアを検討する機会を逸してしまったという。



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先週、去勢手術を行い、その日の夜には帰宅したものの、数日は、かなり意識がぼんやりしていた。もちろんこれは麻酔のせいだったのだが、当初は、去勢したせいで、一気に老成したのではないかとまで勘ぐってしまった。

それから1週間が経過して、ようやく、以前と同じような活発さを取り戻したようだ。

麻酔は人間もそうだが、怖い。

場合によっては命を落とすこともある。

同意書にサインするときに、一度、深呼吸をしてしまう。

とはいえ、1週間たち、特に傷跡にも異変がなく、ほっとしているところである。

以下、今日のゆいたくんの様子である。


布団にもぐるのはなく、座布団にもぐるの図。

ちょうど頭としっぽが座布団からはみ出ている。

頭だけ出している図。なんとなく、目の力も手術の前に戻ったようにみえる。

わんぱくそうである。


ピアノに寝そべるの図。本人は隠れているつもりなのか、見つかった?というような顔をしている。


小さなブックシェルフの上で寝転がるの図。いつも落ちそうになる。いや、ときどき落ちている。それでもめげずに、体を伸ばしている。


ちょっとだけかわいらしい顔。右横にアコースティックギターの一部が見えるが、ときどき、ゆいたはギターをポロンと手で引っかく。できればやめてほしい。



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2015年7月によく読まれたブログ記事5選(核関連)

1位 映画「ストーカー」(タルコフスキー)と放射能
http://ameblo.jp/ohjing/entry-11734130158.html

*6月に続いて1位。なぜかタルコフスキーブーム。2013年12月に書いた記事。


2位 夢(黒澤明)は、悪夢なのか
http://ameblo.jp/ohjing/entry-11398129094.html

*こちらは2012年11月の記事。やはり映画作品への関心は高いです。


3位 チェ・ゲバラの「原爆の悲劇から立ち直る日本」、を読む 
http://ameblo.jp/ohjing/entry-11640397065.html

*こちらも先月は2位でした。2013年12月に書いた記事ですが、よく読まれ続けているものです。ゲバラ人気は衰えずというところでしょうか。ゲバラが原爆に言及していることは、あまり知られていないようです。


4位 原発事故環境汚染 福島第一原発事故の地球科学的側面(中島映至ほか編)を読む
http://ameblo.jp/ohjing/entry-12048307479.html

*ようやく2015年7月に書いた記事。


5位 忌野清志郎は本当に「脱原発ソング」を歌ったのか?
http://ameblo.jp/ohjing/entry-11590714399.html

*こちらも先月は4位。2013年8月の記事。映画、音楽、小説は、「サブ」ではなく「カルチャー」ですね。

総じて6月と同じく過去の記事がよく読まれました。


次点として、

「福島第一原発労働記,ついに20話めに突入,しかも1号機内で働くに至る「いちえふ」(竜田一人)」
「核分裂の発見は誰がしたのか~原爆が生み出されるまで~プルトニウム(バーンシュタイン)を読む2」
「アインシュタイン、原爆と科学者の責任について語る~平和書簡3より」
「美味しんぼ 「福島の真実」編 1(雁屋哲・作、花咲アキラ・画)を読む」
「福島原発、裁かれないでいいのか(古川元晴、船山泰範)、を読む」

が上位となりました。こちらには3本、7月に書いた記事が入りました。

また、原子力以外では、「我が家の仔猫、生後10ヶ月にして5キロ目前」がよく読まれました。



当ブログの記事をお読みいただいているみなさま、いつもありがとうございます。とても励みになっています。これからも、静かに、しかししっかりと、考察を続けてまいる所存ですので、なにとぞ温かくお見守りくださればと存じます。



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読んだ本
原子力のリスクと安全規制 福島第一事故の"前と後"
阿部清治
第一法規
2015年3月

ひとこと感想
原子炉の溶融に関する事故について技術的にここまで分かっている人が語る内容。今回は福島第一の炉心溶融のあたりの検証。今なお当時の様子をふりかえると、背筋が凍る。それにしてもまだ、正確な検証がほとんどできていないなか、安全な原子炉の可能性を追求し続ける作者の姿勢にこそ、原子力の専門家の矜持を感じた。

***

著者は原子力関連の研究施設や経産省原子力安全委員会で長年勤めていた人物で、博士論文は軽水炉の炉心溶融事故解析研究である。

本書の第一部「原子力安全はどすれば得られるか」は事故前までにまとめられたものである。

一言でまとめれば「深層防護」論である。

ところが事故が起こって、数多くの「瑕疵」「欠陥」を見出す。

「福島での事故が起きる前まで、日本の原子力は、いろいろ問題はあるにしても、十分安全なものだと思っていた。」(iiiページ)

第二部「原子力安全はどうして失われたのか」では、どこに欠陥があったのか、今後どのように是正されるべきなのかをまとめている。

***

事故が起こった場合の第一の責任、それは事業者(電力会社など)が負うのは大前提。

その責任をきちんと果たしているかを監視、監督などを行うのは国、政府。

***

実際の事故の経緯に即してふりかえっている。以下では、気になるところだけをピックアップしておく。

1号機

津波の来襲によりD/Gとバッテリーが水をかぶり、直流電流が使えなくなる。そのために、せっかく冷却のために動いていたICの隔離インターロックが作動し、隔離弁が閉じてしまう。

なぜなら、閉じ込め機能を確保するということが優先されたからである。

そこで吉田所長は、別の方法で注水をすべく担当者に検討を命ずる。その結果、電源車を派遣してもらうことにする(東電と東北電力に)。

また、原子炉の監視計器に運転員が「仮設バッテリー」の取り付けを行っている。そのため、一部計器のデータが測定されるのだが、当時においては、現場以外の人たちはこうした数値が出ていることもあり、直流電源が喪失した、ということが把握されていない。

D/Gの冠水だけが伝わっていたものの、電源喪失に陥ったこと、そして、かわりに仮設バッテリーが用いられたことは、外部には共通認識事項になっていなかったのである。

阿部のメモには当時伝わってきたことが、メモ書きされている。

・福島第一でSBOが起きた
・1,2,3号機でD/Gが喪失した
・炉心はRCICで冷却されている
・バッテリーは8時間ほどで消耗するだろう
・海水ポンプも浸水して不作動になっている (227ページ)

*1号機はRCICではなくICなので、情報がうまく伝わっていない
*交流電源の喪失は把握していたが、直流電源は生きていると理解された

ここで阿部は「情報伝達」「制度」の問題を指摘する。

当時の斑目にしても久木田にしても、無能だったのではなく、情報がなくてなす術がなかったのだ、と述べている。

また、阿部のもとには当時、1号機のICの動きについて確認したとき、直流電源を喪失しても、弁位置はそのままだという報告を受けていた。そのため、炉心はまったく冷やされていないと判断した。

ところが実際には「閉止」されていた。こうした情報の混乱もあったのである。

さらに、興味深いのは、阿部が言うまで事故から1ヶ月間、津波までの初期データの存在にだれも気づいていなかったのである。

津波が来る前までは直流電源が生きていたわけだからその電源によって計測系の計器データが残っていたのだ。

また、次に、ドライウェル圧力であるが、3月11日の23:50頃にはじめて測定され「
0.600MPaa」だった

そのあと日付が変わってまもなく、0:06にベントの準備が指示される。

1:30には総理、大臣、保安院の了解を得ている。

2:30のドライウェル圧力は、0.840MPaaとなる。ちなみにドライウェルの最高使用圧力は0.528MPaaで、それを超えているのである。

その後14時頃まで0.74MPaaのまま下がることがない。

14:30にベントが可能になるが、15:36の水素爆発まで、0/53MPaa以下には下がらなかった。

こうした圧力上昇に対して阿部は次のように推測する。

ドライウェルの圧力上昇をもたらしたのは、この時間までに圧力抑制室のプール水が飽和水になってしまったか、ジルコニウム-水反応によって生じる水素が圧力抑制室とドライウェルへ放出されたか、あるいは、既に原子炉容器下部鏡板の一部が溶融貫通していたためと推測される。」(230ページ)

原子炉の圧力は、3月12日の2:50から15:28まで0.800MPag(0.900MPaa)のまま変わらずだった。つまりドライウェルとほぼ同じような数値であったことから、これらの数値に間違いがなければ、「これ以前に原子炉圧力容器に開放部が生じた可能性がある」(230ページ)ということになる。

推定では3月11日の19時頃ではないか、と書いている。

一方水位計の数値は3月12日14時頃より4月10日0時00分までほぼ変化がなかったが、これは計測器が壊れているということを示す。

続いて、消防車のポンプを使った注水についてであるが、福島第一には3台の消防車が配置されていた。

1台は津波で破損し、1台は5-6号機側にあり移動ができず、ただ1台だけが使用可能だった。

東電の説明では、11日の夕方からライン構成が計られ、12日の5:46から防火水槽の淡水を注入しはじめ、14:53まで8万リットルが入ったとされるが、このことを阿部は疑っている。

前述したように原子炉の圧力は14:30頃まで極めて高く、消防車のポンプの吐き出しの圧力は負けており、水がほとんど入らなかったはずだ、と阿部はみている。

もしも注入できたとしても、ほんのわずかであり、ある程度の量が入ったのは水素爆発のあとではないか、と考えるのである。

時間切れにつき、つづく



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読んだ本
3.11原発事故後の公共メディアの言説を考える
名嶋義直・神田靖子編
ひつじ書房
2015年3月11日

ひとこと感想
言語学分野からの原発事故論として、貴重な一冊。東電と関電の節電依頼プレスリリース、小学校の放射線教育副読本、政府の記者会見、新聞の原発関連語の使用頻度、新聞の投書、新聞の見出し、吉田調書への新聞社の対応、といったトピックが集められている。
非常に興味深く読んだが、もっと入り込んだ分析や議論が行われるよう望みたい。

***

7本の個別の論文が集められている、という体裁(「背景となる諸事象の説明」(名嶋義直)を除く。また、年表も除く)なので、各論考ごとにまとめてみる。

***

電力会社の広報にみる理念と関係性 電力需給と節電に関するプレスリリースの一考察 高木佐知子

フェアクラフ(Fairclough)という人の提唱する批判的ディスコース分析(CDA)という手法で東電と関電のプレスリリースを読解している。

分析の対象は以下の4本のプレスリリースである。

東電
計画停電の原則不実施と今夏に向けた需給対策について 2011年4月8日
平成24年度夏期の需給見通しについて 2012年5月18日

関電
今夏の需給見通しと需給対策の状況について 2011年6月11日
今夏の需給見通しと節電のお願について 2012年5月19日

簡単にまとめれば、東電は原発事故の当事者であることからあまり強いことを言えずにぼかして状況説明しているのに対して、関電は自分たちに非はないのに原発が稼働できないため電力が逼迫し節電をお願いするという態度がにじみ出ている、ということになる。

すなわち表向きは「電力需給見通し」を主題とし、「停電回避」と「節電依頼」を述べているプレスリリースであるが、そこに「原発停止・再起動」の説明がはさみこまれ、暗に原因を述べつつ、
電力需給が「火力・水力発電対策」ではどうにもならず、原発ありきだということを読者に訴えているのである。

「これらの原発のディスコース群の前提として、原発の再起動は選択可能な処置であるということ、それが不可能となった場合に電力供給への影響がもたらされることが伝えられていた。すなわち、必要な電力需要を賄うのは困難で、節電sなければ停電の危険性もある現状において、原発による電力供給は必要であるというイデオロギーが暗に伝えられていると考えられる。」(42ページ)

これはすなわち、上品ぶってはいるが、私たち市民への「脅迫状」だったと思わなければならない。

表向きはていねいな口調で「ご理解」を求めているものの、その真意は、「今まで通りの電気のある暮らしがしたかったら、原発を再稼働させろ」という強い主張をしているのである。

実際、こうしたディスクール実践の効果は十分に現れた。

***

「環境・エネルギー・原子力・放射線教育」から見えてくるもの 野呂香代子

イェーガー(Jäger)という人の御用論敵な批判的談話分析の手法を用いている。

扱っているテキストは、以下の3冊の小学生向け副読本である。

わくわく原子力ランド 所学生のためのエネルギー副読本 2010年2月 文科省、経産省資源エネルギー庁

放射線について考えてみよう 小学生のための放射線副読本 2011年10月 文科省

小学生のための放射線副読本 放射線について学ぼう 2014年2月(発行年は記載されていない) 文科省

まんなかの副読本については、当ブログでとりあげている
 
 副読本 放射線について考えてみよう、を読む
 http://ameblo.jp/ohjing/entry-11636116863.html

この3冊の副読本のタイトル(サブタイトル)のどこかに「放射線」が使われているという意味では、類似したもののように見えるが、実は大きな違いがある。

最初の「わくわく~」は、「原子力施策を推進するため」という目的でつくられた「啓蒙」書である。

また、2冊目と3冊目はほとんど違いがないようにみえるが、実はここが大事で、2冊目は、一見、事故後に生きる私たちに必要な放射線への知恵を提供するものにみえながら、実はそうでなく、事故前から日本原子力文化振興財団が制作したもので趣旨も1冊目と大きく変わらないのである。なんといっても「事故」についてまったくふれられていないところが、恐ろしい。

3冊目は別の意味で不思議な冊子である。1)文科省のクレジットがあるもののそこには「発行」という言葉がない、2)発行年月が記されていない、のである。そうした「不備」はさておき、3冊目では、表向きは今までと比べれば、原発事故をうけて、放射線とどう向き合うのかが主題となっているようにも感じられるのだが、実は3冊に共通していることがある。

日常における放射線の強調である。この箇所だけ、3冊ともまったく同じイラストが使われている(使いまわされている)。

ここに私たちは「イデオロギー」をみる。

端的に、放射線に怖がりすぎだ、と言いたいのである。

そしてその深層には、原発の稼働や原発事故といっても、それほどたいしたことではない、という主張が隠されているように思われる。

放射線の影響に怯えるのは、「無知」であり、その「無知」を啓蒙するために「副読本」がある、という観点がここには示されている。

そうではなく、本当の意味で、放射線のことを知り、そのうえで、どう日常を生きるのか、そして実際に事故が起きた現場では、今どう生きたらよいのか、そしてさらに、今後、万が一事故が再び起こったとき、私たちはどうするのか、そうしたことを「考え」るための「副読本」が求められている、と私は思うのだが、いかがだろうか。

 参考文献に、以下のものが含まれている
 川原茂雄 原発と教育 海象社 2014年
 佐々木賢 教育×(と)原発 青土社 2011年

***

官の立場のディスコース 原発事故後記者会見、収束宣言そしてクールジャパン政策 大橋純

語用論的手法から、官のディスクールにおいてどのように「立場」がわきまえられ、その役割を遂行しようとしているのか、分析を行っている。

枝野官房長官談話 2011年3月11日午後~17日午後
 
枝野が自らの役割をふまえて謙譲語「~ております」「~でございます」「いたします」「申し上げます」と多用していることを指摘。

一方で経産省に対してもしていただく」といった、ていねいに説明しているところから、経産省の力が上であることを暗に示している。他方で東電に対しては「させる」といった、強い命令口調が用いられている。

また、「直ちに人体に影響を及ぼす数値ではない」については、「正しい」ことを「迅速に」伝えることを意図しているのではなく、不安やパニックの回避にあったことが、「落ち着いて」「冷静に」「念のため」「万が一/万一」「万全」といった言葉を多用していることからわかる、と指摘する。

ほか、野田の「収束宣言」なども分析されているが省略。

***

新聞における原発関連語の使用頻度 庵功雄

2002年、2012年の朝日新聞、読売新聞の記事データを対象とし、そこに原発関連の語彙がどのように出現しているのかを調べている。

・原発 (+複合語)
・発電
・エネルギー
・原子力

「原発」の使用
2002年 朝日 887 読売 925
2012年 朝日 11,289 読売 8,835

原発+複合語(原発~)
2002年 原発トラブル、原発立地、原発建設、原発事故、・・・
2012年 原発事故、原発ゼロ・廃止、原発依存、原発問題、原発立地、・・・

正直、分析がうまくいっていないと思うので省略。

***

新聞投稿と新聞社の姿勢 新聞社は意図的に投稿を選んでいるか 神田靖子

メディアの誘導による大衆の意見形成の様相を談話の歴史的分析(Riesigl and Wodak 2009)を行っている。

対象は、読売新聞の「ヨミダス歴史館」2011年3月12日から2012日7月31日までの読者投稿欄「気流」と「社説」を「原発」で検索した。

結果、社説288本、投稿140本が抽出された。

本論考には途中に「日本の原発の歴史と背景」がはさまれているが、これは正直言って不充分な箇所である。

たとえば、戦中の国内の「原爆製造の試み」を仁科グループ-陸軍のものしか言及していなかったり(荒勝グループ-海軍)している。

文献をみると有馬哲夫「原発・正力・CIA]くらいしか歴史的記述があるものがなく、明らかに調査不足である。

結論だけ引用しよう。

「投稿の大半は暫定的措置としての再稼働、中期的活用といった意見であり、社説の主張と合致していた。」(190ページ)

逆に読売新聞は、以下のトピックを意図的に投稿欄でとりあげていなかったということが明らかになる。

・原発の危険性
・廃炉費用と所用時間
・発送電の分離
・使用済み核燃料処理
・事故補償
・自己責任の所在

「ここから読売新聞は原発の負の側面に触れることを意図的に回避しており、原発の優位性のみに焦点を当てて読者を誘導しようとしていることが明白に見えてくる」(190ページ)

***

福島第一原子力発電所事故に関する新聞記事報道が社会にもたらす効果について 見出しが誘発する読者の解釈 名嶋義直

ここでも方法論は批判的談話分析(CDA)で、Fairclough(2010)のほか、van Dijk(2008)などに依っている。

・事態の既成事実化
 ・前提化
 ・権威化
 ・負の側面の焦点化
 ・低評価
・事態の非存在化
 ・焦点のすり替え
 ・事態のすり替え
 ・全体内における部分化
 ・別事態の焦点化

具体的な分析内容は省略。

***

吉田調書をめぐるできごとを読み解く 名嶋義直

題材は、朝日新聞の誤報に関する一連の出来事である。吉田調書の分析ではない。

細かい分析を行っているが、事態はシンプルであった。

朝日が非公開の吉田調書を独自に入手し、それをもとに連載記事を書いた。

そのなかに、東電社員たちが命令違反により福島第二に撤退した、という内容があった。

これに対して、門田隆将や産経が問題視し、結果、朝日が誤報であったことを認め、謝罪した。

名嶋も書いているように、この経緯における最大の問題点は、「論点のすりかえ」である。

「逃げたのか逃げなかったのか」ということは、当時の事態の一側面として真偽をはっきりとさせることが重要であったとしても、総体としての事故現場における対応の問題がすべて解決されたわけでもなんでもない。

にもかかわらず、産経や読売は、吉田所長や福島フィフティを英雄視することによって原発事故の課題や不安を隠蔽する路線を強化した。

「そもそも問題にすべきであった東電による事故対応の不手際や責任問題が見えにくくなり、うやむやになってしまった」(265ページ)

前述の名嶋の分析の言葉でいう、「全体の中の部分化」や「事態のすり替え」「別事態の焦点化」などが起こってゆく。あほくさ。

一言で言えば「原発」に懐疑的な言説を封じ込めることを意図したキャンペーンだったのである。



3.11原発事故後の公共メディアの言説を考える/ひつじ書房
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読んだ本

原子力規制委員会の孤独 原発再稼働の真相
天野健作
エネルギーフォーラム新書
2015年3月

ひとこと感想
原子力規制委員会と新規制基準について、そして審査をしている各原発の内情をコンパクトに整理している。ただ、「孤独」「真相」という言葉遣い、タイトルの決め方に疑問を感じる。過去の記事をつなぎあわせて一冊の本にした編集の仕方にも、もう一工夫してほしかった。

*発行所である株式会社エネルギーフォーラムは、地下鉄東銀座駅近くにある旧改造社書店の裏にある。

AMANO Kensaku(1974-  )は、豊田市生まれの産経新聞記者。

***

原子力規制委員会に対する「評価」は本書の冒頭「はじめに」においてすでにはっきりと書かれている。

「原発の安全性を徹底的に見直して、「世界最高水準」と誇る新規制基準を作り上げ、審査の中で、ふたたび原発を動かそうと願う電力会社と激しい論争を繰り広げている。」(4ページ)

確かに、規制委員会は、ある側面からみれば、天野の言うような努力をしているとも言える。だが、それは「ある側面から」においてのみあてはまることにすぎない。

もしも本当に「原発の安全性」を徹底的に見直すのであれば、現行の軽水炉そのものの選択の可否から議論がはじまらねばならぬが、そういったことは規制委員会では行っていない。

また、「世界最高水準」の「規制基準」であるかどうかは問題ではなく、この土地において安全性が本当に確保できるのか、とりわけ、地震や津波の「対策」をどうするのかは、これまでも同じようなレトリックが使われてきているだけに、あまり信用できるものではない。

昨日読んだ「現在進行形の福島事故」が主張しているように、規制委員会の見解にもろ手をあげて賛成、ということには、簡単にはならないはずだ。

そもそも田中俊一委員長自らが、「川内原発は新規制基準に適合したもので、安全と認めたわけではない」と述べている。「安全」と「新規制基準」を同一化できない、と明言しているのである。

ただし、こうして、「規制委」に焦点を当てた本は少ないので、天野が言うように、本書は、「規制委」について考えるうえで、貴重な一冊であることは疑いない。

また、大方の記述は決して産経新聞や正論で述べられているような、一方的なイデオロギーを前提とした物言いをしているわけではない。

それなりの客観性をもって、規制委や審査の現場に密着していたからこそ言えることがまとめられている。

だが、ところどころに、そうした客観性のほつれがみられる。これがかえって不快である。

たとえば、川内原発(九電)の「合格」を「事実」としてとらえながら、次のように書いている。

「その他の原発も続々と運転を再開する見込みで、2015年は「原発再稼働元年」として記録されることになるだろう。」(4ページ)

川内原発は、2015810日頃に再稼働を開始する見込みとなっているので、2015729日の時点で、間違ったことを書いているわけではない。

 

だが、あたかも今後、「再稼働」が次々と進んでゆくようなことを述べることが、はたして、客観性をもっていることになるだろうか。私には疑わしく思える。

ここで、20157月下旬の段階での原発の審査状況について、確認しておこう。

廃炉 計11
 福島第一 1-6
 敦賀 1
 美浜 1-2
 島根 1
 玄海 1

審査未申請 計20
 女川 1.3
 福島第二 1-4(廃炉の可能性大)
 柏崎刈羽 1-5
 志賀 1
 敦賀 2
 大飯 1-2
 島根 3
 浜岡 5
 伊方 1-2
 玄海 2

審査中 計20
 泊 1-3
 大間 (建設中)
 東通 1
 女川 2
 東海第二 
 浜岡 3-4
 柏崎刈羽 6-7
 志賀 2
 美浜 3
 大飯 3-4
 高浜 1-2
 島根 2
 玄海 3-4

合格 計5基(2基は再稼働の目途が立っていない)
 川内 1-2
 伊方 3
 高浜 3-4 *運転差し止め仮処分

どうみても「続々と再稼働」というようには動いていない。

動かせる見込みのあるものは何とかして動かそうとしている一方で、老朽化も含めて廃炉に向かっているものも多々ある、そう、書くのが最低限の「客観性」であるはずだ。

そのうえで、できるだけ多くの原発に再稼働してもらいたい、と個人的な見解を述べるのは自由だが、むしろここではそうした個人的見解をあたかも述べていないかのように見せかけて述べているところに、狡猾さが伺えてしまう。

一言でまとめるなら、最初から「イデオロギー」があり、そのコンテクストのうえでそうした「イデオロギー」の再生産を行っているにすぎないことになる。

私はそういう人を「ジャーナリスト」と呼ばない。

にもかかわらず天野はこう書いている。

「本書では事実に基づき、可能な限り客観的に記述することを心がけ、どくしゃが規制委の「実像」を浮き彫りにできるように努めた。」(6ページ)

こうした著者の意気込みは、残念ながら本書では成功していない。

かえって気味の悪い言説を産出しているのである。

***

原子力規制委員会が発足したのは20126月だが、ちょうど民主党から自民・公明へと政権交代の時期をまたいだため、大幅に成立が遅れた。

公正取引委員会や国家公安委員会と同様に人事権や予算権をもつ組織で、きわめて独立性、中立性が高くなっている。

言い換えると、規制委は政治家との接触を基本的に避けている。

また、全職員(約900名)は、原子力推進省庁(つまり経産省、文科省)へのリターンが認められていなかったが、移行措置としてやや規制が緩くなり、その結果10パーセント以上の官僚は元に戻った。

また、独立行政法人の原子力安全基盤機構(JNES)の職員が統合されたのだが、要するに「民間人」が「公務員」に変わるとともに、もともと年齢層が高く、かつ、高給だった条件をそのまま受け入れることで、公務員とのあいだの確執が生まれることともなった。

その後も、知っての通り、ナンバー3だった審議官の名雪哲夫が原電側に情報を漏出させた結果、飛ばされる(なぜか山形大の教授になっている)。

また、公開した放射性物質の拡散予測マップに度重なる過ちがあり、人材不足、能力不測を印象づけた。

ただしそうした「不祥事」を反省して、現在では、面談には必ず2人以上であたるといた規則を設けたり、会合などはすべてネットで動画公開をするようになった。

***

さて、いよいよ原発再稼働の「真相」であるが、要するにこれは各原発における審査の「実情」ということだ。

川内(九電)
・公開審査会合 62回 審議時間計110時間
・非公開ヒアリング 700
・原子炉設置変更許可申請書 18700ページ
・規制委に恭順に従ったためもっとも先に合格
・基準地震動を大幅に引き上げた(620ガル)
・天野は4月頃に再稼働すると見越していた(実際は8月)

大飯(関電)
2012年に再稼働していながら津波と地震対策に対して規制委と張り合い遅れる
・地裁が再稼働を認めない判決を下す

高浜(関電)
・審査合格二番手
・大飯と近く断層問題もかぶるが高浜の方が遠いため審査がスムーズに進む

伊方(四国電力)
・合格一番載り候補だったが基準地震動の設定によって大幅に遅れる
・緊急時対策所を備えていたが耐震基準に満たなかった

柏崎刈羽(東電)
・東電への不信感により厳しい対応が迫られている

泊(北電)
・準備不足

女川(東北電力)
13メートルの津波によりクレーンなど600か所の破損
2012年には14メートルの防潮堤を完成させたが、20163月までに29メートルにかさ上げとなる
・免震重要棟も20163月までに完成させる

浜岡(中部電力)
22メートルの防潮堤が20159月に完成
・追加工事費用は全体で3000億円
・実際には課題が多い

東海第二(日本原電)
35年を超える

志賀(北陸電力)
・準備不足
・ベントにフィルタがなくても他の設備で同等の対策がとれると考える

東通(東北電力)
・基準地震動などの本格審査は活断層かどうかの判断が出るまで行われない

大間(電源開発)
・建設中(2021年度の運転開始を目指す)
MOX燃料をフルに使用する
MOX燃料の再処理の目途がたっていない

HTTR
(原子力機構)
・次世代高温ガス炉(試験研究炉)

六ヶ所村(日本原燃)
・再処理工場にこれまで22千億円
・近隣国への核抑止力になっている
・本格運用は見通しが立っていない

***

以下は、活断層調査の必要性が述べられている原発である。

・敦賀
・大飯
・美浜
・もんじゅ
・東通
・志賀




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読んだ本
現在進行形の福島事故 事故調査書を読む、事故現場のいま、新規制基準の狙い
日本科学者会議原子力問題研究員会 編
本の泉社
2013年9月
日本科学者会議ブックレット2

ひとこと感想
ブックレットで900円、だが100ページ以上で内容も濃い。4つの事故調の読み方、原子力規制委員会と新規制基準の検討、事故現場の現状分析、そして科学者鍵のメンバーによる短いエッセーと、盛りだくさん。ただしエッセーは不要だったのではないだろうか。あと、タイトル
「福島事故」がおかしい。「東電原発事故」もしくは「福島第一原発事故」、せめて「終わりなきフクシマ」ではなかろうか。

***

舘野淳による「第1章 四つの事故調査報告書の読み方」については、先日読んだ本の内容と重複するので、基本的には省略する。

 シビアアクシデントの脅威 科学的脱原発のすすめ(舘野淳)を読む
 http://ameblo.jp/ohjing/entry-12050243170.html

ただし、いくつかの「謎」をとりあげているので、簡単に紹介する。

1)地震動による破損の有無

国会事故調では強く主張しているのに対して他の3報告書は地震動による破損説を全面的に否定している。

こうした根本的な違いが発生しているのは、なぜか。

地震が理由では困ることがあるからなのであろうか。

2)放射能放出ピークの原因

原発事故によって何度か線量の上昇がみられたが、その原因は限られており、ベントによるものか、爆発によるものか、に限られる。

しかし1点だけ今のところ理由がはっきりしていない「ピーク」がある。3号機と4号機の水素爆発のあいだ、3月14日から3月15日にかけてである。

もしかすると、ベントが失敗していたのではないか、という疑いがもたれている。

3)炉心溶融時刻

客観的にはっきりとしているのは津波到来の時刻と水素爆発の時刻だけで、炉心がいつ露出開始したのか、そして、いつ全炉心露出が起こったのかは推定時刻であり、それぞれの調査書で異なっている。

もちろん今、溶け落ちた炉心がどのような形状になっているのかもはっきりしない。

4)2号機と4号機の爆発

格納容器が損傷しなかった2号機の爆発についてはまだあいまいなところが多い。

13日には3号機の水素爆発により建屋上部の窓が吹き飛んでいる。それによって格納容器は損傷しなかったわけだが、それではなぜ爆発音があったのか説明できなくなる。

また、4号機は定期検査中だったため、炉心溶融などが起こるはずがない。にもかかわらず爆発や火災が起こったのはなぜか。

3号機の水素が入り込んだという説が今では一般的だが、確定したわけではない。

5)電源不要の冷却系(ICとRCIC)

まだ直流電流が使え制御が可能なときに1号機のICを地震と津波のあいだに作業員が開閉を繰り返していることが知られている。

東電の報告書ではこれは運転手順にしたがって冷却速度を守るために行われたと主張されているが、国会事故調の「地震による破損でリークが生じていないかを確認するためにICを手動停止したのだ」(22ページ)という証言もある。

いずれにせよ、ICがいつどのように止まったのかは、はっきりとしていない。

また、2号機のRCICが停止した理由も、不明。

3号機の場合は留め金が故障して停止し、その代わりに高圧注水系(HPCI)が動きだした。しかし、運転員が動作に不安を抱き、所長の許可なく当直長の了解だけで一度手動停止をし、その後再起動できなくなった。

6)消防車注水とベント

事故よりわずか6か月前に消防車による注水ラインの注水口がつくられていたおかげで、事故の被害はかなり食い止められたことが国会事故調では指摘されている。

しかし一方で、その消防車注水を決断するタイミングが遅かったのではないかとも言われている。

すなわち、11日の段階で先に深刻な状態に陥っていたのは2号機よりも1号機だったのだが、ICの停止を把握していなかった可能性がある。

「誤判断、ヒューマン・エラーなどヒューマン・ファクターに関する謎は数多くある。しかし最大の謎は、事故後責任追及が全く行われていないことである。」(26ページ)

最大の責任者を「「産官学政」の癒着体制を歴史的に作り上げてきた一部指導者」(26ページ)としているが、要するにこれは、何よりも、正力であり、中曽根である。

また、ヒューマン・ファクターについては、第一に責任があるのは、「シビアアクシデントが起きないとして、事態を隠ぺいした官僚と事業者」(26ページ)としている。

第二に、電気事業者の首脳部、としている。第一の「事業者」とは原発の製造の、第二の「事業者」は運用の事業者ということだろうか。

さらに第三に、実際の危機管理、指揮命令系統の問題もあるが、この点については舘野は保留している。

***

原子力規制委員会と新規制基準については、舘野が「新規制基準 シビアアクシデント問題を中心に」と、立石雅昭が「新規制基準の耐震・耐津波関連」との二つの論考からなっている。

1)規制委員会

2015年7月までのプロセスを見ていると、確かに審査が厳しくなったことはよくわかる。

だが同時に、「厳しい」としても、いずれ再稼働させようという意志や意欲もにじみ出ている。

すなわち、あれほどの重大事故が起こっておきながら、すべてではないにせよ、一定程度の原発を今後も使い続けるために、許容されそうな基準となっているように思えてならない。

舘野が指摘しているのは、まず、本当に「軽水炉」もっといえばBWRという「型」に対する抜本的な検証をしていないいこと、そして、使用済み核燃料や廃棄物などの処理について明確な方向性が打ち出せるのか、また、それを行う施設近隣に住む人々に納得させられるのか。こうしたことがまったく問われていないのが問題である。

舘野は軽水炉を「熱制御が困難な欠陥商品」(34ページ)とまで言っている。

しかも納得がゆかないのは、新規制基準から「シビアアクシデント」という言葉を最終案になってから急遽「重大事故」に言い換えられたことである。

なぜ「シビアアクシデント」では駄目なのか。ここにも官僚や事業者の影がちらついている。

・水素爆発防止と放射能閉じ込めのジレンマは解消されていない
・火災への対応が不十分
・特定安全施設という考え方が不鮮明
・要求事項の実現の保証がない
・炉心溶融への対策に不備

***

立石は規制委員会の根本的問題として、再稼働を前提とした組織となっていると指摘する。

また、目的のなかにわざわざ「我が国の安全保障に資すること」という文言が加えられていることも、今なお、非常に気持ちが悪いままである。

原子力「発電」がそのまま「国防」と結びつくというのは、本質的に理解できるがゆえに、余計、こうした誤魔化しのように言葉を滑り込ませるのではなく、正面から議論したうえで盛り込むべきもののように思われるが、どうやらそういうことをしたくない人たちがいる、ということがよく分かった。

***

2013年夏頃の時点での放射性物質、放射線、汚染水などの状況を野口邦和がまとめている。

・大気中への放射性物質の放出量は事故直後の8,000万分の1
・主に放出されているのは、セシウム137、セシウム134、クリプトン85
・原発敷地境界における外部被曝線量は0.03ミリシーベルト
・放射性ストロンチウムを問題にする必要はない
・福島県民の内部被曝量はほとんど問題ない
・いかに外部被曝量を減らせるかが問題
・小児甲状腺がんが多発する可能性は非常に低い

こうした「結論」は、だいたい私の理解の範疇にある。

実被害は、これより小さくも、大きくもないと、思われる。

***

「そもそも汚染水が増加して敷地を蔽う汚染水タンクが増殖している状況を収束と作業といえるのか。収束というより、破たんに近づいている可能性はないのか。」(130ページ、舘野淳)

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以下は、2日前の続き。

電気がなくても、人は死なない木村俊雄)、を読む
http://ameblo.jp/ohjing/entry-12054281424.html

***

タイトルはやや過剰である。

著者の実践は、本書の最初の扉にある「電力会社なんてなくたって、生きていける」ということであろう。

最初に「電気ポット」をはじめとした「電気エネルギーを熱エネルギーに再変換してしまう効率の悪い電化製品」(14ページ)の使用の見直しが提案されている。

・電気ポット 1000W
・食器洗い乾燥機
・IHクッキングヒーター 1900W
・オーブントースター 1000W
・エアコン 800W
・電気ファンヒーター
・加湿器
・コーヒーメーカー 1000W
・暖房便座
・ホットプレート 1100W

*電気ポットをやめれば原発は止められる、というのは広瀬隆が原案

なお「炊飯器」は「必需品」として除外している。ただし、炊き上がったら保温はやめてもいいのではないかと述べている。

また、高齢者の独居の場合には「オール電化」も勧められる、といったように、ケースバイケースで考える必要があるともしている。

「一番大切なことは、それぞれが自分の生活スタイルをシンプルにして、ミニマムにシェイプアップすることです。なるべくエネルギーロスを控えて、ムダな使用をやめること。とはいっても、苦行になるようなころは絶対にありません。」(15ページ)

木村自身は今では完全に電力会社に依存せず太陽光発電で暮らしを成り立たせているが、最初から太陽光パネルに飛びつくのは間違いだ、とまで述べている。

電気には電気にしかできないことをお願いする」(17ページ)という見直し、これが何よりも先に行うべきことなのだ。

「反原発、脱原発で一番効果があるのは、家庭単位、個人レベルで解決できる問題をひとつひとつ実践していくことです。」(18ページ)

原発容認・推進する言説においては、ときどき、一人ひとりの節電、減電など意味はない、というものが登場する。

誰が言っていたのか、今は思い出せないが、電力会社のつくる電力の多くは「産業」が使っており、家庭(個人)消費は大きな影響を及ぼさない、とされていた。

しかし木村は、そうではない、と考える。

確かに、全国にある10社の電力会社の販売電力量の比率は、企業向けが60%、家庭向けが40%、と企業の方が使用量が多いのは間違いない。

だが、事業収益としてみれば、この比率が大きく変わり、企業向けが30%、家庭向けが70%と大きく逆転する。

さらには東電においてはもっと顕著で、事業収益は、企業向けが10%にすぎず、90%は家庭向けとなっている(東京新聞、2012年5月23日夕刊より)。

要するに、私たちの電気代は企業が使う電力の分も含まれているようなものなのである。

「一般家庭向けの電力を30%減らすだけでも、結果として日本の前電力量の12%の圧縮ができるので、電力会社への影響は計り知れません。」(38-39ページ)

ここであの「ネガワット」の発想が取り入れられている。

 発想の転換から産まれる次世代エネルギー――ネガワット(節電所)、を読む
 http://ameblo.jp/ohjing/entry-12038896311.html

「各家庭が電力消費量を30%圧縮することは、圧縮した30%分の電力を自家発電設備をつけることと同じ意味があります。」(48ページ)

そうなのだ。色々と見直しをすることによって、実は30%くらいは可能なのだ。

また、だからこそ、電気のありがたみ、電力会社への感謝の気持ちが芽生えてくるし、もっといえば、想像を絶する発電量を誇る原発のすごさ、恐ろしさもあらためて痛切に感じることになる。

***

以下、具体的に木村は、レベル1から10まで、無理のないように「減電」を勧めている。

Level 1 調理・暖房の家電の使用をやめる(減らす)

電気ポットなど家電製品のなかでも、湯を沸かしたり調理、暖房などに使っていたものをやめてみる

これは最初に書いたように、いろいろな製品があり、各家庭の事情で取捨選択を行う。

我が家では、以下のようにしている。

・調理はガス
・炊飯器は使うが保温はしない
・どうしても湯を保存したいときは保温のできる水筒を使う
・食器洗い機が備えつけであったが、使わない
・トーストはフライパン
・解凍は時間をかけて
・寒いとき以外は便座の暖房は使わない
・エアコンはなるべく使わない


Level 2 主電源を切る(待機電源を切る)

液晶テレビなど、待機電力だけで20ワットアワーも電気を消費している。

・暖房便座
・ルーター
・テレビ

まずは、一度、すべてのコンセントを抜いてしまい、ミニマムの必要なもの、常時つけておかなければならないもの、定期的に使うもの、など、それぞれの用途を見極めるとよいと思う。

・オーディオ機器などはふだんはコンセントを抜く

今気になっているのは、パソコンやスマートフォンなどの充電(バッテリー)をつけたままにしているが、もう少し工夫ができないのかどうかである。

たとえば、充電が100%に近い状態になったら電源を抜いて充電を使った方が良いのか、それともふだんはバッテリーを外していたほうが良いのか。


Level 3 冷蔵庫の工夫 冷蔵室はスカスカに、冷凍室はギッシリ

冷蔵庫は、電源を抜くことはできず、常時接続が不可避であるが、それでもできることがある。

冷蔵室はスカスカに、冷凍室はギッシリにしておくことが、もっとも効率がよい。

また、冷蔵室のものは冷気が通りやすいように食材などは中央に集めるとよい。

冷凍室がもし空いているときは、余っている保冷剤で隙間を埋める。

これもすでに実践しているが、冷蔵室にモノをつめこみすぎないのは、習慣化されると、入れっぱなしのものがなくなり、料理や食生活のサイクルにも良いと思う。


Level 4 洗濯も短縮が可能

「全自動」はボタンを押すだけというのが魅力だが、融通が利かない。

「全自動」のデフォルトは、かなりハードな汚れを落とす勢いの設定になっている。

・洗濯時間 3-5分
・すすぎ 1回
・脱水 1回

「お急ぎモード」のようなものがあれば、それを使う。

実は、お風呂の残りを使うこと以外、洗濯についてはまだ改善をしていなかった。「お急ぎモード」があったので、今後はこちらで洗濯することにした。


Level 5 掃除機を使うのをやめる

掃除機も1000Wを超えるものが少なくない。

木村はほうきを勧めているが、私はクイックルワイパーを使っている。

もちろんこれがベストとはまったく思っていないが、猫の毛をとるのに便利なので使っている。


Level 6 照明はLEDに切り替える

白熱電球と比べるとおよそ10分の1くらいになるLED。かつては導入経費が高かったが、ずいぶん単価が下がった寿命も短く、取り換える手間も省ける。

やや光に癖があるので、使い方を工夫する必要があるが、圧倒的にLEDのほうが好いだろう。

白熱電球、以前、まとめ買いをしていたので、それがなくなり次第LEDに切り替えているが、LED蛍光灯にはまだ至っていない。今後順次移行していきたい。


Level 7 「ワットチェッカー」で電力測定

コンセントにつなげるだけでそれぞれの家電製品がどのくらいの電力を消費しているのがわかる機器で、1,000円台からある。

これは気持ち的にも分かるが、大体、1カ月の電気料金で成果が分かるので、今のところ実施するつもりはない。


Level 8 「電気料金のお知らせ」チェック

これは、行っている。まず、1日あたりの使用量における月別の変動であるが、グラフ化すると、こうなる。

縦軸の数値はお恥ずかしいのでお見せできないが、震災前の2010年から2015年の最近までの1日の使用量の変遷である。

青色が2010年であるが、夏はクーラー、冬はデロンギのヒーターによって甚だしく電気が使われていた。

2011年以降毎年、着実の使用量を下げてきたことが分かるであろう。

なお、デロンギのヒーターは確かに安全であり空気が乾燥せず身体には優しいが、あまりにも電気を食いすぎる。

猫がいることもあり、夜寝るときには今でも使ってはいるが、できるだけ控え目にしている。

夏場はクーラーをかなり抑えることによって、こちらも半分くらいの電力量に収まっているが、ここから下げるのはなかなか難しくなっている。

逆に5,6,10月あたりは上記のような節電をこれまでしてきたので、あまり下がらない。

ちなみにこれを料金でみてみると、以下のようなグラフになる。


夏場はそれなりに下がっているが、冬場の電気料金は思いほか下がっていない。

いや、夏場はむしろ、使用料を減らしたのにもかかわらず料金が上がり、割高になっている場合がある、ということなのだ。

また、全体的に使用量の激減の割には料金はあまり下がっていない。

ほか、現在は、ネットでデータを集めたり、スマートメーターを導入するといった「可視化」が可能になっている。

これも、今後の課題としたい。



Level 9 太陽光発電に挑戦

これは、いつか実行したいが、現時点では諸制約がありできない。

また、木村は書いていないが、エネファームの導入も検討すべきものであろう。

ここで挙げられている例は、メーカーのものを一括で購入というのではなく、自作のような世界である。

・ソーラーパネル
・楓放電コントローラー
・バッテリー
・インバーター

この4点が揃い、ケーブルでつなげれば完成。

「回転体」を使わない発電のため、故障が少ない、そしてメンテナンスもあまり要らないというメリットがある。


Level 10 田舎で「半農半X」で暮らす

さて、かなり、節電レベルもあがってきた、というよりもこれが最後。木村が実践する「節電」は、ここにきてついに、「電力会社」とのつながりを絶つところに至る。

この場合、大事なのは、この「半X」があるかどうかである。または、こうした覚悟があるかどうか、と言ってもよい。

大半の人がしり込みするのは、「仕事」に縛られているからだ。「仕事」をするために、その会社や組織の近くに住むことになり、結果的に関東圏で暮らす、というのが一般的だ。

これを可能にする条件として、確かに現在では、ネットやパソコンなどのインフラがあるので、選択肢は広がっているように思う。


***

私としては、木村のこうしたレベル分けに対して、田舎暮らしをしない場合の、もう一つの「節電」対策を提示しておきたい。


Level 10b ゴミの量を減らす(特に生ごみ)

分別してリサイクルできるものはしっかりと行うのは当然として、その次のステップとして、生ごみを一般ごみとして出さないようにする、というのを是非ともお勧めしたい。

ゴミの焼却に使う燃料が節約になる。

2012年5月以来、植木鉢を10個近く使って、順次土に埋めては土に還す、という工程を繰り返してきた。

梅雨時は雨水で腐臭が発生したり、冬はなかなか腐敗が進まなかったり、ハエが発生したり、それなりに住環境の快適性を損ない、家族には不評であるが、精神的には、非常に楽になる。

なにしろ、自分たちが食べたあとに出るのが「生ゴミ」である。本来、「ゴミ」として出さなくてもよいもののはずだ。

これを自ら土に還すことは、きわめて有効に「リサイクル」を現実化している。

最初は長く続けられるかどうか心配であったが、すでに3年以上続けてきたので、そろそろ次のステップとして、野菜や花をこの土を使って育てるということに近々チャレンジしてみたい。

***

「漠原人村」のマサイさんのところに出入りしていたという。木村はもともと双葉町、大熊町で暮らしていた。そのあと事故後には土佐清水(高知県)に移り住む。



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術前。目つきがややワイルド。

我が家のゆいたが、去勢手術を行った。また、血液検査、ウイルス検査も一緒に行った。当然、麻酔も打った。

***

前日は、夜8時からは絶食、11時からは水もNG。

おなかをすかせて、にゃーと鳴く、ゆいた。

夜中から明け方も何度か、ガサガサとご飯を探す物音。

残念ながら、すべて、隠してあるので、食べられない。がまん、がまん。

人間は朝ごはんを食べるが、ゆいたは、お預け。

病院は朝9時に開始なので、それよりも少し前に出発、洗濯ネットにくるんでトートバッグに入れて自転車で向かう。暑い。

着いてみると、すでに大勢が待っている。特にワンちゃんが多かった。

けっこう鳴いている。小型、中型、大型、各種いる。

1時間以上待つ。ゆいたは、いちおう神妙にしている。

鳴かずに、ときどき、バッグから顔を出す程度。少し、緊張気味なのかもしれない。

ようやく名前を呼ばれる。

といっても、すぐに手術をするわけではない。

診察台に乗せて、体重を計る。少しだけ痩せて、4.78キロ。

やはり、少し嫌な予感がするのか、私のお腹のあたりにしり込みしている。

ネットに入れたまま、預かってもらう。そう、これだけ。

預けて、おそらく昼頃に麻酔をかけて、手術となるはず。次に会えるのは、夜になってからである。

去勢手術の場合、入院はしない。もう、その日の夜には連れて帰るのだ。

ゆいたを病院に置いて、ふたたび自転車で帰路につく。荷台が軽い。

もちろん、麻酔にはリスクがある。どのくらいの確率なのかははっきりしないが、万が一ということはある。嫌なものである。

***

一人で帰路途中に手持無沙汰で、花でも写真にとってみる。

***

待っているあいだ、「万が一」のことがあれば病院から電話がかかってくる。

夜まで、かかってこないことが、「良いしらせ」なのである。

じりじりと昼間の時間は過ぎ、日が傾き、ようやく迎えに行く時間となる。

もう遅い時間だというのに待合室にはまだ2組も、いた。

少し待たされるが、電話はなかったので、無事であることはおのずと明らかになっている。

少したって、診察室に入る。


これから連れてきてもらえるのだが、手術前と手術後、つまり麻酔の前と麻酔から覚めてから、かなり暴れていたようだ。うー、と唸り、手を出すと猫パンチとか。ふだんはしないことをしている。驚きだ。

そりゃあ、ゆいたはまだ子ども。わんぱくだ。少しヤンチャかもしれない。

処置室のケージに入っているので、そのなかで、ふたたび洗濯ネットに入れなければならないのだが、人を近寄せない。

そのため、一度、私なら落ち着くかもしれないと処置室に連れてゆかれ、トライしてみたのだが、まったく、私を認識していない。

やはり、大きな声でうなり、威嚇している。手を近づけると、ものすごい勢いで猫パンチ(爪は切ってあるので実害はない)。

あきらめてお医者さんと看護師さんで力づくでネットに入れてもらう。

もう、興奮状態で、まったく手がつけられない。まさか、このままずっとこういう状態というわけではないとはいえ、わずか半日会わなかっただけで、他人のような仕打ちは少々切ない。

でも、悪いのはこちらだ。本人が当然望んでもいないことを、人間側の都合で行っているのだから。

待合室に出てもまだ、唸っている。

帰りは妻といっしょなので、タクシーを呼んで、3人で帰る。

車内に入って、少し落ち着きはじめる。エリザベスカラーをしているので、あまり自由に動けないが、ときどき、顔をバッグから出そうとする。

唸り声は、やんだ。

身体の緊張感も、かなり、収まってきている。

くねくねした坂を登って、帰宅。

ネットから出すやいなや、よろよろと歩きはじめる。

エリザベスカラーをつけているのと、麻酔のせいと思われる。

ちょっと様子をみて、もう興奮状態ではなさそうだと判断し、エリザベスカラーを外す。

なんと、その日のうちにはずしてしまって大丈夫とのことなのだ。

ちょっとだけご飯のにおいをかぐが、まだ食欲は出ないらしい、これも麻酔が原因である。

それからしばらく、ややうろうろしつつも、ここが自分の家だという認識があるようで、いつも座っているところで、くつろぎはじめる。

ご飯や水も少しずつ摂りはじめる。

まだ、全体にもやがかかったような感じではあるが、少なくとも先程までの、まるで他人、まるで敵に向かうかのようなことはなくなっている。

さらにまた時間がたつと、足元にすりすりと身を寄せてきたので、かなり、正常に戻ってきていることがわかる。

それでも、昨日までのシャープさに欠けているのは、まだ麻酔のせいなのか…ちょっと判断がつかないが、もしかすると、手術のせいなのかもしれない。

このままご隠居のようになてしまうのか。

少しすると溌剌とするのか。

こればかりは仕方のないことだが、今思うと、あのやんちゃさが、あれはあれでいとおしい。

10か月、ゆいた、ここで老成してしまうのだろうか。少々不安である。

術後。ややおとなしい?



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