ほどほどに楽しみ、情報を自分で判断すること

スーパーの成城石井のマクロビオティックなクッキーが

おいしいです。

小麦粉は精製していない全粒粉のみを使い、

バター、乳製品、白砂糖は不使用。代わりに

ココナッツオイル、甜菜糖を使っています。

レーズンやアプリコット、ナッツが加えられていて食感が良いです。

バターや牛乳を使わなくても、これだけおいしい

クッキーができるのだと、驚きます。

商品名は有機ミューズリーのマクロビクッキー。

15枚入りと10枚入りがあり、それぞれ480円と420円くらいです。

食べだすと止まらなくなりそうなほどおいしいのですが、

おそらくそれなりの量のココナッツオイルと甜菜糖が使われていると思います。

洋菓子・和菓子を「甘い！」と感じるほどに使う糖分は

甜菜糖でもメープルシロップでも、相当な量になるからです。

経験上良くわかります。

全粒粉のみを使用したクッキーをこれだけ舌触りを心地よくするには

やはり結構なココナッツオイルを使っているでしょう。

ココナッツオイルは、数年前から大流行をして

今も人気があります。

どのように身体に”良い”と言われているかご存知の方も多いかもしれません。

ココナッツオイルは、実は身体に必須と言われる不飽和脂肪酸ではなく、

飽和脂肪酸に分類されます。

ですが、身体によろしくない悪玉と言われる飽和脂肪酸は、通常長鎖（ちょうさ）脂肪酸です。

ココナッツオイルの約70%は中鎖脂肪酸と短鎖脂肪酸となります。

残り約30％が長鎖脂肪酸で一部が不飽和長鎖脂肪酸となります。

ココナッツオイルの主成分のひとつである中鎖脂肪酸は、

バターやラードのような長鎖脂肪酸よりも消化吸収が約4倍速く、

代謝は10倍の早さで分解・脂肪燃焼されます。

短鎖脂肪酸には腸を元気にしてくれる働きがあります。

そして、短鎖脂肪酸・中鎖脂肪酸は、直接肝臓に運ばれて速やかに

分解されるため、体に脂肪が付きにくいのです。

ここがココナッツオイルのポイントの一つです。

ココナッツオイルの摂取で、体内のエネルギー源がブドウ糖から

ケトン体に変わるケトン体回路というものが作られる現象があり、

太りにくい状況を作る可能性があるとのことです。

ケトン体とは人間が糖質を制限して飢餓状態になった時、

体に蓄えた脂肪を肝臓で分解してエネルギーに変える時にできる産物です。

これがもうひとつのポイントとも言えるでしょう。

以前、ココナッツオイルをネズミに与え続ける実験がなされ、

ネズミは肝臓の病気で死亡したことがありました。

ですが、この実験で使われたココナッツオイルは水素化されたものであり、

その成分のほとんどが長鎖脂肪酸だったとのことです。

※私たちの口にする食品レベルのココナッツオイルに

水素化されたものはほぼ無いそうです。

・・・ここまで読んで、いかが思われますか？

そんな夢のような”痩せる”オイルがあるのだと、感動をされますか？

それとも、残り30%のいわゆる悪玉の長鎖脂肪酸のことが気になったり、

またココナッツ自体が熱帯地方の植物であることから身体を冷やす陰性が

強いことに気が付いたり、

難しいことは考えなくても「でもやっぱりほどほどにしておいた方が無難」と

感じられたりなさいますでしょうか。

ココナッツオイルの長所に疑問はありませんが、

やはり全体像を見た時に、あまり妄信せず、

ほどほどの摂取にしたほうが良いと考えます。

日本人には、日本人に合うオイルがあり、

そして日本人には、菜種油やコマ油などを、少量だけ摂ってきたという

長い歴史もあります。

特に流行の食品は、何事もほどほどに楽しみ、さまざまな情報を自分の直感や経験、

そして自分の体とお肌を守る意識を持って選択していきましょう。

良い一週間をお過ごしください。

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