【マンガ感想】
『コーセルテルの竜術士~子竜物語~ 1巻 (石動あゆま)』
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コーセルテルの竜術士~子竜物語 1 (IDコミックススペシャル ZERO-SUMコミックス)
石動 あゆま 一迅社 2010-07-24 by G-Tools |
過去記事はこちら → コーセルテル竜術士(連載終了) 1巻 2巻 3巻 4巻
コーセルテル竜術士物語(連載終了) 1巻 3巻 4巻 5巻 6巻 7巻 8巻
【あらすじ】
マシェルの補佐竜となるため、「卵がえり」をした子竜たち。幼年竜から少年竜になったみんなは、日々「歩くこと」「しゃべること」の練習中!ゆっくりしっかり上手になっていく子竜たちですが、一番竜のナータだけは上手く声を発することができなくて…?毎日ちょっとずつ成長していく7人の子竜たちの前には、どんな冒険が広がっているのかな?石動あゆまが描くほのぼの子育てファンタジー、新章にてスタートです!
ほのぼの子育てファンタジー。
暖かいストーリー展開に、丁寧なキャラクター描写、そしてほのぼのとした世界観。
読むたびに癒してくれる、そんな作品なのです(^^ゞ。
さて、誤解が無いように最初に書きますと、仕切り直しということで、1巻表示されておりますが、
この作品は、実質的『コーセルテル』の13巻目に当たります。
つまり、前作・『コーセルテルの竜術士』と『コーセルテルの竜術士物語』を読んでいないと、
当然ながら、面白さ半減は間違いないです。 興味のある方は前作から読んでくださいませ。
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ここからは、1巻の感想。
1巻では、子竜達が少しだけ大きくなったことで、テレパシーから言葉を話すようになったり、
大きくなったことで共同部屋から2~3人部屋に引っ越しするイベントが描かれたり、暗竜の卵が
宇宙の彼方から飛んできたり、火竜家の見習い竜術士・『アグリナ』の冒険(?)が描かれたり、
光竜家の竜術士・『モーリン』と光竜・『ラスエル』の出会いのエピソードが描かれたりしました。
そんな1巻で一番面白かったエピソードは、『ユイシィ』の関連イベントかな。
『ユイシィ』とは、地竜家の補佐竜を務めている女の子でして、地竜らしく真面目なキャラクターです。
一番竜+補佐竜である点や、地竜の竜術士・『ランバルス』に対して恋心を持っている点などから、
登場回数は非常に多く、準レギュラーポジションとして毎回大活躍しております。
(彼女の最大の特徴は、怒ったりするときに“キビッ”という擬音が描かれる点でしょうか)
そんな『ユイシィ』の関連イベントが描かれたのが今巻です。
このイベントは『ユイシィ』が子竜達の引っ越しを手伝いにきたときに、子竜達(『マータ』と『タータ』)から
子竜だった頃の話を聞かれるところから始まりまして、それをきっかけに回想イベントが描かれました。
(↑地竜家の補佐竜・『ユイシィ』は小さい頃からしっかり者であったようです)
このイベントで注目すべき点は、『ユイシィ』が“竜”に追いつくのではなく“竜術士”に追いつくために
成長していた点でしょうね。 そのため、周りの子竜たちよりも早く成長したようで、『ランバルス』曰く、
『ユイシィ』の子竜時代はかなり短かったようです。 その傾向は、『マシェル』の一番竜・『ナータ』にも
あるようでして、真面目な性格の一番竜ならではの特徴なのかもしれませんね(笑)。
まあ、『ユイシィ』の場合、『ナータ』と違って、『ランバルス』に対する恋心が大きな影響を与えたのは
間違いないわけで・・・、このエピソードの最後の『ユイシィ』の言葉・「いつか・・・」という言葉に全てが
込められているような気がします。
やっぱり、一番竜関連の話は面白いですね。
次巻も、一番竜達の子竜時代の話が読んでみたいです。
<限定版の小冊子の感想>・・・おまけ
この小冊子は、限定版購入者のみ手に入れることができる本です(大体16ページくらい)。
内容としては、一種の設定集のようなもので、それぞれの竜術士がコーセルテルに来た順が
書かれている年表や、先代の竜術士の行方や、森の精霊達の井戸端会議などが描かれたり、
冬の精霊『カシ』関連の短編エピソードや、『カディオ』の子供時代の短編エピソードが描かれたりと
ページ数の割りになかなか面白い内容に仕上がっております。
まあ、16ページくらいの内容なので、無理に手に入れる必要は無いと思いますが、
この作品の設定を詳しく知りたい方などは、手に入れた方がより楽しめると思いますよ。
まあ、今から手に入れようとすると、かなり運が必要だと思いますけど・・・・。
(それぞれの竜術士がコーセルテルに来た順が書かれている年表や、先代の竜術士の行方は必見)
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【総評】
第3部がスタートしました。
子竜たちが少しだけ大きくなりましたが、基本的なところはほとんど変わっておりません。
前作まで楽しめた方ならば、間違いなく楽しめる出来の内容であると思います。
次巻の発売日を楽しみに待ちたいと思います。
点数的には
88点
です。
では、ここまで。