【マンガ感想】
『コーセルテルの竜術士物語 3巻 (石動あゆま)』
過去記事はこちら 。
発売されていたことは知っていましたが、
普通の本屋さんでは見かけることはなかったので、
次にアマゾンで注文するときにでも・・・、と思ったまま忘れてしまいました。
で、昨日、大きい本屋さんに行って見つけました。
【あらすじ】
竜術士―それは竜の力を借りて術を使う代わりに、まだ弱く未熟な子供の竜を守り、育てる術士のことである。竜術士のマシェルは7つすべての術資質を持っていることから、7人の子竜を預かることに・・・。そんな彼の慌ただしくも賑やかな毎日は―。
このブログの『2005年マンガベスト10 』という企画で5位の作品の続編です。
いわゆるファンタジーマンガで、のんびりとした世界観のマンガです。
戦争やモンスターなど一切出てこないし、残酷なシーンなんて一切なし。
一言で言うならば、
『(人間の姿をした小竜の)子守りマンガ』
でしょうか。
7人の子竜の子守りを通じて、様々な話を描いています。
この巻では、この7人の子竜を預かった過程が描かれています。
この7人がどのように主人公に預けられ、
どのような赤子時代を過ごしていたのか、など
現在の子竜の性格に上手く繋がるような素晴らしいストーリーでした(^^ゞ。
でも、私が本当に好きなのは、『補佐竜世代』の話です。
『補佐竜世代』の主役・水竜リリックを始めメオ・ユイシィ・ロイ・ノイ・ラルカなど
このキャラ達の年齢になると、そのやり取りだけでも面白い。
彼らは、思春期組なので甘酸っぱい恋愛の話になるし、なにより個性がある。
まだまだキャーキャー言っているだけの7人の子竜とは違い、
自分の意思で行動し、キャラ一人ひとりでもストーリーが作れるのだ。
で、今巻は、『補佐竜世代』の話は、リリックだけだったけど、
個人的には一番面白かったです(^^ゞ。
キャラがはっきりしていて、話もわかりやすし、
なによりキャラが生き生きしていて読んでいる側も楽しくなってくる。
まあ、『補佐竜世代』だけだと地味すぎて連載できないだろうけどね(^^;。
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欠点は、前回も書きましたが、
①登場キャラが多すぎる点
②世界観説明が少ない点。
とりあえず、キャラが多くて、しかも同じ顔(^^;。
10回ほど読めば大体の世界観が理解できて、
20回ほど読めばキャラの区別がついてきます(笑)。
『何回も読まないと理解できない』という凄まじい欠点を持つ作品です。
さらに、世界観説明がほとんどなされていない。
今巻で主人公達の過去が少し描かれていたが、
それ以上前の過去の説明はなく、読むごとに意味不明な部分も多い。
この2つの理由が、出版社に関係なく噂が広がりやすいネット上であっても、
めったにこの作品の紹介を見掛けない要因になっていると思われます。
キャラ絵とストーリーが、かなり良いだけにかなり勿体無い。
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再読率が高く非常に癒されて面白い作品なのです(^^ゞ。
ただ、この作品は、かなり人を選び賛否両論の評価がなされると思います。
非常に万人受けしそうなキャラ絵であったり、ストーリーであったりしますが、
いかんせん、キャラが多すぎて、そのキャラの区別がつかず、
世界観も共有できずで、なんとなく突き放された感覚を感じる。
私は大好きなので、
90点
という高い点をつけたいと思う。
やはり、他のレビュアーの記事を参照した方が良いと思います。
では、ここまで。