食品の安全について⑭ ~それでも残る農薬の問題~ | K&K FARM 小原英行のブログ

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同じ江戸川区の門倉農園と共に、発祥の地江戸川区で都内の学校給食を中心に小松菜を栽培出荷しています。

ども┏o ペコリン♪



なんつーか



もう食品わかんねーよ!w




って思ったそこのあなた。色んなリスクがあるとか言っても

それは要するに不摂生によるリスクよりもほとんどが小さいわけで



●バランスのいい食事して

●適度に運動して

●ちゃんと寝る。

●悩まない ← まぁ悩むけどwww



とかね、そういう当たり前のことの方が重要なんだよね。

いや、食品の安全を語っているので、こういうことをいうと

元も子もないんだけどw


個人的には

『食べることの本質』生きるため(健康のため)だと思っているから。

そこに『楽しむ♪』だとか『美味しい♪』だとかが付属の大切な要素として

くっついているんだと思う。




ということで、色々話してきましたが、まだまだ続く松永先生の話w

今日は『それでも残る農薬の問題』ということです。



この後のルールはまたいつもと一緒で

・松永先生の話した言葉自体は紫色で、ハイライトは

(口語を文語に変えて編集する程度。)


・俺のツッコミや個人的感想は灰色で、ハイライトは黒色で。

で行きマス。





『それでも残る農薬の問題』


農薬はですね食品として

消費者が食べる分の安全性研究というのは・・・




物凄く進んでる!!



んですね。で、消費者に関しては安全のレベルというのはほぼ問題ない。

消費者が農薬で何か健康影響を受ける。というのはないと思ってるんですね。




ところがですね・・・




| ゚Д゚*) トコロガ?




消費者が文句をいうから、消費者の安全性の研究というのはどんどんどんどん

進んでいるんですが、ちょっと足りないのは・・・使用する農業者の方です。


これはねぇ・・・

色々農水省の書類をみても、ちょっと足りないんじゃないの?と思います。




農薬を使用したときに、どちらが(消費者と農業者)たくさん体に取り込むか?

というと圧倒的に使用者である農業者なんですね。



小松菜農家 hideのブログ


※食品に残る可能性のある濃度が5ppm以下など(種類によって規定値が違う)

この表によると、農業者が散布時に使う濃度はその100倍の500ppm。


消費者が取り込む可能性のある農薬の量の最低でも

100倍~それ以上を農業者が取り込んでいるというデータになる。


ここで農民から一言。

昭和の頃、今から40年、50年前にはそれはもう、世界中で今では使用許可がない

凶悪な農薬を知らずに色々使っていて・・・その時の農薬を俺の親父や爺さんは

吸っていたわけ。


そこから生まれた俺ら現在の農民軍団。


『体に溜まる』


これを言う人・・・それほど狂ったように安全をうたい

農薬を完全否定する人たちに言いたい。


農大に通っていた頃、同じキャンパスに居た中に

奇形児や重度のアトピーの人は目立って居なかった。

世間と変わらず。


本当にたまるなら、俺ら世代にもの凄い影響出てるはずなんだよね。


農大生なんて農家の子供多いから、農大はそういうのの巣窟になるわけなのになっていない。

今では使ってはいけないものを消費者の100倍以上の濃度で吸っていた人の子どもが問題ない。


じゃー、消費者の人の農薬による影響はその凶悪な農薬群だとしても相当少ない。

農業者も今の親父がピンピンしとるから一応は使用基準を守っていたから問題が

大きくならなかったのだと思うし、じーさんも90オーバーで人生をまっとう。


まぁね、原液飲んで死んだ事件は数多く聞いたけど。

だから、消費者が問題視するよりも生産者が気を付ける。これでOKだろう。


一方で公害問題などになった水俣病のメチル水銀などは

知らぬところで工業的に海などに流され魚介類などによる生物濃縮で

無茶苦茶な濃度になったものを食べた。


その時の毒性といったら農薬の原液に近いかそれ以上じゃないかと思う。

そうやって起こったわけ。まぁこの辺りは実は明日の豆知識で少し語るんだけどw


なので、消費者のリスクとしては現在使ってはならない凶悪な農薬だったとしても

かなり少ないものだったと思う。


そして、話の最後に松永先生も言っているんだけど

現在の管理、研究しつくされた農薬においては

農水省のリスク管理を優先的に行うべきもののリストから外されている。

なんともう『農薬』がない。かつては『残留農薬』という項目があったが

今はもうリストから外されている。


なのに



有機無農薬が安全安心だとして高額で売るw

無肥料だから究極だとして高額で売る。


いや、有機無農薬は有機無農薬だとして

無肥料野菜は無肥料野菜だとしてふつうに販売するならいい。

全然問題なし。特に否定もしてないし。


けど、保証のない安全をうたって、安全ではない安心を作り上げて

それをもって高い値段で売る。これはもう詐欺



『安全に保証はなくても私はそういうが好き♪

だから高い金だしても買う。』



これは正解。

でも、体を患って心から安全を求める消費者に対して

勉強不足で知識もないのに、ありもしない妄想を展開して

安全だとして高額で売るのは大いに不正解


うん、いつものように脱線しましたw元に戻ろうw


今の農薬が使われても、今の農薬は分解が速いですし

ほとんど残ってなかったりするんです(ND=検出できないという検出結果は多々あり)

で、それを食べて消費者がたくさん摂取するかというと

そんな状況ではないんですね。



だけど、みなさん方は(聞いている俺ら農民に対して)

やっぱり背中に背負ったりとかして、時には皮膚についたりとか

例えマスクをしていても、ちょっと吸い込んだりとか・・・

いうことがありますよね・・・。



皆様方の方が圧倒的に摂取量多いんだけど

健康影響評価はちょっと足りないんじゃないの?


というのが私の見方です。これ、やっぱりマズいと思います。

で、もっとちゃんとしてほしいと思いますし、


国や企業が問題意識を持っていると思います。

で、そのこと考えると、農業者にとっても使わない方がいいですね。



使わなくて済むなら、それに越したことはない。

だけど、何故農業者が使っているか?というと

やっぱり消費者が要求しているからではないか



消費者は農薬嫌だ。

といいながら、見栄えのいいもの・・・要求しますよね。

傷がついている・・・あ、傷はあれですけども

虫が食っているとかですね・・・そういうのは嫌だよっ!

というのが多くの消費者の言っていることですよね



そこに矛盾があって、消費者が気づいてないんです。

だから、もう一越え外見をよくする。皆様あんまり意識してないかも

しれませんけども・・・



収量を維持する

品質を維持する


さらに外見、問題がないようにする。


やっぱりどうしてもそうつながっていくわけですね・・・。

ここを消費者が外見、これを外見をよくするという・・・



ここまで要るの?



消費者が気が付けば、さらに減農薬が進むはずなんです。

生産者のための減農薬が進むはずなんです。


だから、皆様方から、こういうこと(今日の話みたいなこと)を言って

行かなくてはならないんです。



うむw俺はもう2週間くらい言っているぞw




ちょっと変じゃないですか?


たぶん、皆様方はそんなことはないと思うんですが・・・


こういう説明ができないと、農業者も農薬は駄目だ。けしからん!

という人もいて、減農薬は出来た。けど無農薬は難しい。

というところに一所懸命になっている方もいます。


ある産地では、(消費者がいうように)農薬を悪いものにした。

で、そのことを消費者が悪者にしているのはいいんですけども・・・

それを生産者も信じ込んじゃっているんです。


で、農薬は駄目だ、けしからん!ということで、生産者も信じ込んで

しまって、資材屋さんが何か変なことを言って・・・



『こういう農薬の効果があるいいものがあるよ♪』

『これ農薬じゃないから安全なんだよ』



っていうことを言われて、農業者も使ってしまう。と。

何故それがダメか。


天然だから安全とは限らない。

それから、この手の資材は効果・安全性を誰も保証していない。

農薬は国がきちっと色んな審査をして・・・


●急性毒性を調べる試験

・急性経口毒性試験

・急性経皮毒性試験

・急性吸入毒性試験

・眼刺激試験

・皮膚感作性試験

・急性神経毒性試験

・急性遅発性神経毒性試験


●中長期的影響を調べる試験

・90日間反復経口投与毒性試験

・21日間反復経皮投与毒性試験

・90日間反復吸入毒性試験

・反復経口投与神経毒性試験

・28日間反復投与遅発性神経毒性試験

・1年間反復経口投与毒性試験

・発がん性試験

・繁殖毒性試験

・催奇形性試験

・変異原性に関する試験


●急性中毒性の処置を考える上で

有益な情報を得る試験

・生体機能への影響に関する試験


●動植物体内での農薬の分解経路と

分解物の構造等の情報を把握する試験

・動物体内運命に関する試験

・植物体内運命に関する試験


●環境中での影響を見る試験

・土壌中運命に関する試験

・水中運命に関する試験

・水産動植物への影響に関する試験

・水産動植物以外の有用生物への影響に関する試験

・有効成分の性状・安定性・分解政党に関する試験

・環境中予測濃度算定に関する試験


これねw


こういう作り方で作りなさい

こういう使い方で使いなさい。

そうすれば安全性が確保できます。



というのを保証してくれているんですね。

で、それが保証されていない、単なる口先で

天然ですよ♪自然ですよ♪と言っているだけ・・・



えー・・・・・・



それ使うの?


今までの事例をみると、結局化学合成農薬含有。

とかですね・・・色んな問題になるもの使っている。

というのが実例ですので・・・


しかも回数制限、濃度制限、収穫までの使用期限などが

細かく・・・どころか一切明記されてないものまであるw




これは、ダメだよね。


というのが早くわかっていただかないと。

たぶん、都内ではもうそんなことはないですね。


なので、私がわざと生産者にこういう言い方をします。



『そうした資材(保証されてない、なんだかわからないもの)を使って

消費者に安全性を保証できますか?』




皆さん方が『使う』ということは

その食品に責任を持つ。ということ。


で、その出荷物にちゃんと責任持てますか?


これをもう一度ちゃんと考えてください。

こういうことを多くの生産者の方に申し上げています。



うむ。

まぁちょっと話は違うけど、畑に入れる堆肥。

これいちいち御前崎から取り寄せているのは

その堆肥を作る生産者を信用しているから。


実際に見て、会って話して、信用できる堆肥の生産者だと思えるから。

畑にわけのわからないものを入れたくない。そういう気持ちがあってのこと。


んー、実にエコではないんだけどね・・・w

悲しいことに東京23区内では必要なだけの堆肥を積んでおける

場所も環境もないところの方が多い。

で、そろそろまとめ。でも、明日は俺の毒物豆知識

んーっ・・・また、まとめが上中下とかなるのかっ!w





食品の安全について・序章

食品の安全について① ~『天然・自然は安全』はウソ~
食品の安全について② ~補足~

食品の安全について③ ~具体例の前にまた補足~

食品の安全について④ ~具体例・じゃがいものリスク~

食品の安全について⑤ ~具体例・塩や砂糖~

食品の安全について⑥ ~ユッケ・レバ刺しが問題になったわけ~

食品の安全について⑦ ~何故浅漬け=白菜に大腸菌が~

食品の安全について⑧ ~箸休め~

食品の安全について⑨ ~番外~

食品の安全について⑩ ~農薬について・上~

食品の安全について⑪ ~農薬について・中~

食品の安全について⑫ ~農薬について・下~

食品の安全について⑬ ~農薬を使った方が安全?~