腰痛を東洋医学でみると その3 不栄則痛 | 春月の『ちょこっと健康術』

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おはようございます ニコニコ


「腰痛を東洋医学でみると その1 」でお伝えしたように、気血の滞りや気血の不足が、腰を通る経絡 (膀胱経、肝胆経、督脈、衝脈、帯脈など)で生じたのが腰痛です。


東洋医学講座No.72 の添付図をみていただくとわかるように、膀胱経は脊柱起立筋に沿って通り、肝胆経は脇から股関節を通ります。また、No.74 の添付図にあるように、督脈・衝脈は脊柱を、帯脈はウエストラインを通りますからね。女性の月経痛 に伴う腰痛は衝脈と関係しています。


その2 では、気血の流れを阻害して「不通則痛」となるケースについてお届けしました。風寒によるものは、いわゆるカゼの1症状としての腰痛ですから、腰痛治療というよりはカゼへの対処をすることになります。原因となる外邪 の中でも気をつけたいのは風寒湿。とくに、冷え性さんは要注意です。


気血の不足による「不栄則痛」のケースで、腰痛をおこしやすいのは、腎虚 (腎精不足、腎陽虚、腎陰虚)です。高齢者の腰痛は、たいがいこのタイプ。また、脾虚 (脾気虚、脾陽虚)や血虚 によるものもあります。


1 腎虚による腰痛


腎精不足の原因は東洋医学講座No.40 に、腎陽虚や腎陰虚についてはNo.49 にあります。


症状: 腰の鈍い痛み、だるくて力が入らない。

特徴: 朝起き上がるときに痛み、少し動くとラクになる。疲れると痛み、休むとラクになる。

ツボ: 腎兪、腰陽関、志室委中 、腰部の阿是穴命門太渓


2 脾虚痰湿による腰痛


脾気虚や脾陽虚の原因は東洋医学講座No.47 にあります。脾虚によって痰湿 があるところに湿邪 を受けて、それが腰にたまると、腰痛を起こします。腰痛の直接的な原因は痰湿なので、その26と同じ状態になります。


3 血虚による腰痛


血虚の原因は東洋医学講座No.37 にありますが、それが肝血虚 となると、こむらがえりや腰痛を起こすことがあります。


症状: 腰の鈍い痛み、だるくて力が入りにくい。

特徴: 夕方に悪化する。疲れると悪化する。

ツボ: 腎兪、腰陽関委中 、腰部の阿是穴三陰交膈兪


「不通則痛」のケースで、外邪 が関わっているものは、急性の腰痛であり、局所だけでも早めに手当てすれば、すぐによくなります。お血や痰湿 の場合は、それらをつくった原因にも対処しなければなりません。


「不栄則痛」のケースは、慢性的な腰痛になっていることが多く、それこそ気血の不足を招いている原因に対処しなければ、痛みが取れることはありませんし、1度や2度の治療では治りにくいものです。まさに、日ごろの養生が大切。


私の腰痛は、腰椎分離すべり症という古傷があって、疲れをためると痛みが出てくるシロモノ。古傷=お血であり、体質的に脾虚傾向でむくみやすく、痰湿もありますので、完全に治すのは難しいところ。痛みが出ないように、地道に手当てを続けていかなくちゃ…。


一天一笑、今日もいい1日にしましょう。


春月の『ちょこっと健康術』-蝋梅

蝋梅


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