都知事選中盤情勢が出てきた。小池氏がリードし、蓮舫氏、石丸氏が後を追っている模様。田母神氏は伸び悩んでいるという。
小池氏は自民の7割、公明の9割を固め、蓮舫氏は立憲の6割、共産の7割を固めたということ。(えっ、共産のほうが多いの。立憲何やってるんだろう)
石丸氏は自民の1割を確保しているとのこと。僕の予想通りだ。石丸氏は小池票に食い込んでくる。
無党派層は小池氏が3割強、石丸氏が2割弱、蓮舫氏が1割強で、蓮舫氏は無党派票を充分に取り込めてないようだ。
無党派層といっても左もいれば右もいるし、どちらでもない層もたくさんいるので、どの層からどう支持されているかによって変わるのだが。
ところで、前記事に比べ画像が微妙に変わったことに気づいた人はいるだろうか。そう、石丸氏が大きくなり、より真ん中に来ている。つまり、支持が広がり、その層が小池票だけでなく、蓮舫票にも食い込んできているということ。
政治哲学的立ち位置でみると、石丸氏はどうやら新自由主義者っぽいところがあり、保守、リベラルの枠組みでは保守にあたるが、古い保守ではなく、自民党でも若手議員や維新の若手議員辺りと考えが近く、政治改革は徹底的に進めるだろうということ。
その改革に期待する人が特に無党派層に多くいるのだろうと思うし、それでいて経済に重きを置いているところが自民の1割の支持を得ているところだろうと思う。
いずれにしても、無党派層で蓮舫氏よりリードしているということは、2位に入ってくる可能性もあり、場合によっては台風の目として当選してしまうこともありうる。
小池氏を倒すことが目的なら、それでも小池氏が当選するよりはましだということになる。
ただ、蓮舫氏と石丸氏では大きく違うので、多くの人にとってはどちらでもいいということにはならないだろう。
リベラル層はどちらかというと維新に近い石丸氏は応援できないだろうし(本人がいくら自分は政治屋ゲームに加わらないと言ってもいざ都知事になれば様々な方面から引っ張られ、どこかに落ち着く可能性は充分あり、あるとしたら自民、維新の若手層だろう。場合によっては石丸人気にあやかって新たな政党づくりということにもなりかねない)
グローバリスト的な価値観を持った層は共産党がバックにいる蓮舫氏には入れられないだろう。
問題はその辺のスタンスが明確になっていない層。
ここをどちらがより多く取り込めるか。
もちろん、第3者へ流れることもあり、そのひとつの受け皿がうつみん氏なのだろうが。
うつみんさんは結構すごい人たちが応援している。えっ、あの人もというぐらい、僕の知っている人がたくさんいる。直接知らなくてもYouTube動画などで何度も見たことのあるような人たち。
スピ系は多い。スピ系には右も左もいるので、前回の読みとは裏腹にそもそも蓮舫支持にはならない人たちもたくさんいそうだ。
まあ、いいのかもしれない。うつみん氏は自分の主張ができているわけで、特に今回は今まで彼のことを知らなかった人たちにも声を届けられている。選挙で結果がでなくても、今後の活動を進める上での支持を広げることができていると思う。
ただ、少しでも結果に影響を与えたいなら、そろそろ石丸氏と蓮舫氏のどちらがましかを考える時に差し掛かったとも思う。
都知事選の結果は確実に国政にも影響を及ぼす。蓮舫氏が勝利すれば、立憲、社民、共産の野党共闘に力が集まり、そうなればれいわも加わり、その連立政権で政権交代となるかもしれない。
石丸氏が勝った場合、野党共闘の力は弱まるが、自民も力を弱める。ただ、自公、維新の連立の動きが出てきた時どちらに勢いがつくかは微妙だ。
改革に関してどちらもそれなりに進めると思う。石丸氏は政治屋一掃的な改革を進めるだろうし、蓮舫氏は事業仕分けを行い、都の職員の意見を聞き取り、ボトムアップの政治を行うだろう。
小池氏、石丸氏、田母神氏、蓮舫氏4人の討論会を見た限りでは、
蓮舫氏のほうがより具体的な政策を語っていたように思える。
石丸氏は勢いはあるのだが、では、具体的に何をどうするつもりなのかが僕にはよくわからなかった。
討論会を見て純粋に自分がどう感じるかを見てみるといい。討論会の解説動画は特定の候補者を応援する口調になっていて、なかなか客観的に理解できるものが少ないので、オリジナルを見ることを勧める。
人間的に一番魅力的だったのは、不思議と田母神氏だ。憎めないキャラだったね。そもそも僕は最初から田母神氏は右翼ということで偏見の目で見ていた。だから、前記事では名前も出さなかった。でも、話を聞いてみると彼が一番いい人そうだった。
石丸氏はやってくれそうな期待感はあるのだが、僕らの世代から見るとどうも自信過剰で生意気に見えてしまうんだよな。若い人からは受けるのだろう。僕はその世代との付き合いもあるからそこはよくわかる。でも、選挙行くのはもっと上の世代だからね。その層に働きかけるのなら、もう少し謙虚さを見せたほうがいいと思う。
もっとも彼の政策で面白いと思ったのは、多摩格差を減らそうというもの。僕は前々から多摩は東京都から独立して多摩県になったほうがいいと思っている。立川を県庁所在地にして、多くの企業の本社を23区から誘致してと。
ただ、それよりも、地方にいろいろな機能が分散することを優先していて、そのために、福岡、岡山、名古屋、金沢、新潟、仙台、札幌がより活気づき、より小さな自治体も大きくなって里山都会ができること。
それをするのは東京都の仕事ではなく、むしろ地方から働きかけることだと思っているので、石丸氏は安芸高田市でのほうが実現させやすいと思っている。
あと、政治屋という概念だが、そもそもみんな政治屋なんだと思う。政党に所属していようが無所属だろうが。様々な駆け引きで動いていく以上そうならずにはいられない。あと、こればかりは10年後を見てみなければわからない。まだ政治歴4年でしょ。今後何年そのスタンスを貫き通せるかだ。
悪いけれど、今まで何人もそういう人たちを見てきている。でも、みな変わっていくのだ。
そして、僕は変わっていくことが必ずしも悪いと思っていない。そういう仕組みなのだから仕方ないのだ。みんな好きで政治屋になったわけではない。
既存の政党というけれど、みな最初からそうだったわけではないし、政治家個人で見れば市民運動家上がりの人もたくさんいる。福島みずほさんがそうだし、嘉田由紀子さんだってそうだ。ただ、政党に所属すれば党の規約は守らなければならないし、国会にでも行けば、法案を通すために連携しなければならず、そのためには様々な妥協が強いられる。
政治屋と軽く括るのは簡単だけれど、そもそも多くの人はそういう人たちに会ったことがあるのだろうか。僕は立憲民主党の人にも、社民党の人にも共産党の人にも公明党の人にも自民党の人にも会ったことがある。もちろん、いかにも政党の人だなという部分もあれば、それを越えた人間的な部分もある。
政党だからこそできることもたくさんあって、何度も感心させられている。彼らはプロだ。だから時間に遅れない。ドタキャンもしない。人を集めるといったらなにがなんでも動員する。そこが僕ら市民レベルで自由に動いている人たちとは大きく違う。
また、既存の政党といってもやはり政党によって違いがあるし、自民党と立憲、共産はそれぞれ違う。世代間の差もあって、若い党員と中高年の党員では全然違う。むしろ世代間の差のほうが政党間の差よりも大きいかもしれない。
僕は山本太郎さんはれいわ新選組を立ち上げ、複数議席を確保した辺りからより評価するようになった。政党をつくって活動するというのは、政治活動にコミットすることで、その意味では、無所属でいるより、責任を背負って活動しているように思える。あとは続けていること。YouTubeとかの盛り上がりは一過性のもので、本当はその後が勝負。でも、みんな選挙が終わればすべてを忘れ、応援した候補がその後どうしているかなど見ていない。政党活動というのは本気度の表れのひとつで、活動がより成熟したも言える。
前から言っているようにすべてを白、黒で見るのではなく、ここの部分ではこう、でもこの部分ではこうという見方が大事だと思う。
蓮舫さんが勝っても政治屋的な部分はついてまわると思う。でも、だからこそできることもあり、共産党も味方につけたことによって、(東京では共産党強いからね)議会でも、それ以外の場所でも進められることが多くあると思うし、小池都政のリセットの多くはやってくれると思う。まして秋に政権交代したら国との関係も変わる。
もうひとつは、彼女一人でやるのではなく、チーム蓮舫で進めていくので、より実践能力があると思う。都政についてもメチャクチ調べてきているでしょ。ブレインがいるからだと思う。そしてなによりも、現場の職員の意見を聞き、外部からの専門家も交えたチームをつくると言っているのだから。
石丸氏は経済と行政の両方を知る初の候補者と言っているけど、経済っていっても銀行に勤務していただけでしょ。行政も、広島県の市で1期首長をやっただけだよね。
どちらのほうが経験豊富だと思う?
普通に考えて。
どちらのほうが東京に詳しいと思う。
この動画も見たが、都政についてしっかり勉強しているよ、この人。