ギャンブル必勝法3。
こんばんは。ゆうきゆうです。
「ゆうきゆうは実は今年で90才で、セクシーは老人ホームの中で書いている」
「ゆうきゆうは本当はハーフで、母親がドイツ人で、父親がパンダ」
「セクシー心理学は今回で終了で、次回から『お色気物理学』が始まります」
色々とエイプリルフールネタを考えたのに、この3つしか思いつかなかった今日このごろ、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
どれかお好みのをセルフサービスで信じていただければ幸いです。
今夜もメルマガ から、セクシー心理学の世界をお届けいたします。
メルマガ・セクシー心理学
がついに300号になりましたー!
健やかなるときも、病めるときも(僕の頭が)、
ここまで読んでくださった、あなた一人のおかげです!
本当にありがとうございますー!
また以前に「デスノート」について、このセクシー心理学で扱ったことがありました。
その中での予想は、ズバリ、ハズレたわけなんですけど。
その直後に、その言い訳と、新しい予想
をしました。
この予想の結果が次の月曜に出るようなので、ワクワクです。
勝つのはどちらなのか。
というわけで、カジノ編もクライマックス!
どうか300号を迎えたセクシー心理学を、今夜もゆっくりお楽しみくださいね。
今回は、かなり長くなってしまいました。
お時間あるときに、ゆっくりお読みください。
◆ 前回のあらすじ。
「人間の欲には際限がない。しかし元手には際限がある。」
その心理から導き出された、リオの考えた、逆を行くギャンブル必勝法。
それこそが「元手を大きくして、10%勝った瞬間にやめる」という単刀直輸入
なものだった…!
しかし二人の最初の賭け金は、あっという間にディーラーのもとに飲み込まれ
ていった。
果たして二人は勝つことができるのか!?
◆ 二人は、さらに。
リオ「………」
ユウ「………」
リオ「ま、こういうこともあるさ」
できれば、あってほしくなかったです。
ユウ「…あの、一瞬で5000円が飛んだんですけど」
リオ「俺なんか2万円が飛んだんだぞ?」
それは、先生がそれだけ賭けたからだと思います。
リオ「単純計算で、君の4倍のショックだぞ?」
いや、なんかそれは違うと思います。
僕はなんか、胃が少し痛いですもの。
先生、まったく痛そうに思えませんもの。
リオ「それに誰も、最初の1回で必ず勝てるなんて、言ってない。俺の提唱したのは、『+10%でやめる』というだけなんだ。あとは………」
ユウ「あとは?」
リオ「運を天に任せるしか、ない」
任せちゃうの、早すぎませんか。
そう思うまもなく、リオ先生は続けます。
リオ「バンカーに、200A$」
再び、2万円。
リオ「君は?」
ユウ「ぼ、僕は今回は、ちょっと見ています…」
ディーラーはカードを置き、めくりはじめます。
合計した数字は、プレイヤーが5。
バンカーが8でした。
「バンカー」
リオ先生の手元に、200A$が置かれ、合計400A$になりました。
リオ「………な?」
ユウ「………」
僕も賭けておけば良かった。
リオ「確率の女神は、どんな男にも公平なんだよ」
なんか、僕にだけ不公平なんですけど。
これで先生はプラマイ0。
僕はマイナス5000円です。
リオ「よし、次はプレイヤーに200A$」
ユウ「………あ、じゃ、じゃあ、僕も………」
ここからは、本当に一進一退でした。
勝つこともあれば、負けることもある。
実際にその通りで、僕とリオ先生の予算は、大きく上下しました。
連続して勝ったときは嬉しくなり、逆に連続して負けると悔しくなる。
とはいえ予算に比べて賭け金はそこまで大きくないので、手持ちの金が0になることはありません。
僕と先生は、黙々と賭けを続けていました。
しかし、です。
これ、恐ろしいです。
賭け続けているうちに、「5000円」というのが、たいした額には思えなくなってきます。
単なる一枚のチップとして、現実感がどんどん失われていきます。
中学のときに、持ってきたチョコを賭けてポーカーをしたことがありましたが、
それとまったく変わらない気分になってきました。
日本での生活で、120円のジュースにしようか150円の大きめのジュースにしようか、迷っている自分からは想像つきません。
リオ「今度はバンカーに200A$」
先生にとっては、おそらく20000円が、そんな価値になっていることでしょう。
そんなときです。
リオ「よしっ………」
先生の声に、チップを見ました。
リオ「これで目標達成だ」
先生の手元には、11000A$分のチップがありました。
リオ「プラス1000A$、10万円の儲けだ」
すごい。
リオ「………な? 本当に勝っただろう?」
確かに。
このときばかりは、本当に尊敬しました。
リオ「これで理論通り、今日はエンドだ」
ユウ「な、なるほど…」
リオ「ちなみに君の手持ちは?」
ユウ「…450A$です。50A$負けてます…」
リオ「そっかー…」
ユウ「………」
リオ「よし、今日は部屋に帰ろう」
なんで。
ユウ「あの、理論的にいうと、僕は550A$になるまで…」
リオ「直感的に言うと、俺は非常に眠い」
恐ろしく分かりやすい理由、ありがとうございます。
リオ「だから、帰ろう」
ユウ「………」
そして僕たちは、一日目の晩を終えました。
リオ「こうして勝ったまま眠るのは、最高の気分だな」
僕は、最悪の気分でした。
◆ 突然始まる、出会いがある?
次の晩。
VIPルームに行く前に、先生は普通のカジノに向かいました。
ユウ「せ、先生、そっちは…」
すると先生は周囲を見回して、ルーレットをしている、二人の日本人らしき女性を見つけるとに、瞬時に声を掛けました。
リオ「日本の方ですか?」
僕は、ここまで意味の分からない質問を知りません。
日本人だったら当然答えは「はい」ですし、日本人でなければ日本語が通じないわけですから、質問自体が意味をなしません。
しかし後から聞いたところ、先生に言わせると、
「イエスという言葉を引き出すことが、何より重要」
なのだそうです。
二人の女性は、リオ先生の微笑みにたいして、ややためらいがちに答えました。
「…あ、はい…」
すると先生は、すぐに言います。
「あ、偶然! 俺も日本からなんですよ!」
何をもって「偶然」なのか、ぜんぜん分かりません。
ていうか日本語ペラペラな人が、日本以外出身だとしたら、それはそれで不思議だと思います。
あまりにも当たり前なやりとりから開始された会話。
気がつくと先生は、二人にこう言っていました。
リオ「今からVIPルームに行くんだけど、一緒に行ってみない?」
女性「えー! 面白そうー!」
数分後。
VIPルームには、二人の女性に囲まれた、リオ先生がいました。
どう考えても、僕は単なる人数合わせです。
たぶん、ここにいるのがイヌでもコアラでもアフリカツノガエルでも構いません。
女性「えっ! 200A$も賭けるの!?」
リオ「あぁ」
女性「すごい…」
リオ「君は、プレイヤーとバンカー、どっちが来ると思う?」
女性「そうねー。プレイヤー?」
リオ「よし! じゃあ、プレイヤーに賭けよう」
女性「えええっ!? いいの!?」
リオ「君の判断を信じたいんだ」
女性「え…」
何ですか、この場所は。
先生必殺の、甘いフレーズが飛び出します。
すると先生は、僕の方を見ながら、フフンと笑いました。
確かに先生にとってみれば、とにかく「賭ける」ことこそが必勝法であり、どちらに賭けようが、たいした違いはありません。
だったら、女性に判断させ、それに乗ることで、「同じ船に乗っている」と巻き込んでいくことが、何より有効な方法かもしれません。
リオ「あ、ハズレたか…」
女性「ご、ごめんなさい…」
リオ「いいよ。君の判断なら、俺も受け入れる」
女性「え………」
えー。
僕がそう思うまもなく、先生はさらに賭け続けます。
リオ「当たった!」
女性「キャー! やったね!」
リオ「君のおかげだよ!」
女性「そ、そんな…」
なんていうか、少し前のトレンヂー・ドラマみたいな感じでした。
とはいえ、「喜びと悲しみを一緒に共感しあう」こと。
確かに恋愛において、それは何より重要なファクターです。
女性「あ、私たち、そろそろツアーデスクに電話しないといけないんだけど…」
リオ「あ、そうか…。良かったら、連絡先、聞いていいかな?」
女性「うん! いいよ」
先生は、二人のアドレスをゲットし、VIPルームから彼女たちを見送ると、静かに言いました。
リオ「正義は、勝つ」
それは、正義なんですか。
リオ「このギャンブル必勝法は、こういう出会いにも使える」
ユウ「………先生、今ので、手持ちは…?」
リオ「10600A$か…。昨日より少し減ってるな」
差し引き400A$で、40000円です。
今のナンパの経費だとしたら、ちょっと高いような気がしました。
リオ「ま、夜は長いんだ。賭け続けよう」
ユウ「は、はい…」
そして同じように、リオ先生は、同額のお金を賭け続けました。
僕は、あいかわらず、50A$を賭けます。
僕のお金は、450⇒400⇒450………と、低いレベルを揺れ動いていました。
頭の中に「ネバー・エンディング・ストーリー」の音楽が流れてきました。
しかし、それから1時間後。
ついに、僕の手持ちは、500A$にまで戻りました。
ユウ「バ、バンカーに50A$…」
そして、です。
「バンカー」
僕のお金は、550A$になったのです。
ユウ「せ、先生! 僕、やりましたよ! 目標達成です!」
リオ「………お、おお。そうか」
まるで興味ありませんね。
550A$。
+5000円です!
僕はついに、やったのです!
昨日から今まで、総ギャンブル時間、あわせて6時間!
6時間で5000円!
1時間で、約800円!
………。
マクドナルド?
なんか、そんな時給を思い出しました。
それにそもそも、最初の1回で勝っていたら、結局は今と同じです。
でも、そう考えると、空しさが襲うだけです。
僕はとにかく、今の喜びをかみしめようとしました。
そのときです。
リオ「………よしっ!」
リオ先生のチップは、12000A$になっていました。
リオ「これでプラス20万円! 旅行費差し引いて、プラス10万円だ!」
ユウ「…おおっ!」
リオ「これでナースのモモコちゃんにつぎ込んだ金は取り戻した!」
ユウ「やりましたね!」
リオ「………」
ユウ「………」
リオ「リカコちゃんにつぎ込んだ金も、取り戻したい」
いったい何人いるんですか。
僕は心からそう思いました。
◆ すべての、果てに。
そして、帰りの飛行機。
最終的に先生の手持ちは、11500A$で朝を迎えました。
リオ「結局15万円の儲け…。旅行費抜いて、5万円の儲けか…」
ユウ「………」
リオ「あのとき、確かにやめておけば良かったな…」
ユウ「………」
リオ「5万円って、君の予算と同じだよな?」
ユウ「はい」
リオ「それって最初から、成田で君からお金を奪えば同じだったということか?」
何ですか、その発想は。
すると先生は、言いました。
リオ「最後に、君に言っておく」
ユウ「………」
リオ「ギャンブルをするヤツは、バカだ」
僕たち、バカですか。
まさに驚天動地。すべてをひっくり返す発言でした。
リオ「どんな必勝法だって、必ず、リスクはある。ずっと負け続ける可能性だって0じゃない」
ユウ「………」
リオ「本当に頭のいい人間なら、あえてリスクを犯してまで、ギャンブルなんて、しないもんだよ」
ユウ「………」
リオ「でも、『リスクのない人生』なんて存在しない。歩いただけで交通事故になることもある。
電車に乗るだけで、脱線事故に巻き込まれることだってある。
人は生きてる限り、自分の命という予算を元手にして、賭けを続けているんだ」
ユウ「………」
リオ「その賭けで、どんな行動が正しく、最大の利益を上げるのかなんて、本当は誰にも分からない」
ユウ「………」
リオ「だったら、それぞれが、自分の信じた『法則』に従って賭け続けることが、何よりも重要なんだよ」
そう言われると、不思議な説得力がありました。
◆ 後日談。
僕たちが、日本に帰着した、次の日。
あの先生が、にこやかに僕たちに言いました。
マヤ「ケアンズ行ってきたんでしょう? どうだった?」
ユウ「………」
リオ「………」
マヤ「うん、おごってね」
表情から、すべての事情を見抜いたマヤ先生。
僕とリオ先生には、反論することはできませんでした。
マヤ「私、お寿司がいい!」
リオ「………」
ユウ「………」
マヤ「あ、松阪牛も捨てがたいなぁ。いやいや、ロブスターも…」
僕たちは、最大のテラ銭を、忘れていました。
カジノで儲かるのは、やはり胴元。
ギャンブルをするなら、胴元になるか、もしくは別のところに喜びを見出すしかない。
そのことに気がついた、春の日の僕たちでした。
(完)
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◆ 今回のまとめ
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○ あえて「イエス」を引き出すことが、恋愛の近道。
○ 喜怒哀楽を共にするのは、恋愛のさらなる近道。
○ とにかく自分の信じた「法則」を進むことが大切。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)
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バリで落ちる女医。12
バリで落ちる女医。12 これは、4人のドクターたちの日常を描いた愛と情熱の日記です。 |
<前回のあらすじ>
バリに来たマヤ・ユウ・リオ・エリ。
ユウたちは、マヤの提案でバンジージャンプをすることになる。
すでにリオは飛び込み、ユウもついに飛んだ。
残るはエリ、ただ一人…!
<本編>
マヤ「大丈夫? ユウ先生」
薄れかけた意識で見上げると、マヤ先生が僕を見下ろしていました。
本当に酔うと、耳に入ってくる人の言葉すらも酔いを悪化させる要因になります。
あれから何分たったのでしょう。
とにかく人との会話も無意識でシャットアウトしたまま休んでいた僕。
少しずつ酔いも回復してきて、会話が可能な状態になりました。
ユウ「………あ、はぁ………。な、なんとか………」
すると、マヤ先生は、こう言いました。
マヤ「素敵だったわよ。ユウ先生」
ユウ「あ…ありがとうございます」
先生の笑顔。
これだけで、もしかして、飛んで良かったのかと思えます。
しかしこう思っては、先生の思うツボです。
僕は気持ちを入れ直しました。
マヤ「歩ける?」
ユウ「は、はい…」
マヤ「それでね」
ユウ「あ、はい」
マヤ「さっきから、すでに5分たってるの」
ユウ「あ…そうなんですか…」
マヤ「でね? 上の方で、エリがやっぱり、飛び込めないみたい」
ユウ「あ、はい…」
確かに、それはしかたありません。
男性である僕たちですら、あそこまで大変だった飛び込み。
ただでさえ震えていたエリさんなら、ためらってしまうのはしかたないでしょう。
マヤ「だからね、エリにこれ、届けてあげてくれない?」
ユウ「え?」
するとマヤ先生は、一枚の封筒を取り出しました。
マヤ「ここには、エリへのメッセージがあるの。これを見れば、元気百倍で、飛ぶことができるから」
ユウ「………」
メッセージ。
また、何かの脅し文句や、過去の彼女の秘密などが書いてあるに違いありません。
僕はそれを見つめながら、エリさんの不幸を哀れに思いました。
ユウ「いや………。でも………」
マヤ「心配? でも、私は本当に、エリのことを考えてるのよ」
ユウ「………」
僕は考えました。
このバンジージャンプ。
僕自身は酔ってしまいましたが、飛んだ瞬間は、不思議な爽快感が、あるといえばありました。
あそこで恐怖に震えているよりは、飛んでしまった方が、もしかして幸せなのかもしれません。
それに僕が行けば、彼女を言葉で励ますことができるはずです。
ユウ「………わ、分かりました………」
マヤ「OK! そう来なくっちゃ!」
僕は立ち上がり、封筒を持つと、バンジージャンプの塔の入り口に向かいました。
そのとき、マヤ先生は、言いました。
マヤ「あとね、ユウ先生の口から、エリにこう伝えてほしいの」
ユウ「………え?」
マヤ「『恋人岬』って」
………。
マヤ先生が、意味のないことを言ったことは、今まで一度たりともありません。
すなわちどんな言葉であっても、決して聞き逃してはいけない。
僕は小動物、いえ微生物としての本能で、全身全霊でその言葉を反芻しました。
ユウ「…な、何ですか、それ…?」
マヤ「知らない?」
ユウ「は、はい…」
マヤ「グァム島には、恋人岬というものがあるの」
ユウ「そ、そうなんですか…」
マヤ「どうして恋人岬ってついたか、分かる?」
ユウ「………」
岬と言えば、フロイト的には男性器の象徴。
そこに恋人とくれば、すなわち………
マヤ「ちなみにフロイト的考えは、まったく関係ないから」
先手を取られました。
マヤ「昔、あるところに、恋人たちがいたの」
ユウ「………」
マヤ「その恋人たちがいつも過ごしていたのが、その恋人岬。
ね? ロマンチックなエピソードでしょう?
彼女もその話を知ってるはず。
これを聞けば、彼女も気持ちが安らぐと思うから」
マヤ「あ、なるほど…。分かりました」
恋人岬。
素敵な名称です。
それをバンジーの上で、エリさんに伝えるのが、僕の仕事。
ただでさえドキドキしているバンジー台のところで、「恋人岬」というロマンチックな言葉を聞く、エリさん。
その気持ちを、そのまま僕に移し替える可能性だって、0ではありません。
マヤ「………ね? いい仕事でしょう?」
ユウ「は、はいっ!」
マヤ「気をつけてね」
ユウ「行ってきます!」
僕は台の上を、少しずつ登り始めました。
やはり、この階段は怖いです。
でも、今回の自分は、すでにジャンプを終えています。
そう思うと、不思議と足取りも軽くなりました。
人は、楽しい気分になると、時間が早くたつように感じるもの。
これは真実でした。
僕は気がつくと、すでにバンジー台についていました。
そこでは、エリさんが、震えながらしゃがみこんでいます。
ユウ「エ、エリさん!」
エリ「ユウさん? ど、どうして…?」
ユウ「………あの、マヤ先生から、メッセージだそうです………」
僕は封筒を、エリさんに渡しました。
彼女は不思議そうにそれを受け取ると、封を開きました。
そして、彼女は中にあった小さな紙を見ると、驚愕の目をしました。
エリ「………!!」
あのメッセージが、もしかして彼女の気持ちを追い込むものなら、あたたかな言葉を伝えるのは、今しかありません。
僕は心を決めて、言いました。
ユウ「そ、それで、ですね」
エリ「………は、はい?」
ユウ「『恋人岬』、だそうです」
エリ「………は!?」
ユウ「グァム島にある、恋人岬のことを、伝えてこい、と」
エリ「…恋人岬!?」
ユウ「は、はいっ!」
エリ「………」
ユウ「………」
エリ「ううん…。まさか、そんな………」
ユウ「???」
エリ「うん…。でも、マヤのことだから…。うん…」
彼女は一人で考えているようです。
そして、口を開きました。
エリ「私、答えは一つしかないと思うんです」
ユウ「え?」
エリ「ユウさんは、恋人岬の話、知ってるんですか?」
ユウ「愛し合う恋人が、二人で過ごしていた岬………なんですよね?」
エリ「………」
ユウ「………」
エリ「女と男。その恋人たちは、将来を固く誓いあう仲でした」
ユウ「………は、まぁ………」
エリ「そんなときです。村長の言いつけで、女は、外国から来た将軍と、結婚させられることになりました」
え。
エリ「女は驚き、それを拒みます」
ユウ「………」
エリ「しかし、それを取り消すことはできません」
ユウ「………」
ちょっと。
ちょっと、待ってください。
その話の続き、今、はじめて聞きました。
僕の胸の鼓動が、少しずつ高まっていきます。
エリ「…続きを、聞きたいですか?」
僕は思わずツバを飲み込みます。
ユウ「………は、はい………」
望まぬ男と結婚させられそうになった、女の話。
そして今目の前にいる、飛び込めない、エリさん。
この2つをつなぐ要素が、何か、あるはずだ。
しかし、それ以上の答えは、今、何も浮かびません。
僕は必死に頭を働かせました。
エリ「相談を受けた男にも、村長の決定を、くつがえすことはできませんでした」
ユウ「………」
今、心の奥底で、ある考えが、わき起こりました。
たとえるなら、湖の底から、恐ろしい魔物が出てくるような。
しかしそれは一瞬で、再び湖の底に沈められました。
理性が、常識が、それを必死に押し込めたような。
そんな気持ちが起こりました。
エリ「彼らは、自分たちの運命を、嘆き悲しみました」
ユウ「………」
エリ「そしてついに、二人は、決めたのです」
ユウ「………」
決めないで。
決めないで。
僕は心の中でそう念じました。
エリさんの次の言葉が、心から待ち遠しくて、たまりません。
彼女は、僕の方に、封筒の中にあった紙を見せました。
エリ「男は女と互いの体を固く結びつけ、二人で岬から身を投げたのです」
魔物、出た。
その紙は、バンジージャンプのチケットでした。
表には、マヤ先生の字で「For YU」と書かれていました。
エリ「私、答えは一つしかないと思うんです」
(つづく)
ギャンブル必勝法2。
こんばんは。ゆうきゆうです。
まず今回はニュースが!
新刊がまた出ました。
おめでとうございます。ありがとうございます。
『お人よしのアナタへ贈る“損をしない”心理術』です。
⇒ http://sinri.net/book/new0603_2.htm
詳しくはまた次回に。
アメブロ中心にまとめています。損をしたくない方は、ぜひに。
もうひとつ最新刊、
『愛される心理学』―恋と仕事がうまくいく自分プロデュース術
⇒ http://sinri.net/book/
とセットで、どうかよろしくお願いいたします~!
また話変わって、前回の「ありがとぉ」。
なんと読者さんの中に、わざわざ録音してくださった方がいました。
⇒ http://goldsoul.blog33.fc2.com/
この中から「ありがとぉの音声データ」をクリックしてみてください。
素敵ボイスです。はい。
キエマさん、本当にありがとうございました。
というわけで、今夜もメルマガから、セクシー心理学の世界をお届けいたします。
今回の内容は、恐ろしいほど心理学とは無縁です。
こんな風に最初に言っておくと、あとからのショックを和らげる作用があります。
こういう考えを心理学では「接種理論」と言います。
うん。せめてここ↑だけが、かろうじて心理学。
その上で、本日もどうかゆっくりとお楽しみください。
◆ 前回のあらすじ。
「人間の欲には際限がない。しかし元手には際限がある。」
その心理から導き出された、リオの考えた、逆を行くギャンブル必勝法。
それこそが「元手を大きくして、10%勝った瞬間にやめる」という単刀直輸入なものだった…!
果たして二人は勝つことができるのか!?
◆ リオの雄叫び。
東京から、オーストラリアのケアンズへ向かう飛行機は、「夜行便」しか存在しません。
夜の9時に出て、朝の6時ころにつく飛行機。
リオ「なんで二人きりの夜のフライトの相手が男なんだ…」
その言葉、そっくりそのまま、お返しします。
そう思っていると、リオ先生は、日本のギャンブルについてのウンチクを語り始めました。
リオ「だいたい宝クジなんて、フザけていると思わないか? よくCMで『ドリームジャンボ3億円!』 なんてやってるが、あのCMで語りかけているのは、見ている君1人だけじゃないんだぞ!? 同じことを、日本全国1億人に言っているんだぞ!?」
まぁ、そりゃ、そうですよね。
リオ「そして当たる人間は、数人しかいないわけだぞ!?」
うん。
その通りです。
リオ「それって、日本全国の女に、『俺と結婚しよう!』と言っている男と同じだと思わないか!?」
先生、極論です。
リオ「なんでみんな、そのことに気がつかないんだ!?」
ユウ「………」
リオ「それに宝クジは、テラ銭が半分近くもあるんだぞ? 当選した人間が結婚できると思ったら、その相手が単身赴任で週の半分しか家にいないようなモノだと思わないか?」
先生、そのたとえもどうかと。
リオ「結婚でイメージしたら、誰も引っかかるヤツはいないはず。こんな単純なことなのにもかかわらず、どうして『お金』になると、みんな気がつかないんだ!?」
先生の、いかに日本は搾取されているか理論は、それから一晩中続きました。
おかげで僕は、ケアンズに降り立つまで、一睡もできませんでした。
◆ 元手の、差。
ケアンズの宿泊先は、市内で唯一カジノのあるホテル。
到着するやいないや、リムジンが迎えに来ました。
そこで、僕は先生に聞きました。
ユウ「先生の元手って、いくらなんですか?」
リオ「100万円だ」
ひゃくまんえん。
カジノに100万円つぎこむ日本人。
典型的な、間違った大人です。
リオ「まぁ、俺にとっては、右から左へ動かせる額なんだが」
ユウ「………」
右から下に落ちたりしないんだろうか。
僕は不安でたまりませんでした。
リオ「これで10万円の勝ちを狙う」
ユウ「………」
リオ「それで、ナースのモモコちゃんにつぎ込んだお金と、ほぼ同額になる」
なんか、セコいんだか、セコくないんだか。
リオ「君の予算はどのくらいだ?」
ユウ「………」
リオ「ん?」
ユウ「5万円です」
あの瞬間の、先生の驚愕した顔は、忘れられません。
リオ「君は、ミジンコの足か」
ミジンコそのものですら、ないんですね。
リオ「5万円の10%は?」
ユウ「5000円です」
リオ「今回の旅費は?」
ユウ「………」
往復の航空券が7万円。
そしてホテルが、1泊15000円×2泊÷2人で、15000円。
雑費も入れたら、普通に10万円行きます。
リオ「………」
ユウ「………」
リオ「赤字、じゃないか?」
僕も、そう思います。
ユウ「い、いやっ! それを言ったら、先生だって、勝ってもトントンじゃないですか!?」
リオ「分かってないな」
ユウ「??」
リオ「ここには2晩いるんだぞ?」
ユウ「………」
リオ「1晩で10万勝つと言うことは、2晩で20万じゃないか」
ユウ「………」
リオ「差し引き、10万浮くだろう?」
………。
何て言っていいのか分かりませんでしたが、それでもなんか微妙な気分になりました。
リオ「しかし君は5万円か…」
ユウ「………」
リオ「まぁ、子供の遠足のオヤツが、上限500円みたいなもんか…」
ユウ「………」
先生、ものすごく、言い得て妙です。
悔しいですが、僕は心からそう思いました。
◆ VIPになった、リオと連れ。
このホテルには「VIP会員」というものが存在します。
5000オーストラリアドル(以下A$。1A$=約100円)、日本円にして約50万円。
この金額をチップに換算すると、VIP会員になれ、VIP用のカジノラウンジを使うことができます。
このラウンジ。
食べ物・飲み物はすべてタダ。
またVIP会員になることによって、本来1泊5万円のスイートが、15000円にまで割引されます。僕たちもそれを利用しました。
スイートはまさに、最高の一言でした。
部屋はとても広く、大きなジャグジーもあり、ベッドはクイーンサイズ。
ジャグジーからは満点の星空も見られるというオマケつき。
………。
そこに、リオ先生と、泊まったんですが。
クイーンサイズのベッドに、二人で寝たわけですが。
リオ「クイーンベッドに、男二人か」
ユウ「………」
リオ「どこにも、『女王』要素が入っていないのは、どういうわけだ」
心から同じ気持ちでした。
とはいえ、施設だけ見ると、いいことばかりのVIP会員。
リオ「いいか? 俺が100万円をチップに換金したからこそ、君も『同伴者』ということで、VIP扱いを受けているわけだからな?」
ユウ「………はい。分かってます」
リオ先生のプレッシャーは微妙にイヤでしたが、僕のネズミの心臓で、100万円をチップに換える緊張に耐えることはできません。
ちなみに、ここでチップにしたお金は、同レートで再び日本円に換金できます。
すなわち極端な話、50万円をA$に換金、そのまままったく賭けず、日本円に再換金するだけでも、VIP会員になれるわけです。
しかし、です。
やはり、そうはしにくい雰囲気はあります。
それに何もしなかったら、何のためにオーストラリアまで来たのか分かりません。
さらに、です。
このVIPラウンジでは、最低賭け金が、50A$。
日本円にして5000円です。
この金額、研修医のときの1日分の給料(朝8時~夜まで)に相当します。
1回何かに賭けて負けたら、それが数秒でトぶわけです。
負けられない。
僕はそんな決心を抱えながら、5万円をチップに換えました。
◆ リオの選んだ、ゲームとは。
僕たちは、VIPラウンジの中を見回しました。
不思議なことに、中にいたのは中国人ばかりでした。
リッチなのでしょうか。中国人。
うらやましいです。
ディーラーはオーストラリア人、客は中国人。
そんな不思議な光景が広がっていました。
リオ「さぁ、俺たちもやろうか」
ユウ「…は、はい…」
リオ先生の選んだゲームは、バカラ。
「バカラ賭博で借金●億円」なんてイメージのあるバカラですが、ゲーム的には、とてもシンプルなものです。
すべての説明は省きますが、簡単に言うと、「丁半博打」みたいなもの。
「プレイヤー」と「バンカー」(名称にはあまり意味はありません)にそれぞれ2枚のカードを配り、その数の合計の、1の位が大きな方が勝ちです。
ゲームに参加する人は、そのどちらが勝つかに賭け、勝つと2倍のお金を返してもらえます。
リオ「……分かったか?」
ユウ「…は、はい…」
リオ「厳密にはもっと細かいルールがあるんだが、くわしくは俺も知らない」
知らないんですか。
僕は心から不安になりました。
リオ「しかし、確実なことは一つ。『プレイヤー』と『バンカー』の勝つ確率はほぼ半々で、勝ったときの倍率もほぼ2倍。期待値は、約98%なんだそうだ」
ユウ「それは…確かに、高い…ですね…」
リオ「さらに、ルーレットなどに比べて、1回の勝負が、ものすごく早い」
ユウ「………」
リオ「すなわち、もっとも早く儲かるギャンブルなんだ」
それは同時に、もっとも早く金を失うギャンブルでもあると思うんですけど。
僕は心からそう思いました。
リオ「百聞は一発にしかず、だ。やろうか」
一見だと思いましたが、ツッこむ心の余裕がありませんでした。
先生は一つのテーブルにつくと、ディーラーに言いました。
リオ「OK? バンカーに、200A$」
いきなり、2万円です。
僕も思わず、チップを置いてしまいました。
ユウ「ぼ、僕もバンカーに、50A$………」
最低賭け金の、5000円です。
ディーラーは、「OK」と言いつつ、カードを置き始めました。
プレイヤーのカード合計は、8。
バンカーのカード合計は、6。
「プレイヤー」
ディーラーは、静かにそう言いながら、僕たちの賭けたチップを、持って行きました。
リオ「………」
ユウ「………」
リオ「……な?」
何が。
僕の心の中のカベが、ガラガラと音を立てて崩れていくのを感じました。
さぁっ!
あっという間に消し飛んだ財産!
リオの、そしてユウの金はどうなってしまうのか!?
最終話をお待ちください!
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆ 今回のまとめ (保護者の方へ…今回は何ら心理学要素はありません)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
○ バカラの期待値は約98%。
○ ケアンズのカジノでは、50万円のチップでVIPになれる。
○ VIPルームには、なぜか中国人ばかりいた。
○ ユウとリオ、大ピンチ。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
ちょっとだけ、次回の先取りを。
ユウ「あの、一瞬で5000円が飛んだんですけど」
リオ「俺なんか2万円が飛んだんだぞ?」
それは、先生がそれだけ賭けたからだと思います。
リオ「単純計算で、君の4倍のショックだぞ?」
いや、なんかそれは違うと思います。
僕はなんか、胃が少し痛いですもの。
先生、まったく痛そうに思えませんもの。
リオ「それに誰も、最初の1回で必ず勝てるなんて、言ってない。
俺の提唱したのは、『+10%でやめる』というだけなんだ。あとは………」
ユウ「あとは?」
リオ「運を天に任せるしか、ない」
任せちゃうの、早すぎませんか。
そう思うまもなく、リオ先生は続けます。
リオ「バンカーに、200A$」
再び、2万円。
リオ「君は?」
ユウ「ぼ、僕は今回は、ちょっと見ています…」
ディーラーはカードを置き、めくりはじめます。
合計した数字は、プレイヤーが5。
バンカーが8でした。
「バンカー」
リオ先生の手元に、200A$が置かれ、合計400A$になりました。
リオ「………な?」
ユウ「………」
僕も賭けておけば良かった。
リオ「確率の女神は、どんな男にも公平なんだよ」
なんか、僕にだけ不公平なんですけど。
そんなわけで、ユウとリオの運命は!?
最終話をどうかお楽しみに。
………。うん。
本当は今夜だけで完結するはずだったんですが、長くなりすぎたので分けました。
みなさまいつも遊びに来てくださって、本当にありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。
(完)
バリで落ちる女医。11
バリで落ちる女医。11 これは、4人のドクターたちの日常を描いた愛と情熱の日記です。 |
<前回のあらすじ>
バリに来たマヤ・ユウ・リオ・エリ。
ユウたちは、マヤの提案でバンジージャンプをすることになる。
すでにリオは飛び込み、そしてユウも宙に舞った…!
<本編>
僕は、ついに台から落ちました。
そう。
飛んだ瞬間、今までの気持ちがウソのように、すばらしい快感に
なるわけ、ありません。
「あひぇえええええええええええええ!」
今から考えると、おそろしく情けない叫びを上げながら、僕はただ落下していきました。
まるで、叫びながら落下するオモチャのようです。
値段は980円(税別)。
絶対に売れません。
何て言うんでしょう。
あらためて、本当に「地面って偉大だな」と思いました。
周囲に何も頼るものがない、この状態。
ただ包んでいるのは、空気だけです。
なんていうか、本当に。
「もう、どうにでもして」
という感じです。
たとえるなら、下着姿のまま、リオ先生10人に囲まれ、胴上げされている女の子、みたいな気分になりました。
いや、当然のごとく、そんな体験したことないんですけど。
「うひえああああああああああああああああああああ!」
ただ、そのまま落ちていきます。
マヤ先生や、リオ先生の顔が、どんどん近づいてきます。
そのときです。
足と腰に、少しずつ力がかかってきます。
その力がぎゅーーーーーーーーーーっと強まっていき、そのまま僕の体がストップします。
………………………。
た、助かった…。
間違いなく、そのとき、そう思いました。
しかし、です。
「うにゅぐああああああああああああああああああああ!」
今度は、ゴムがさらに後ろに引かれ、僕の体は再び上に持ち上げられます。
待って! ちょっと待って!
ゴムはそのまま最大限に引っ張られ、僕の体は、飛び降りた台のすぐ下くらいまで持ち上げられました。
さらに当然ですが、また僕の体は落下します。
「おっひょんのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
ちょっと、ちょっとお!
下着姿のまま、リオ先生10人に囲まれ、胴上げされている女の子に、助けが登場。
ホッと一安心したのもつかのま、助けてくれたのは、フンドシ姿のリオ先生10人だった。
なんか、そんな気持ちになりました。
あとはもう、高校の時の物理で習った「単振動」です。
落下⇒恐怖⇒止まる⇒安心⇒また上へ⇒驚愕⇒再度落下⇒恐怖⇒止まる …
エンドレスな運動を繰り返します。
いえ、もちろん落下の距離は、どんどん短くなっていきます。
それ以上に恐怖には「慣れ」も存在しますので、どんどん気持ちはラクになっていくはずです。
しかし。
気持ちに慣れが起こりますが、脳と体には、大きな違和感が生じ始めました。
「…うっぷ」
酔いました。
僕は、レンタカーで京都の碁盤状の街を右左右左走っているだけで酔った人間です。
バス酔いなどはしょっちゅうです。
そんな人間に、こんな生きものの限界に挑戦するほどの運動をさせて、酔わないと思っているのかーーーー!?
誰に逆ギレしているのか分かりませんが、とにかくそんな気持ちでした。
気持ち悪い。
本当に吐きそう。
それに単振動だけでなく、ゴムがからむのか、途中でぐるんぐるんきりもみ回転したりするのです。
下に行ったとき、マヤ先生の声が聞こえました。
マヤ「回ってるー。すごーい」
すごくない。
すごくないんです。
ていうか、すごくなくていいから、早くおろして。
僕は心からそう思いました。
たぶん手元にハサミがあったら、絶対にゴムを切っていたと思います。
落ちてもいいから、ここから逃げたい、みたいな。
なんか本当に、そんな気分でした。
そして永遠とも思える振動のあと、ゴムは少しずつ下げられていきました。
そして下に待っている係員さんが、僕に向けて手を伸ばします。
僕は、死ぬ思いでその手をつかみました。
これ、係員さんまで一緒に単振動しはじめたらどうしよう。
そんなことを本気で心配しましたが、しかしゴムにはそんな力はすでに残っておらず、僕の体は、そのまま地面に横たえられました。
精根尽きた人間。
文字通り、そんな気持ちでした。
さぁっ!
残るはエリ、ただ一人!
その瞬間、マヤが発した信じられない言葉とは!?
クライマックスに向けて猛加速!
ご期待ください!
(つづく)
そして、このアメーバブログの内容
(心理学的なもの中心。モーニング女医はありません。ごめんなさい)
をまとめた書籍が発売です!
損をしないためには、どうすればいいのか!?
最悪の状況になりつつも、なんとかこうして生き残っている自分が語る、
妙な意味で説得力のある書籍です! ぜひご覧ください!
みなさま今後ともよろしくお願いいたします。
ケータイについてふと思ったこと。
みなさまこんばんは。
ゆうきゆうです。はい。
ミクシィのコミュニティ でつらつらと書いたことではあるのですが、とりあえずこちらでも。
ケータイに関して、ふと思ったことを。
ケータイは当然、音を伝えるメディアですね。
さらに最近は、画像をやりとりすることもできます。
「今、ディズニーランドに来てますー! ほら!」
「わ、ミッキーが隣にいるの!?」
みたいな。
ほほえましいですね。
これって、他の感触とかもやりとりできないのかなぁ、と。
たとえばニオイ。
ニオイをケータイの電波に乗せて、相手のケータイで再現できるようにするのです。
うん。なんか可能そう。
「今、トイレに来ています!」
「うわぁ、本当だ! くさーい!」
みたいな。
………。
そんなことを伝えて何になると言うのか。
本当はもっとキレイな使い方、できると思います。
「ほら、スープ作ったよ!」
「わ。いいニオイだね!」
みたいな。
「お花畑にいます!」
「わ、フローラル!」
みたいな。
そういう例より何より先に、思いつくのはトイレの例。
自分の潜在意識が透けて見えます。
あとは、「感触」。
ケータイに、何かゲル状のストラップを付属させておいて、そして片方の感触を、やはり電波で伝えて、もう一方のケータイのゲル状のストラップを、その感触に変える、みたいな。
無理をすれば、実現できるかもしれません。
たとえば、
「俺の胸板、固いだろ?」
「わ、ホントだ♪」
みたいな。
うん。僕が電話を受ける側だったら、無言で着信拒否にしたい。
もっと有効利用、できないでしょうか。
たとえば恋人同士で、
「僕の手の感触、感じてくれる?」
「わぁ…。あたたかい…」
みたいな。
うん。
でも、ケータイのストラップが手みたいな形になって握ってきたら、かなり怖いです。
実現したとしても最悪。
そして最後に「味覚」。
これはもう、はい。うん。
ストラップがあめ玉みたいになってて。
片方が、それを何かに浸すわけです。
すると、もう片方のケータイに、その味わいが伝わる、という。
………………。
世界一意味のない機能です。
見知らぬ人からの電話で、
「ね、ちょっと味わってみてよ。ハァハァ」
みたいに言われたら、絶対に誰も味わわないと思います。
たとえ知ってる人でもイヤだ。なんか。
たぶんそんな機能つけられたケータイ、
「俺は何のために生まれてきたんだー!」
みたいに叫ぶと思います。井上マー風に。
限りなく余計なものをそぎ落としたツー○ーの気持ちが、なんか少し分かってきた気がしました。
あらゆる意味でやるせない気持ちになりながら、生きる僕です。
みなさま今後ともよろしくお願いいたします。
チョコを作る精神科医。
チョコを作る精神科医。 これは、4人のドクターたちの日常を描いた愛と情熱の日記です。 |
こんばんは。
ゆうきゆうです。
えっと、以前のカカオ99%のチョコの話
を、あなたは覚えていますでしょうか。
僕はあれをもらって以来、ひたすら復讐の、いえ、愛をお返しする機会をうかがっていました。
そして、それは当然のごとく、訪れました。
3月14日。ホワイトデーです。
カカオ99%の衝撃に対抗するために、カカオ100%や120%、はたまたカカオ200%みたいなチョコを探し求めて三千里。
しかし、そんなものは見つかりませんでした。
そんなときです。
リオ先生の言葉を思い出しました。
「押してダメなら、引いてみろ」。
名言です。
女性を口説くテクニックみたいなものを教えてもらった際に出てきた言葉なのですが、これは当然、ここでも応用できそうです。
そう。
99%がダメなら、逆に行けばいいんだ。
そう。禁断の、カカオ0%。
カカオをまったく使わないチョコレートです。
チョコレートの原料を調べると、「砂糖」「脂肪」うんぬんがありました。
そして今回はホワイトデーだけに、今回はホワイトチョコレートです。
脂肪は、乳脂肪などが最適です。
すなわち。
砂糖と乳脂肪だけを使ってチョコを使えば、カカオ0%のチョコレートができるわけです。
材料その1。
砂糖。
材料その2。
コーヒーフレッシュ。
身近にある乳脂肪といえば、これしか考えられません。
僕は、昼休みの医局で作成をしはじめました。
作り方は、本当にカンタンです。
1 コーヒーフレッシュの小さな容器のフタを開け、そこに砂糖を入れる。
2 かき混ぜる。
3 冷凍庫で冷やす。
4 待つこと30分。
5 凍る。
6 コーヒーフレッシュの小さな容器から出す。
7 完成。
あっというまのチョコレートです。
これをチョコレートとよんでいいのか分かりませんが、
とにかく見た目はホワイトチョコレートそっくりなものができました。
あとはこれを。
あとはこれを、マヤせ
その瞬間です。
マヤ「何してるの?」
ユウ「………」
背筋が凍りました。
マヤ「なにを、して、いるの?」
ユウ「………」
マヤ「………」
ユウ「い、いや、ちょっとした実験です」
マヤ「そう」
ユウ「………」
マヤ「………」
ユウ「………」
マヤ「食べないの?」
もう、逃げられません。
色々とパッキングしたあとならともかく、コーヒーフレッシュから出したチョコレートもどきを、そのままあげたら、殺されるに決まっています。
僕は、それを口に入れました。
マヤ「………」
ユウ「………」
マヤ「………」
ユウ「うまいっ!」
マヤ「そう。良かったわね」
うん。
食べられないことはないですが、やはりなんか、絶望する味でした。
明らかに体に悪いものを食べている、みたいな。
絶望するユウ。
マヤ「………」
ユウ「………」
マヤ「私、ホワイトデーのお返しは、神戸で売ってる生チョコが欲しいなぁ」
ユウ「………」
大阪土産が決定した瞬間でした。
みなさま、どうか今後ともよろしくお願いいたします。
ギャンブル必勝法。
こんばんは。ゆうきゆうです。
今回はメルマガ
から、こんな話をお届けします。
◆ ギャンブル必勝法。
リオ「君は、ギャンブルに必勝法があることを、知っているか?」
それは、忘れもしない、今年の初め。
先輩であるリオ先生が、僕にこう聞いてきました。
ユウ「は?」
今回のメルマガでは、僕が先生から聞いた話を、そのままここに書き記します。
◆ ギャンブルは、儲からない。
まずは、こんな話から聞いてください。
ギャンブルには、たいてい「テラ銭(寺銭)」というものが存在します。
昔、お寺の敷地でギャンブルが行われており、その一部をお寺に払っていたこ
とから、この名称が定着しました。
たとえば、サイコロを振って、偶数が出たら勝ち、奇数なら負け、というゲー
ムをしたとします。
このとき、勝つ確率は1/2。
たとえば100円賭けた場合、負けたら100円失うわけですから、勝ったら100円
がもらえないと、割が合わないですよね。
でも、実際のギャンブルの場合、その儲けのうちから、胴元がいくらか取って
しまいます。
それこそが「テラ銭」です。
ですので100円の儲けのはずが、80円だったり、50円だったり…。
すなわちギャンブルは、たいていは胴元が儲かるようにできているわけです。
実際に日本のギャンブルの期待値(ギャンブル後の持ち金の予想変化)は、
パチンコ・パチスロ … 90%
競馬・競輪 … 70%
宝クジ … 50%
くらいと言われています。
そう考えると、宝クジなんて、やるだけ大損。
それでもやってしまうのは、みんな「自分だけは大丈夫」という都合のいい心
理を持っているからです。
「私だけは、他の人よりも、運がいいから」
「もしかして自分だけは、実際の確率以上に当たるのでは…?」
こういうのを心理学では「コントロール幻想」と言ったりします。
たとえ数百万分の1の宝くじであっても、買うとき、
「自分だけは、3分の1くらいの確率で当たるのでは…?」
と考えてしまうわけですね。
◆ リオ、断言。
リオ「すなわち、日本のギャンブルは、やるだけムダなんだ」
そこまで言い切りますか。
僕は心からそう思いました。
先生の説明を続けます。
とにかくテラ銭がある限り、ギャンブルは胴元がほぼ必ず儲かります。
しかし、です。
ラスベガスなど、海外のギャンブルでは、ルーレットやバカラなどのゲームが
行われています。
この場合、テラ銭はものすごく低く設定されています。
期待値は、だいたい95%前後。
日本のギャンブルと比べると、かなり高い期待値となります。
リオ「すなわち必勝法が成立するのは、こういうギャンブルだけなんだ」
ユウ「………」
リオ「さて、ここからが問題だ。こういうカジノはテラ銭が低いのにもかかわ
らず、ちゃんと経営が成り立っている。
そして、カジノで財産をスッてしまう人も、たくさんたくさん存在する。
これはいったい、どうしてなのか、分かるかい?」
ユウ「………??」
それを説明するのが、
「酔っぱらいの歩行(ランダムウォーク)」理論なのだそうです。
◆ ギャンブルは、酔っぱらいである。
たとえば単純に、丁半博打で100円を掛け続けたと考えましょう。
そしてここでは、テラ銭がまったく存在しないとします。
すなわち、
1/2で勝ったら+100円。
1/2で負けたら-100円です。
すると、永遠に負け続けること、もしくは永遠に勝ち続けること、というのは、
ほとんどありません。
たいていにおいて、勝ったり負けたりを繰り返します。
すなわち、それこそ予算は、プラスとマイナスを繰り返して、波の形になるわ
けです。
たとえば10000円を元手にしたら、だいたい10500円~9500円のあいだを揺れ動くことになるでしょう。
(賭け金を大きくすれば、上下の振れ幅はもっと広がります)
まさしく、酔っぱらいの歩行。
右に行ったり左に行ったりを繰り返します。
もちろん実際、人には「利き足」があるので、どちらかにブレ続けることもあ
りますが、理想的には、左右にフラフラと歩き続けることでしょう。
これは「株」でイメージしてもいいかもしれません。
もちろん株で損した、という人も多いとは思いますが、たとえば10000円で買っ
た株が、一度も10500円にならず、永遠に10000円より下を推移する…というこ
とは、一般的にはあまりありません。
たいていは、フラフラと上下するものです。
ですので必勝法というのは、ズバリ、カンタンです。
とにかく大金を元手にして、
「+5~10%勝ったら絶対にやめる」
と決めることなのです。
◆ 橋から、落ちる前に。
分かりやすくするために、もう一度、酔っぱらいの歩き方を考えてみましょう。
彼は放っておくと、右に揺れたり、左に揺れたりして歩きます。
おそらく大人の歩幅なら、左右に±1メートルくらいの幅の中を、フラフラと
歩き始めるのではないでしょうか。
このとき、彼が幅1メートルくらいの橋の上を歩いていたら、非常に危険です。
どちらかに落ちるかもしれません。
しかし、その橋が、左右に10メートルくらいの幅があったらどうでしょう。
おそらく落ちる確率は確実に減り、安全に歩けるのではないでしょうか。
すなわち「右に10メートル進んだら落ちる。しかし落ちる前に、一度でも左に
1メートルの位置に来たら勝ち」と考えると、かなり高確率で、「勝ち」にな
ると考えられませんでしょうか。
この理論は、そういう思考で行われています。
繰り返しになりますが、
「10000円を元手に、10500円~11000円になったら絶対にそこでやめる」こと。
これさえできれば、高確率で「勝てる」ものです。
◆ 人は、なぜ負けるのか。
リオ「ここまでは、いいか?」
ユウ「は、はぁ、何とか」
リオ「逆に君は、ギャンブルで負ける人間が、どうして負けるか、分かるか?」
ユウ「は…?」
リオ先生の説明は、こうでした。
ギャンブルにのめりこむ人は、なぜ負けるのでしょうか?
それは、「欲には際限がなく、元手には際限がある」からです。
「ここで勝ったらやめておこう」と固く誓ってギャンブルをする人間はマレで
す。
たいていは、ずっとギャンブルを続けていきます。
実際に心理学的に、稼いだお金が高くなるほど、その刺激は減っていくもの。
20万円稼いだ喜びは、10万円稼いだ喜びの、2倍もありません。
大阪人が「ありがとぉぉ」の喜びに慣れるように、お金の刺激も、どんどん慣
れが生じてきます。
そのため、「もっと、もっと…!」と思って、エンドレスで掛け続けるわけで
す。
たとえば10000円から始めた場合、+1000円になっても、+2000円になっても、
はたまた+10000円になっても、決して満足しません。
そのため、さらにさらに賭け続けます。
しかし、-10000円になった瞬間、強制的にゲームは終了します。
元手がなくなるわけですから、当然です。
こうなったら、もう終了するしかありません。
もちろん借金してまで続ける人もいるかもしれませんが、その場合もやはり同
じ。
借金をした金額が、マイナスの限界。
しかし同じく、プラスの限界はありません。
どう考えても、先にマイナス限界に達するはずです。
すなわち、先ほどの「酔っぱらいの歩行」にたとえるなら、
「左にいくら行っても終わりはないが、右に1メートル進んだら落ちる状態」。
まったく逆なのです。
この場合は、高確率で落ちます。
◆ 突然の展開に。
そこまで聞き終わると、リオ先生は、言いました。
リオ「言ってみれば、負ける人間は、1万の元手で、2万や3万とかを稼ごう
とするから、負けるんだ」
ユウ「………」
リオ「株でも同じ。100万の元手で、150万や200万…。そんな大幅な勝ちを狙
うから、時間ばかり食って、何も得られないんだ」
ユウ「なるほど…」
リオ「繰り返しになるが、『+5~10%で終了』を絶対原則にしておくんだ。
そうすれば、ほぼ確実に勝てる」
そこまで聞いて、僕は思いました。
ユウ「なぁんだ…。必勝法といっても、結局は、10%程度なんですね」
リオ「1億円を元手にすれば、1000万円稼げるわけだが」
ユウ「………」
リオ「………」
ユウ「………」
リオ「というわけで、やってみたくはないか?」
ユウ「まぁ、面白そうとは思いますけど…。でも………」
リオ「そうか。やりたいよな?」
ユウ「は、はぁ。まぁ…」
リオ「そう思って、カジノツアーを予約しておいた」
パードン?
リオ「今回の場所はオーストラリアのケアンズだ」
ユウ「………」
「今回の」以前に、「前回」もありませんでしたし、「次回」の予定もないん
ですけど。
リオ「俺はどうしても勝たなければいけない」
ユウ「………」
リオ「あのときのナースにつぎ込んだお金を取り返すために!」
やるなら、一人でやってください。
さぁっ!
突然に決定した二人のカジノツアー!
この理論は実際に当たったのか!?
衝撃の次回をお待ちください!
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆ 今回のまとめ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
○ 人間の欲には際限がない。しかし元手には際限がある。
○ そのため、テラ銭が低いギャンブルであっても、人はかならず財産をスる。
○ よって勝ちたければ、とにかく「+5~10%」だけを望むこと。
(つづく)
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
ちょっとだけ、次回の先取りを。
僕たちは、オーストラリアは、ケアンズへ降り立ちました。
ユウ「先生の元手って、いくらなんですか?」
リオ「100万円だ」
ひゃくまんえん。
カジノに100万円つぎこむ日本人。
典型的な、間違った大人です。
リオ「まぁ、俺にとっては、右から左へ動かせる額なんだが」
ユウ「………」
右から下に落ちるような気がするのは、気のせいでしょうか。
リオ「これで10万円の勝ちを狙う」
ユウ「………」
リオ「それで、ナースのモモコちゃんにつぎ込んだお金と、ほぼ同額になる」
なんか、セコいんだか、セコくないんだか。
リオ「君の予算はどのくらいだ?」
ユウ「………○万円です」
リオ「………」
ユウ「………」
さぁっ!
ユウの元手はいくらだったのか!?
衝撃の後編をお楽しみに!
ここまで遊びに来てくださって、本当にありがとうございました。
新刊「愛される心理学」はこちらです!
今回の表紙はめっちゃキュートです。
さらに、超一流のマナーをあなたも!
3月26日のセミナーオフもぜひぜひ!
⇒ こちら!
ここまで遊びに来てくださって、本当にありがとうございました。
(完)
バリで落ちる女医。10
バリで落ちる女医。10 これは、4人のドクターたちの日常を描いた愛と情熱の日記です。 |
<前回のあらすじ>
バリに来たマヤ・ユウ・リオ・エリ。
ユウたちは、マヤの提案でバンジージャンプをすることになる。
すでにリオは飛び込み、今度はユウの番。
どうなるユウ!?
<本編>
僕の足が震えます。
そんなとき、後ろから、声が響きました。
「ユウキャンドゥイット!」
え。
それは、エリさんの声でした。
エリ「できます! ユウさんなら、できますよ!」
エリさんは、熱いまなざしで、僕のことを見つめています。

その瞬間です。
リオ先生の言葉が思い出されました。
リオ「落とすためには、落ちるしかないんだ」
………。
まさか。
確かにここで、ためらっている姿は、あまりカッコいいものではありません。
おそらく僕の印象は、さらに悪化することでしょう。
しかし。
逆にカッコよく飛び込めば、もしかしてずっといい印象を抱くこともあるのではないでしょうか。
そう。
リオ先生はそこまで考えて、バンジーをしたのではないか。
そう考えると、先生が飛び込んだ姿は、確かにカッコ良かったです。
脇目もふらず階段を登り、真っ先に準備をし、
「下には裸の美女が100人」とつぶやきながら飛び込んだ、という
………。
あれ、カッコ良かった?
思い切り自問自答しながら、そのことを思い出しました。
これが、理想と現実の乖離でしょうか。
しかし、そう言えば、思い当たる理論は他にもあります。
心理学では「吊り橋の実験」というものがあります。
吊り橋の上で被験者にアンケートを採ると、地上でアンケートを採った場合に比べて、
被験者が実験者に好意を抱くことが多かったのです。
これは、「吊り橋の上でのドキドキを、好意と勘違いした」と説明されます。
そう考えると、吊り橋の数十倍、いえ数百倍ドキドキする、このバンジージャンプ。
それによって起こる好意も、天井知らずのはずです。
そう。
これらの2つの理由によって、このバンジージャンプ、恋愛にかなりオススメなんです。
みなさんも、デートの際には、ぜひバンジージャンプを!
………。
なんか、「吊り橋の実験があるから、好きな女の子とジェットコースターに乗れ」という心理学テクニックを思い出しました。
そもそも一緒に遊園地に行ける仲になれないから苦労してるんだよ、みたいな。
そもそもバンジージャンプできないから、苦労してるんだよ、という。
うん。
短期間のあいだにそこまで無意識にツッコミつつ、僕は現実に戻ってきました。
これが、ウワサの走馬燈なんでしょうか。
なんで走馬燈に心理学理論とかツッコミとか入ってくるんでしょうか。
そういうものなんでしょうか。
僕はそこまで思いつつ、あらためて、エリさんの顔を見ました。
彼女は訴えかけるような目で、僕のことを見ています。
………。
そうだ。
僕が飛ばないと、ダメなんだ。
もちろん、いいところを見せたいのは、当然です。
しかしここで僕がためらっていたら、最後に飛ぶ彼女に与えるプレッシャーは相当なものになります。
そう。
僕は、彼女のために、飛ぶんだ。
人間が何かをする場合、「内的動機付け」と「外的動機付け」の2種類があります。
「楽しいから」
「怖いから」
「自分のために」
というのは、「内的動機付け」。
これは継続的なエネルギーを持ちますが、瞬発力はありません。
逆に、
「あの人のために」
「みんなのために」
というのは、「外的動機付け」。
長続きはしませんが、一瞬の爆発力はあります。
そう。
エリさんのために、僕はあえて、勇気をもって飛ぼう。
ただ、前に倒れればいい。
ただ、前に。
ただ。
ただ………。
「イエーーーーーーーーーーーーーース!」
係員の声が響きます。
僕の体は、地上に向かって、吸い込まれていきました。

さぁっ!
ついに飛んだユウ!
果たして彼がその直後に体験した、恐るべき感覚とは!?
さらに佳境です!
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●素敵イラストはソラさん
(女神)
●このシリーズを最初から読みたい方はこちら 。
●モーニング女医全シリーズはこちら 。
●その他、スーパーリアルRPG など楽しい企画が盛りだくさん。サイトはこちら 。
結婚させる心理テスト。
こんばんは。ゆうきゆうです。
今回はメルマガ
から、こんな話をお届けします。
◆ 女医さんが出した、こんなテスト。
最近、後輩の女医さんに、
「相手を結婚させたくなる心理テスト」というものを聞きました。
結婚させたくなる。
その女医さんは二十代前半で結婚した方なので、妙な説得力がありました。
かわいい感じの人ですが、不思議と女医さんは独身の方が多いので、ある意味
「レア」なケースです。
本人も、現在の夫にたいして使ったことがあるそうです。
また彼女の友人5人にも教えたところ、そのうち3人が結婚したとか。
残りの2人が微妙に気になりましたが、もちろんそれは聞けません。
しかし、そこまで聞けば、いやがおうにも、期待が高まります。
そのテストとは、こういうものだそうです。
あなたも、一緒に考えてみてください。
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心理テストです。
世界が滅亡して、あなたと、たった一人の小さな子供だけが生き残りました。
その子供は、女の子? 男の子?
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いかがでしょうか。
その子供の性別は、
「あなた自身が欲しいと思っている子供の性別」なのだそうです。
確かに理由を聞くと、納得できる部分がありました。
滅亡して、人類はあなたと子供、2人だけ。
あなたは大人でしょうから、自然、小さな子供より、先に死ぬはず。
すなわちその子供は、あなたがすべてを託す存在となります。
それは無意識に、自分の遺伝子を伝え、財産などを託す、「生まれる子供」に通じる…というわけです。
実際に彼女の調べでは、子供がいる人は、ほぼ80%が、子供と同じ性別を言うそうです。
もちろん逆の人もいますが、それは「もう一人、そっちの性別の子供も欲しいと思っている」とか。
そう考えると、納得できる部分もあるかもしれません。
ちなみに万が一、相手が、「子孫を残さなければいけないから異性」と答えた場合、かなりの「若紫好み」と判断されます。
うん。「ロリコン」を文学的オブラートに包みました。
その場合は、「あなたが死にそうなおじいさんで、相手が赤ちゃんだったら?」という設定で再質問してあげるといいかと思います。おそらく正確な結果が得られます。
さて、です。
しかしこのテスト、この「欲しい子供の性別」というのは、単なる表面的な結果に過ぎません。
実はそれ以上に重要な「ウラの意図」があるのです。
それこそが、「結婚を意識させる」という部分。
◆ イメージさせると、心が動く。
実際に人間は、「あることをイメージさせると、無意識にそれを実現するような行動をしてしまう」と言われています。
たとえば不動産のセールスマンは、家を勧めるときに、
「この家は今なら安くなっていてお買い得です!」
という、普通な説明で終わらせたりはしません。
「駅に近いですので、通勤もラクになるかと思います。またデパートも近いので、お子様たちも楽しめるはずです。少し足を伸ばせば山もあるので、休みの日は、ご家族でピクニックに行くこともできますよ」
こんな風に、リアルにイメージを起こさせるような表現をします。
すると普通に勧めたときより、購買率が格段に上がるのです。
これはCMでも同じ。
たとえばカップラーメンのCMでは、「普通に商品を見せて終わり」ということは、ほぼ絶対にありえません。
たいていは、そのメン・汁・具などを大映しにして、ジュルルルルッとおいしそうに食べるシーンを出すはず。
それによって、見ている人に
「自分自身が食べている姿」
を疑似体験させます。
その結果、格段に売れ行きが高まるわけです。
◆ 世界滅亡でイメージさせたものは。
そして、このテスト。
「その答えは、あなた自身が欲しいと思っている子供の性別なんだって」。
こういえば、相手は確実に、自分に子供ができたときのシーンを浮かべます。
そして子供は、一人で作ることはできません。
必ず、一緒にいる「妻」や「夫」がイメージされます。
そんなとき、目の前には、異性であるあなたが。
この場合、ほぼ確実に、
「この相手とだったら、どんな子供なんだろう…」
というように、あなた自身を思い浮かべる可能性は極大です。
これによって、相手にあなたとの結婚をイメージさせることができます。
そうすれば、たとえその時点で、結婚をまったく意識していない相手であっても、あなたと結婚しようと思う可能性はグンと上がる………というわけです。
さらにこの心理テスト。
巧妙なのが、最初の質問では、そのことをまったくにおわせていないこと。
たとえば、イメージさせたいだけなら、
「あなたと私が結婚したら、どんな子供が生まれるかな?」
と言っても構わないはず。
しかしこれは露骨すぎます。
普通、あまり結婚を考えていない人は、
「うっ…! 結婚、におわされてる…!」
と、防御壁を抱くはず。
また、心理テストとして、いきなり、
「あなたに子供が生まれました。それは男? 女?」
と聞いたとしても、やはり相手は拒絶感を抱くでしょう。
しかし最初の質問では、「世界が滅亡したら」という言い方ですので、まったくそんな雰囲気はありません。
自然、イメージをし始めます。
そしていったん考えてしまえば、答えが強く気になるはず。
そこで答えを説明。
相手はすでに心理テストに関わっている分、答えも自然にイメージするはずです。
だからこそ、心理効果も強く出る、というわけですね。
◆ さらなる心のワナとは?
さらに、もうひとつ、重要なトリックも隠されています。
「世界が滅亡して、あなたと、たった一人の小さな子供だけが生き残りました。」
こういう設定を出した時点で、相手は高確率で、「え、君は?」と聞くものだそうです。
まぁ、普通に考えて、当然ですね。
そしてここからが大事。
そのときに、
「うん。私も死んじゃってるの」
と言うことが大切だそうです。
不吉、と思ってはいけません。
相手はこれを聞いた瞬間、当然ですが、あなたの死をイメージするはず。
人は引かれると、つい追いたくなるもの。
学生のころを思い出してください。
そんなに仲の良くない友達でも、転校するとなると、妙にさびしくなりませんか?
こういう心の動きを「心理的リアクタンス(抵抗)」と言います。
すなわち、「死」をイメージさせると、「いやだ…」と感じさせ、それだけで、あなたへの気持ちは高まるはず。
さらに普通につきあったカップルが、相手の「死ぬ瞬間」を見ることなんて、事故などでもない限り、そうそうありません。
あるとしたら、それはもちろん、「結婚して、長年添い遂げた」ときでしょう。
すなわち相手に、その瞬間までイメージさせることになる………その結果、相手はさらに結婚を無意識に考えるようになる、というわけです。
二重・三重のトリックが隠されているわけですね。
ちなみに、「え、君は?」と聞かれなかったら、微妙に脈が少ないそうです。
まぁなんていうか、納得といえば納得ですね。
僕が実際に周囲の女性にこのテストをしたところ、誰もが触れてくれませんでした。
予想はしていましたが、ショックです。
一度、「ちなみに、僕も死ぬんだけどね」と言ってみたのですが、
「あ、そう」
と言われました。
人が、踏みつぶしたアリの数を認識しないようなものでしょうか。
うん。
アメンボだってオケラだって、ゆうきゆうだって頑張って生きていきます。
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◆ 今回のまとめ
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○ 「世界が滅亡したとき、あなたと唯一残っている子供の性別」を聞くと、その人の欲しい子供の性別が分かる!
○ さらにそれによって、相手の結婚への気持ちを高めることができる!
○ 相手の気持ちを動かしたければ、とにかくまず「イメージ」させること。
もちろんこれは、男性から女性の場合でも可能。
シンプルに口説くときでも、使えるはずです。
どうか、覚えておいてくださいね。
◆ さいごに。
僕の好きな言葉に、こんなものがあります。
「君の夢をイメージできるなら、それはかなったも同じことだ。」
今回の話は、あなた自身にも、当てはまります。
「どうせムリだ」
「ダメに決まってる」
なんて思わずに、とにかく今この瞬間だけでもいいので、イメージしてみること。
ただそれだけで、未来は大きく変わってくるものなんですよ。
(完)
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
というわけで、メルマガ
からのウラ話です。
僕は、「すべての番組を2倍速で見る」と言いましたが。
唯一、そのモードで見るのが不可能な番組があります。
それこそが、「お笑い番組」です。
特に漫才とかは、字幕が表示されない上に、そもそもがネタを詰め込むために、総じて早口。
2倍にすると、ほとんどまったく聞き取れなくなります。
さらにネタを理解しているうちに次のネタに進んでしまいますので、笑うスキがありません。
恐るべし、漫才。
………。
ていうか、こんなことしているの、僕だけでしょうか。
そういえば最近、テレビの広告効果が、以前に比べて減っているそうです。
テレビ離れはもちろん、それ以上に、こういう「録画」⇒「早送り」という流れが一番の理由だとか。
うん。
あの、テレビ業界のみなさま、本当に申し訳ありません。
「僕もやる」という方は、ぜひコメントを。
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チョコを受け取る精神科医。
チョコを受け取る精神科医。 これは、4人のドクターたちの日常を描いた愛と情熱の日記です。 |
みなさんこんばんは。ゆうきゆうです。
最近、マヤ先生に、チョコもらいました。
もう一度言います。
マヤ先生に、チョコをもらいました。
時期はずれ、とか、全然関係ありません。
奇跡です。
驚天動地です。
七転八倒です。
これは現実なのでしょうか。
やりとりはシンプルでした。
マヤ「あげる」
ユウ「………あ、ありがとうございます………」
そしてあとから、その現実に気がついた、みたいな。
人は理解困難なものを目の前にすると、固まってしまうようです。
そしてそのチョコが、こちらです。
カカオ99%。
これはどういう意味でしょうか。
義理とかではなく、愛情が99%とか、そういうメッセージが含まれているので
しょうか。
僕は大喜びで食べました。
………。
人生に絶望した。
何て言うんでしょう。
普通のチョコとは、明らかに違います。
なんか、「苦くて黒いカケラ」という感じ。
チョコらしい感じはありますが、ほぼ完全に別モノです。
キウイジュースと青汁みたいな。似ているけど味わいが完全に違うような、そんな感じです。
口いっぱいにほおばると、本当に、ただ単なる苦みしか感じません。
冗談抜きで、「うぉおえぇぁっ」という感じになります。
あわてて甘いジュースなどで流し込みます。
箱にある説明を見ると、
「これは、カカオの味わいを純粋に楽しむためのチョコレートです。
これを食べる前に、カカオ70%、カカオ85%などに舌を慣らしてからお召し上がりください」と。
うん。慣らすまでもなく、いきなり99%でした。
やっとヨチヨチ歩きをし出した子供に、三輪車・二輪車を省いて、いきなり一輪車に乗らせるようなものだと思います。
もう、大事故です。
その上、原料にはちゃんと「砂糖」とあります。
しかしなんていうか、もう多勢に無勢。
原爆を竹ヤリで食い止めるようなものです。ていうかムリ。本当にムリ。
「チョコ食べたいー! 買ってー!」
と泣き叫ぶ子供に与えたら、たぶん「もうワガママ言いません。本当にすみませんでした」と本気で謝り出すと思います。
しかしもらった手前、残すわけにはいきません。
僕は、すべて口にしました。
「まさかカカオ99%をすすめられるとはな!」という気分です。
なんかブラックマヨネーズ風に。
本当に、最初にこの物体に、砂糖混ぜて食べようと思いついた人、奇跡だと思います。
はじめてナマコを食べようと思った人と同じくらいの奇跡です。
そう考えると、普段食べているチョコやココアって、どれだけ砂糖たっぷりなのかと。
なんか微妙に怖くなりました。
知りたくなかった。こんな事実。
また、ネットでこのチョコについて検索してみると、やはり食べた人の体験談が。
「このチョコ、ものすごく苦い! でも、いいこともあります! このチョコを食べた後だと、ミルクがすごくおいしく感じるんです!」
………。
それがメリットなら、僕は、たとえおいしく感じなくてもいいから、ミルクだけ飲みます。
そんなことを考えつつ、チョコをすべて食べました。
次の日、僕が言葉を言う前に、マヤ先生は、言いました。
マヤ「それが、人生よ」
ユウ「………」
これが、人生。
マヤ「ほろ苦かったでしょ?」
げろ苦かったです。
そしてマヤ先生は、僕の表情を見ると、思い通りの動物実験のデータを取ったときのように、満足げに去っていきました。
「マウスAは薬品にたいして、予想通りの反応を示した」みたいな。
僕は心から、自分の毎日について思いをはせました。
みなさま、今後ともよろしくお願いいたします。
(完)