ギャンブル必勝法2。
こんばんは。ゆうきゆうです。
まず今回はニュースが!
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また話変わって、前回の「ありがとぉ」。
なんと読者さんの中に、わざわざ録音してくださった方がいました。
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素敵ボイスです。はい。
キエマさん、本当にありがとうございました。
というわけで、今夜もメルマガから、セクシー心理学の世界をお届けいたします。
今回の内容は、恐ろしいほど心理学とは無縁です。
こんな風に最初に言っておくと、あとからのショックを和らげる作用があります。
こういう考えを心理学では「接種理論」と言います。
うん。せめてここ↑だけが、かろうじて心理学。
その上で、本日もどうかゆっくりとお楽しみください。
◆ 前回のあらすじ。
「人間の欲には際限がない。しかし元手には際限がある。」
その心理から導き出された、リオの考えた、逆を行くギャンブル必勝法。
それこそが「元手を大きくして、10%勝った瞬間にやめる」という単刀直輸入なものだった…!
果たして二人は勝つことができるのか!?
◆ リオの雄叫び。
東京から、オーストラリアのケアンズへ向かう飛行機は、「夜行便」しか存在しません。
夜の9時に出て、朝の6時ころにつく飛行機。
リオ「なんで二人きりの夜のフライトの相手が男なんだ…」
その言葉、そっくりそのまま、お返しします。
そう思っていると、リオ先生は、日本のギャンブルについてのウンチクを語り始めました。
リオ「だいたい宝クジなんて、フザけていると思わないか? よくCMで『ドリームジャンボ3億円!』 なんてやってるが、あのCMで語りかけているのは、見ている君1人だけじゃないんだぞ!? 同じことを、日本全国1億人に言っているんだぞ!?」
まぁ、そりゃ、そうですよね。
リオ「そして当たる人間は、数人しかいないわけだぞ!?」
うん。
その通りです。
リオ「それって、日本全国の女に、『俺と結婚しよう!』と言っている男と同じだと思わないか!?」
先生、極論です。
リオ「なんでみんな、そのことに気がつかないんだ!?」
ユウ「………」
リオ「それに宝クジは、テラ銭が半分近くもあるんだぞ? 当選した人間が結婚できると思ったら、その相手が単身赴任で週の半分しか家にいないようなモノだと思わないか?」
先生、そのたとえもどうかと。
リオ「結婚でイメージしたら、誰も引っかかるヤツはいないはず。こんな単純なことなのにもかかわらず、どうして『お金』になると、みんな気がつかないんだ!?」
先生の、いかに日本は搾取されているか理論は、それから一晩中続きました。
おかげで僕は、ケアンズに降り立つまで、一睡もできませんでした。
◆ 元手の、差。
ケアンズの宿泊先は、市内で唯一カジノのあるホテル。
到着するやいないや、リムジンが迎えに来ました。
そこで、僕は先生に聞きました。
ユウ「先生の元手って、いくらなんですか?」
リオ「100万円だ」
ひゃくまんえん。
カジノに100万円つぎこむ日本人。
典型的な、間違った大人です。
リオ「まぁ、俺にとっては、右から左へ動かせる額なんだが」
ユウ「………」
右から下に落ちたりしないんだろうか。
僕は不安でたまりませんでした。
リオ「これで10万円の勝ちを狙う」
ユウ「………」
リオ「それで、ナースのモモコちゃんにつぎ込んだお金と、ほぼ同額になる」
なんか、セコいんだか、セコくないんだか。
リオ「君の予算はどのくらいだ?」
ユウ「………」
リオ「ん?」
ユウ「5万円です」
あの瞬間の、先生の驚愕した顔は、忘れられません。
リオ「君は、ミジンコの足か」
ミジンコそのものですら、ないんですね。
リオ「5万円の10%は?」
ユウ「5000円です」
リオ「今回の旅費は?」
ユウ「………」
往復の航空券が7万円。
そしてホテルが、1泊15000円×2泊÷2人で、15000円。
雑費も入れたら、普通に10万円行きます。
リオ「………」
ユウ「………」
リオ「赤字、じゃないか?」
僕も、そう思います。
ユウ「い、いやっ! それを言ったら、先生だって、勝ってもトントンじゃないですか!?」
リオ「分かってないな」
ユウ「??」
リオ「ここには2晩いるんだぞ?」
ユウ「………」
リオ「1晩で10万勝つと言うことは、2晩で20万じゃないか」
ユウ「………」
リオ「差し引き、10万浮くだろう?」
………。
何て言っていいのか分かりませんでしたが、それでもなんか微妙な気分になりました。
リオ「しかし君は5万円か…」
ユウ「………」
リオ「まぁ、子供の遠足のオヤツが、上限500円みたいなもんか…」
ユウ「………」
先生、ものすごく、言い得て妙です。
悔しいですが、僕は心からそう思いました。
◆ VIPになった、リオと連れ。
このホテルには「VIP会員」というものが存在します。
5000オーストラリアドル(以下A$。1A$=約100円)、日本円にして約50万円。
この金額をチップに換算すると、VIP会員になれ、VIP用のカジノラウンジを使うことができます。
このラウンジ。
食べ物・飲み物はすべてタダ。
またVIP会員になることによって、本来1泊5万円のスイートが、15000円にまで割引されます。僕たちもそれを利用しました。
スイートはまさに、最高の一言でした。
部屋はとても広く、大きなジャグジーもあり、ベッドはクイーンサイズ。
ジャグジーからは満点の星空も見られるというオマケつき。
………。
そこに、リオ先生と、泊まったんですが。
クイーンサイズのベッドに、二人で寝たわけですが。
リオ「クイーンベッドに、男二人か」
ユウ「………」
リオ「どこにも、『女王』要素が入っていないのは、どういうわけだ」
心から同じ気持ちでした。
とはいえ、施設だけ見ると、いいことばかりのVIP会員。
リオ「いいか? 俺が100万円をチップに換金したからこそ、君も『同伴者』ということで、VIP扱いを受けているわけだからな?」
ユウ「………はい。分かってます」
リオ先生のプレッシャーは微妙にイヤでしたが、僕のネズミの心臓で、100万円をチップに換える緊張に耐えることはできません。
ちなみに、ここでチップにしたお金は、同レートで再び日本円に換金できます。
すなわち極端な話、50万円をA$に換金、そのまままったく賭けず、日本円に再換金するだけでも、VIP会員になれるわけです。
しかし、です。
やはり、そうはしにくい雰囲気はあります。
それに何もしなかったら、何のためにオーストラリアまで来たのか分かりません。
さらに、です。
このVIPラウンジでは、最低賭け金が、50A$。
日本円にして5000円です。
この金額、研修医のときの1日分の給料(朝8時~夜まで)に相当します。
1回何かに賭けて負けたら、それが数秒でトぶわけです。
負けられない。
僕はそんな決心を抱えながら、5万円をチップに換えました。
◆ リオの選んだ、ゲームとは。
僕たちは、VIPラウンジの中を見回しました。
不思議なことに、中にいたのは中国人ばかりでした。
リッチなのでしょうか。中国人。
うらやましいです。
ディーラーはオーストラリア人、客は中国人。
そんな不思議な光景が広がっていました。
リオ「さぁ、俺たちもやろうか」
ユウ「…は、はい…」
リオ先生の選んだゲームは、バカラ。
「バカラ賭博で借金●億円」なんてイメージのあるバカラですが、ゲーム的には、とてもシンプルなものです。
すべての説明は省きますが、簡単に言うと、「丁半博打」みたいなもの。
「プレイヤー」と「バンカー」(名称にはあまり意味はありません)にそれぞれ2枚のカードを配り、その数の合計の、1の位が大きな方が勝ちです。
ゲームに参加する人は、そのどちらが勝つかに賭け、勝つと2倍のお金を返してもらえます。
リオ「……分かったか?」
ユウ「…は、はい…」
リオ「厳密にはもっと細かいルールがあるんだが、くわしくは俺も知らない」
知らないんですか。
僕は心から不安になりました。
リオ「しかし、確実なことは一つ。『プレイヤー』と『バンカー』の勝つ確率はほぼ半々で、勝ったときの倍率もほぼ2倍。期待値は、約98%なんだそうだ」
ユウ「それは…確かに、高い…ですね…」
リオ「さらに、ルーレットなどに比べて、1回の勝負が、ものすごく早い」
ユウ「………」
リオ「すなわち、もっとも早く儲かるギャンブルなんだ」
それは同時に、もっとも早く金を失うギャンブルでもあると思うんですけど。
僕は心からそう思いました。
リオ「百聞は一発にしかず、だ。やろうか」
一見だと思いましたが、ツッこむ心の余裕がありませんでした。
先生は一つのテーブルにつくと、ディーラーに言いました。
リオ「OK? バンカーに、200A$」
いきなり、2万円です。
僕も思わず、チップを置いてしまいました。
ユウ「ぼ、僕もバンカーに、50A$………」
最低賭け金の、5000円です。
ディーラーは、「OK」と言いつつ、カードを置き始めました。
プレイヤーのカード合計は、8。
バンカーのカード合計は、6。
「プレイヤー」
ディーラーは、静かにそう言いながら、僕たちの賭けたチップを、持って行きました。
リオ「………」
ユウ「………」
リオ「……な?」
何が。
僕の心の中のカベが、ガラガラと音を立てて崩れていくのを感じました。
さぁっ!
あっという間に消し飛んだ財産!
リオの、そしてユウの金はどうなってしまうのか!?
最終話をお待ちください!
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◆ 今回のまとめ (保護者の方へ…今回は何ら心理学要素はありません)
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○ バカラの期待値は約98%。
○ ケアンズのカジノでは、50万円のチップでVIPになれる。
○ VIPルームには、なぜか中国人ばかりいた。
○ ユウとリオ、大ピンチ。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
ちょっとだけ、次回の先取りを。
ユウ「あの、一瞬で5000円が飛んだんですけど」
リオ「俺なんか2万円が飛んだんだぞ?」
それは、先生がそれだけ賭けたからだと思います。
リオ「単純計算で、君の4倍のショックだぞ?」
いや、なんかそれは違うと思います。
僕はなんか、胃が少し痛いですもの。
先生、まったく痛そうに思えませんもの。
リオ「それに誰も、最初の1回で必ず勝てるなんて、言ってない。
俺の提唱したのは、『+10%でやめる』というだけなんだ。あとは………」
ユウ「あとは?」
リオ「運を天に任せるしか、ない」
任せちゃうの、早すぎませんか。
そう思うまもなく、リオ先生は続けます。
リオ「バンカーに、200A$」
再び、2万円。
リオ「君は?」
ユウ「ぼ、僕は今回は、ちょっと見ています…」
ディーラーはカードを置き、めくりはじめます。
合計した数字は、プレイヤーが5。
バンカーが8でした。
「バンカー」
リオ先生の手元に、200A$が置かれ、合計400A$になりました。
リオ「………な?」
ユウ「………」
僕も賭けておけば良かった。
リオ「確率の女神は、どんな男にも公平なんだよ」
なんか、僕にだけ不公平なんですけど。
そんなわけで、ユウとリオの運命は!?
最終話をどうかお楽しみに。
………。うん。
本当は今夜だけで完結するはずだったんですが、長くなりすぎたので分けました。
みなさまいつも遊びに来てくださって、本当にありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。
(完)