ギャンブル必勝法3。 | 九段下・渋谷・池袋・新宿・品川・上野・秋葉原★心療内科ゆうメンタルクリニック

ギャンブル必勝法3。


こんばんは。ゆうきゆうです。


「ゆうきゆうは実は今年で90才で、セクシーは老人ホームの中で書いている」
「ゆうきゆうは本当はハーフで、母親がドイツ人で、父親がパンダ」
「セクシー心理学は今回で終了で、次回から『お色気物理学』が始まります」


色々とエイプリルフールネタを考えたのに、この3つしか思いつかなかった今日このごろ、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

どれかお好みのをセルフサービスで信じていただければ幸いです。



今夜もメルマガ から、セクシー心理学の世界をお届けいたします。



メルマガ・セクシー心理学 がついに300号になりましたー!


健やかなるときも、病めるときも(僕の頭が)、
ここまで読んでくださった、あなた一人のおかげです!

本当にありがとうございますー!



また以前に「デスノート」について、このセクシー心理学で扱ったことがありました。

その中での予想は、ズバリ、ハズレたわけなんですけど。
その直後に、その言い訳と、新しい予想 をしました。


この予想の結果が次の月曜に出るようなので、ワクワクです。
勝つのはどちらなのか。


というわけで、カジノ編もクライマックス!
どうか300号を迎えたセクシー心理学を、今夜もゆっくりお楽しみくださいね。


今回は、かなり長くなってしまいました。
お時間あるときに、ゆっくりお読みください。



◆ 前回のあらすじ。


「人間の欲には際限がない。しかし元手には際限がある。」

その心理から導き出された、リオの考えた、逆を行くギャンブル必勝法。

それこそが「元手を大きくして、10%勝った瞬間にやめる」という単刀直輸入
なものだった…!

しかし二人の最初の賭け金は、あっという間にディーラーのもとに飲み込まれ
ていった。

果たして二人は勝つことができるのか!?




◆ 二人は、さらに。


リオ「………」

ユウ「………」

リオ「ま、こういうこともあるさ」


できれば、あってほしくなかったです。


ユウ「…あの、一瞬で5000円が飛んだんですけど」

リオ「俺なんか2万円が飛んだんだぞ?」


それは、先生がそれだけ賭けたからだと思います。


リオ「単純計算で、君の4倍のショックだぞ?」


いや、なんかそれは違うと思います。
僕はなんか、胃が少し痛いですもの。
先生、まったく痛そうに思えませんもの。


リオ「それに誰も、最初の1回で必ず勝てるなんて、言ってない。俺の提唱したのは、『+10%でやめる』というだけなんだ。あとは………」

ユウ「あとは?」

リオ「運を天に任せるしか、ない」


任せちゃうの、早すぎませんか。

そう思うまもなく、リオ先生は続けます。


リオ「バンカーに、200A$」


再び、2万円。


リオ「君は?」

ユウ「ぼ、僕は今回は、ちょっと見ています…」


ディーラーはカードを置き、めくりはじめます。

合計した数字は、プレイヤーが5。
バンカーが8でした。


「バンカー」


リオ先生の手元に、200A$が置かれ、合計400A$になりました。


リオ「………な?」

ユウ「………」


僕も賭けておけば良かった。


リオ「確率の女神は、どんな男にも公平なんだよ」


なんか、僕にだけ不公平なんですけど。


これで先生はプラマイ0。
僕はマイナス5000円です。


リオ「よし、次はプレイヤーに200A$」

ユウ「………あ、じゃ、じゃあ、僕も………」


ここからは、本当に一進一退でした。

勝つこともあれば、負けることもある。
実際にその通りで、僕とリオ先生の予算は、大きく上下しました。

連続して勝ったときは嬉しくなり、逆に連続して負けると悔しくなる。

とはいえ予算に比べて賭け金はそこまで大きくないので、手持ちの金が0になることはありません。

僕と先生は、黙々と賭けを続けていました。


しかし、です。

これ、恐ろしいです。

賭け続けているうちに、「5000円」というのが、たいした額には思えなくなってきます。
単なる一枚のチップとして、現実感がどんどん失われていきます。

中学のときに、持ってきたチョコを賭けてポーカーをしたことがありましたが、
それとまったく変わらない気分になってきました。


日本での生活で、120円のジュースにしようか150円の大きめのジュースにしようか、迷っている自分からは想像つきません。


リオ「今度はバンカーに200A$」


先生にとっては、おそらく20000円が、そんな価値になっていることでしょう。


そんなときです。


リオ「よしっ………」


先生の声に、チップを見ました。


リオ「これで目標達成だ」


先生の手元には、11000A$分のチップがありました。


リオ「プラス1000A$、10万円の儲けだ」



すごい。


リオ「………な? 本当に勝っただろう?」


確かに。
このときばかりは、本当に尊敬しました。


リオ「これで理論通り、今日はエンドだ」

ユウ「な、なるほど…」

リオ「ちなみに君の手持ちは?」

ユウ「…450A$です。50A$負けてます…」

リオ「そっかー…」

ユウ「………」

リオ「よし、今日は部屋に帰ろう」


なんで。


ユウ「あの、理論的にいうと、僕は550A$になるまで…」

リオ「直感的に言うと、俺は非常に眠い」


恐ろしく分かりやすい理由、ありがとうございます。


リオ「だから、帰ろう」

ユウ「………」


そして僕たちは、一日目の晩を終えました。


リオ「こうして勝ったまま眠るのは、最高の気分だな」


僕は、最悪の気分でした。




◆ 突然始まる、出会いがある?


次の晩。
VIPルームに行く前に、先生は普通のカジノに向かいました。


ユウ「せ、先生、そっちは…」


すると先生は周囲を見回して、ルーレットをしている、二人の日本人らしき女性を見つけるとに、瞬時に声を掛けました。


リオ「日本の方ですか?」


僕は、ここまで意味の分からない質問を知りません。

日本人だったら当然答えは「はい」ですし、日本人でなければ日本語が通じないわけですから、質問自体が意味をなしません。

しかし後から聞いたところ、先生に言わせると、


「イエスという言葉を引き出すことが、何より重要」


なのだそうです。

二人の女性は、リオ先生の微笑みにたいして、ややためらいがちに答えました。


「…あ、はい…」


すると先生は、すぐに言います。


「あ、偶然! 俺も日本からなんですよ!」


何をもって「偶然」なのか、ぜんぜん分かりません。
ていうか日本語ペラペラな人が、日本以外出身だとしたら、それはそれで不思議だと思います。

あまりにも当たり前なやりとりから開始された会話。

気がつくと先生は、二人にこう言っていました。


リオ「今からVIPルームに行くんだけど、一緒に行ってみない?」

女性「えー! 面白そうー!」


数分後。
VIPルームには、二人の女性に囲まれた、リオ先生がいました。

どう考えても、僕は単なる人数合わせです。
たぶん、ここにいるのがイヌでもコアラでもアフリカツノガエルでも構いません。


女性「えっ! 200A$も賭けるの!?」

リオ「あぁ」

女性「すごい…」

リオ「君は、プレイヤーとバンカー、どっちが来ると思う?」

女性「そうねー。プレイヤー?」

リオ「よし! じゃあ、プレイヤーに賭けよう」

女性「えええっ!? いいの!?」

リオ「君の判断を信じたいんだ」

女性「え…」


何ですか、この場所は。
先生必殺の、甘いフレーズが飛び出します。

すると先生は、僕の方を見ながら、フフンと笑いました。

確かに先生にとってみれば、とにかく「賭ける」ことこそが必勝法であり、どちらに賭けようが、たいした違いはありません。

だったら、女性に判断させ、それに乗ることで、「同じ船に乗っている」と巻き込んでいくことが、何より有効な方法かもしれません。


リオ「あ、ハズレたか…」

女性「ご、ごめんなさい…」

リオ「いいよ。君の判断なら、俺も受け入れる」

女性「え………」


えー。

僕がそう思うまもなく、先生はさらに賭け続けます。


リオ「当たった!」

女性「キャー! やったね!」

リオ「君のおかげだよ!」

女性「そ、そんな…」


なんていうか、少し前のトレンヂー・ドラマみたいな感じでした。

とはいえ、「喜びと悲しみを一緒に共感しあう」こと。
確かに恋愛において、それは何より重要なファクターです。


女性「あ、私たち、そろそろツアーデスクに電話しないといけないんだけど…」

リオ「あ、そうか…。良かったら、連絡先、聞いていいかな?」

女性「うん! いいよ」


先生は、二人のアドレスをゲットし、VIPルームから彼女たちを見送ると、静かに言いました。


リオ「正義は、勝つ」


それは、正義なんですか。


リオ「このギャンブル必勝法は、こういう出会いにも使える」

ユウ「………先生、今ので、手持ちは…?」

リオ「10600A$か…。昨日より少し減ってるな」

差し引き400A$で、40000円です。
今のナンパの経費だとしたら、ちょっと高いような気がしました。


リオ「ま、夜は長いんだ。賭け続けよう」

ユウ「は、はい…」


そして同じように、リオ先生は、同額のお金を賭け続けました。
僕は、あいかわらず、50A$を賭けます。


僕のお金は、450⇒400⇒450………と、低いレベルを揺れ動いていました。
頭の中に「ネバー・エンディング・ストーリー」の音楽が流れてきました。

しかし、それから1時間後。
ついに、僕の手持ちは、500A$にまで戻りました。

ユウ「バ、バンカーに50A$…」


そして、です。


「バンカー」


僕のお金は、550A$になったのです。


ユウ「せ、先生! 僕、やりましたよ! 目標達成です!」

リオ「………お、おお。そうか」


まるで興味ありませんね。

550A$。
+5000円です!

僕はついに、やったのです!

昨日から今まで、総ギャンブル時間、あわせて6時間!

6時間で5000円!

1時間で、約800円!



………。

マクドナルド?


なんか、そんな時給を思い出しました。
それにそもそも、最初の1回で勝っていたら、結局は今と同じです。

でも、そう考えると、空しさが襲うだけです。
僕はとにかく、今の喜びをかみしめようとしました。


そのときです。


リオ「………よしっ!」

リオ先生のチップは、12000A$になっていました。

リオ「これでプラス20万円! 旅行費差し引いて、プラス10万円だ!」

ユウ「…おおっ!」

リオ「これでナースのモモコちゃんにつぎ込んだ金は取り戻した!」

ユウ「やりましたね!」

リオ「………」

ユウ「………」

リオ「リカコちゃんにつぎ込んだ金も、取り戻したい」


いったい何人いるんですか。
僕は心からそう思いました。



◆ すべての、果てに。


そして、帰りの飛行機。
最終的に先生の手持ちは、11500A$で朝を迎えました。


リオ「結局15万円の儲け…。旅行費抜いて、5万円の儲けか…」

ユウ「………」

リオ「あのとき、確かにやめておけば良かったな…」

ユウ「………」

リオ「5万円って、君の予算と同じだよな?」

ユウ「はい」

リオ「それって最初から、成田で君からお金を奪えば同じだったということか?」


何ですか、その発想は。


すると先生は、言いました。


リオ「最後に、君に言っておく」

ユウ「………」

リオ「ギャンブルをするヤツは、バカだ」


僕たち、バカですか。
まさに驚天動地。すべてをひっくり返す発言でした。


リオ「どんな必勝法だって、必ず、リスクはある。ずっと負け続ける可能性だって0じゃない」

ユウ「………」

リオ「本当に頭のいい人間なら、あえてリスクを犯してまで、ギャンブルなんて、しないもんだよ」

ユウ「………」

リオ「でも、『リスクのない人生』なんて存在しない。歩いただけで交通事故になることもある。
電車に乗るだけで、脱線事故に巻き込まれることだってある。
人は生きてる限り、自分の命という予算を元手にして、賭けを続けているんだ」

ユウ「………」

リオ「その賭けで、どんな行動が正しく、最大の利益を上げるのかなんて、本当は誰にも分からない」

ユウ「………」

リオ「だったら、それぞれが、自分の信じた『法則』に従って賭け続けることが、何よりも重要なんだよ」


そう言われると、不思議な説得力がありました。




◆ 後日談。


僕たちが、日本に帰着した、次の日。
あの先生が、にこやかに僕たちに言いました。


マヤ「ケアンズ行ってきたんでしょう? どうだった?」

ユウ「………」

リオ「………」

マヤ「うん、おごってね」


表情から、すべての事情を見抜いたマヤ先生。
僕とリオ先生には、反論することはできませんでした。


マヤ「私、お寿司がいい!」

リオ「………」

ユウ「………」

マヤ「あ、松阪牛も捨てがたいなぁ。いやいや、ロブスターも…」


僕たちは、最大のテラ銭を、忘れていました。


カジノで儲かるのは、やはり胴元。
ギャンブルをするなら、胴元になるか、もしくは別のところに喜びを見出すしかない。

そのことに気がついた、春の日の僕たちでした。


(完)


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◆ 今回のまとめ
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○ あえて「イエス」を引き出すことが、恋愛の近道。

○ 喜怒哀楽を共にするのは、恋愛のさらなる近道。

○ とにかく自分の信じた「法則」を進むことが大切。


ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。


(完)


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