「みそ・しょうゆ 始祖」 法燈円明国師(ほっとうえんみょうこくし)の本見つけました。
中瀬賢次 著より 抜粋
本書の主人公「覚心」のちの法燈円明国師
味噌・醤油を扱う生産者・販売者を問わず、消費者の皆様にも知って頂きたい。
味噌・醤油は、いつの時代に誰がわれわれ庶民に普及せしめたか?
日本人なら郷愁感ずるであろう味噌汁の元祖は、醤油の元祖は、誰であったか。
少ない古文献から、始祖として『法燈円明国師』の確信をもった。
法燈国師の生い立ちと事跡などは、
故、文学博士今津洪嶽老師(僧籍・真宗大谷派権僧正・天台宗大阿闍梨・臨済宗一等教師)の考証ご指導によるものである。
博士は、禅宗寺院として法燈国師を開山する正覚山妙光寺の第七十一世の住職である。
「世をすてて山に入るともみそ・しょうゆ・酒の通い路なくてかなわじ」
蜀山人(太田南畝・四方赤良)郷愁を詠んだ宝暦から寛政にかけての狂歌で、
今から三百年も前から日本人は味噌・醤油・酒をはなれては、一日も生活し得られない民族であることを物語っている。
日本料理は中国料理と並んで東洋料理の花として、世界の三大料理のひとつとされるまでになり、
西洋料理・中国料理に対し、日本料理は魚肉と野菜を主材料として、調理の妙味により味を発揮させる特色を有し、
五感のうち視覚からくる味を生命としている。料理方法に独自性を持っている。
この独自性は、味噌と醤油、とくに味噌に類する醤(ひしお)から醤油を作ることを教えてくれたわれわれの祖先の叡智と努力、苦心に対して感謝しなければならないと思う。
味噌と醤油は日本料理を最も特色づける主な調味料で、奈良朝時代から歴史的発達の上に、自然に完成されたものであるが、
その製法は鎌倉時代の1254年に入宋(中国)求法した一禅僧によって、南支の禅宗寺院から製法を伝承したものである。
(湯浅醤油と金山寺味噌の歴史0)みそ・しょうゆ 始祖 法燈円明国師
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