さすらい署長 風間昭平17 とやま庄川峡殺人事件(2024年)
全国各地の警察署を渡り歩きワンポイントリリーフの警察署長を務めている風間昭平(北大路欣也)。新たな赴任先・西富山署の周辺でしばらく観光を満喫していたが、庄川峡に佇む一軒宿・大牧温泉に向かうと、水面に人が浮かんでいるとの騒ぎが。発見された遺体は東条絵里(桜木梨奈)。どこかで殺害されたのち庄川に遺棄されたようだが、現場に駆け付けた刑事や旅館の大女将・上宮千代子(名取裕子)に妙な緊張感が漂う。実は、絵里は3年前、管轄内の神社で刺殺された大貫正弘(相島一之)の第一発見者であり、遭遇した犯人と思われる男性が千代子の夫で彫刻師の正樹(高橋和也)だと証言した人物だったのだ。だが正樹は取調べ中に帰らぬ人に…。疑いの目は千代子に向けられるが、断定は時期尚早だと訴える風間。実は2人が顔見知りだと知り不信感を露わにする刑事課長・葛城(渡辺大)に、風間は千代子の身に起きた20年前の悲劇を打ち明ける――。①クラブホステス 東条絵里②元刑事 浅見小四郎⓪詐欺師 相島一之(3年前に刺殺)3年前の殺人事件被害者は東京在住の相島一之。イベンターと名乗っていたのは真っ赤なウソで彫刻組合を相手に詐欺を働いていた詐欺師。被疑者は彫刻師 高橋和也で二人は組合と相島とのトラブルでもめていた。ホステスの絵里は事件現場から、店のお客 高橋が飛び出してきたと証言。高橋は事件当夜は工房で仕事をしていたと主張するも、心筋梗塞を起こし取り調べ中に死亡してしまう。絵里の働くスナックのロッカーには「アカイネコ」とのメモ。彼女の死亡推定時刻は18時~深夜。直前の午後17時に彼女は古居町にいたことが判明する。真っ先に疑われる名取裕子は当日、大牧温泉にいた。大牧温泉からの船の最終は午後16時。絵里の死亡推定時刻に彼女が大牧温泉の外にでることは不可能。名取は20年前にあった幼女誘拐殺人事件の被害者遺族。誘拐されたのは夫妻の娘 鈴美で死因は低体温。犯人は身代金を奪った後、山奥に8歳の女の子を放置したのだった。3年前、相島が行った詐欺彼は彫刻組合に「パリで展示会をしましょう」と持ち掛け、組合員200人から協賛金を集めた。ところが、組合長の元に男性の匿名の電話が入る。「相島は協賛金4000万円と作品をもってトンズラする」と。翌日、話を聞きに行くと相島は「協賛金は既にパリの展示場に渡してるし、やめるなら莫大な違約金が発生する」と金は返せないと主張。その場で高橋が相島の胸ぐらを掴む騒ぎがあり、翌日に相島は殺されたのだった。②元刑事 浅見が①絵里と同じ凶器で刺殺された。彼は3年前の事件で高橋を任意同行した人物。大牧温泉には緊急用に小型ボートがあった。ボートを使えば名取が絵里を殺害することも可能。刑事 渡辺大は名取を任意同行で引っ張るというといい、「捜査は慎重に行うべきだ」と主張する所長と対立。渡辺は署長には20年前の事件の負い目があると指摘し、署長は自分自身を謹慎処分とする。絵里のロッカーが荒らされ、メモ書きが盗まれた。彼女が貢いでいたホストが犯人。ホストによると絵里は3年前の証言は偽証だった。犯人を見たのは本当だったが、好意を持っていた高橋に振られた彼女は腹いせに高橋を犯人にでっち上げたのだった。ホスト曰く、絵里は偶然、相島殺害の真犯人を偶然みつけ、揺すろうとしていたと。絵里が殺害される前日、彼女と②元刑事が会っていたことが判明し、元刑事の自宅から赤い猫の置物が見つかる。置物の中には彼女のメモ書き。「4月11日 古居町で相島を殺した真犯人に会う」そこには真犯人の名が…建設社長 長谷川朝晴逆玉の入り婿である長谷川は3年前に相島と再会。二人は過去、一緒に悪さをしており、長谷川は相島に1億揺すられる。殺すしかない…。地元の人たちが詐欺にあうのも忍びないと組合長に匿名の電話をしたのも彼だった。そして、①絵里と②元刑事を殺したのは美術商田中健。彼は長谷川が絵里に口止め料を払う場に現れ、いきなり絵里を刺殺し、「絵里に会わなかったか?」と長谷川に詰め寄る元刑事も同じく。長谷川が相島殺しでつかまれば、自分にも捜査の手が及ぶと危惧しての犯行。田中と長谷川、相島は20年前の名取の娘の誘拐殺人事件の犯人グループだった。相島達に命じられて、真冬の山に娘を置き去りにしたのは長谷川。うーん、豪華メンバーなんだけど、お話はなんだかね。20年前と3年前の事件に関連がないのに、関係するメンバーが同じとか、無理ある。田中健の存在、必要か?なんで富山をうろうろしてるの?決まりの流れを成立させるためとは言え、署長が自ら謹慎する意味も分からん。長谷川朝晴の顔の巨大化と渡辺大の老け具合に歳月を感じるね。しかし、サスペンス新作が出ることに感謝。北大路欣也 渡辺大 高橋和也 長谷川朝晴 相島一之 大石吾朗 梅宮万紗子 田中健 石倉三郎 金田明夫 名取裕子