1972年8月の初来日を果したディープ・パープルは,この来日公演からライブ・アルバム 『 Live In Japan (ライブ・イン・ジャパン) 』 を,同年の12月に日本限定でリリース,その後にオフィシャルとして 『 Made in Japan (メイド・イン・ジャパン) 』 をワールド・ワイドでリリースします.

 この 『 Made in Japan (メイド・イン・ジャパン) 』 は,プラチナ・ディスクを獲得,シングルカットされた "Smoke On The Water" は,アメリカでも大ヒットし,バンドがアメリカでブレイクするきっかけとなった 1枚となりました.

 その後 『 Who Do We Think We Are (紫の肖像) 』 のレコーディングを行いますが,難航を極め,これを境に,メンバー間が不仲に,また過酷なツアー・スケジュールに対する不満や,ツアーの連続に伴う肉体的疲労がピークとなり,もはや修復が不能な状況に陥ります.

 本商品は,初来日から 6ヵ月後,アルバム 『 Who Do We Think We Are (紫の肖像) 』 のリリースに伴って 1973年1月16日ドイツはベルリンのスポーツパラスト公演を皮切りに,3月20日ベルギーはブリュッセルのフォレスト・ナショナル公演まで行われた欧州・英国ツアーから,ツアー終盤に当たる 3月11日イタリアはジェノヴァのパラスポーツ公演のオーディエンス録音を収録し Darker Than Blueレーベルよりリリースされた 『 Definitive Genova 1973 (Darker Than Blue 319) 』 で,Graf Zeppelinレーベルによる緻密なマスタリングが施されているようです.

 因みに,既発では 2010年5月に Shadesレーベルからリリースされた 『 Genova 1973 (Shades 223) 』 がありますが,本商品の元になっているオーディエンス録音は,既発よりロー・ジェネレーション(世代が若い)を使用しており,既発のアップグレード盤の扱いとなります.

 元々,音像は然程遠目ではないものの,若干歪み感や籠った感のあるオーディエンス録音と言えますし,各パートの出音のバランスも余り良いとは言えませんので,リマスターしても驚くほどの変化は感じられませんが,演奏内容含め,充分楽しめる内容です.

 メーカー情報では
 『黄金時代の終焉に向かってひた走っていた1973年のDEEP PURPLE。その定番音源の最長・最高峰盤が誕生。若ジェネ・マスターを「GRAF ZEPPELIN」の細密マスタリングで磨き上げたプレス2CDが登場です。
 そんな本作に刻まれているのは「1973年3月11日ジェノヴァ公演」。その傑作オーディエンス録音です。1973年と言えば、第II期から第III期へと転換した歴史的ターニング・ポイント。

 まずは活動全景を俯瞰してショウのポジションを確かめてみましょう。

 《1月13日『紫の肖像』リリース》
 ・1月16日ー3月20日:欧州(36公演)←★ココ★
 ・4月12日ー6月19日:北米(42公演)
 ・6月23日ー29日:日本(6公演:第II期崩壊)
 《9月:第III期始動 → 11月『紫の炎』完成》
 ・12月9日ー17日:欧州#3(5公演)

 これが1973年のDEEP PURPLE。

 『紫の肖像』の発売で幕を開け、上半期は第II期メンバーでワールド・ツアー(欧州/北米/日本)。下半期は第III期で『紫の炎』を創り上げ、ライヴはお披露目的な「欧州#3」だけでした。そんな中で本作のジェノヴァ公演は、終わりの始まりにあたる「欧州」レッグ。その30公演目にあたるコンサートでした。パープル史にとって重要な時期でもあり、当店ではこの「欧州」レッグも数々の名作でアーカイヴしてきました。良い機会でもありますので、ここでそのコレクションも整理しておきましょう。

 ●欧州レッグの詳細
 ・1月16日『BERLIN 1973』
 ・1月17日ー20日(3公演)
 ・1月21日『MUNICH 1973』
 ・1月23日『MUNSTER MASTER』
 ・1月24日ー2月10日(10公演)
 ・2月16日『RAINBOW 1973』
 ・2月19日+20日(2公演)
 ・2月21日『BIRMINGHAM 1973 MASTER』
 ・2月23日ー3月10日(8公演)
 ・3月11日:ジェノヴァ公演 ←★本作★
 ・3月14日ー19日(5公演)
 ・3月20日『BRUSSELS 1973』 

 ……と、このようになっています。

 上記はあくまで現行のプレス名盤だけで、全記録というわけではありません。7作のライヴアルバムがひしめく中で本作は最終日『BRUSSELS 1973(Darker Than Blue 256)』に次ぐ後期の記録。言わば「終わりの始まりの終わり」とでも言えるタイミングでした。
 そんなショウを真空パックした本作は以前から名録音が残された事でも知られ、当店でもShadesレーベルの『GENOVA 1973』が定番として愛されてきました。本作もその定番音源ながら、最長・最高峰を更新する決定盤。Shades盤よりもジェネが若い元マスターの発掘を「GRAF ZEPPELIN」が細密マスタリングしたものです。まず「最長の更新」ですが、これはテープ・チェンジによるカット補填。従来既発ではドラムソロの合間に約50秒のカットがありましたが、本作では別音源でパッチ。シームレスに楽しめる史上初のライヴアルバムとなりました。

 そして、それ以上に重要なのが「最高峰サウンドの更新」。実際、本作から流れ出るのはShades盤とは別次元。もちろん、録音自体は同じですのでややワイルドな感触までは変わりませんが、その鮮度は明らかに瑞々しく、グッと若々しくなっているのです。実のところ、Shades盤『GENOVA 1973』も1stジェネとして公開されていたのですが、ということは今回のマスターが大元トランスファーなのか、もしくは別系統でより高精度にコピーされ、保存状態も良かったと言うことなのか……。
 ともあれ、マスタリングでは生み出せない若々しい鳴りが素晴らしい。すべての楽器の1音1音がはっきりクッキリと生まれ変わっており、楽器同士も混じり合わずに見事にセパレート。まるで録音ポジションそのものが数メートル前になったようにダイレクト感が増しているのです。もう全部が違うのですが、一番分かりやすいのはベースでしょうか。既発を体験された方なら、個性的な「ビンビン!」というアタック音をご記憶と思いますが、これがアタックだけではなくなっている。さらに鳴りが豊かに鳴ることで「ビン」のすぐ後に「ゴリッ」とした感触が残り、それが連なることで得も言われぬグルーヴ感を醸している。しかも、その輪郭が異様にクッキリしているため、ギターやキーボードが同時に鳴っても混ざらない。特に「Smoke On The Water」は絶対必聴。ベースはあくまで一例ではあるのですが、この曲に限っては完全にオルガン/ギターとタメを張る超個性ベースが炸裂するベース・ソングとなっているのです。

 そんなベスト・マスターをさらに「GRAF ZEPPELIN」が磨き込んでいる。本稿に目を留められた方ならご存知と思いますが、「GRAF ZEPPELIN」の手法は「ナチュラル系復刻主義」とでも呼べそうなもの。
派手な作り込みや無闇な音圧稼ぎなどはせず、絵画・文化財の補修の如く「元の音」を復元していく。ピッチ補正・位相修正・帯域分析・バランス調整・ノイズ処理……その1つひとつがすべて「復元」の視点で貫かれ、ライヴ現場そのものを可能な限り再現しているのです。
 今回の場合は、ヒスの軽減が著しい。新マスター自体、従来盤よりもヒスが少なかったりもしたのですが、さらに綺麗に処理。もちろん、演奏音に影響の出ない寸止めでもあり、ナチュラルでありつつ、より滑らかで、艶やかな演奏音を実現しているのです。

 日本では聴けなかった「Mary Long」も美味しいフルショウを現場体験できる秘宝録音、その最長・最高峰更新盤です。ピークを過ぎていたとは言え、そこは「70年代の第II期」。貴重度も迫力も、他のどの時代とも別次元ですし『MADE IN JAPAN』とは違ったとしても、当代最強のハードロックバンドには違いないのです。若ジェネ・マスター&細密マスタリングで生み出された史上最高の1枚。どうぞ、永久保存プレスCDで存分にお楽しみください。

 ★「1973年3月11日ジェノヴァ公演」の傑作オーディエンス録音。Shadesレーベルの既発よりも若ジェネの新マスターを「GRAF ZEPPELIN」が細密マスタリング。
 最長・最高峰を更新する決定盤です。鮮度は明らかに瑞々しく、すべての楽器の1音1音がはっきりクッキリと生まれ変わっており、楽器同士も混じり合わずに見事にセパレート。まるで録音ポジションそのものが数メートル前になったようにダイレクト感が増しています。日本では聴けなかった「Mary Long」も美味しいフルショウを現場体験できる秘宝アルハムです。

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REMASTERED BY GRAF ZEPPELIN
(リマスター・メモ)

 ★Shades盤とは枝葉違いのロージェネマスターを使用しこの時点でも既発を上回る音質。
 ★ヒスのざらつきが減り、鮮度が断然アップ。
 ★カット部(ドラムソロ)を近年登場した別ソースで補填し、史上初の完全収録を実現!
---------------------------------------』

Definitive Genova 1973 (Darker Than Blue 319)
 
 Live At Palasport, Genova, Italy
 11th March 1973
 [UPGRADE]

   01. Introduction
   02. Highway Star
   03. Smoke On The Water
   04. Strange Kind Of Woman
   05. Mary Long
   06. Keyboard Solo
   07. Lazy
   08. Drum Solo
   09. The Mule
   10. Space Truckin'
   11. Black Night
   TOTAL TIME (77:36)

 Ian Gillan : Vocal
 Ritchie Blackmore : Guitar
 Roger Glover : Bass
 Jon Lord : Keyboards
 Ian Paice : Drums

 Smoke On The Water
 
 Mary Long
 
 Space Truckin'
 

[参考]
 詳細情報(メーカー情報より)
   08. Drum Solo
       ⇒ ★1:50-2:41別ソースで補填
 
 Genova 1973 (Shades 223)
 

[参考]
1973 Tour Dates
 January
  16 Sportpalast, Berlin, GERMANY
  17 Ernst Merck Halle, Hamburg, GERMANY
  19 Messehalle, Nurnburg, GERMANY
  20 Festhalle, Frankfurt, GERMANY
  21 Olympiahalle, Munich, GERMANY
  23 Munsterlandhalle, Munster, GERMANY
  24 Grugahalle, Essen, GERMANY
  26 Ortenauhalle, Offenburg, GERMANY
  27 Sporthalle, Cologne, GERMANY
  28 Rai, Amsterdam, HOLLAND

 Feburaly
  03 Vejlby-Risskov Hallen, Aarhus, DENMARK
  04 Scandinavium, Gothenburg, SWEDEN
  05 Konserthus, Stockholm, SWEDEN
  08 Fyns Forum, Odense, DENMARK
  10 KB Hallen, Copenhagen, DENMARK
  16 Rainbow Theatre, London, UK
  18 Rainbow Theatre, London, UK
  19 Free Trade Hall, Manchester, UK
  20 City Hall, Sheffield, UK
  21 Town Hall, Birmingham, UK
  23 Guildhall, Portsmouth, UK
  24 Winter Gardens, Bournemouth, UK
  25 Theatre, Coventry, UK
  27 City Hall, Newcastle, UK
  28 Stadium, Liverpool, UK

 March
  05 Venue unknown, Bologna, ITALY
  06 Palasport, Napoli, ITALY
  10 Palasport, Rome, ITALY
  11 Palasport, Genova, ITALY
  14 Stadthalle, Vienna, AUSTRIA
  16 Palais Des Sports, Lyon, FRANCE
  17 Palais Des Sports, St Ouen, FRANCE
  18 Hallenstadion, Zurich, AUSTRIA
  19 Venue unknown, Linz, SWITZERLAND
  20 Vorst Nationaal, Brussels, BELGIUM

 April
  12 Selland Arena, Fresno, CA, USA
  13 Swing Auditorium, San Bernardino, CA, USA
  14 Sports Arena, San Diego, CA, USA
  15 Long Beach Arena, Los Angeles, CA, USA
  17 Salt Palace, Salt Lake City, UT, USA
  18 The Corale, Calgary, CANADA
  20 Gardens, Edmonton, CANADA
  22 PNE Agrodome, Vancouver, CANADA
  23 Fairgrounds, Boise, ID, USA
  25 Civic Plaza, Phoenix, AZ, USA
  26 Convention Center, Tucson, AZ, USA
  27 Convention Center, Las Vegas, Nevada-Cancelled, USA
  28 Alameda County Coliseum, Oakland-Cancelled, USA
  29 Ellis Auditorium-Unconfirmed, Memphis, TN, USA
  30 Coliseum, El Paso, TX, USA

 May
  01 Civic Center, Albuqurque, NM, USA
  02 Coliseum, Denver, Co, USA
  03 Coliseum, Denver, CO, USA
  04 Pershing Municipal Auditorium,Lincoln, NE, USA
  05 Henry Levitt Arena, Wichita, KS, USA
  06 University of Missouri, Columbia, MO, USA
  07 Venue Unknown, Kankakee,IL, USA
  08 Duluth Arena, Minneapolis, MN, USA
  09 Venue unknown, Madison, WI, USA
  23 Civic Center, Providence, RI, USA
  24 Boston Music Hall, Boston, MA, USA
  25 Civic Center, Baltimore, MD, USA
  26 Felt Forum, New York, NY, USA
  27 Felt Forum, New York, NY, USA
  29 Hofstra University, New York, NY, USA
  30 Felt Forum, New York, NY, USA
  31 Civic Arena, Pittsburgh, PA, USA

 June
  01 Veterans Coliseum, New Haven, CT, USA
  03 Allentown Fairgrounds, Allentown, PA, USA
  05 Amphitheater, Chicago, IL, USA
  06 Amphitheater, Chicago, IL, USA
  07 Cloverleaf Speedway, Cleveland, OH, USA
  08 Roberts Municipal Stadium, Evansville, OH, USA
  10 Kilwaukee Arena, Milwaukee, WI, USA
  11 Cobo Arena, Detroit, MI, USA
  15 Venue unknown, Jacksonville, FL, USA
  16 Tampa, Tampa, FL, USA
  17 International Raceway, West Palm Beach, FL, USA
  18 The Omni, Atlanta, GA, USA
  19 Venue unknown, Honolulu, HI, USA
  23 Shiei Taikukan Hall, Hiroshima, JAPAN
  24 Shikokaido Hall, Nagoya, JAPAN
  25 Budokan, Tokyo, JAPAN
  27 Koseinenkin Hall, Osaka, JAPAN
  29 Koseinenkin Hall, Osaka, JAPAN





















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#2022-10-04