1973年6月のディープ・パープル 2度目の来日公演から,武道館でアンコールに応えなかった関係で,暴動が起こる前日,つまり 2公演目に当たる 6月24日の名古屋市公会堂公演をオーディエンス録音で収録したもので,ギフト・アイテムとして,9月下旬に配布されていたものです.

 既発では,古くは TNT Studioレーベルから 『 The Story Of A Loser (It Could Be You) (TNT-940143/4) 』 や,Darker Than Blueレーベルから 『 Live In NAGOYA (Darker Than Blue 148) 』 がリリースされており,また最近になって Empress Valley Supreme Disc からも 『 Live In Japan Nagoya 1973 (EVSD-596) 』 としてリリースされています.
 ちなみに 『 Live In Japan Nagoya 1973 (EVSD-596) 』 に使用されている音源は,『 The Story Of A Loser (It Could Be You) (TNT-940143/4) 』 の音源ではあるものの,粗,マスターと思われる音源なので,音のクリアさが違います.

 今回も同音源なのですが,トリートメントの関係かも知れませんが,Empress Valley Supreme Discレーベルのものに比較して,若干篭っている印象があります.
 また Empress Valley Supreme Discレーベルから同一系統の音源が商品としてリリースされている関係で,商品では無く,ギフト・アイテムとして配布に至ったのでしょう.

 "Black Night" では,少し音像が不安定になる箇所があるものの,録音された年代を考えれば,充分高音質な音源であり楽しめますが,Empress Valley Supreme Discレーベルのものを所有している方は不要です.
 
 メーカー情報では
 『“栄光の第2期”の終焉となり、日本武道館の暴動でも記憶に残る1973年2度目の来日公演。その2日目、DEEP PURPLE初の名古屋公演のオーディエンス・アルバムがギフト・リリース決定です。
 リッチー・ブラックモアやDEEP PURPLEの全キャリアをフォローしてきた当店では、この1973年ツアーも数多くのタイトルをご紹介してきました。ここでカンタンに整理してみましょう。

   ・6月23日:広島市公会堂  『LIVE IN HIROSHIMA』  
   ・6月24日:名古屋市公会堂 【本作】&『LIVE IN NAGOYA』
   ・6月25日:日本武道館   『BUDOKAN 1973』
   ・6月26日:日本武道館(中止)
   ・6月27日:大阪厚生年金会館『OSAKA 1973 1ST NIGHT』
   ・6月29日:大阪厚生年金会館『"THE END"』

 このように、当店では全日程のライヴアルバムをご紹介しています。
 その中で、本作は「1973年6月24日:名古屋市公会堂」のオーディエンス・アルバムです。
 上記のように、この日はプレスCD『LIVE IN NAGOYA(Darker Than Blue 148)』もリリースしておりますが、本作はそれとは別録音。古くから『THE STORY OF LOSER』等の既発タイトルで知られる名録音です。
 そんな伝統録音である本作は、素晴らしいヴィンテージ・サウンド。なによりも素晴らしいのは、骨太の楽音。『THE STORY OF LOSER』はヒスノイズが厳しいサウンドでしたが、本作はサッと晴れて楽音自体がそそり立つ。その間近感は圧倒的で、初名古屋の熱狂も真空パックしながら、各楽器のディテールも鮮やかにすべてを制圧しきる。全体的には「まるでサウンドボード」と呼ぶタイプではないものの、こと楽音の近さ、骨太感はライン録音にも匹敵する。時代によってサウンドが変わるリッチー・ブラックモアですが、1973年サウンドの美しさがはっきりと伝わります。
 『THE STORY OF LOSER』の他にも派手なイコライジングで歪みまくったCDもありましたが、今回入手されたマスターは、ずっとナチュラル。さすがにプレス2CDの名盤『LIVE IN NAGOYA』には及ばず、高音がやや歪んではいますが、元録音の素晴らしさは十分に感じられるライヴアルバムなのです。

 そのクオリティで描かれる初の名古屋公演がまた何ともヴィンテージ。初来日とはまるで違うテンションですが、終焉に向けてカウントダウン状態になったバンドは1曲1曲を噛みしめるよう。
 イアン・ギランは「Highway Star」で歌に詰まって一瞬ヴォーカルレスになるなど、やや苦しそうなところもあるものの、そのパワフルな歌声は再結成毎は別人のよう。一方のリッチーはなかなか好調で、「Smoke On The Water」ではイントロもソロも歌心たっぷり。
 「Strange Kind Of Woman」冒頭ではイアン・ペイスと絡んで小気味良いプレイを聴かせ、中盤でも流れるようなソロを披露する。ギランとの掛け合いはやや短めですが、ここではギランのシャウトも強烈です。
 さらに奮闘著しいのがジョン・ロード。ライヴのハイライト「Child In Time」ではリッチー&ペイスと絡み、中間部では気高さすら覚える音色を轟かせる。
 「Lazy」でも荘厳な導入から、軽快でノリのよくかっ飛ばす。リッチーも負けじと切れ味あるフレーズで応戦。
 そして20分に及ぶ「Space Truckin’」……やはり、この2人こそがDEEP PURPLEの核なのだと今さらながら思い知る演奏ぶりが次から次へと繰り出されます。

 彼らに栄光をもたらした『MADE IN JAPAN』の地に再び戻ってきたDEEP PURPLE。終幕へのカウントダウンでありながら、それでも確実に輝いていた初の名古屋公演を記録したライヴアルバムです。ややマニアックな1本ではありますが、これもまた貴重な“Mark II in Japan”。今週末、あなたのお手元へお届けいたします。』

NAGOYA 1973(Gift CDR)
 
 Live At Nagoya-shi Kokaido,Nagoya,JAPAN 24th June 1973

  1. Intro.
  2. Highway Star
  3. Smoke On The Water
  4. Strange Kind Of Woman
  5. Child In Time
  6. Lazy 7. Drum Solo
  8. The Mule
  9. Space Truckin'
  10. Black Night
  TOTAL TIME (75:43)

 Ritchie Blackmore : Guitar
 Ian Gillan : Vocal
 Roger Glover : Bass
 Jon Lord : Keyboards
 Ian Paice : Drums

 Highway Star 
 
 Child In Time 
 
 Black Night 
 

[参考]
 The Story Of A Loser (It Could Be You) (TNT-940143/4)
 
 Live In NAGOYA (Darker Than Blue 148)
 
 Live In Japan Nagoya 1973 (EVSD-596)
 Deep Purple - Live In Japan Nagoya 1973

Deep Purple 1973 Japan Tour Dates
 June
  23 Hiroshima-shi Kokaido, Hiroshima, JAPAN
  24 Nagoya-Shi Kokaido, Aichi, JAPAN
  25 Budoukan Hall, Tokyo, JAPAN
  26 Budoukan Hall, Tokyo, JAPAN (Cancelled)
  27 Kouseinenkin Hall, Osaka, JAPAN
  29 Kouseinenkin Hall, Osaka, JAPAN

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