第二期パープルの 2度目の1973年来日ツアーで且つファイナルツアーから,初日である 6月23日の広島市公会堂の演奏を収録したものです.1972年の初来日ツアーでは大阪2日,東京1日であった公演ですが,翌1973年の2度目の来日ツアーでは,広島,名古屋,東京2日,大阪2日と倍の公演をこなしています.両ツアーとも名演奏を繰り広げ,数々の音源からブートが出ています.
 広島公演は既発で TNT Studioからの「The Saturation Point (TNT-940164/165)」や「The Beginning Of The Last (Xpang)」が,2009年秋頃にリリースされています.当時のオーディエンス録音としては年代を考えると悪い方ではありませんでしたが,"Highway Star"等において若干アンバランスな録音状態でした.今回のものは,世代の若いテープを使用しているものと思われ,聴きやすくなっています.

"Strange Kind Of Woman" の0分37秒~39秒にはマスターに起因するドロップアウトがあります.またリッチーのギターソロの中盤の4分6秒にテーパーが誤ってマイクを塞いだのか,音が篭ってしまいますが,ギランとの掛け合いが始まるところまでには元のレベルに戻ります.続いて何故かファイナルツアーを意識したのか,欧米で演奏されていた "Mary Long" に代わって "Child In Time" ですが, ギランは思い出を込めてじっくり歌い上げており曲自体もコンパクトにまとまっています. "Child In Time" の後に,テープカットがあり,続く "Lazy" ですが,メインテーマに入る前のロードのインプロビゼーションの中で遊びで,ナイスの "America" のフレーズ(メーカー情報では "Rondo" と記載されていますが,"Rondo" の中でも用いられる "America" のフレーズ)をプレイし,観客からは "エマーソン!" の野次が飛びます.(笑)
 "Space Truckin" は非常にスリルのある演奏が繰り広げられます.そして本来ならば,ギタークラッシュになるあたりの17分59秒~18分18秒ではアップテンポの "Greensleeves" を,また18分37秒~ "Hush" のコーラス部ににたフレーズも飛び出します.

 別ソースの方も多少低音が強めですが,相応の高音質で "Highway Star" 前のチューニングから収録されており,また別の雰囲気で楽しむことができます.


 メーカー情報では
 『~~ライヴの様子を全編収録した優良ソースの上位マスターに加え、今回新たに発掘された新登場オーディエンス録音で、全てのファンに広島公演の様子をたっぷりと満喫させます!
  ~~~~~
 ディスク1とディスク2の前半に収録された"Source #1"は、ライヴを冒頭からアンコールまでの全編を約80分にわたり楽しめます。同日の全長版は過去にも「THE SATURATION POINT」や「THE BEGINNING OF THE LAST」といった既発が存在しましたが、ここで聴ける音源はそれらと比べはっきり上位と断言できるマスターを元にしています。音の明度やキレのある音像は、聴き手に鮮度の高さを確信させるでしょう。
 オープニングの「Highway Star」ではギランのヴォーカルとロジャーのベースが素晴らしく明瞭で、いきなりファンの耳を奪います。序盤こそリッチーのギターがオフ気味ですが、ギターソロに差し掛かる前にはしっかりと聴こえるようになります。
 この当時のPURPLEは'70年当時の爆発的なパフォーマンスと異なり、整然とした印象のライヴを展開しています。「Smoke On The Water」イントロも、アメリカツアーで聴けたようなリッチーとペイスの絡みが無くなり、シンプルな導入となっています。しかしリッチーひとりにスポットが集まっているとも言え、太い音色で響くギターリフも印象に残ります。
 ライヴの中盤「Lazy」ではイントロにジョンのオルガンが炸裂! ここでジョンは「Rond」をEL&Pばりのプレイで披露しています。演奏を察した観客からも「エマーソン!」と掛け声が飛んでいて、これには聴き手も思わず和んでしまうでしょう。
 ディスク2はいきなりライヴのハイライト「Space Truckin'」が22分の大熱演を聴かせます。ライヴのテンションが下がっていたとも言われるこの時期でも、このメンバーがしのぎを削る同曲のスリルはやはり素晴らしい! 特にジョンにリッチーが繰り広げるソロとインタープレイは堪らない聴き応えです(18分台にリッチーとジョンの即興で「Gleensleeves」が飛び出す場面は必聴)。アンコールで取り上げられる「Black Night」(中盤では何とリッチーが「You Fool No One」と似たフレーズのソロをプレイ!)は会場中のファンを熱狂させ、PURPLEのライヴらしい盛り上がりの中でライヴはクロージングされます。

 ディスク2のトラック3からは"Source #2"として、完全初登場となるもうひとつのオーディエンス録音を、マスター・テープからダイレクトに起こして収録しています。"Source #1"と比べてやや低音の入力が強い印象ですが、高域の明度や見通し、ダイレクト感は明らかに優れています(イントロも1分30秒ほど長く収録しています)。ペイスのドラムもよりくっきりとした輪郭で聴き取れるのも特徴でしょう。全体で50分弱の不完全版なのが残念ですが、本音源の登場はマニアを驚かせるはずです!
 オープニングの「Highway Star」を聴くと、こちらも序盤は"Source #1"同様にギランのヴォーカルとロジャーのベースが目立っており、リッチーのギターがオフ気味だったのは会場の音響やミックスが影響していた事を理解できます。「Strange Kind Of Woman」では"Source #1"のような大元マスターの劣化も無く、リッチーのソロ、ギランとの掛け合いもクリアに収録しています。ライヴ中盤のヤマ場である「Child In Time」も、この"Source #2"のほうがプレイのニュアンスを拾いやすいサウンド。前半におけるギランの個性的な歌いまわしや、ジョンの細やかなトーンもはっきりと聴き取れます。「Lazy」冒頭でのジョンのオルガン・ソロも太くリアルな音色で楽しめます("Source #1"で飛び込んできた観客の掛け声も、こちらでは聞こえません)。曲本編ではリッチーのギターも素晴らしい迫力で、マニアの誰もが楽曲と演奏をじっくりと堪能できるでしょう。
 残念ながら「Lazy」から続くドラムソロの序盤で録音が終了してしまいますが、メインとなる"Source #1"で掴みきれなかったライヴのムードや演奏を、細部まで突っ込んで楽しめるのは嬉しいの一言です!』
との事.


Live In Hiroshima (Darker Than Blue 141/142)
 $cinnamonの音楽ときどき競馬予想-Deep Purple Live In Hiroshima
 Live at Hiroshima-shi Kokaido, Hiroshima, JAPAN 23rd June 1973
 (2 Different Sources)


 Disc 1
  1. Highway Star
  2. Smoke On The Water
  3. Strange Kind Of Woman
  4. Child In Time
  5. Lazy
  6. Drum Solo
  7. The Mule

 Disc 2
  1. Space Truckin'
  2. Black Night
  3. Intro.
  4. Highway Star (*)
  5. Smoke On The Water (*)
  6. Strange Kind Of Woman (*)
  7. Child In Time (*)
  8. Lazy (*)
  9. Drum Solo (*)

  (*) Source #2

 Ritchie Blackmore - Guitar
 Ian Gillan - Vocal
 Roger Glover - Bass
 Jon Lord - Keyboards
 Ian Paice - Drums


 Highway Star (Disc1 Track1)
 
 Smoke On The Water (Disc1 Track2)
 
 Highway Star (Disc2 Track4)
 
 Lazy (Disc2 Track8)
 


 初回プレス分には,同じく'73年の来日公演より 6月27日の大阪厚生年金会館公演を収録した「Final Black Remastered Edition」がボーナスとして付属しています.リマスターされていないものは,以前商品「Final Black (Darker Than Blue 052)」として販売されていましたが,完売状態で廃盤だそうです.

 「Final Black Remastered Edition (Bonus CDR)
  $cinnamonの音楽ときどき競馬予想-Deep  Purple Final Black
  Live At Koseinenkin Hall, Osaka, Japan 27th June 1973




[参考情報]
Deep Purple 1973 Japan Tour Dates
 June
  23 Hiroshima-shi Kokaido, Hiroshima, JAPAN
  24 Nagoya-Shi Kokaido, Aichi, JAPAN
  25 Budoukan Hall, Tokyo, JAPAN
  26 Budoukan Hall, Tokyo, JAPAN (Cancelled)
  27 Kouseinenkin Hall, Osaka, JAPAN
  29 Kouseinenkin Hall, Osaka, JAPAN


 「The Saturation Point (TNT-940164/165)
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 「The Beginning Of The Last (Xpang)
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