1973年に邦題「紫の肖像」(原題「Who do We think We are」) リリースがあり,それに伴って,1月16日ドイツ・ベルリン公演からスタートした,第Ⅱ期ディープ・パープル最後の欧州ツアーより,3月16日のフランス・リヨン公演を収録したものです.
 過去には「Mary Long (DP-1003)」としてリリースされた事がある音源で,ラジオ放送用のマスターリールからではなく,エアチェックされた音源です.電波の受信状況が安定していないようなのが今一ですが,放送されたものであり,SBDなので,音のバランスは当然の事ながら良いです.ちなみに「Mary Long (DP-1003)」よりは,よりマスターに近いものを使用しています.そしてこの時期の特徴は過去にリリースされた際のタイトルにもなっているレアな "Mary Long" が演奏されている点です.

 メーカー情報では
 『このツアーからは各種の優れたコレク ターズ・アイテムが登場していますが、この年に限っては公式ライヴ音源はもとより、サウンドボード音源もあまり存在しておらず、ライヴの様子を知るには オーディエンス録音に頼らねばならない状況です。その中でも(ほとんど唯一の)放送音源として知られるのが、3月に2公演だけ行われたフランスでのライヴ より、16日のリヨン"Palais Des Sports"公演を収めた放送素材です。この音源はかつて「MARY LONG」(DP)というタイトルでリリースされた事がありましたが、それも今から20年も昔の話で、現在では熱心なマニアでも「名前は知っていても聴い た事が無い」という入手困難な一本。今回はその「MARY LONG」の元ソースになったと思われる放送音源が、海外からさらに高い鮮度と聴き易さを持ったマスターで登場! 既発を越えるアイテムとしてプレスCD 化されました!

 1曲目の「Highway Star」が曲の途中からフランス語のアナウンス入りでフェイドインして始まる点と、やや混信気味でモノラルな音像は既発同様ですが、以前の音源と較べて 音の明度と安定感が大きく向上し、曇りが晴れたサウンドは演奏とバンド・アンサンブルをはっきりと聴き手に提示してくれます。既発では早かったテープスピードも正常にアジャストされ、文句なしに同日ベストの音源として仕上がっています。
 「Highway Star」は3分程度の収録ですが、ファンが聴きたがるリッチーのギターソロはきちんと収録。確かな実存感で捉えられたロジャー・グローヴァーのベースも 彼らしいドライヴィングなラインを明瞭に描き出し、曲の魅力をしっかりと味わわせてくれます。続く「Smoke On The Water」でもギランらしいリズミカルな歌唱とノリの良いバンドの演奏は、当時の危ういバンド状態が信じられないほどに充実しています。特にイアン・ペ イスが披露するオリジナルなドラム・サウンドはライヴならではの個性がたっぷり。冒頭に再びフランス語のナレーションが入る「Strange Kind Of Woman」は、アドリブをふんだんに盛り込んだブルージーなイントロが大きな聴き所。曲本編でもジョン・ロードのオルガンがふくよかな音色で鳴り響き、リッチーとギランの聴き応えあるコール・アンド・レスポンスも耳を惹きます。
 本作の大きなポイントとなるのが続く「Mary Long」。ジョンの奏でるイントロに被るスキャットや、多様な声色を使い分けて歌い上げるメロディなどギランの歌唱も優れていて、約2ヶ月間に渡ってライヴ演奏されてきた成果の蓄積を感じるテイクです。ファンの皆さんはこの曲のために本作を入手しても惜しくは無いでしょう。約4分間に渡るジョンのソロか らスタートする「Lazy」もまた素晴らしい。メドレー的に流れ込むペイスのド迫力ソロ、グルーヴに満ちた演奏が秀逸な「The Mule」と、3トラック合計で20分を越える名演には、ファンの耳も釘付けとなってしまうでしょう!
 残念ながらショウの完全版ではなく、ライヴ中盤まで約50分間の収録ですが、当時のライヴにおける雰囲気やレアな「Mary Long」など聴き所いっぱいの内容です。』
との事です.

 メーカー情報にもありますが,"Highway Star" 前のサウンドチェック時にフランス語のDJが被っており,DJが終わると何故か "Highway Star" リッチー・ブラックモアのギターソロの少し前からカットインで始まります.そして "Smoke On The Water" 前のリッチーの遊びは何時ものパターン.でもこの "Smoke On The Water" の演奏は素晴らしいです.また途中でDJが入ります.そしてバンドとしての遊び後に始まる "Strange Kind Of Woman"では, イアン・ギランとリッチー・ブラックモアのかけあいが素晴らしく,そしてまたDJ...
 その後始まる "Mary Long" ですが,この曲をSBDで聴く事ができるのが,貴重です.そして続く "Lazy" では,冒頭のジョンのキーボードソロで,エリーゼの為~アメリカ等を披露し,メインテーマへ,その後に自然に流れ込むイアン・ペイスのドラムソロ.そこから "The Mule" へと....この "The Mule" で,番組の時間の関係か,本音源は終了します.コンサート中盤までの収録ですが,乗りに乗っているバンドの演奏が収められています.

この演奏を聴いていると,本当に素晴らしく,ギランの脱退が決定しているというような,危機的状況にあるとは思えません.

 上述したように,エアチェック音源であり,電波状況が悪いのか,混線ぽかったり,高周波ノイズも若干聴こえる状況です.既に現存するか判りませんが,放送用マスター,あるいはその元マスターが発掘されて欲しいですね.

 ハッキリ言って,フランス語のDJが邪魔ですが,必聴の価値ありの音源です.


Lyon 1973 (Darker Than Blue 131)
 $cinnamonの音楽ときどき競馬予想-Deep Purple Lyon 1973
 Live at Palais Des Sports, Lyon, France 16th March 1973 SBD

 1. Highway Star
 2. Smoke On The Water
 3. Strange Kind Of Woman
 4. Mary Long
 5. Lazy
 6. Drum Solo
 7. The Mule

 Ritchie Blackmore - Guitar
 Ian Gillan - Vocal
 Roger Glover - Bass
 Jon Lord - Keyboards
 Ian Paice - Drums


 Highway Star
 
 Smoke On The Water
 
 Mary Long
 
 Lazy
 

 ちなみに本CDには,ボーナスディスクとして,1970年7月のドイツ・ミュンヘンで開催された「Euro-Pop 70」出演時の音源を収録した「「Deep Purple - Euro-Pop 70」が付属していますが,確かギフトでも配布していましたし,他のディープ・パープルのCDにもギフトとして付属していたので,複数枚所持しており,ある意味個人的には不要でした.(苦笑)


[参考]
 「Mary Long (DP-1003)
  $cinnamonの音楽ときどき競馬予想-Deep Purple Mary Long (DP-1003)
 「Who do We think We are
  $cinnamonの音楽ときどき競馬予想-Deep Purple Who do We think We are



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