Q「半音の使い方」
今回は3人の方からの質問です。
Q 1=ギタリスト)
「自分はいつもペンタ中心にアドリブしてますが、知人に『もっとクロマチック・スケール を使ってジャズっぽくした方がかっこいいよ〜』と、アドバイスされたのですが意味がわかりません」
Q 2=ピアニスト)
「クロマチック・スケール とアプローチ・ノート は同じですか?」
Q 3=ギタリスト)
「半音を使ってアウト したい」
と、いうことで、今回は半音について
1. クロマチック・アプローチ・ノート(Chromatic Approach Note)
2. コードとクロマチック・アプローチ・ノート
3. スケールとクロマチック・アプローチ・ノート
世間ではクロマチック・スケール という謎の名前で恐れられていますが、半音は調性の中ではアプローチ・ノート と言う名前で活躍しています。
半音とは短2度 ですが、濁り度マックスの音程 でコードの内声に短2度をぶつけると明らかにヤバイです。
しかし、その音を隣の音に移動するとコード・トーンの邪魔をしなくなるので間違いが解消されてホッとします。
密を避ける訳ですね・・・
調性 (key) がある曲の中に出現する全ての音は、必ずそのキー又はコードに対して機能的に働きます。
12音全てが何らかの意味を持って使用する事が出来る、という事です。
例えば・・・
譜例1 クロマチック・スケール
先ずはそのまま弾いて(部分的でもいいよ)見てください 。
キモいでしょ?
次は、Cトライアドを鳴らしながら、上記のスケールをゆ〜〜っくりと弾いてみてください。
どんな感じがしますか?
コード無しで弾いた時は全部均等に聞こえた12音がコードを鳴らしたとたん
譜例2
譜例3
気持ち悪くなったり
安心したり
しませんか?
これを「緊張(Tension)と緩和(Resolve)」と言います。
和声(又は調性)の上でクロマチック・スケール を弾くと、どうしてもアプローチ・ノート に聞こえます。
これを利用してかっこ良く?するのであります
1. 「クロマチック・アプローチ・ノート」
クロマチック・アプローチ・ノート は12種類 あります。
黒丸=クロマチック・アプローチ・ノート
白丸=ターゲット・ノート
これら12種類のクロマチック・アプローチ・ノート をあなたのお好みのコードやスケールに当てはめていくだけで、緊張と緩和を繰り返しておもしろい効果を作り出す事が来ます。
因みにアプローチ・ノートには、上からはダイアトニック、下からはクロマチックと言うやり方もありますが、今回は半音がお題なのでクロマチックのみの説明をします。
2. 「 コードとクロマチック・アプローチ・ノート」
C,E,G三つの音をターゲット・ノート にしてクロマチック・アプローチ・ノート を使って装飾してみましょう。
譜例4
(コード・トーンを赤 で表記)
譜例5 C triadに下からシングル・アプローチ
譜例6 C triadに上からシングル・アプローチ
譜例7 C triadにシングル・サンドイッチ上下
譜例8 C triadにシングル・サンドイッチ下上
譜例9 C triadにダブル&シングル・サンドイッチ上下
譜例10 C triadにダブル&シングル・サンドイッチ下上
ね・・・楽しそうでしょ?
12種類の中から色々試してくださいね。
注) 因にサンドイッチは私の造語です(音楽用語ではありません)
アプローチノートの入れる場所や種類はあなたの自由です。
いろんな種類のアプローチノートをランダムに配置しても良し!規則的に配置しても良し!
ただし、ターゲット(コード・トーン)を強拍に配置した方がわかりやすいサウンドになりますので先に配置から行うのも一つの手です。(わかりにくくしたかったらそれを避ければいい)
強拍とは奇数拍(1、3)のことです。
こんな感じに、ターゲット・ノートから先に指定する
ここまでの説明は以前 How to Improvise5 という記事で紹介しましたので詳しくはそちらものぞいてください。
3. 「スケールとクロマチック・アプローチ・ノート」
コードと半音と同様にスケールにもアプローチ・ノートを使用できます。
C メジャー・スケールに半音を入れてみましょう!
譜例11
↑の場所に半音が入れられます。
譜例12
こんな風に・・・?
「ありゃ?先生これ、クロマチック・スケールじゃありませんか?」
そうです、スケールに半音足すとクロマチック・スケールになっちゃいます。
すなわちクロマチック・スケールはスケール足すアプローチ・ノートと言うわけです。
4.「モーダル・シークエンス with アプローチ・ノート」
というテクニックがあります。
例えば
譜例13
これは、メジャー・スケール3度のシークエンス(連続)です。
これに半音を足してみましょう。
譜例14
これがモーダル・シークエンス with アプローチ・ノートです。
だからどうした?って感じですが、実はこのようなシークエンスはジャズ・フレーズに頻繁に現れます。
かのチャーリー・パーカーの有名曲「Anthropology」というリズムチェンジの曲は下記のようなメロディです。
譜例14「Anthropology in C」
このメロディは明らかに下記のパターンのバリエーションですね。
譜例15
非常にシンプルな理屈で出来ていますので膨大なヴァリエーションを生み出す事が出来ます。
譜例16 3度のモーダル・シークエンス with アプローチ・ノート(前述=譜例14)
譜例17 4度のモーダル・シークエンス with アプローチ・ノート
譜例18 5度のモーダル・シークエンス with アプローチ・ノート
譜例19 6度のモーダル・シークエンス with アプローチ・ノート
譜例20 7度のモーダル・シークエンス with アプローチ・ノート
チャーリー・パーカーのみならずサックス奏者のスタン・ゲッツもシークエンスを上手く使って見事なソロを演奏しますので、興味のある方は調べてみてください。
他にもスケールを使って出来るシークエンスは膨大にあります。例えばハノンとか…
それらをアプローチノートで装飾してみたら面白いですよ。是非お試しください。
と、言う訳で以上が
「コードとクロマチック・アプローチ・ノート」
「スケールとクロマチック・アプローチ・ノート」
でした。
5.「おまけ」
今回はギターの方からの質問ですので(サービスで!!)タブ譜付きのアプローチ・ノート・フレーズ集を載せておきますので参考にしてください(ギター以外の方は上だけ見てください)
コードとクロマチック・アプローチ・ノート Ex
全てC triad を基にしたアプローチ・ノート・フレーズです。
C CMaj7 C7はもちろん、他にもいろんなコードにフィットしますので個々で試してくださいね。
Ex.1
Ex.2
Ex.3
Ex.4
Ex.5
Ex.6
Ex.7
Ex.8
Ex.9
Ex.10
Ex.11
Ex.12
前述の12 Chromatic Approach Noteを1度弾いてからこれらのエキササイズをやると理解が深まります。
今回はこの辺で・・・
ほんじゃまか〜〜〜
アプローチノートやクロマチックに関してより深いところまで勉強するなら
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