今回はBebop Scale と呼ばれる、ジャズのテクニックについてのお話しです。

 

Bebop Scale (ビバップ・スケール)とは何ぞや?

 

簡単に言えばドレミファソラシドをジャズっぽくする「スパイス」のようなものです・・・

 

は?

 

よけわからんわ ムキー

 

って事ですが…

 

Bebop Scaleの構造

 

私はアプローチ・ノートの使い方の一つとして考えております。

 

メジャースケールに代表されるFunctional Scale(機能的音階=コード進行を作る事が出来る音階)は7音階です。

その中にはトニック(主音)の三和音があります。

 

三和音の内


1と3は隣に半音があります。

 

譜例1)

1は7を

3は4を

 

それぞれLeading Note(導音)を持っています。

 

譜例2)

しかし5にはそれがありません。

 

譜例3)

そこで5にも半音のLeading Note を持たせると…

 

クロマチック・アプローチ・ノートを3和音(1.3.5)すべての音に付ける事が出来るようになります。

すると・・・

 

トニックの3和音(CEG)それぞれの音に半音(導音)が出来るのでコード・サウンドを強調しやすくなるというメリットがあるのです。

 

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

代表的なBebop Scaleは以下4つです

メージャー、ドミナント、メロディック、ドリアン、4つのモードに対してアプローチ・ノート(半音)を追加します。

 

弾いてみてください。

(タブはあくまでも参考なので鵜呑みせず自分なりに他の運指も探しましょう)

 

メジャー・ビバップ・スケール = アイオニアン + ♭6(#5)

Major Bebop Scale(C6 CM7)

Optional Fingering...(その他いろんな弾き方が考えられます)

 7音スケールであるメジャースケールに1音足すと8音になり8分音符8個で次の9音目(次小節の頭)で同じ音に解決する様に演奏出来ます。


その他こんなビバップスケールが有名です。

 

ドミナント・ビバップ・スケール = ミクソリディアン + major7

Dominant Bebop Scale(C7 C7sus Gm7/C)

 

マイナー・ビバップ・スケール = メロディック・マイナー + ♭6

Melodic Minor Bebop Scale(Cm Cm6 CmM7)

 

マイナー・ビバップ・スケール = ドリアン + ♭6

Dorian Bebop Scale(Cm7 Cm6 )


ちなみに


Bebop Scaleは下降にて使われる事が多いです(その方がキャラが明確)

 

とにかく一度スケールをコードを鳴らしながら弾いてみてください。


特徴が良くわかると思います。

 

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

Bebop Scaleの使い方

 

Bebop Scaleは「コード・スケール」に半音を加えた物というのが一般的な説明です。

コード・スケールとは、一つ一つのコードに対して適切なスケールを当てはめていくというテクニックですが・・・

 

例えば Dm7 G7 CM7 というコード進行の場合・・・

 

Dm7=D Dorian Bebop Scale

G7 = G Dominant Bebop Scale

CM7 = C Major Bebop Scale

と言う具合に各コードにスケールを当てはめて弾くというのです・・・

 

が、

 

そんなめんどくさい事をやっている間に嫌になってしまうのであります・・・

 

そこで、先ずはDominant Bebop Scaleから練習するとキャラクターに慣れていくと思いますのでお試しください。

 

Dominant Bebop Scale一発物の練習

 

Dominant Bebop Scale for C7(C7sus Gm7 C7… etc)

まずはこのスケールを使ってフレーズを創る練習をします。

 

Bebop Scaleはコード進行の細かい曲でも、一発物でもフィットするキャラクターを持っていて、パット・マルティーノ、クリフォード・ブラウンや 初期のマッコイ・タイナー等、ビバップ・サウンドの中核を成すものです。彼等の演奏を聞きながら、ビバップフレーズを自作してみてください。

 

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

フレーズを創るときのコツは…

 

・奇数(強)拍、に追加した半音をなるべく使わない様にする(わざとやるのはOK!)


・コード・トーン1.3.5が奇数拍(1、3拍)になるようにすると安定したサウンドになる

 

気をつけるポイントは幾つかあるのですが、先ずはフレーズを弾いてみてキャラを掴んでから自作するといいですね。

 

あしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあとあしあと

 

下記のエキササイズはDominant Bebop Scaleを使って創った物です。

コードを鳴らしながら弾いてみてください。

 

[C7]  [C7sus]  [Gm7 C7]等で使用出来るBebop Scale

 

(6)はわざとビバップノートからスタートしています。

 

 

 

慣れてきたらだんだんフレーズを長くしていきます。

 

13)

14)

15)

 

スケールの練習とは、スケールのキャラを知る練習といっても過言ではありません。

 

スケールを使ったフレーズを自作する事や自分の楽器内でランダムにスケールにアクセスする練習も欠かせません。

シークエンスやインターバルを利用して様々な方向からスケールのキャラに迫ってくださいませ。

 

私の無窮動シリーズにはビバップ・スケールを使ったフレーズがてんこ盛りに入っております。

お暇な方は覗いてみてください。