思いやり。終戦から66年。 | 和太鼓奏者!篠笛奏者!邦楽器アーティスト”友永綾美”ブログ

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女性篠笛奏者、女性和太鼓奏者として全国で活動を続け、作曲・作詞・プロデュース・舞台構成や演出も手掛ける、名古屋出身のアーティストです。

先日の8月15日、終戦から66年です。
我が家は、戦争に関するドキュメンタリー番組や、書籍、ドラマ、映画…
色々なものを本当によく見ているんですが(今年も大量に録画してあります)、まだまだ知らない事が多くあります。

明治時代あたりから(それに深くかかわりのある幕末から)、昭和、いわゆる、
戦前、戦中、戦後
激動の時代にあった色々なこと、色々な人生について
知らなくてはいけないという衝動があります。

8月15日は、『渡辺謙アメリカを行く』の第二弾、
『渡辺謙アメリカを行く~9・11テロに立ち向かった日系人』 が放送されていました。


友永綾美の太鼓打ち日記!

9・11テロ当時、アメリカの運輸長官だった日系2世ノーマン・ミネタさんの、自身の体験からくる偏見と差別への断固たる強い意志は素晴らしいです。


日系アメリカ人について、人種差別や戦争への懸念による収容所への強制収容・・・・
戦前や戦中を知るに大切な歴史がありますが、
その話について描かれた、橋田寿賀子さん脚本のドラマが昨年あったのですが、
ご覧になった方もいると思います。

TBS開局60周年の特別番組で、5夜連続放送をした、
99年の愛~Japanese Americnas~

友永綾美の太鼓打ち日記!


我が家は5夜連続(仕事の都合上、録画もあり^^;)しっかり観ました。

俳優さんが本当にはまり役だったのと、橋田寿賀子さんの長年暖めていた構想、情熱で、
本当に良いドラマでした。



太平洋戦争が開戦してから70年です。
戦争時の映像に映っている方々が体験してきた事をご本人の言葉で語って下さるのは、
戦後生まれの私たちにとっては、それが歴史というより、つい数十年前に起こったことで、
そこにいた人々が、今も身近で生活していらっしゃる、ということからくるリアル感を感じることができる、
ある意味唯一の方法かもしれません。

少し先の未来に、そうした人々が確実に少なくなってくるわけですが、
当時を知る人が一人もいなくなった未来に、
資料として残る様々な負の遺産と、語り続けてくださった当事者の方々の話をもとに、
変わらぬメッセージとして平和を訴えられるかどうか。

体験していないものが伝えていく難しさ。
戦後生まれの私たちが受けたバトンが、無事に後世に渡されるようにしなくてはいけないなぁと
心底思います。

少なくとも私たちが日ごろできることの一つは、『個人』という、一人の人間の重みを理解すること。

偏見や差別も、本来は、知らないから起こること。知らないもの、未知のものへの恐怖や危機感が、
偏見や差別につながります。
相手を知ろうと思う気持ち、共有しようという気持ち。
それが無いと、双方の主張ばかりで話は前進しません。

何か目の前で衝撃的なことがあったときこそ、冷静さを取り戻し、
自分から見た感情ではなく自分もひっくるめた大きな外側から見た現状を見ることができれば…。

そういったことが『思いやり』という言葉の本当の意味にもつながると思います。


他人も自分も1人の人間、という視点です。


戦争や事故で『犠牲者は10人でした』と聞くと、『あ、比較的小さな犠牲だった。よかった』と感じ、
『犠牲者が数千人、数万人』と聞くと、『なんかすごいことになっている』と感じる方が多いと思いますが、
数字だけを見てはいけない、と、よくいいます。

あなたを『1』としたら、その『1』の歴史の重み、無くなる重みはよくわかるはず。
生まれてから今までの人生の中で、関わる人や思い出、一日、一刻…物凄い量の重みがあります。
その、沢山の歴史を持った『一人』×10、×100…なんです。

もっとわかりやすく言えば…

犠牲者が10人として、その10人が全部、自分の身内や友人だとしたら、
とてつもない悲しい出来事であり、10人の記憶、思い出が失われた重みを感じると思います。
もし、自分だったら… もし自分の周りの話だったら…


こういった想像が、思いやりということなんですよね

他人も自分も1人の人間。
重みは同じ。

それが、何かを預かる立場の人こそ必要でもあり、
何かあったときに自分の身の保身を優先すると、大勢を犠牲にするという、
まさに、自分以外を数字でしか見ていなかった結果がどうなったのかを、私達も様々な場面で目にしているはずです。
時には、その犠牲になった経験もあるはずです。

その時に、何を感じたでしょうか。
何をしてほしかったでしょうか。

…様々に感じたことを、忘れないことが大切だなと思います

思いやり。
実に深い深い言葉です