今週火曜~水曜と、ゆかっちは1泊2日で野外活動に行ってきました。4年生の学校行事です。

とっても楽しみにしていて、その日が近づくに連れてテンション上がってきて、大変でした。

今まで旅行に行くときにも荷造りをした事がなかったのに、今回は積極的に準備を始め、ほとんど1人でやり終えました。これまでの事を考えると、ものすごい進歩です。


飲み薬、塗り薬のこと、体力的な事、いろいろ心配はありましたが、担任の先生と養護の先生と細かく打合せをしていたので、わりと安心して送り出す事が出来ました。


一番心配だったのが、薬がきちんと飲めるかどうかです。のんすけに聞くと、薬はみんな自分で管理していたとの事。大丈夫か、ゆかっち。

免疫抑制剤を飲むタイミングが12時間毎で、食後ではないので、かなり不安がありました。忘れたではすまされない薬です。毎日、「飲んだか~!」「飲みや~!」と何度も声を掛けないと飲まないので、「薬をちゃんと飲まんと、野外活動には行ったらあかん!!」としかる事もしばしばでした。


しかし、先生と打合せの結果、集合の日の朝に養護の先生に薬一式を渡し、打合せをした時間に声を掛けて飲ませてもらう事になりました。ばんざーい。これで、安心や~!

本当は、自分で薬の管理ができるのが一番いいと思うのですが、しかたありません。


何かあれば、すぐに連絡をもらえる事になっていたので、そのときは野外活動の場所まで車で迎えに行く覚悟でいました。

1日目は、携帯電話を常にポケットに入れて、いつ連絡があってもいい様にしていたのですが、夜になっても電話が鳴る事はありませんでした。

2日目は、もう大丈夫、元気でいるんやなと思っていました。


そして、昨日の夕方、ちょっと日焼けして帰ってきました。とても楽しかった様で、いっぱい話しをしてくれました。

薬もきちんと飲めたし、朝起きられるかどうかも不安だったけど、みんなと同じ時間に起きられて、2日目もちゃんと予定通り行動できたとの事でした。

ほんとによかったなあ。野外活動に行けて、みんなと楽しい思い出ができて、本当によかったです。


かなり疲れていた様で、早めにお風呂に入って、早く寝ましたが、肌の状態 は悪化していました。

特に、背中と膝の裏は真っ赤っかで、ステロイドを塗らないといけない状態でした。全体的にかゆみも強くなっている様でした。

やっぱり疲れがひどくなると、状態が悪くなりますね。

でも、楽しみにしていた野外活動に行けて、よかったと思います。疲れが取れて体調が整えば、また肌の状態もよくなりますから、今は野外活動に行けた喜びの方が大きいですね。


ゆかっち、また、階段を1つのぼったね。

やったね!(^O^)!

昨日、一保堂茶補さんに、梅ママに送るお茶を買いに行ってきました。


お茶を贈りたいときには、いつも一保堂さんの本店に買いに行きます。

お店の中は、お茶のほのかな香りがして、とても落ち着いた雰囲気です。

そして、いつも感心するのが、店員さんの丁寧な言葉遣いと応対です。

お煎茶だけでもたくさんの種類があるので、どれを選んだらいいかわからないので相談すると、きちんと説明してくださいます。

のし紙についてもよく知っておられ、適切なアドバイスがいただけます。

これは当たり前の事かも知れませんが、その当たり前の事が出来ていないお店があることも事実です。

一保堂さんの応対は心地よく、いつも気持ちよくお買い物をさせていただいています。


それに昨日は、もっと感激する事がありました。


お店の中に喫茶室があって、そこでおいしいお茶をいただきながら梅ママへの手紙を書いて、その後店頭でお茶を選ぼうと思っていたのです。喫茶室には行った事がなかったので、ちょっとうきうきして行ったのですが、行ってみると10人くらい待っている人がいました。

お店のガレージに車を置いたので、他の喫茶店に行くわけにもいかず、順番を待つのも時間がかかりそうで、どうしようかと迷ったあげく、一番近くにいた店員さんに事情を説明しました。事情を説明しても、何ともならんなあと思いながら。

すると、

「お手紙書かはるんやったら、お部屋用意できますよ。」とおっしゃったのです。

そして、ごゆっくりどうぞとお店の入り口左手の部屋に案内してくださいました。何度も来ていますが、ここに部屋がある事には気付きませんでした。

ありがたいと思いつつ手紙を書いていると、部屋の右手の扉が開いて、さっきとは違うお店の人が入ってきて、お茶を持ってきてくださったのに、またびっくり。

場所を借りているのは私の方なのに、申し訳なかったですが、そのお茶が何とも甘くて、おいしかったです。


10分ほどで手紙を書き終えた私は、その後店頭でお茶を選んで、梅ママに送ってもらう様にお願いしました。手紙も一緒に送ってもらいました。


このまま帰るのが惜しくなった私は、待つ人が2組だけになったので、せっかくだからとお茶を飲んで帰る事にしました。それなら、最初から順番待ってたらよかったのにと、ちょっと思いました。


メニューは、

 抹茶(濃茶・薄茶)

 玉露

 煎茶

 上ほうじ茶

 上玄米茶
これだけしかない事に、またまたびっくり。

煎茶を頼むと、今なら新茶もOKだという事で、新茶をいただく事にしました。


そして、出てきたのは、小さな急須、小さなお湯のみが2つ、和菓子、ポット、台ふきです。

そう、自分でいれるのですよ。台ふきは、しずくがこぼれた時用です。

お茶の入れ方を教えてもらったあとは、自分のペースで飲みたいだけ飲めるのです。

私は、10煎まで飲みました。

お茶の味がだんだんと変わっていくのがわかります。それは、ただ薄くなっていくのとはちょっと違いました。和菓子もおいしかったですね。

もう、おなかいっぱい。

でも時間があったら、もうちょっと飲めたかな。


本店は、建物が建ってから120年くらいたつので、6月26日から10月頃まで、改修工事をするそうです。

工事が終わるまで仮店舗での営業で、その間は喫茶室はお休みとのこと。残念ですが、工事が終わったら、ゆっくりできるときにまた行きたいと思います。


昨日は、とってもいい1日でした。

ありがとうございました。

先日、梅ママから電話がかかってきました。


梅ママ 「ゆかっちが病気てわかったん、いつやった?」

うにょきち 「2003年の11月やけど。」

梅ママ 「そうか。ほんならもう3年ほどになるんやなあ。」

うにょきち 「まあ、2年半やな。」

梅ママ 「ほんで、ゆかっちは今どんな状態なん?」

うにょきち 「??どんなって…??」

梅ママ 「あのな、私お茶を断ってるやろ。今日ふと、私はいつまでお茶を飲んだらあかんのかなて思ったんや。ゆかっちの病気が治るまでと思って、やめてたんやけど。」


そう、梅ママはゆかっちの病気がわかってから、ゆかっちの病気が治りますようにと願かけをして、それからずっとお茶を断ってくれていたのです。

そして、梅ママは続けました。


梅ママ 「お茶の入ってるお菓子も食べてへんねん。毎年夏になったら、宇治金時が食べたなるんやけど、ずっと我慢してたんや。」


そこで、骨髄移植で再生不良性貧血は治っていること、今は、骨髄移植の合併症であるGVHD の治療をしていること、免疫抑制剤は今年いっぱいでゼロにするため減量中であることを説明しました。


梅ママ 「元々の病気はもう治ってるんやな。ほんなら、もうお茶飲んでええかな。」

うにょきち 「うん、もうええと思う。」

梅ママ 「そうか。ほんなんらぼちぼちお茶飲むわ。」

と言って、電話を切りました。


梅ママ、今までありがとう。本当に心配かけました。

今年の夏は、思いっきり宇治金時を食べてね。


では、これからいつも行くお茶屋さんに行って、梅ママにおいしい新茶を送ってきます。

☆骨髄穿針(マルク)☆


骨髄穿針(こつずいせんし)と言う言葉の方がよく聞くように思いますが、病院ではマルクと言っていました。

骨髄検査とも言います。


骨髄の状態を調べるために、局所麻酔をして腸骨(腰骨)または胸骨に針を刺し、骨髄液を抜き取ります。

麻酔はしていますが、骨髄液を抜き取るときに痛みを感じる事が多いそうです。

話を聞くだけで、とっても痛そうです。どっちも痛そうだけど、腸骨よりも胸骨からの方が痛そうですね。


子どもの場合はうつぶせになって腸骨から、おとなの場合は胸骨から取る事が多いと聞きましたが、病気や病状によっても違ってくるようです。


ゆかっちは局所麻酔だけでなく、眠くなる様な麻酔もしましたが、厳密に言うと麻酔ではなく鎮静剤だそうです。意識がぼーっとするような感じになります。


麻酔から覚めるときに気持ち悪くなるので、局所麻酔のみでやった子もいました。

ものすごく痛かったけど、やっぱり麻酔するよりもなしの方がいいと言っていたそうで、いやはや脱帽です。


退院後にマルクをするときは、麻酔ありだと日帰り入院扱いとなり、病棟内の処置室で行います。麻酔なしだと外来でできます。


マルクのあとは、傷口をガーゼで押さえたあと、圧迫止血と言って、脱脂綿などを丸めて1cm程の厚みにしたものを貼って出血を防ぎます。

この写真では厚みがちょっとわかりづらいですね。

圧迫止血

大体いつも左からの採取でした。左からと決まっているわけではないそうですが、いつも左でした。

ねる前に圧迫止血を取るのですが、大きくばってんに貼られたばんそうこうの跡がついていて、痛々しかったです。



☆骨髄生検☆


生検とは、体内から組織の一部を採取して、顕微鏡で調べる検査のことを言います。

骨髄生検は、骨髄の一部を取るということですね。

再生不良性貧血の診断には必要な検査だそうです。


骨をばちんとはさんで、骨の細胞を取るのだそうです。

「ばちんとはさんで」は研修医I先生の言葉通りなんですが、何とも痛そうな響きです。


これを書くにあたって調べてみたら、どこにも「ばちんとはさむ」とは書いてなかったです。どうなんだろう…。「針を押し進めながら左右に回転させて組織を取る」と書いてあるのも見つけました。

う~、どっちにしても痛そう。


ゆかっちは、麻酔のおかげでマルクは痛くないのですが、骨髄生検をしたときは「痛かった」と言っていました。あとになって、H先生に「骨髄生検が痛いのは仕方ないです。」と言われました。


ゆかっちは、現在までマルク、骨髄生検合わせて7回やっています。

がんばったね。えらい!!

たぶんもうやらなくていいとは思うのですが…。

白血病の場合は、移植後1年でマルクをやるみたいなんですが、ゆかっちはもう1年過ぎてるけどなにも言われてないし。今度の診察のときに聞いてみます。

ゆかっちは、「もうやりたくないし、マルクという言葉も聞きたくない。」のだそうです。






2003年11月7日(金)①


入院2日目の朝。

「おはようございます。7時になりました。」という放送で、目が覚めました。

体がだるく感じます。昨日からの疲れか、ベッドに2人で寝たからかはよくわかりません。

輸血は夜中に終わっていました。

脱水気味なので、入院してから輸液を入れていましたが、輸血が終わって、また輸液がつながれています。


ゆかっちは、輸血のおかげで今日は顔色もましで、元気そう。おなかへったと言うけれど、今日は骨髄穿針(マルク)という検査があるので、朝食は抜きです。


「検査があるので、ごはん食べないで下さいね。」ということを、看護師さんは、「検査があるので、絶飲食(ぜついんしょく)です。」と言います。

私は、長い間これを「絶縁食」だと思っていました。骨髄移植で入院してから違うと気づいたので、1年ちょっとです。”食”と”縁を絶つ”と。意味はあってますね。1字違いだし。

まあ飲むのもだめなので、やっぱり「絶飲食」が正解ですかね。


朝イチの採血後、しばらくして研修医I先生、血小板を持って登場。

血小板が9,000で、マルクの時に血が止まらなかったら大変なので、輸血することになったのでした。

昨日見た赤血球は赤かったのですが、血小板は黄色でした。


9時30分 処置室へ。

ルート から麻酔を入れます。厳密に言うとマルクの時の麻酔は、鎮静剤にあたるそうです。

ゆかっちはちょっとびびっていましたが、すぐに麻酔がきいて、ぼーっとなりました。そこで、「おかあさんはお部屋で待っていて下さい。」と言われたので、私は病室で待機。


10時30分 ゆかっち、ストレッチャーに乗って帰ってきました。

緊張のしすぎで、過呼吸になっていました。

「おうちに帰りたい。」「楽になりたい。」と言って、涙をこぼすゆかっち。

見ていてつらかったです。

このとき、「おねえちゃんに会いたい。」と、殊勝な事も言ってました。


過呼吸は1時間くらいで治まり、お昼ごはんまでベッドでゆっくり過ごしました。


夕方に主治医K先生が病室に来られたとき、ゆかっちに、

「今日の検査、どうだった?痛かった?」と尋ねられました。

ゆかっちは、「わからへん。」と答えたので、

「覚えてない様なので、ちゃんと麻酔きいてましたね。よしよし。」と言って、病室を出て行かれました。

ゆかっちの現在使用中の薬です。


★ネオーラル…免疫抑制剤

50mlの瓶入り。

シリンジで飲むたびに計量します。

朝晩0.5mlを飲んでいます。

油のまわりきったピーナッツの味がして、とてもまずい。

(私もゆかっちも味見しました)

カプセルに入れないと飲めません。

内箱の一部をカッターでくりぬき、

カプセルを格納しています(アイデア賞?)。

年内にゼロになるべく、減量中。

多いときで0.8ml飲んでました。


★バクタ…細菌に感染したときの治療薬

月火水と朝晩2回。

大きくてちょっとびっくり。

最初の頃は、半分に割ってもらっていました。

とても苦いです(ゆかっちは味見済み)。

水にぬれると本当にすぐにとけるので注意。

みるみる形がなくなっていきます。

オブラートに包んで飲みます。

一度オブラートがなかったので、

直接口に入れたらとても苦かったそうです。

後で薬剤師さんにもしかられました。


★イソジン…うがい薬

外から帰ったとき、ご飯の前には必ず手洗いとうがいをします。

家族全員がやるようになって、

風邪をひきにくくなりました。

学校にも持って行って、

給食の前にうがいしています。


★ヒルドイドローション…保湿用ローション

よく伸びてベタベタせず、使いやすいです。


★アンテベート…ステロイド塗り薬(体用)

★ロコイド…ステロイド塗り薬(顔・首用)

皮膚に赤みがあるとき、

毛穴がかたくなっているときのみ使用。


紫雲膏 …漢方薬(軟膏)

紫雲膏 500g

わが家では通称”赤薬(あかぐすり)” 

色が赤紫色だから。

なんと華岡青洲(江戸時代に世界初の全身麻酔手術をした医師)が

調合した薬なんだそうです。

皮膚科にかかる前から使用。

ちょっとべたつきますが、

かゆみが治まるので、わりと好評。

切り傷なんかにも良いようです。

伸びにくいので、精製水をスプレーしてから

塗っています。

病院では処方できないとのことなので、

自分で買っています。

皮膚科にかかるまでは20gが10日ほどで

なくなってしまうので、

思い切って500g入りのものを購入。

さすがに長持ちしています。

華岡青洲に感謝。


日本薬局方セルロースクリアカプセル(植物性)

日本薬局方セルロースクリアカプセル(植物性) 1号 60個

ネオーラルを入れて飲んでいます。

00号から3号まで5種類の大きさがあります。

現在は、1号を使用。

0.5mlだとカプセル2個必要です。

不経済なので一回り大きい0号にしてと言ったら

大きくてのどにつかえそうだから嫌と言われました。

ちなみに0号だと半分に割ったバクタが入ります。

ゼラチンのものは何となく不安なので

セルロースのものにしました。

店頭販売している所が少ないので、

ネットで購入しています。

頭の中でブチッという音がした次の瞬間、私は大きな声でこう言っていました。


「あんたは、診察室で一体何を聞いてたんや!ちゃんと先生の話を聞いてへんから、何を塗ったらいいかわからへんのやろ。先生となんの話をしてると思うの。あんたの話をしてるんやで。なんでもっとちゃんとしーひんのや。あんただけがしんどかったんとちがうんやで。みんなしんどかったんやで。」


途中から、涙が出てきて止まらなくなりました。

私が泣き出したので、ゆかっちも真剣になって、私の話を聞いていました。

そして、最後に「おかあさん、ごめんな。」と言ったので、私もひどく怒ってしまったことを謝って、薬を塗り、一件落着となりました。しかし…。


骨髄移植がうまくいって昨年3月に退院したとき、トムさんもおばあちゃんも梅ママも、「お疲れさんやったね。よくがんばったね。」と私に声を掛けてくれました。友人たちも、そう言ってくれました。

それなのに…。

 

「あんただけがしんどかったんとちがうんやで。みんなしんどかったんやで。」と言ったとき、「ああ、私もものすごくしんどかったんやな。」と実感しました。本当は、「私もしんどかったんや。」 と言いたかったのですけど。


病気の子のきょうだいが思春期に爆発することがあるということは、しぶたねの清田さん がお話しされていたのですが、きょうだいではなく、患児の親が爆発してしまうとは…。かなり情けない(´_`。)

しかも、その矛先が患児本人に向かうとは…。反省m(_ _)m


臨床心理士M先生は、

「ゆかっちちゃんは今も治療中だし、GVHDも思う様によくならず、学校にもすんなりと行けないこともあって、おかあさんにとっては、病気のことはまだ終わってないことなので、なかなか整理がつきにくいのでしょう。」

と言って下さいました。

そう言って下さると、ありがたいです。


それと、病気の子どもは、子ども自身に検査などの説明があまりなく、自分の意見も通らずにされるがままのことが多いので、病気や治療は自分のことだけれど、なかなか積極的になれないということもあるのだそうです。

う~ん、そうやったんか。


ゆかっち、ごめんな。ゆかっちがものすごく大変だったことは、私が一番よく知ってるよ。

でもね、大爆発して、私はすっきりしたんですよ~(‐^▽^‐)


これ以後、ゆかっちはまあまあ協力的になりました。

そして、今は、1週間後に迫った野外活動に行くため(薬の管理が自分でできないと、お泊まりはだめと言ってあるので)、自分から進んで薬を飲む様になりました。


ゆかっちの心の中には、私の様にたまって渦巻いているものがあるのかな?

病院は好きだったけれど、やっぱり治療はつらかったし、しんどい思いもたくさんしたので、あるだろうな。

いつか爆発するときが来たら、しっかり受け止めたいと思います。

重い病気になってしまったら、本人も家族も精神的にしんどいです。

闘病が長くなれば尚のこと。

ゆかっちのかかっているK大病院小児科は、血液腫瘍患児のために、週1回臨床心理士の方のカウンセリングの日があります。


闘病記が進めば、また書くときが来ると思いますが、2003年7月頃に私が精神的にかなりつらい状態になりました。このままではいけないと、主治医のK先生に親のためのカウンセリングはないのかと尋ねたら、「ありますよ」との答え。「あ~、助かった~」と、思いましたね。

ゆかっちは骨髄移植を嫌がっていたこともあって、一緒にカウンセリングを受けることにしたのでした。


欧米の映画やドラマでは、精神科にかかったり、カウンセリングを受けたりする場面をよく見かけますし、重い病気にかかった時だけでなく、心のケアは一般的なようですね。

先日書いた病気の子のきょうだい支援 は、アメリカでは広く行われているそうです。

イギリスでは、検査をする前に、検査に対する恐怖心を取り除くため、患児に検査内容を分かりやすく伝えるホスピタルプレイスペシャリストという役職もあるそうです。

うらやましいですね。採血は慣れてしまって大丈夫なのですが、たまにしかしない検査の嫌がり方は尋常ではなかったので、日本にもいてほしいと強く思いました。


カウンセリングは、それから昨年3月末に退院するまで、大体月に1回受けていましたが、それでも心の問題は難しいと思ったことがありました。

今年の3月の終わり頃の事です。

いつもお風呂あがりに体中に薬を塗るのですが、ゆかっちの態度があまりに非協力的なのです。

朝晩の薬も、何度も言わないと飲みません。そういうことが積もり積もって、ついに大爆発してしまいました。


「そんなに言うことをきかないなら、全部自分でしなさい!もう、おかあさんは面倒みられへん!!」

そう言い残して、私は3階に仕事に上がりました。その後、泣いていたようです。謝りに来たら許そうと思っていたのに、その気配なし。結局、そのままでした。


翌日、顔がかさかさなので、「薬塗った方がいいよ。」とだけ言いました。

「どれ塗ったらいいのかな。これかな。これかな。」と、何種類かある薬を並べて、私の前でひとりごとを言うゆかっち。それを聞いて、私の頭の中で、プチッという音がしました。


つづく

☆特定疾患☆


特定疾患に指定されているのは、原因が不明で治療方法が確立していない、いわゆる難病のうち、診断技術が一定確立し、かつ難治度、重症度の高い疾患で、治療研究事業が行われています。 

医療費が高額になるため、疾患にかかる医療費、入院時食事療養費、訪問看護療養費等の自己負担分のうち一定額を超える部分を公費負担してもらえます。


現在、特定疾患は121疾患あり、そのうち医療費の公費負担助成の対象となっているのは、45疾患です。


自己負担額は、前年の所得税課税金額によって、又、患者が生計中心者かそうでないかで変わってきます。

重症認定されると、自己負担も免除になります。


住んでいる地域の保健所に申請します。書類を提出した日から医療費の補助が受けられます。


ゆかっちが飲んでいる免疫抑制剤のネオーラルという薬は、はっきりとした金額は知らないのですが、ひとびんウン万円すると聞きました。骨髄移植の治療費もかなりの額です。

ゆかっちのこれまでの治療費は、とんでもない額になっているはずですが、この制度のあるおかけで、本当に助かりました。

初めて国に手を合わせましたね。


子どもの場合は、これとは別に「小児慢性特定疾患治療研究事業」という制度があり、対象疾患は11疾患群、514疾病で、対象年齢は20歳未満です。

がんや白血病は小児慢性疾患に指定されていますが、再生不良性貧血は指定されていないので、ゆかっちは子どもだけれど特定疾患の適用となりました。


知らない病気の方が多いのですが、特定疾患、小児慢性特定疾患のどちらにも指定されていない難病もあると主治医から聞きました。

全ての病気の人が、安心して治療を受けられる様になってほしいと思います。




闘病記が全く進みませんが、いとこの結婚式の前日、叔母の家にお祝いを届けに行きました。

何日か前からその妹が帰ってきていた様で、その時におうちにいたので、お茶とお菓子をよばれながら、2時間ほどいろんな話をしました。

ゆかっちの話に始まり、いろんなことをあーでもないこーでもないと、とっても楽しかったですね。

途中で叔母の家にみかんの木があるという話になり、去年の今頃はあおむしを育てていたことを思い出しました。


去年の今頃ゆかっちは、退院したあとの自宅療養中で、養護学校の訪問教育を受けていました。

3年生は、生活科でアゲハの幼虫を育てるのでやりましょうと言うことになり、家で育てたのです。

主治医の許可は出ましたが、水の交換やえさ(柑橘類の葉っぱ)の補充、ケースの掃除などのお世話は、念のため私がやりました。

ゆかっちは、観察日記を書きました。

あおむし幼虫

うちにやってきたのは、3匹の黒い小さな虫。とりあえず大きさ順に、ベム、ベラ、ベロと名前をつけました。

ゆかっちも妖怪人間ベムはビデオで見てるから、このネーミングはOKです。

最初は可愛くも何ともなかったので、写真があまりありません。ピンぼけです。


そのうち、この3匹がみかんの葉っぱをどんどん食べていくのがおもしろくなり、そのうち脱皮して体が緑色になり、ますます食欲旺盛になり、かわいいな~と思う様になりました。

ベロが脱皮して黒い姿から緑の姿になる瞬間を見ることができ、感激でした。

あおむしの食事の様子は、かわいいです。キャタピラの様な足で葉っぱをしっかりとはさんで、葉っぱの端からきれ~に食べていきます。

静かにしていると、食べてる音も聞こえます。


あおむし

このころになるとたくさん写真撮ってます。ピントもきれいに合ってますね。

のんすけには、「どこがかわいいの?そんなにたくさん写真撮ってどうすんの?」と言われる始末です。


あおむし2

下から見た写真です。みかんの枝をしっかりはさんでいるのが、なんともかわいい。

みかんとさんしょの混合の時もありましたが、あおむしはどうやら葉っぱのやわらかいみかんの方が好きな様でした。


ベムとベロはきれいなアゲハチョウになりましたが、ベラは、羽根が1枚しかなく、羽化しても羽根が伸びきらず、飛ぶことができませんでした。プランターのお花の中においてやったのですが、翌日見ると死んでいて、かわいそうでしたね。お墓作りました。

ベラは、あおむしのときから顔の左側にキズがあり、そのせいかさなぎの形もいがんでいたので、自然界にいたらもっと早くに死んでいたかも知れないし、蝶の姿になれたのでよしとしないとと思いました。


チャンスは3回あったのですが、残念ながら羽化は一度も見られませんでした。

本などには、早朝羽化すると書いてあるのですが、わが家の環境では(玄関の下駄箱の上で育てていました)、どうも8時50分頃に羽化するようですね。それがわかったのがベロのとき。ああ、時、既に遅し…。

8時55分頃にゆかっちがベロを見たとき、羽化直後だった様で、羽根がちょっとしわしわになっていました。

羽根が伸びていくのは見ました。


蝶になったベロ


放してやろうと、外に出て、かごのふたを開けたのになかなか飛んでいきません。

何枚か写真を撮り、「ばいば~い。」と言ったら、飛んでいきました。

「写真撮ってるのわかってたんやな。育ててもらった恩を感じてたんや、すごいな~。」と言ったら、

トムさんに、「それはないやろ。単なる親ばかやで。」と言われてしまいました。

でも、本当にタイミングがぴったりだったので、わかってたんだと思いたい。



帰り際、叔母の家のみかんの木(植木鉢)を見ると、まだ黒いあおむしがたくさんいました。

懐かしいよ。今頃になると、アゲハチョウがタマゴを産みに来るそうです。

みかんの木、買おうかな。