☆GVHD(移植片対宿主病)☆



 平たく言えば、移植片=ドナーさんにいただいた骨髄と、宿主=患者さんの体がけんかしている状態です。


 白血球は自分以外を敵と見なして、攻撃する性質を持っています。

 移植されたドナーさんの骨髄がうまく患者さんに生着すると、患者さんの体の中をドナーさんの白血球が回るようになります。すると、このドナーさんの白血球は、患者さんの体を他人と見なすので、免疫反応を起こして患者さんの体を攻撃するのです。

 この現象による病気をGVHDと言います。


・急性GVHD

  移植後早期(3ヶ月)に起こるものを言います。

  皮疹、下痢、肝障害などがおこり、重症になると多くの内臓に障害が生じます。


・慢性GVHD

  移植後100日を過ぎて、場合によっては数年にわたって生じるものです。

  皮膚症状、目の乾燥、口内炎、肝障害などいろいろな症状が起こります。

  

 HLAの型が合っていない場合や非血縁者からの移植の場合にGVHDの起こる頻度が高くなります。

 しかし、GVHDが起こることで、ドナーさんの白血球が体に残っている白血病細胞を攻撃してくれるという効果も知られています。

 再生不良性貧血の場合は、GVHDは百害あって一利なしと言われているので、起こらない方がよいですね。