重い病気になってしまったら、本人も家族も精神的にしんどいです。
闘病が長くなれば尚のこと。
ゆかっちのかかっているK大病院小児科は、血液腫瘍患児のために、週1回臨床心理士の方のカウンセリングの日があります。
闘病記が進めば、また書くときが来ると思いますが、2003年7月頃に私が精神的にかなりつらい状態になりました。このままではいけないと、主治医のK先生に親のためのカウンセリングはないのかと尋ねたら、「ありますよ」との答え。「あ~、助かった~」と、思いましたね。
ゆかっちは骨髄移植を嫌がっていたこともあって、一緒にカウンセリングを受けることにしたのでした。
欧米の映画やドラマでは、精神科にかかったり、カウンセリングを受けたりする場面をよく見かけますし、重い病気にかかった時だけでなく、心のケアは一般的なようですね。
先日書いた病気の子のきょうだい支援 は、アメリカでは広く行われているそうです。
イギリスでは、検査をする前に、検査に対する恐怖心を取り除くため、患児に検査内容を分かりやすく伝えるホスピタルプレイスペシャリストという役職もあるそうです。
うらやましいですね。採血は慣れてしまって大丈夫なのですが、たまにしかしない検査の嫌がり方は尋常ではなかったので、日本にもいてほしいと強く思いました。
カウンセリングは、それから昨年3月末に退院するまで、大体月に1回受けていましたが、それでも心の問題は難しいと思ったことがありました。
今年の3月の終わり頃の事です。
いつもお風呂あがりに体中に薬を塗るのですが、ゆかっちの態度があまりに非協力的なのです。
朝晩の薬も、何度も言わないと飲みません。そういうことが積もり積もって、ついに大爆発してしまいました。
「そんなに言うことをきかないなら、全部自分でしなさい!もう、おかあさんは面倒みられへん!!」
そう言い残して、私は3階に仕事に上がりました。その後、泣いていたようです。謝りに来たら許そうと思っていたのに、その気配なし。結局、そのままでした。
翌日、顔がかさかさなので、「薬塗った方がいいよ。」とだけ言いました。
「どれ塗ったらいいのかな。これかな。これかな。」と、何種類かある薬を並べて、私の前でひとりごとを言うゆかっち。それを聞いて、私の頭の中で、プチッという音がしました。
つづく