京都大学においては、哲学的な内容の英文が多く出題されているということは、以前から指摘しております。
ところがこの哲学という言葉、京都大学では要注意なわけです。
一般の方は、哲学という言葉を聞けば、文学部の哲学科で学ぶ文系の学問であると考えることでしょう。
そして中には、一般の人にはよくわからないような難しい言葉を並べ立てて、意味不明の議論やわけのわからない言葉をもてあそぶ、そういったイメージがあるのかもしれません。
また実際、そういう哲学科の学生も、一部には、いるようです。
例:超越的自我における相互主観性の相克←何度聞いても分かりません!
しかし、本来の哲学(フィロソフィー)というのは、どのようなものであったのでしょうか?
英語の辞書で「philosophy 」という言葉を引いてみると、「物理学」という訳があります。
辞書によっては、古語として記載しているものもあります。
京都大学で「philosophy 」という言葉が英文で出されたならば、それはナチュラル・フィロソフィー(natural philosophy )なのです。
自然科学の萌芽なのです。 つまり、化学の参考書や教科書の一番最初には、いわゆる4元素説のように、今から考えれば、科学的ではないと思われることが載っています。
それはなぜかというと、当時は、宇宙は何でできているかということを説明しようとした際、「神話や伝承・シャーマン」に頼らず、合理的な推論により宇宙が何でできているかを思弁したという意味で、物理学や化学の萌芽なのであります 。
今から考えれば、宇宙は火と水でできているとかは、非科学的なことでありますが、それは今から見るからであって、人間が宇宙の法則を合理的に研究しようとしたという意味では、現代の物理学の基本的な姿勢と変わらないわけです。
同じような例で、錬金術(アルケミー:alchemy )にもあてはまります。
今から考えれば、とても非科学的な話でありますが、当時は、実際に金をつくるという化学反応(のようなもの)を追究していたという意味では、化学の源になったわけです。
このため、アルケミーという言葉から、ケミストリー(chemistry )という言葉が出てきたわけです。
アストロロジー(astrology) とアストロノミー(astronomy )も同じですね。
昔の人は、星の運行が人間の営みを決めると信じていたから、これを学問であると思っていて、それをアストロロジーと名付けたわけです。
その後それはおかしいということで、新たに天文学はアスロノミーと呼び、アストロロジーを星占いとか占星術と訳したわけです。
この2つに共通することは、どちらも、今から考えればおかしいことではあるが、科学の発展に寄与したということには間違いはないわけです。
つまり、フィロソフィーと言った場合には、少なくとも京都大学の英文においては、自然科学の原始的な状態という意味で使用しているわけです。
さて、博士号のことを、一般にPh.Dといいますが、下記をご覧ください。
しかしこれを、哲学博士と訳したら、ニュアンスが変わって伝わってしまいますので、最近では、「学術博士」と訳している場合もあるそうです。
この場合のフィロソフィーというのは、学問全体を指すわけで、神学に対し、それ以外のものをフィロソフィーというわけです。
注:
錬金術において有名な映画では、ハリーポッターのシリーズに「賢者の石」というタイトルの入ったシリーズがあります。
これは、英語で、「philosopher’s stone」といいます。
つまり、この場合の「philosopher」というのは、研究室で文献研究とか、場合によっては煩瑣な議論をしているという意味ではなく、自然科学者であるという意味での言葉であります。
なお、錬金術においては、卑金属を貴金属(金属に卑も貴もある筈がない!)に変える方法のひとつとして、特別な賢者の石というのを考えたわけです。
ちなみに、特別な水は、エリクシールと言います。
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