行政機関(市役所、区役所、町役場、小学校、中学校、保育園、幼稚園)に相談した情報が守られる権利 | 子の連れ去り被害に遭わないために。親子断絶防止(共同養育)するために。

子の連れ去り被害に遭わないために。親子断絶防止(共同養育)するために。

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 概要

ここでは、別居親が、行政機関に相談するときに、これらの相談内容が情報として守られる権利について説明していきます。

 

行政機関(市役所、区役所、町役場、小学校、中学校、保育園、幼稚園)に相談するときに、相談した内容については予め、開示範囲を定めておきましょう。もし仮に別居親が相談した内容が、不当にも同居親に流れた結果、同居親が悪用して裁判所に持ち込むと不利になることがあります。それは同じ親の立場として相談したとしても、今の司法では、「行政に負担がかかる」「悪いことは蓋をして世間体を守るほうが大事」ということで、平等権が失われる可能性があるからです。もし行政側の対応として一方的に相談したことを同居親に流そうとするのであれば、その申し入れを口頭と申立書(書面)とともに、行政側の対応についても経緯を記録して、行政保管するように書面に記載するようにしたほうがよいです。またそれらを開示請求することによって、組織内の担当者の一部の判断だけではなく、上席を含んで複数の方が判断することになりますので、慎重な対応ができるようになるかと思います。

 

 説明

秘密が守られる法律を紹介します。


1. 個人情報保護法

個人情報の収集、利用、提供に関する法律です。行政が個人情報を取り扱う場合は、この法律に基づいて適切な保護措置を講じる必要があります。具体的には、個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)です。地方自治体であれば、同法第12条1項「地方公共団体は、その機関が保有する個人情報の適正な取扱いが確保されるよう必要な措置を講ずるものとする。」同条2項「地方公共団体は、その設立に係る地方独立行政法人について、その保有する個人情報の適正な取扱いが確保されるよう必要な措置を講ずるものとする」として規定されています。同法第17条「個人情報取扱事業者は、個人情報を取り扱うに当たっては、その利用の目的(以下「利用目的」という。)をできる限り特定しなければならない。」としており、相談の目的を超えてはならないことも明確です。ただし同法第18条2項「人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。」は例外とされていますが、これは生死に関わるような医療において適用される除外条件が一般的な見方です。

2. 公務員倫理法

 公務員の行動規範を定めた法律で、教育委員会のメンバーや職員は、職務上知り得た秘密情報を漏らさない義務を負っています。具体的には、国家公務員法第 100 条「職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。」とされています。このほか国家公務員倫理法(平成十一年法律第百二十九号)同法第18条「会長及び委員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。」とされています。続いて、地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)にも同様な表記があります。同法第34条「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。」とされています。なお罰則があり、第60条「次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」ともあります。

 

ここで秘密とは、『「一般に了知されていない事実であって、それを了知せしめる ことが一定の利益の侵害になると客観的に考えられるものである(行実昭 30・2・18)」。 「いかなる事実が秘密に該当するかということは、個々の事実について、 一定の利益、すなわち、保護されるべき利益の社会的価値を判断して決め るほかはない、とされている。…秘密というのは、「非公知の事項 であって、実質的にもそれを秘密として保護するに価するものをいう」と 解されている(最高裁昭52・12・19決定)」ともなっています。』つまり正当な理由がないと相談自体は、第三者に開示されるべきでありません。


引用元
 

3.自治体の条例

自治体によって規則が定められていることもあります。例を紹介します。川崎市個人情報の保護に関する法律施行細則を説明します。同条例『第1条この規則は、教育委員会(以下「委員会」という。)の保有個人情報について、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号。以下「法」という。)、個人情報の保護に関する法律施行令(平成15年政令第507号。以下「政令」という。)、個人情報の保護に関する法律施行規則(平成28年個人情報保護委員会規則第3号。以下「個人情報保護委員会規則」という。)及び川崎市個人情報の保護に関する法律施行条例(令和4年川崎市条例第76号。以下「条例」という。)の実施に関し必要な事項を定めるものとする。』という定義があります。ここで、令和4年12月28日条例第76号川崎市個人情報の保護に関する法律施行条例のうち第20条「市長は、個人情報、仮名加工情報又は匿名加工情報(以下この条及び次条において「個人情報等」という。)の取扱いに関する苦情について、公正かつ簡易迅速な処理を図るため、川崎市個人情報保護委員(以下「保護委員」という。)を置く。」とされ、それを守るべき運用として同条2項「保護委員は、前項に規定する苦情の申出に基づき、必要があると認めるときは、実施機関、事業者等に対し、個人情報等の保護に関し是正その他必要な措置をとるよう勧告することができる。」とされています。つまり教育委員会ひとつにとっても相談内容については、必要となる限度を超えないように苦情・要望をすることができる位置づけとされています。居住地域によっても異なるので、自治体の手続きを調べておきましょう。

 

▼行政が却下したときは

●行政不服審査法(保護者の登録・認定)

 

●行政不服審査法(基本編)

 

 

●子どもの様子を保護者として把握しよう

 

●保育施設や学校施設などの子どもに関連する法律の位置づけ

 

●別居監護であることの正当性

 

●離れて暮らす子どものメンタルヘルスケア

 

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