若松英輔さんの本『生きていくうえで、かけがえのないこと』あまりに すばらしすぎて...。 | 富田林・じないまちの 本と雑貨 『緑の小道』日記

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富田林市には大阪府唯一の重要伝統的建造物群保存地区の寺内町があります。古本&雑貨屋店主の日々の雑記や愛読書紹介のブログです。2021年に母を亡くした後から苦しい日々となり、心はまだ鬱状態で動悸もありしんどいですが、毎日なんとか乗り越えてます。






『人間はときに、苦しみによって
生きる意味へとつながる人生の門に導かれる。』

『同じ人間が二人といない以上、
同じ悲しみは存在しない。
だが、異なる二つの悲しみは、
異なるからこそ
響き合うのではないだろうか。』


『人がもし、悲しみを語ることを止めたなら、
世界は一層暗くなるだろう。
闇を照らし出す強靭な光はつねに、
悲しみの奥から放たれるからだ。

さらにいえば人は、悲しみを語るなかで
自らの傷を癒す言葉を、自分の口から語り出すのではないだろうか。』




....若松英輔さんの本は、今一番読みたい本かもしれない。
※『悲しみの秘義』とか、度々紹介してきたけれど、今回も、本当に素晴らしかった...(涙)

いまの私には本当に必要な本である。
(※付箋だらけになったこの本は、自分用です。ごめんなさい🙏)

若松英輔『生きていくうえで、かけがえのないこと』(亜紀書房)

吉村萬壱という人も、同じタイトルの本を
出しておられるけれど
(あえて、そういう試みがなされたらしい。)
吉村萬壱さんは、
若松英輔さんの文章について、
こんなふうに書いている。

『若松英輔の文章には、気休めのようなものがない。
どの一篇も、この世で最も深く厳しい次元にまで
筆を届かそうとしている。
それは一種の怖さをもたらす。
「悲しみ」というテーマひとつを取ってみても、
若松英輔の言う悲しみは
コトバの最も深刻な意味における悲しみである。それ以外の中途半端な悲しみになど、
彼は関心がない。
何故か?
それは、最も深い悲しみの中にしか真の救いがないということを、彼が経験上知っているからである。
悲しみの底にまで達したことのある人間のコトバには、強い説得力がある。』


....なんとうまく表現してくださってるんだろう。
私は うち震える。

『...何かに耐えているその人は、
意識しないところで何かを信じているのではないだろうか。
少なくとも耐えている自分を信じようとしている。』

『また耐えるとは、内なる詩人が目覚め、
その存在を醸成するときでもある。

人は誰も内なる詩人を宿している。
詩を読み、心動かされる。
それは眠っていた内なる詩人を呼びだす合図になる。』

...確かに、若松英輔さんの文章にふれると、
私の中の内なる詩人が目覚めるように感じる。
若松英輔さんの文章だけではないけれど。
(前にも書いたけど、私は坂爪圭吾さんの文章にも惚れている。)

若松さんは言う。
うまく書こうなんてしなくてよい、と。
本当に心に宿ることを、手でなく、心で書け、と。

そして、
『これが自分が書く最後の文章だ、と思って書くことだ。
今書いてる言葉は、生者だけでなく、死者たちにも届く、と信じて書くことだ。

そしてこの文章は、誰か未知の他者が、
この世で読む、最後のものになるかもしれないと思って書くことだ。』と、書いておられる。


『......自分の悲しみが、他者に完全に理解されることはないのだろう。
他者の悲しみを知り尽くすこともまた、
ないように思われる。
だが、異なるものだからこそ、
調和し、共振し、
響き合うことができるのではないか。

悲しみを語り合うことで 
これまでは世に存在しなかった調べを生むことが
できるのではないだろうか。

心を癒す慰めの花もまた、悲しみの谷に咲いている。』

『』内
若松英輔
『生きていくうえで、かけがえのないこと』(亜紀書房)より


若松さん自身も言うように、
人生には、本が読めなくなるような時期がおとずれたり、
悲しみが極まり 涙が涸れることもあるけれど
そんな時こそ ちょっと踏ん張って、
このような本を読んだりしてほしいなと思う。

『闇を照らし出す強靭な光はつねに、
悲しみの奥から放たれる』─これに 私は感動だ。
でも、こんな素晴らしい言葉には
普通に暮らしてたら出会わない気がする。

だから、読書の時間は 貴重なのだ。

先のことがまったく見えない私だけど
私もまた、《悲しみの底にまで達した人間》だから....
来年からは、もっと 煮詰めて煮詰めて
もっと 自分の言葉を語ろうか─。

※ 過去にも、若松英輔さんの本
紹介してます。



『たましいの世話』はまだ残ってます



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(天候にもよりますが)。
1月8日まで。午後からゆっくり開店です🙏

1つ前の記事も参照下さい🙇
その他いろいろ...




大みそか、いつもの名言紹介の前に
もう1つ記事を書きたいけど
間に合わないかも💦
(インスタには書きましたが😌)
間に合わないなら1月にまわします🙏


 

 



 

 



 

 



 

 

※年末年始、やれなかったことがいっぱい💦

いそがしさもあり、キャパシティの狭い私。

コメント欄は やっぱり、以前のように

基本的にオフにさせていただこうかと思います🙇


すみませんが

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